『桜降る代のゆるい午後 ひとコマ』その6

2020.08.20 Thursday

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    メガミたちのゆるい日々をフルボイスでお届け。
    動画は声が流れますのでご注意を!

     

    だいたい月1回くらいのペースで更新予定です。ご期待くださいませ。


    画像版はこちら↓

     

     

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    ゲームマーケット出張版2020浅草で書籍キャンペーンをお届け

    2020.08.14 Friday

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       こんにちは、BakaFireです。本日は実に明後日、2020年8月16日に控えたゲームマーケット2020浅草における出展内容をお伝えいたします。私どもBakaFire PartyA08となっております。
       
       これまで小説書籍版の記事ロードマップの記事でまとめて触れてはおりませんでした。これらの記事を含めて普段よりお付き合いいただいている方々には繰り返しの内容となりますがご容赦くださいませ。
       
       ゲームマーケット2020浅草では『桜降る代に決闘を』の新幕シリーズと『惨劇RoopeR』シリーズを主に取り扱います。シリーズ各々の既存作は概ね一通り持っていきます。お品書きはこの記事の末尾に用意しますので、そちらをご覧ください。
       
       そして当イベントでの目玉は以下の2つとなります。
       
       
      小説書籍版キャンペーンで
      プロモーションタロット「Aユリナ」を手に入れよう!

       

       

       2020年8月5日にKADOKAWA様より、本作の小説シリーズの書籍版『桜降る代の神語り 第2巻』が発売されました。その発売を記念して小説キャンペーンを実施いたします。
       
       本ブースにて『桜降る代の神語り 第1巻』または『桜降る代の神語り 第2巻』をお求め頂いた全ての方に、1冊につき1枚のプロモーションタロット「Aユリナ」をお贈りいたします。
       
       ぜひともこの機会に小説に触れ、本作の物語にも踏み入ってみてはいかがでしょうか。
       
      ※ このキャンペーンは今回限りではなく、今後のゲームマーケットでも予定しております。感染拡大防止に向けた各自の判断のもとで無理のない形でお越しいただければ幸いです。

       

       

      『第伍拡張』プレリリース期間開始!
      新たなメガミ・メグミの力をいち早く試してみよう!

       

       

       本日2020年8月14日には本作の最新拡張となる『第伍拡張:異語邂逅』のプレリリース期間が開始し、新たなメガミ・メグミの全カードが公開されます。
       
       こちらのカードはこちらの記事よりpdfで入手することが可能ですが、ゲームマーケット2020浅草ではより高画質で印刷されたリーフレットを受け取れます。宜しければ上のキャンペーンのついで持って行ってやっていただければと思います。

       


      お品書き

       

      『桜降る代に決闘を』関連


      桜降る代の神語り 第1巻 1,400円
      桜降る代の神語り 第2巻 1,800円
      基本セット 3,500円
      達人セット 6,000円
      第壱拡張:神語起譚 2,000円
      第弐拡張:神語転晴 2,000円
      第参拡張:零限突破 2,700円
      第四拡張:大洋航路 2,700円
      異絵巻:第一弾 4,000円
      祭札二〇一九 3,500円

       

      『惨劇RoopeR』関連


      惨劇RoopeR 5th 4,000円
      脚本集 1,200円
      脚本集供1,700円
      拡張0:Midnight Zone 500円
      拡張1:Mystery Circle 500円
      拡張2A:Haunted Stage Again 500円
      拡張2B:Weird Mythology 500円

      新たなメガミと萌芽し生育

      2020.08.10 Monday

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         こんにちは、BakaFireです。

         

         先の記事で私どもは『第伍拡張』のロードマップをお伝えしました。公式小説『八葉鏡の徒桜』の短期集中連載カードゲーマーvol.53への広告と記事の掲載小説書籍版『桜降る代の神語り 第2巻』の発売シーズン5の大規模イベント「オンライン大決戦」の実施と進み、いよいよ本日から『第伍拡張』の第一次プレビュー期間が始まります。

         

         ロードマップには14日より新たなメガミ1柱の全カードがpdfにて配布され、プレリリース期間が始まるとあります。ならばその時に向けて新たなメガミを紹介するのは当然でしょう。さらにプレビュー期間として日刊でのカード公開も行ってまいります。

         

         さあ、それでは異語りをはじめましょう!

