2020年2月禁止改定

2020.02.03 Monday

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     私どもはバランス調整の宣言と、それに基づく理念に従い毎月第一月曜日にカードの禁止改訂を行います。この記事はその2020年2月のものです。禁止カードを出すことそのものについて疑問や不安を感じる方は、宣言あるいはそれを要約した理念をご一読いただければ幸いです。

     

    2020年2月禁止カード

     

    『祈祷師』ライラで禁止

    流転爪

     

    ※ これらの全体禁止はシーズン5の間、即ち2020年5月まで継続し、『第伍拡張』でのカード更新を通して解除されます。

     

    ※ この禁止は『祈祷師』ライラ固有のものです。オリジン版のライラでは「流転爪」は使用できます。

     

    2020年2月、季節戦参戦メガミ

     

    ユリナ、サイネ、ヒミカ、トコヨ、シンラ、チカゲ、ウツロ

     

    ※ 季節戦では彼女たちのオリジン版だけが使用できます。これら7柱はレギュレーションのテストのため選ばれています。環境に問題がないと判断されれば、2020年3月から5月の「2020春ノ陣」でそのまま用いられます。

     

     

     今月の禁止改定には本当に頭を悩ませました。結論を申し上げるならば、新たな禁止カードはございません。禁止の有無だけを確認するのであればこの記事はここまでで終わりです。

     

     この決定の背景にあった悩みと思考について説明させていただきましょう。少しばかり長くなりますので、興味がある方のみお読みいただければ幸いです。

     

     

    先月の禁止カードを踏まえた今の見解

     

     まず、先月の禁止カードを踏まえた見解をお伝えいたします。先月の禁止改定にて私どもは今の環境が9割がた期待した方向に進んでおり、大きな失敗を回避できたとお伝えしました。その上で残る1割に相当する失敗としてライラAにおける強さに問題があると判断し、禁止カードを出すことにしました。

     

     禁止には一定の成果はあったと認識しています。他方でなお今の環境には一定の偏りがあるのは間違いありません(※)。禁止は満点の成果は出しませんでした。しかしどうにか合格点の成果は出していると捉えています。

     

    ※ ただし、ここで言うような偏りはこれまでのシーズンでも見られており、シーズン5が極端であるわけではありません。むしろシーズン4と比べると改善していると捉えています。

     

     ゆえに私どもは今の環境について問題があるという結論を先に立てて主張しようと思えば、容易に主張できます。私はそれらの主張できうる問題を、禁止カードを出してまで是正しなくてはならない強い問題だと捉えるべきか悩み続けていました。

     

     

    禁止カードの目的の再確認

     

     そのために私は禁止カードを出す目的を再確認しました。

     

     自明な話を先に済ませると、ほぼ大半の組み合わせに対してほぼ確実に勝利できる組み合わせがあれば(大昔の例では『第二幕』のヒミカ/ホノカなど)それは禁止されます。もちろん今回はそういう話ではありません。

     

     次に同一視しやすい話を取り除きます。カード更新やバランス調整の目的は「全てのメガミが輝ける環境を作ること」にあります。しかし禁止カードはそうではありません。禁止カードの目的は環境から問題を取り除くことにあり、禁止カードを通して直接的に全てのメガミが輝ける環境を作ろうとすることはありえません。

     

     禁止カードは問題を取り除くためのものです。それではなぜ問題を取り除くのか。それは当然ながら、プレイヤーの皆様が楽しめるようにするためです。言い換えるならば、プレイヤーの楽しみを奪いすぎているものこそが真の問題と捉えられるべきです。

     

     そうなると次に考えるべきは、今の環境を楽しめるかどうかです。

     

     

    プレイヤーの気質に応じた体験の整理

     

     今の環境のどこが楽しく、どこが楽しくないかを百人に問うならば、当然ながら回答はまちまちになるでしょう。プレイヤーごとに気質は異なるものです。ゆえに私はプレイヤーの気質分類について考えました(※)。

     

    ※ この記事は気質分類を取り扱うものではないため解像度をかなり下げた形で考察を略します。ご容赦ください。また、考察において偉大な先人の功績を参考にしたのは言うまでもありません。

     

     今回において第一に分割するべきは、私は以下の2区分と考えました(もちろん大半のプレイヤーはこの2つがグレースケールとして混在していますが、どちらかへの偏りがあるのもまた確かです)。

     

    • ゲームを通し、体験をすることに楽しさを見出すプレイヤー
    • 勝利への挑戦に楽しさを見出すプレイヤー

     

     前者のプレイヤーがこだわるのは体験そのものです。パワフルな切札攻撃を叩きつけたい、怒涛の連続攻撃を決めたい、コントロールで相手を制圧したい、間合を制御して相手にまともに攻撃させないようにしたい、オーラや間合を無視して普通でない勝ち筋を追いたい、まだだれも見つけていないような相互作用を活用したい、特定のメガミを必ず使いたい。このような類型の中から自身の嗜好に合う体験をすることこそが、ゲームを遊ぶうえで重要なのです。

     

