始まる前の決闘録 第九回:炎天・紅緋弥香

2020.01.22 Wednesday

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    1.ヒミカアナザーのオリジン


     皆さんこんにちは、ローヴェレです。寒い日が続いておりますがお元気にされていますでしょうか。


     私も週末の関東の交流祭に参加してきたのですが、やはり多くの方がライラアナザーを使われており、他にも私はユリナアナザー、サリヤアナザーとマッチしてきました。それぞれオリジンとは全く違う戦略を展開してくるため、別のメガミが増えたようにも思えます。


     アナザーも定着して久しく、メガミ18柱に加え13のアナザーが加えられるに至っています。今思うと、アナザーもなく第三拡張までの13柱でやっていた二幕は組み合わせが少なかったんだなぁとしみじみします。


     さて、そんなアナザー版なわけですが、私たちディベロップ・チームは第壱拡張で発表するアナザーのカードリストをシーズン0、新幕の基本・達人セットの調整途中にデザイン・チームより受け取りました。


     アナザーという今までにない試みのリストを見た中で、特に鮮烈な印象を受けたのが今回ご紹介する「炎天・紅緋弥香」でした。


     新幕の交流祭では「物語テーブル」や「大乱闘」を毎月用意し、楽しんでいただいていますが、二幕では「メガミへの挑戦」という特殊フォーマットが時折登場していました。これはメガミに非常に強力な「原初札」というカードを切札・通常札に1枚ずつ追加し、合計13枚から眼前構築をする「メガミ」に対し、通常の双掌繚乱で戦うミコトが挑むという遊び方でした。

     

     そして2017年2月の交流祭で登場した「ヒミカに挑戦!」を覚えておられる読者の方もいらっしゃるでしょう。

     

    編注:2019年9月に行われたシーズン4の大規模イベント「白露の大交流祭」でも「コルヌに挑戦」が行われ、久方ぶりのメガミに挑戦に盛り上がりました。今後もこの形式の物語テーブルは行う予定ですので、ご期待くださいませ。


     


     二幕のライフは8です。そして「超克」ルールは存在しない(全カードが超克を持っている状態)ため、間合1以下に入ることは即死を意味していました。銃の間合から逃げすぎると即死が待っており、間合2でもオーラを5にしなければならない圧力は半端なものではなく、関東の交流祭では彼女に挑んだミコトが龍ノ宮の屋敷よろしく全員丸焼きになりました。(※)

     

    ※編注:通常札の原初札が、「機構条件が無く1ドローが付いた『あくせらー』」(クイックドロー)というとんでもない代物であったことが大きな原因であり、『祭札』として発売されたバージョンではそちらが調整され、攻略可能なバランスに落ち着いています。

     

    2.炎天回帰を目指せ


     二幕のプレイヤーでもあった当時のディベロップ・チームの面々にとって、「炎天回帰・紅緋弥香」はヒミカの象徴的なカードとして深く胸に刻まれており、なんとしてもこれを世のプレイヤーに届けるべく調整しようと意気込んでいました。


     とりあえず、テストプレイでは以下の状態から試され始めています。

     


     実際に印刷されたカードはフレアが7になっていることから分かるように、少しコストが軽すぎる可能性がありますね。序盤に相手を大きく削れる相方がいれば強力すぎるかもしれません。つまり、あとはカードパワーを多少調整すればそこまで大きな問題にはならなそうに見えます。


     というわけでパワーバランスを調整するべく(?)、ディベロップ・チームは「炎天・紅緋弥香」を携えテストプレイへと向かいました。

     

    3. かくして惨劇はループする

     


    攻撃    シュート
    攻撃    マグナムカノン
    攻撃/全力 フルバースト
    行動    バックドラフト
    攻撃    飛苦無
    付与    抜き足
    付与    泥濘

    攻撃    レッドバレット
    攻撃/全力 炎天・紅緋弥香
    攻撃    流転の霞毒


     

     動きは単純明快、1巡目に遠距離攻撃を加えて2ライフを奪い、あとは「抜き足」「泥濘」で間合0に相手を縛り付けて「炎天・紅緋弥香」でライフ7点を奪うだけ。簡単ですね。


     しかしオーラ5にすれば「炎天・紅緋弥香」がライフに通らない……と思いきや、威力は7/7・対応不可でした。


     ここで本記事の本当の意図を話しましょう。実はこのテストプレイをした時点では「超克」というルールそのものが存在しませんでした。つまり、どの攻撃もオーラへのダメージが6以上になり、実質的には「超克」を持っているようなものでした。こういうことです。

     

     

     当然この「炎天・紅緋弥香」はぶっ壊れカードであり、同時に同様の問題を起こしていた「遠心撃」「残滓の絆毒」(初期はX/Xでした)らにまとめて対処するため「超克」のルールが発明されることとなりました。


     二幕で一瞬ながら強烈な存在感を放った原初ヒミカは、シーズン0にはルールを作るという形でその遺産となったのです。

     

    4.おわりに


     今回ご紹介したデッキはいかがでしたでしょうか。二幕の最初期にふるよにと出合った私にとって様々なカードが「象徴的な」存在として胸に残っています。読者の皆様には私より早く始められた方から最近始めた方まで様々いらっしゃると思いますが、皆様それぞれにとって印象深く、ミコトとしてのあなたを象徴する一枚が見つかることを願っています。

     

     始まる前の決闘録・第九回はここまで、また次回、第十回を記念した特別企画「被害者の会の声」をお送りするまでお別れとさせていただきます。

     

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