         

         

        向こう側の世界より来たりて――

         

         多くの方にとっては初対面でしょうが、彼女のことを幾らかご存じの方もいるでしょう。これまで同様に彼女は物語などの方法ですでにプレビューされています。

         

         物語における彼女の登場は劇的、ある意味では唐突とすら言えます。彼女はエピソード6の幕引きに突如として姿を現し、物語を大きく揺らしました。ご安心ください。彼女の正体、そして活躍は現在連載中のエピソード7で遺憾なく語られることでしょう。

         

         もうひとつ。7月31日にホビージャパン様より発売したカードゲーマーvol.53でも彼女の紹介が行われました。そちらでは季節戦で参戦しているメガミたちの紹介や、なぜか私が出ている紹介漫画もございますので、良ければ手に取っていただけると嬉しいです。

         

         それらを通して3枚のカードと、彼女のギミックが紹介されました。この記事でもそれらを一通りお話いたしましょう。さあ、向こう側を垣間見る時です!

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         向こう側より来たりし未知のメガミ・メグミをご覧あれ!

         

         

         メグミの正体は明かされていませんが、その権能は農耕、開拓、それに伴う植物の生育に関連しています。それを表現しているのが種結晶です。彼女はゲーム開始時に5つの種結晶を持ち、それを萌芽させます。土壌ボードをご覧いただけば分かりやすいでしょう。

         

         

         サリヤの造花結晶は近い例です。ただしサリヤはゲームを通して『使える』状態から『使えない』燃焼済へと変化させますが、メグミは逆に『使えない』状態から『使える』萌芽状態へと変化します。

         

         種結晶を萌芽させる方法とその使い道はどうなのでしょうか。そのために彼女の戦い方をまず説明しましょう。メグミはカードタイプ《付与》に注目する中距離ビートダウンのメガミです。

         

         付与カードを使用すると、そこに桜花結晶を納める前に種結晶がひとつ萌芽します。そして萌芽した種結晶はダストやオーラにある桜花結晶のように付与へと納められます(※)。まさに今展開されつつある付与に納めてもよいですし、貯めておいても構いません。

         

        ※ 付与札の上からダストに送られる際には萌芽していない状態に戻り、土壌へと移動します。

         

         つまりメグミを宿すだけで序盤から付与が使いやすくなり、あらゆるメガミの付与が強力になります。付与を活かした戦略は実現しやすくなるでしょう。

         

         宿すだけでメリットとはいささか不当でしょうか。いえ、彼女には欠点があります。彼女のカードの大半は付与が前提となっており、付与を展開できないと貧弱なのです。デッキには普段以上の付与が求められるでしょう。それは即ち、新しい観点で眼前構築を見る実力が試されているとも言えます。

         

         メグミの主力を担う攻撃からもそれは明らかでしょう。「打擲」をご覧ください!

         

         

         山札1巡目に種結晶を乗せた付与を展開し、3/2を一発。この流れはひとつの基本です。

         

         では種結晶は付与のサポートに過ぎないのでしょうか。勿論そんなはずはありません。萌芽した種結晶を用いて彼女の付与を「生育」しましょう。「鳳仙花」をご覧ください。

         

         

         納1では畏縮させるだけの付与です。ですが萌芽した種結晶があれば、生育の値まで種結晶を追加で付与に納められるのです。即ち「鳳仙花」は納1〜3だと言ってもよいでしょう。

         

         「鳳仙花」を生育1で置き「打擲」で攻めるように、細かく種結晶を使っていくのは有力な戦略です。しかしお待ちください。より多くの種結晶を貯める選択肢もございます。「瀧河希の掌」もご覧ください。

         

         

         種結晶を3つや4つと貯めておけば一気にこの付与を生育できます。破棄されるまでに決着を狙うのも現実的ではないでしょうか。

         

         萌芽した種結晶を短期的に利益としていくのか、それとも未来の収穫に向けてじっくり貯めていくのか。農業的リソース運用の感覚をお楽しみいただければ幸いです。

         

         

        ここから第1次プレビュー期間だ!

