シーズン4→5カード更新

2019.11.06 Wednesday

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    ※ この記事はゲームマーケットでの先行頒布で『第四拡張』を購入し、カード更新の理由をすぐに知りたい方のために11/23に注釈と共に暫定的に公開されました。そして11/27時点で加筆、修正、画像の追加と共に正式な文書として公開します。

     

     こんにちは、BakaFireです。いよいよシーズン4も幕を下ろし、『第四拡張:大洋航路』の発売と共に次の時代が訪れます。この記事ではそちらに封入されたカード更新パック(全国の協賛ショップで無料配布も行っております)の意図についてすべて説明いたします。

     


    前提としてのすばらしいニュース

     

     今回は少しばかり前置きが必要です。
     
     新たなバランス調整理念にある通り、シーズン3→4ならびにシーズン5→6以降はカード更新の枚数は押さえていく指針を取ります。しかし今回のシーズン4→5だけは例外であり、多くの更新を行うとも述べました。その理由を説明しましょう。
     
     大変ありがたいことに、皆様の応援のおかげで『基本セット』の品切れが近づいてきているのです。
     
     『基本セット』は本作を始める上で必要な製品であり、新たなプレイヤーが生まれないゲームには未来はありません。私どもには本作を『第伍拡張』以降も続けていく意思がございますので、『基本セット』の再版を行わないのはありえないでしょう。
     
     今すぐの話ではなく、再版による切り替わりが行われるのは少なくとも2か月は先となります。しかし今回の更新内容を説明する上で避けては通れない要素であるため、ここでお話しするのが誠実と考え、お伝えいたしました。
     
     私どもは再版に際し、『基本セット』にアップデートを行います。しかしここで強く強調させていただきますが、すでに『基本セット』をお持ちの皆様が買いなおす必要は全くございません。再版における変更点は以下の3点のみです。
     
    (1)シーズン5に対応する。
    (2)「はじまりの決闘」の「精霊連携」「煌めきの乱舞」を変更する。
    (3)上の2点に伴いルールブックに調整を行う。

     

     (1)は更新パックを全て適用していけば問題ありません。
     
     (2)は新たなプレイヤーの学習曲線として、より早い段階に「不可避」と「終端」を持ってくるためのものです。これらのキーワードはもはや私どものカードデザインにおいて欠かせない道具になりました。ならば、はじまりの決闘の時点で扱うべきでしょう。
     
     こちらについてはすでに「はじまりの決闘」はpdfデータが公開されており、基本セット再版に伴ってデータが更新されます。
     
     (3)については同じくルールブックのpdfファイルを公開する見込みです。
     
     基本セットが再版されれば新規プレイヤーは初めから更新された状態でゲームを認知できるため、カード更新の負荷が軽減されます。ゆえにこのタイミングこそが多くの枚数を更新できる唯一無二の機会なのです。
     
     
    プレカード更新について

     

     前置きはもう一つございます。今回は初めての試みとしてプレカード更新を行いました。その上でプレカード更新における試合のデータとフィードバックを参考にさせていただいております。
     
     他方で最終的な更新内容はプレカード更新と比べて大きく変化しました。これはプレカード更新の結果のみならず、シーズン4大規模イベントのデータと上述した基本セット品切れの情報が、プレカード更新記事の後、それもかなり近い日程で届いたためです。
     
     この点において今回はプレカード更新が機能こそしたものの、十全には活かせませんでした。しかしながら、プレカード更新により改善した点は間違いなくあり、今回の至らなかった点は今後の試みに生かしていけるよう尽力いたします。ご容赦いただければ幸いです。

     


    更新のコンセプト

     

     今回の更新において、私どもは環境の変化を最も重視しました。シーズン3とシーズン4は優れていた点も多々ありますが、環境変化の乏しさと、環境の狭さにおいては失敗であったと捉えています。
     
