チカゲ反省会とカード調整

2017.03.31 Friday

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    すいませんでした

     

     こんにちは、BakaFireです。『桜降る代に決闘を』をお楽しみいただいている皆様、いつもありがとうございます。本日は深いお詫びと共に、私の失敗について語ることをお許しください。

     

     何の失敗かについては、先日の記事でも触れている通り、第壱拡張に伴うゲームバランスに関してのものとなります。まずは、そこで書いた内容を簡単におさらいしましょう。

     

    • 『第二幕』環境はこれまでで最良だが、ややトコヨが固く、ゲームが間延びしがちだった。
    • しかしゲームを壊す類の問題ではないため、今後の拡張での環境変化を図った。
    • ハガネは様々な面で上手くいっていると考えている
    • しかし、チカゲには問題があった。
    • 再版が重なっているため、妥当なコストで修正カードを印刷できるので、今調整を行うべきである。

     

     要は、チカゲのカードに問題があり、その解決のためにカードの調整を行うということです。しかしその前にチカゲについて語り、残すべき点と、改善すべき点をまとめるべきでしょう。まず現状が明確でなければ妥当性は計れません。

     

    チカゲの良かったところを考えよう

     

     チカゲの全てが失敗だったわけではありません。あくまで発売から半月しか経っていない現状では、すべてが本当に正しいかは分かりませんが、以下の点は成功であり、残すべきだと考えています。

     

    「闇昏千影の生きる道」のバランス

     

     このカードに関する(周辺のカードを含む)バランスは最も力を入れたところであり、絶妙な塩梅に落ちつけられたと考えています(その結果、他の箇所がおろそかになってしまったというご指摘には、深くお詫びするほかありません)。特殊勝利条件としてきちんと成立し、その一方で簡単に成功することもありません。

     

    毒カード

     

     毒カードと言うシステムそのものも魅力的に仕上がっていると考えています。使う側はどの毒を送るべきかを、使われる側はいかに処理するかを考える必要があり、新しい考えどころを生み出せています。さらに環境を揺らすことにも成功しており、相手の手札を圧迫するため、これまでの《対応》が安定していた環境にメスを入れられました。

     

     しかし、今のカードプールに問題があるため、毒はその楽しさ以上に、不愉快さが強調されてしまっています。次は、何が問題の本質なのかを考察しましょう。

     

    チカゲのやらかしたところを考えよう

     

     最大の失敗は、第一幕での癌だった間合0問題を繰り返してしまったことにあります。ユキヒ(ユリナでも一応可能)と組み合わせ、間合を0にしたうえで相手のリソースを削り取る動きは第一幕同様に強力であり、安定し過ぎていました。

     

     第二幕における間合0や1の特別性を楽しさに繋げるため、その間合の《攻撃》を持つメガミを作るというのは、私どもが行うべき挑戦と考えており、チカゲもその一環でした。「毒針」はその最たるものです。勿論、全くの無策ではありません。《攻撃》のオーラへのダメージをできる限り抑え、間合が近い攻撃はダメージが小さいという理念で実装したのです。しかしその結果は、大失敗と言うほかありませんでした。

     

     失敗の原因は間合0や1を活かすという目的と、毒カードの相性が良すぎた点にあります。近付かれた相手はリソースを払って後退しなくてはなりません。しかし毒は山札の一番上に入るためカードのリソースを奪い、さらに処理のためにもリソースを要求します。

     すると、基本動作で前進できないゆえの前進し辛さと、毒ゆえの後退し辛さがつり合い(下手をすると毒の方が強く)、結果として第一幕のような問題のある状況に戻ってしまったのです。

     

    ではどうするのか

     

     これらを踏まえ、以前の記事では2つの案を提示していました。A案は現状のコンセプトを維持しつつ弱体化させたもので、B案は間合を中距離にずらすというものです。東京(と有志で北海道)での大会の結果や意見も踏まえ、結論としてはB案をそのまま採用することにしました。

     

     最大の理由は楽しさです。B案は有志の方の「なぜ中距離にしなかったのか」というご指摘と、「何かこの方が楽しそうな気がする」という私の漠然とした予感から用意したのですが、想像を超えて楽しかったのです。これまでやや機能し辛かった中距離での戦いを実現させ、新しい盤面を作り出していました。

     

     なぜ楽しかったのでしょうか。それは、中距離こそが毒を活かす姿だったからだと考えています。上記の通り、毒は相手のリソースを削り取ります。ゆえに、中距離で攻撃する側が毒を入れれば、相手は前進を行い辛くなります。しかし、そもそもに基本動作の前進は強いのです。毒が入っても近距離側は絶望的ではなく、その一方で中距離側には悪くない時間が与えられます。これは良い姿での均衡であり、ゲームを魅力的にすると感じています。

     

     また、幸運にもストーリー面から見た不整合も解消されました。上記の理由(そして今後の拡張まで踏まえた間合帯のバランス)よりチカゲは近距離のメガミでしたが、ストーリーでは中遠距離で戦っていたのです。この不一致さは私どもの実力不足でした。致命的な失敗ではありませんが、今後のために反省が必要です。

     

     以上より、チカゲは中距離のメガミにすべきと結論付けます。

     

    個々のカードの話

     

     理由はほとんど話し終わりました。その上で、どのカードが修正されるかを説明しましょう。

     

    飛苦無

     このカードは問題のある強さではありません。ですが、中距離に《攻撃》を寄せるため調整されます。

     

    毒針

     このカードの問題は間合1と毒の相性の良さによるものです。《全力》でないタイミングで毒を入れるのはとても強力な効果なので、適正距離はそう簡単には戻れない5とします。

     これにより、序盤に2枚の毒を入れられるようになりましたが、序盤の毒は中盤以降と比べてさほど苦しくはないため、問題ないと判断しました。

     

    流転の霞毒

     このカードは間合0や1でのリソースの奪い合いを簡単にしすぎていました。毒を活用すれば再起も簡単であり、法外な強さであったと言えます。そこで、間合の下限を3とし、近距離では使いまわせないようにしました。

     一方で、中遠距離での使い回しを魅力的にするため、上限は7まで伸ばします。

     

    今後に向けて

     

     私どもの未熟さゆえに、拡張後すぐにこのような報告をすることとなってしまい、誠に申し訳ございませんでした。先日の記事でも書きましたが、改めてお詫びさせてください。

     

     これらの修正されたカードは5月以降、以下の方法での配布を予定しています。

    • ゲームマーケット2017春頒布の「祭札」への同梱
    • 各種公式イベント、公認イベント参加者のうち、希望する方への配布

     それまでの間は、誠に申し訳ございませんが以下のpdfファイルをご利用ください。この調整は公式大会では常に適用されます。公認大会はカード配布までの間は主催の方にお任せしますが、適用することを推奨します(当日、参加者の方に適用するかどうかのアナウンスをお願いいたします)。適用する場合、以下の修正カードを白黒で構いませんので、十分な枚数印刷してください。お手数おかけいたしますが、ご容赦、ご協力いただければありがたいです。

     

    修正カード

     

     今後の第弐拡張、そして第参拡張では今回の失敗を活かし、より魅力的なゲームとするよう尽力いたします。特に、間合0や1を魅力的にするという課題は、手を変えてまた挑戦します。今のところ、ハガネの「大地砕き」にはヒントがあるのではないかと考えているのですが、明確な回答には至っていません。どのような結果になるのか、ご期待いただければ嬉しい限りです。