         

         本日はここまで……ではございません。本日8月10日より第1次プレビュー期間が始まり、メグミの新カードが1枚ずつこちらにて公開してまいります。

         

         さっそく本日8月10日の新カードをご覧いただきましょう。今こそ「可能性の枝」が広がります!

         

         

         続けて11日のプレビューはこちら。「葦」をうまく生育して間合を管理しましょう!

         

         

        12日のプレビューはこちら。「因果律の根」は切札枠と引き換えに動作の安定をもたらします。

         

         

        13日のプレビューはこちら。萌芽させた種結晶を「殻打ち」で加工しさらなる可能性に至りましょう。

         

         

         

        プレリリースで全カード公開中!

         

         そして14日をもってすべてのカードが公開され、プレリリース期間が開始となります。ロードマップでお話した通り今回のプレリリースではpdfにてカードを公開し、誰もがダウンロードできるようになります。ダウンロードしてA3サイズで印刷し、自宅やプレイスペースでご友人と、あるいは近くのお気楽交流祭などのイベントにてお楽しみください。

         

        プレリリースカードはこちら!

         

         それでは第1次プレビューもこれにて終わり! お付き合いいただきありがとうございました。本日は8月16日に開かれるゲームマーケット出張版2020浅草の告知も行いましたので、そちらもご覧いただければ嬉しいです。

        『八葉鏡の徒桜』エピソード7−1:序

        2020.08.07 Friday

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           ぱちり、ぱちり。
           扇を一段だけ開き、また閉じる。そんな乾いた音が、トコヨの手元から生まれている。彼女のその仕草が、考え込みすぎて自分の世界に没頭しないようにするためのものであると、天詞は浅からぬ付き合いで知っていた。

           

           あるいはそれは、語ろうとしている何かを直視しすぎないようにするためかもしれない。
           僅かに目を伏せて言葉を選んでいるその姿は、悲壮な体験を客観的に見ようと、記憶の扉を慎重に開こうとしているようだ。

           

          「何から話したものかしらね……。随分と入り組んだ話だし、あたしと細音が視たものも大分違いそうよね」

           

           稽古ではずばずばと的確に問題点を指摘してくるトコヨらしくない物言いだった。それが、彼女が未だ核心を得ていないのか、それとも結論から述べることが憚られているのか、判断のつかない天詞には息を呑んで待つことしかできない。
           トコヨは隣のサイネに視線を送り、

           

          「どう? 何か、分かりやすい『違い』でもあるといいのだけど」

           

           チカゲもミズキも、言外にかわされた内容を理解できていないようで、サイネの反応を黙して待つ。
           ただ、彼女の反応は、糸を解しきれていないといった様子のトコヨとはまた異なっていた。

           

          「はい……私からお話するべきでしょう」

           

           自分だけがそれを知っており、いよいよそれを語るべき時が来た――重く口を開いたサイネは、確信と共にこの出番を待ち望んでいたようだった。けれど、彼女ほどの武人とあろう者が言葉を繰るためだけに息を整える様は、肩の荷を下ろすだけでは済まない何かがこれから告げられるのだと強く予感させる。

           

           光を映さないサイネの瞳が、その何かを捉えるように揺れる。心なしか昔日を懐かしんでいるように天詞には見えたけれど、すぐに曇って隠れてしまった。

           

          「この地と向こう側が大きく道を違えたのは、おそらく二十年前……あの決闘からでしょうから――」

           