     そこでシーズン3とシーズン4で主流であった何柱かのメガミとは異なる方向性を持つメガミの上方修正を普段より重く検討しております。
     
     それ以外の見解はプレカード更新の際にお話しした総評の通りです。再掲いたしましょう。
     
     一言でいうならば、競技的な場での戦略の幅に問題があると評価しています。私はこれをかつての『第二幕』においてユリナ/トコヨが強力すぎた時代に近い問題と捉えています。端的に申し上げると、一部の戦略において強さと安定性の高さが高水準で両立してしまっているため、他の戦略が付け入る隙が小さすぎるのです。
     
     ゆえに改善に向けた指針も近しいものであり、両面から攻める必要があると捉えています。第一に今は環境の第一線で輝くには力不足のメガミが目立ちます。それらのメガミへの上方修正こそが最も重要な変更でしょう。
     
     第二に高さと安定性を兼ね備えた戦略をいくばくか弱める調整も必要です。4柱5柱に渡るメガミに調整が求められるならば下方修正は行わないべきだと私どもは捉えていましたが、吟味の結果としてそれを求められるのはより少数のメガミだと判断しました。ゆえに多くの上げる調整と共に、小枚数ながら下げる調整を施したほうがより少ない枚数で課題を解決できると判断します


     
     前置きはここまでです。今回は特に大きな更新であるため、全てのメガミへのコメントを行います。プレカード更新が行われていたメガミについてはそちらへの報告も行います。
     
     
    ユリナ

     

     プレカード更新の時点でユリナは問題視されており、その認識は今も変わっていません。他方でその際に述べた2つの点もまた依然として重要であり、その間でとるべき道を選ぶ必要があります。再掲しましょう。


    1:初心者が安心して大会に出られるようにする

     

     本作に初めて触れたプレイヤーはまず「はじまりの決闘」を遊び、その次にはユリナを見ることになります。ゆえにユリナは新規プレイヤーにとって親しみやすく、安定しており、そして本作らしい戦い方を学ばせてくれます。
     
     他方で私どもは新規プレイヤーがイベントに参加してくれることを強く望んでいます。最初は大会なしの交流祭こそがふさわしいでしょう。しかし2回目や3回目には大会のあるイベントに出てみたいと考える方もいるかもしれません。
     
     しかしそのハードルは高いものです。ゆえにそれを超えるための安心感としてユリナは重要なのです。ユリナを宿し、自分が学んできたことをこなせば、少なくとも悲惨なことにはなりません。全敗はするかもしれません。しかしユリナは安定性ゆえに多少のミスプレイは吸収できます。ゆえにその負けは惜敗になりやすく、未来に希望を持てる敗北となるのです。

     

    2:本作の王道の戦い方を環境に規定する

     

     ユリナは「間合を合わせて攻撃します」。つまりは本作の王道です。私どもは邪道の戦い方が通じる多様性を求めてこそいますが、邪道が王道を駆逐してはならないと強く考えています。ゆえにユリナはその安全弁として一定水準の強さが求められます。


     プレカード更新での案に点数をつけるならば、どうにか及第点という程度にすぎなかったと今は捉えています。ユリナというメガミをどのようにしたいのか明瞭でなく、芯のない更新でした。


     同時に、バランス調整の機能面でも十分ではありませんでした。オリジン版ユリナは75試合が行われ、勝率は56%と「強いメガミ」の範疇でしたが、アナザー版ユリナは23試合が行われ、勝率は83%でした。試合数が少ないために鵜呑みにすべきでない数値ですが、それでも83%は異常です。
     
     これらを鑑みてバランス調整の範疇ではなく、デザインの水準からユリナをどのようにしていくべきなのかに立ち返るべきだと判断しました。その点で重要であるのは「ユリナがなぜ強く問題なのか」ではなく「ユリナのどこが魅力的なのか」です。ユリナをデザインの面で再検討するならば、彼女の楽しさや魅力を残すよう行うべきです。
     
     検討の結果、「強力な攻撃を使用していく心地よさ」「攻撃の適正距離やダメージの違いから、間合を合わせる工夫や攻撃の順番における学びを得ていく楽しさ」「王道である攻撃を抜き、相手に合わせてカードを入れ替える必要があることへの気づき」と分かりました。
     