     後者のプレイヤーがこだわるのは挑戦であることです。事前の構築やマッチアップの考察、桜花決闘におけるプレイング、メタゲームを踏まえたメガミの選択などがきちんと勝利に影響し、自らの実力の証明につながらなければなりません。

     

     

    上記の分類を踏まえた今の環境

     

     これらの分類を踏まえて考察すると、シーズン5は総合的には魅力的だと結論づけられました。説明しましょう。

     

    1:前者のプレイヤーの何割か

     

     前者のプレイヤーにおいては、先月の禁止改定で申し上げた「私どもがゲームで目指したいもの」が強くかかわっています。私どもは気持ちいい瞬間を感じられるようにゲームを設計し、それは成功しつつあると認識しています。ゆえに前者の何割かにとってシーズン5は魅力的です。

     

     この面から禁止をすべきでない理由が生じます。今のゲーム体験を楽しんでいるプレイヤーにとっては禁止は彼らから楽しさを奪い去ってしまう忌むべき行為なのです。私どもは規制による抑圧を望んでいません。

     

    2:後者のプレイヤー

     

     後者のプレイヤーにおいても今の環境には魅力があります。現在の三拾一捨は偏りが確かに存在しながらも、絶妙な噛み合いにより興味深いバランスが成立していると私どもは捉えています(※)。ゆえに事前考察、メタゲーム、プレイングのいずれにも意義があり、シーズン5は魅力的と判断しています。

     

    ※ この詳細をすべてお話ししてしまうと、私どもが考える「現時点で想定している状況や強弱」を大規模イベントの前に開示することになってしまい、皆様の創造性やイベントの盛り上がりに悪影響を及ぼすと考えます。ゆえに今の時点では省略し、4月の禁止改定にて3月の大規模イベントの結果も含め、総合的な見解をお話いたします。

     

     この面は禁止の困難さも象徴しています。相当に複雑な噛み合いで今の競技的環境は成立していると私どもは捉えており、禁止を通してその中のピースを一つ取り除いてしまうとどのような結果が生じるか想像しきれないのです。禁止が環境を悪化させる可能性は否定できないどころか、相応の水準で存在しています。

     

     言い換えるならば今の環境にはそこまで悩むほどの、偏りを前提とした魅力があるということです。ゆえに私どもは胸を張り、今の環境をシーズン5の大規模という目標を見据えた競技的な環境として提供するべきだと決断いたしました。

     

    3:前者のプレイヤーの残り何割か

     

     しかし残された問題として、前者のプレイヤーの残り何割かにとってはシーズン5は魅力的ではありません。魅力を感じる体験は人それぞれです。今の環境の偏りはいくつかの戦略に基づいた体験の実現を困難にしており、それらを好むプレイヤーには私どもが目指す「気持ちいい瞬間」を提供できていません。

     

     では最後に彼らのために禁止カードを出すべきかどうかが争点となります。その上で私は考察を進め、2つの理由から禁止カードを出すべきでないと結論付けました。

     

     最後にそれらを説明し、この記事を終えましょう。

     

     

    理由1:私どもは環境の変化を望んでいる

     

     先月の禁止改定において私どもはシーズン3からシーズン4の変遷において環境の変化が不足していた点を大失敗として取り上げました。

     

     シーズン3と4も、そして今のシーズン5もそれぞれ魅力があります。しかし同一の体験が長期間にわたって続くと、それは作品への倦怠感につながり、大きな失敗となるのです。ゆえにシーズン4から5において私どもは意図的に体験の方向性を変えるように尽力し、それは成功したと捉えています。

     

     ならば当然ながら私どもはシーズン6では、意図的にシーズン5とは異なる方向に環境を動かそうとします。それは根幹にある「全てのメガミが輝けるようにする」思想ともかみ合います。今の時点で輝きづらいメガミに注目すると、必然的に体験の傾向も変化するからです。

     

     ゆえにシーズン5で満足していないプレイヤーは、シーズン6で満足できるようになる可能性が高まります。

     

     

    理由2:季節戦が開始する

     

     先週の記事でお伝えした通り、2月14日の再版から新たなレギュレーション「季節戦」が開始します。

     

     新しいレギュレーションでは使用できるメガミが異なるため、当然ながら味わえる体験は異なります。完全戦では抑圧されていた体験が結実できることもあるでしょうし、完全戦では得られていた体験が得られないこともあるでしょう。

     

     ゆえにシーズン5完全戦で自らの嗜好する体験を得られていないプレイヤーの中の何割かは、季節戦を通して体験を満たせる可能性があると考えています。

     

     もちろん季節戦が始まってすらいない現状では予測にすぎませんが、これもまた多くのプレイヤーの方が楽しめるようにする施策のひとつとして捉えております。

     

     

     本日はここまでとなります。次回の禁止改訂ならびに2020春ノ陣メガミ一覧の発表は3月2日(月)となります。大規模イベントの直前であるため、禁止カードは原則としては出しません。唯一の例外は多くの組み合わせに確実に勝利できるような自明な問題が生じた場合です。

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