           懐旧を噛み潰すように、サイネは語り始める。
           それは、彼女が未だ人間であった頃、この地におけるかつての英雄譚の幕開け。
           天音揺波と氷雨細音の、最初の決闘であった。

           

           

           

           

           

           


           一歩、ないしは二歩分の距離。それが、刀と薙刀の間合いの差である。
           手を伸ばせばすぐに縮まるであろうその距離は、この銀世界に現れた、刃ひしめき合う決闘の舞台においては絶対的なものとなる。

           

          「はッ!」

           

           懐へ入ろうとする揺波の動きに、薙刀が振り下ろされる。
           予めそこに置いてあったかのように放たれた斬撃に、揺波の前進は拒絶される。思わず足踏みをしてしまい、そこを狙う次の一撃を察知して、一歩だけ下がる。
           少しだけ、揺波の眉がひそめられる。

           

           盲目であることが嘘のように、迎撃は的確であった。
           美しく迷いのない太刀筋は、揺波が今まで相手にしてきたどの相手のものよりも正確だ。打ち合うことすら必要なく、たった一度振り下ろされた刃を見ただけで、この戦いが今まで通りにいかないだろうと彼女の直感が告げていた。

           

          「てやァッ!」
          「……っ!」

           

           追撃として大きく横薙ぎに振るわれた薙刀を、辛うじて刀で受け止める。
           だが、揺波のやるべきことは変わらない。
           ただ勝つために、前に出るのみだ。

           

          「ふッ!」

           

           合わせた刀に力を込め、薙刀の軌道を無理やり明後日の方向へと逸らす。そうして僅かに空いた隙間へ揺波が身を躍らせ、小さく刀を振り上げる。
           細音もそれは想定の範囲内だったようで、急速に引き戻された刃が揺波の肩を捉えた。
           そこにあるのは、揺波を護る結晶たちだ。

           

          「おぉッ!」

           

           砕け散る盾を見送って、細音の胴を斬りつける。
           しかし、細音もまた同じミコト。桜花結晶は等しく彼女たちの力となる。
           揺波の刃は、自分がまたそうしたように、細音の結晶を砕くだけに終わった。
           後手となった彼女に訪れるのは、隙だ。

           

          「やッ、はぁッ!」
          「ぐ……」

           

           下がりながら、それでいて鋭い細音の連撃が、打ち合わせようとした刀を尽く避け、揺波の身体から結晶の成れの果てを吐き出させていく。その精緻さは、一太刀ごとに彼女が集中力を高めていっているようでもある。
           細音が捉えたものは全て断ち切られる、不可視の領域。
           立ち入れば、なます切りにされた上で追い出される、細音の支配圏。

           

           初陣で相手にした偉丈夫のミコトのように、後の先を得意とする者は何度か相手にしたことがあった。けれど、彼らの最も大きな圧力は腕力だ。障害を乗り越えた先に、暴力が待っている――そんな戦法を前にして、揺波は一度その身で攻撃を受けた上で、さらに前に出る解決を図っていた。

           

           細音の圧力は、技だ。
           一度受けきってしまえば、撹乱する揺波を捉えきれない腕力だけのミコトとは違い、受けられてもなお臨機応変に斬撃を繰り出してくる細音が相手では、払う犠牲が多くなりすぎる。
           細音自身もまた、それを理解した上で、後の先を戦術の中核に据えているはずだった。
           だからこそ、

           

          「……!?」

           

           それでもなお飛び込んでいく揺波に、細音の顔に動揺の色が浮かぶ。
           揺波は斬撃の雨に怯むことなく、その身体から護りを吹き散らしながら、噛み付くように刀を振り下ろした。

           

          「あぁッ!」
          「っ……」

           

           一閃された胸元から溢れる桜吹雪は、揺波の払った代償に比べたら小さなものだ。
           そのまま揺波は、細音が力の入らない至近で振るった薙刀と鍔迫り合いを演じながら、ぐいぐいと彼女を押していく。
           一瞬、互いの息遣いだけが場に響く。