     喜ばしいことにこれは初心者、初級者、中級者それぞれにとっての楽しさであり、ユリナはあらゆる水準のプレイヤーにとって王道の学びと楽しさを提供する存在として機能していると分かりました。これらの点を変えるべきではありません。例えば「斬」「一閃」「月影落」は2つの理由で変更すべきでなく、プレカード更新で挙げた「柄打ち」更新も望ましくはなかった可能性があります。
     
     それらの魅力を残したうえでユリナはどうあるべきか。私は弱点のなさと、それに起因する汎用性に問題があると判断しました。例えば、広い意味でのコントロール相手にもユリナのビートダウンが機能しやすすぎる点がその一例です。
     
     もう少し掘り下げましょう。狭いコントロール、例えばトコヨに限れば充分にユリナと戦えます。しかしコントロールと広義に言えばより幅広く、相手のリソースの破壊、リソースの回復、間合の制御などもまたコントロール的な立ち回りです。私どもの結論は、これらの戦い方はもう少しだけユリナに対して対処しやすくあるべきというものです。
     
     ここまでの前提を踏まえ、実際のカード更新を説明します。


     

     

    「浦波嵐」「不完全浦波嵐」は終端を得ます。

     

     この更新案は基本セット再版に伴い実現が可能になりました。ユリナは「はじまりの決闘」の次に触れるメガミであるため、「はじまりの決闘」時点で終端に触れられるように体験を設計し直しておく必要があるからです。

     

     今回の更新はより多様なコントロールの立ち回りをユリナ相手に実現させる助けになると考えています。特に「浦波嵐」からの攻撃を無理やり通された際の負け筋がなくなるため、可能性を理由に動きを歪める必要がなくなる点は大きな影響を与えると期待しています。

     

     この更新の本質は、「浦波嵐」や「不完全浦波嵐」から(「月影落」を中心とした)攻撃につなぐ立ち回りは『新幕』では問題であったと判断したというものです。理由は2つあります。『第二幕』では「浦波嵐」「月影落」コンボに問題がなかった点も鑑みて、比較を通してそれらをお話ししましょう。
     
     第一の理由は『新幕』は全体的に攻撃の性能が上がり、ライフへのダメージが大きい攻撃が増えている点です。そうなると2/-や3/-の価値は『第二幕』よりも高まります。
     
     第二の理由は適正距離にあります。『第二幕』のユリナは間合1-2を得意としていました。この間合は強力ですが、無視できない欠点もあります。間合2まで進むには相応の手数がいるため、相手が間合を離すことに強く長けていると(いわゆるレンジロック戦法)「月影落」を使いづらくなります。さらに間合1には《前進》できないため、相手の後退方向に移動する対応への対処には手間がかかりました(例えば間合3に戻ったうえで「足捌き」するなど)。
     
     火力でユリナに劣っていたメガミもこれらの弱点を突けるため、『第二幕』ではユリナは今ほどに汎用性がありませんでした。しかし今の間合3-4ではこれらの欠点をすべて補ってしまい、さらに《離脱》の追加で間合3-4ゆえの弱みも補えてしまっています。

     

     この更新案には他にも良い点がいくつかあります。まず「浦波嵐」と「不完全浦波嵐」の間にフレーバー面での不整合が起きません。プレカード更新における「浦波嵐」消費4は私としては辛うじて妥協できる苦渋の決断でしたが、さらにその裏にはフレーバーから望ましくないと判断した案が無数にありました。
     
     さらに「不完全浦波嵐」はアナザー版ユリナの問題を解決できます。「不完全浦波嵐」からの「乱打」が失われればアナザー版ユリナによるリーサルプランは今ほどに簡単ではなくなり、より工夫したゲームを計画しなくてはならないでしょう。
     
     

     

     「足捌き」はユリナの中では強いカードではなく、採用されない試合も多い1枚です。しかしこの存在はユリナの弱点を消しており、結果として汎用性を過剰なものにしています。

     

     しかし「足捌き」を素朴に弱体化してしまうと、採用する価値の乏しいカードになりやすいという問題もありました。そこでこの1枚は第1類(下方修正)ではなく、第4類(その他の問題解決)に属するものとして、カードそのものの方向転換を行います。
     