           揺波が睨め上げる細音の瞳は、やはり揺波を映すことはない。けれど、意思は確かに交差しているのだと、微かに歪んだ口端が示していた。

           

          「ぐぅっ……!」
          「……!」

           

           膠着状態を破ったのは揺波だ。薙刀を払い除け、大上段に刀を振り上げる。
           しかし、刀が振るえる位置というのは、薙刀を振り落とせる位置ということでもある。短く持ったそれを盾に使っても構わない。揺波が望んで組み合ったにもかかわらず、離れるときには一方的に不利であった。

           

           細音が選んだのは、護りの少なくなってきた揺波の頭に刃を叩き込むこと。
           一拍にも満たない間に下された両者の決断。
           分は、揺波にあった。

           

          「な……!」

           

           彼女は刀を振り上げたまま、一寸足らずの距離で細音の刃をやり過ごした。
           相打ちする覚悟などではなく、細音がきちんと隙に合わせて打ち込んでくれると信じ、即座に攻撃に移らなかったのである。

           

          「やあぁッ!」

           

           肩口からの、大胆な袈裟斬り。盾を取り戻さずにいた細音がまともにそれを受ける。
           続いての二撃目は、引き戻した薙刀の柄で防がれてしまうものの、さらに手首を返しての細かな一刀が相手の腕を傷つけた。

           

          「ぐぅ……!」

           

           たまらず薙ぎ払ってきた細音に、揺波もこれ以上の連撃は不可能と判断したのか、刀を盾としながら細音が後退していく様を見送っていた。
           一気呵成に勝負を決めてしまうには、結晶が心許ない。猛烈な攻めは、猛烈な返しを相手にしては慎重にならざるを得ない。必要経費を支払って傷を与えてきたのだとしても、勝負を決めるために経費を払って先に結晶が尽きてしまったら元も子もない。

           

           しかし、それでいて細音には依然近寄り難い。揺波の間合いに再び入るまで、同じような打ち合いが行われたとしたら、敗北するのは揺波であった。
           このままでは、勝つことができない。
           自分の存在意義を、果たせない。

           

          「さあ……どうしますか?」

           

           純粋に、揺波の出方が楽しみといったように、細音は問う。
           それに揺波は、細音を見据えたまま、深く息を吐く。迷いが、白い吐息となって銀世界に消えていくようだ。

           

           その直後だ。
           揺波は、前に一歩踏み出すと同時、空いた右手を袖に突っ込んだ。
           目の見えない細音にその様子は判然としないようで、次の行動にもまた、疑念を呈するのみだ。

           

          「何を――」

           

           

           ほんの一瞬、揺波はその姿勢のままで固まっていた。否、一瞬と語るのも憚られるほど濃密な彼女たちの時間の中で、細音は確かにそのように感じていた。袖に差し込んだ右手を出すのを僅かに躊躇したような、刹那の交錯が命運を分かつ決闘においては無駄でしかない動きだった。
           無論、明確な隙が生まれれば、後の先を志向する者であっても前を踏む。
           小細工を弄する気配を孕んでいたのであればなおさらだった。

           

          「おぉッ……!」
          「ぁ――」

           

           揺波の迷いを断じるように、薙刀の刃が迫る。
           自らの愚行を悟った揺波は、猛くも落ち着いていた今までとは裏腹に、焦りを顔に滲ませて今度こそ袖から右手を解き放つ。

           

           ぱらぱら、と。
           雪と混じり合った地面に、指先大ほどの黒くて丸い何かがこぼれ落ちる。
           揺波の手から解き放たれたそれは、メガミの力を借りたものでもなんでもない。故にそれは、もしも先んじて放たれていたのであれば、細音は一切身構えることができなかっただろう。

           

           癇癪玉。
           聴覚を鋭敏とする者にとって毒となる、大きな音を生み出す小道具。
           この奥の手があったからこそ、決闘前の揺波は相手が耳聡い盲人であると知って幸運に感謝しさえした。
           だが、およそ刀と薙刀の真剣勝負には似つかわしくない搦め手は、あと一寸の命を断ち割るべく振り落とされていた刃には、もはや無意味であった。

           

          「っ、うッ……!」

           

           盾とする結晶もなく、慌てて刀を起こすものの、細音の刃はそれを予想していたかのようにするりと身体へ吸い込まれていく。
           そして、これを皮切りとして生み出されるのは、抗いようのない刃の嵐。
           癇癪玉が掻き消すはずだった猛威の中で、苦し紛れに突き出した刀は、空を切った。

           

           ぱぁん! と。
           そこでようやく、求めていた破裂音が響いた。突然のことに立会人たちもどよめくが、全て天音の使用人である彼らの声は、舞台に生まれていた光景によって消えていった。

           

          「あ……あぁ……」

           

           幼い身体が、膝から崩れ落ちる。取り落した刀が、細音の足元で転がった。
           とどめの一撃のために踏み込んでいた細音は、足の裏で爆ぜた癇癪玉の音に顔を歪めていたが、瞼を閉じたまま、睨みつけるように揺波のことを見下ろした。

           

          「見損ないました……!」

           

           侮蔑の言葉を吐き捨てて、細音は息を整える間もなく桜鈴を回収、そのまま背中に怒りを漲らせながら足早に去っていってしまった。
           己の存在意義を果たせなかった少女を、ただ一人、決闘の舞台に残して。
           この日、天音揺波は初めて敗者となった。

           

           

           

           

           


           その『事の起こり』を語り終え、サイネは沈痛な面持ちで湯呑に手を伸ばした。
           聞き手たちが呑み込むための時間が、静かに過ぎていく。突飛な内容に、誰もが少なからず眉間にしわを寄せていた。
           その中で、まず声を作ったのはチカゲだった。

           

          「あ、あの、念の為ですけど……それは――あなたが言うところの『この地の歴史』では、ユリナが勝利した決闘、ですよね? 癇癪玉で、あなたを翻弄して」

           

           英雄譚における彼女たちの初戦というのは、両者の因縁の起こりであると共に、勝利のためならば手段を選ばない当時の天音揺波の気質にも言及する逸話として登場する。天詞ももちろん知っており、それは他の聞き手たちも同様のようだった。
           チカゲの確認に、サイネは「はい」と短く認めてから、

           

          「この姿になってから私は、この地と向こう側……二つの歴史についての記憶を持つようになりました」
          「…………」
          「……あのとき、天音がほんの僅かに逡巡したのか、それとも私が、ほんの僅かに見切るのが早かったのか……こうして思い返し、二つの記憶を比べてみても判然としません。それだけ、あの決闘は紙一重でした」

           

           そして、とサイネは一呼吸置いた。

           

          「この決闘が、最後の決闘でした。それから天音家は衰退し、表舞台から姿を消します」

           

           誰もが知る事実とは違うのに、まるで実際に見てきたかのような物言いだった。
           いや、と天詞は胸中で打ち消す。
           サイネは本当に、『視た』のだ。
           そしてもしもその光景の中で、英雄譚の幕を開けるはずの幼き戦神が、早々に膝をついたというのなら。

           

          「つまり、細音の考える向こう側っていうのは――」

           

           一同を代弁するかのように、トコヨが続く。
           この場で生じた認識の差異こそが、彼女の言っていた『違い』。
           それを端的に示すべく、サイネは言葉を結んだ。

           

          「はい。向こう側は、天音揺波の敗れた――いいえ、天音揺波の……いない世界です」

           

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          オンライン大会で夏ノ陣を締めくくろう!

          2020.08.06 Thursday

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             こんにちは、BakaFireです。本日は8月のオンライン大会における計画をお伝えします。私どもは新型コロナウイルスの感染を憂慮して公式、準公式、公認イベントの受付を6月まで自粛しておりました。そして7月11日よりイベントを再開しております。

             

             しかし感染については未だ情勢が複雑で、オフラインイベントを中心にするのは難しいと言えます。それゆえにオンラインでの盛り上げも並行して行うべきです。さらに好ましいことに、オンライン大会は公式大会への参加が難しい都道府県の方に活躍の機会を与える面でも魅力的に働いています。

             

             ゆえに7月以降もオンライン大会を継続すると指針を固めており、当然ながら8月や9月も開催されます。本日は8月下旬から9月上旬のイベントをお伝えいたします。

             


            オンラインで夏ノ陣を締めくくろう!

             

             今回のオンライン大会では新しい試みも行います。今はシーズン5の終わりのみならず、半年間にわたって続いた季節戦2020春ノ陣、夏ノ陣環境における最後の時でもあります。

             

             私どもはその環境を締めくくる意味で、かつては大季節祭というイベントを計画していました。それぞれの季節戦環境での32人〜64人による大会です。ですが新型コロナウイルスの影響から実現は難しいと判断し、当面は見送ることにしました。

             

             そこで代わりにオンラインにてそれに類する試みを行います。来る9月5日(土)に「オンライン季節祭:2020夏ノ陣」を開催いたします。お気楽交流祭の期間もひと段落し、『第伍拡張』も発売していない狭間にあるため、時期としても丁度よいでしょう。

             

             人数は16人です。少しばかり少ないかもしれませんが、初めての試みであり、私どもは『第伍拡張』発売に向けて立て込んだ状況にあります。確実に安全な実施ができる人数と言うことでご容赦いただければ幸いです。今回がうまくいけば、おそらく11月に開かれる秋ノ陣ではより多くの人数が参加できるよう検討いたします。

             

             さらに特別なイベントとして普段よりも豪華な賞品を用意しました。平時の季節戦賞品に加えてプロモーション集中力「シンラ」1枚と、任意のプロモーションタロット1枚が優勝者に贈呈されます。この試みは新型コロナウイルスの影響で大規模なイベントが減り、過去のタロットを入手する機会が減ったことへの配慮も意図しています。

             

             8月23日(日)も前座としての季節戦の大会を開催し、両方のイベントへの参加も可能とします。ひとつの季節の終わりを共に楽しみましょう!

             


            オンラインイベントと日程につきまして

             

             本作は幸いなことにオンラインで対戦する手段が、準公式以上のもので2つございます。電子版準公式シミュレーターです。オンライン大会では準公式シミュレーターを用います。もちろん優勝者には従来通りの賞品を郵送いたします。

             

             管理しやすいように人数は制限し、シングル・エリミネーションによるトーナメント形式で行います。さらに大会進行の管理はdiscordで行います。参加にはdiscordが必要ですので、discordの公式ページよりダウンロードしてください。

             

             今回のスケジュールは以下の通りです。両方のイベントへの参加も可能です。

             

            日程とレギュレーション

             

            8月23日(日):季節戦/通常選択
            定員:8名
            形式:シングル・エリミネーションによる3回戦トーナメント

            タイムテーブル:
            13:30-14:20:受付ならびに使用するメガミの提出
            14:20-14:30:トーナメント表、全参加者が使用するメガミの公開
            14:30-15:40:1回戦
            16:00-17:10:準決勝
            17:30-18:40:決勝

             

            眼前構築5分間、桜花決闘60分、予備時間15分で進行します。
            時間までに着席が確認できない場合は審判がどちらかの勝利または両者の敗北として裁定を行います。

             

            賞品:
            ・プロモーションタロット「チカゲ」
            ・プロモーション集中力「ユリナ」
            ・ホワイトキラカード「桜降る代に幕開けを -神語り-」


            9月5日(土):季節戦/通常選択
            定員:16名
            形式:シングル・エリミネーションによる4回戦トーナメント

            タイムテーブル:
            12:00-13:10:受付ならびに使用するメガミの提出
            13:10-13:20:トーナメント表、全参加者が使用するメガミの公開
            13:30-14:30:1回戦
            15:00-16:10:2回戦
            16:30-17:40:準決勝
            18:00-19:10:決勝

             

            眼前構築5分間、桜花決闘60分、予備時間15分で進行します。
            時間までに着席が確認できない場合は審判がどちらかの勝利または両者の敗北として裁定を行います。

             

            賞品:
            ・プロモーションタロット「チカゲ」
            ・プロモーション集中力「ユリナ」
            ・プロモーション集中力「シンラ」
            ・ホワイトキラカード「桜降る代に幕開けを -神語り-」
            ・任意のプロモーションタロット1枚(※)

            ※ 2020年8月時点でイベントの参加賞、賞品となったものに限られます。具体的にはユリナ、ヒミカ、トコヨ、オボロ、ユキヒ、シンラ、サイネ、ハガネ、チカゲから1枚を選んでいただきます。


            必要な環境(全イベント共通)

             

            ・discordを閲覧できる
            ・discord上でマイクにて対戦相手と通話できる
            ・準公式シミュレーターを操作できる(シミュレーターはこちらです。事前に自分で卓を作り、操作法を理解しておくことをお勧めします)

             

            審判の業務(全イベント共通)

             

            審判はタイムテーブルに応じて試合の進行を管理します。
            審判はdiscordにログインしています。試合中にトラブルが生じたら審判をお呼びください。ログを参照しつつ事情を伺い、裁定を行います。

             

            参加方法(全イベント共通)

             

             参加する方法は簡単です。これまでの公式イベントと同様にこちらのページから参加申請を行ってください。自動返信でメールが届き、そちらにdiscordチャンネルへ招待するアドレスが記載されております。受け取りましたらチャンネルにご参加いただき、それにて受付完了となります(※)。

             

            ※ 参加申請の翌日の24:00までにdiscordにご参加いただけない場合はキャンセルとなります。ご注意ください。

             

             

            追記(2020/08/10)

             オンライン季節祭に想像を超える反響とお申し込みを頂き、深くお礼申し上げます。
             本作をいつも遊んでいただき、本当にありがとうございます。

             

             これほどの盛り上がりは想定できておらず、イベント関連における私の能力不足はいつも痛感しております。同時に皆様の情熱に深く感謝し、心よりありがたく思います。この部分については能力面で単純にあまり向いていないと私が認識していることもあり、皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ない限りです。

             

             ここまで早期に埋まるとさすがに申し訳なく、32人規模にできるよう頑張りたいのですが、次の問題があり、これらについて検討する必要があります。
            ・私個人が第伍拡張に向けた作業を多く抱えており、この上にさらに今回の件を抱えると無理が出て、どこかの品質に大きな問題が生じるリスクがある。それゆえに参加者管理においてスタッフの協力が必要である。
            ・オンラインでのイベントは時間の問題で1日あたり4試合が限度ではないかと考えている。
            ・1人で回せるのは16人が限度なので、当日もスタッフの協力が必要となる。

             

             当日と参加者管理においてスタッフのご助力を頂ければ、
            ・全勝2名のみ遅めの夜まで残る形を容認し、5回戦とする。
            ・勝者を2名決める形のイベントとする。

             このどちらかの方法で32人規模は実現できるとは考えております。

             

             現在、スタッフにご協力いただけるかどうかと、実現するとすれば上記どちらの形式が望ましいのかを検討し、32人定員にできないか検討を進めております。


             明後日12日までには結論を出し、この記事で告知します。さらに32人にする場合はリザーバー16番までの方にご連絡差し上げます。申し訳ございませんが、お時間を頂ければ幸いです。

             

            補足:64人規模は2日間開催にしなければ行えないため、今回は不可能だと考えております。

             

            追記(2020/08/12)

            スタッフとしてお手伝いいただいている友人たちの厚意もあり、32名規模へと拡大できることになりました。

            優勝者を2名出す形となるため、時間なども変更ありません。

            優勝者2名の合意がある場合に限り、名誉のみを賭けた5回戦も行います。