     この更新の本意は、「浦波嵐」で述べたとおり間合における弱点を失ったユリナは、一定以上の性能を持つ移動カードを持つべきでないと判断したというものです。
     
     間合3-4は原則的には基本動作だけで立ち回れる間合です。それゆえに移動カードがなかったとしてもユリナの体験は損なわれません。その上で極端な間合操作を通してコントロールを試みる相手にはより工夫して対処しなくてはならなくなるでしょう。

     

     私個人としてはゲームバランスと関係のないところで悲しい更新ではあります。おおよそ3年半にわたり、本作の重要な役割を担ってきたこの1枚が失われることがただただ寂しいのです。しかし、理論と実践がこの結論を示すのであれば、これは必要な決定であると信じ、この決定に踏み切ることにします。

     


    サイネ

     

     サイネへの見解はプレカード更新の時から変化していません。上方修正は行うべきであり、さらに多くの枚数を更新できる機会であるならばなおのことです。
     
     プレカード更新環境においてサイネは81試合が行われ、勝率は44.4%でしたが、この勝率については私どもの決定に大きな影響は与えていません。やや悪い勝率であるため、プレカード更新での案をやや否定するひとつの要素として数えてはおります。
     
     カードの機能面におけるフィードバックは賛否両論であり、肯定的なものも否定的なものも同等にありました。
     
     しかしそれ以上に、フレーバーの面においてはほぼ満場一致で否定的な意見を受け取ることになりました。確かに私自身としても理念文書と照らし、プレカード更新の案が容認されるかどうかは事前に検討しました。理念文書ではサイネは自身と相手のオーラを見ることを特に得意とする一方で、フレア、ライフ、相手の手札、山札への干渉はタブーとしていました(昔に存在した原初札は理念文書制定前のものです)。そしてダストへの参照や干渉は普通でした。得意でも苦手でもないのです。
     
     しかし、サイネはこれまで一度もダストを見たことはありませんでした。ゆえに受け手はサイネは理念的にダストは得意としないと受け取っていました。そして「薙斬り」の案は強い意識でダストを見ていたため、理念文書の著しい逸脱だとフレーバー面の不快感を示したのです。私はこの点においてこの案が失敗していると判断しました。

     

     結論として、私どもは別のカードを更新することにしました。理由は3つあります。第一にフレーバーへの悪いフィードバックを私どもが重く見たこと、第二に他のカードへの優れた更新案が発見されたこと、第三には今の更新案の機能が悪くはないという程度で、際立って優れたものではないことです。

     

     

     「圏域」は機能の方向性を残したうえで新しいカードになります。
     
     これまでの「圏域」は機能していませんでした。理由はダストにあります。「圏域」を十全に働かせるにはダストが4必要であり、その上でサイネが得意とする間合まで移動するにはさらにダストを必要とするのです。さらにサイネはダストを0に近づけられるのに弱く、相手は必然的にその対策を取ってしまいます。
     
     また、サイネは1枚で自分の間合まで離脱するカードに恵まれていませんでした。他方でデザインの見解として、「跳ね兎」のようなカードを直接的に導入するのは、基本セットの枠内においてメガミごとの体験の差を強調する目的において好ましくないと判断していました。
      
     そこで圏域は婉曲的な形で2回の離脱を実現し、サイネが自分のターン開始時に間合4へと立てるようにしました。必要なダストも2つに減っています。そしてこの目的において「圏域」が元来持っていた達人の間合を広げる効果も必然性が強まります。
     
     他方でこの1枚が使いやすくなると、ライラなどの一部のメガミに対して達人の間合を広げる効果が強く働きすぎ、極端なマッチアップを形成するリスクがありました。そこで達人の間合の拡大幅は狭めます。

     


    ヒミカ

     

     ヒミカは全般的には魅力的な立ち位置にあります。そして今後のデザイン空間におけるリスクという面においては私どもとしてはバランス調整理念の更新に伴い、制御できる水準にあると判断しております。
     
     その上で改めて今のヒミカをとらえると、一部の組み合わせに限っては問題を引き起こしていると言わざるを得ません。具体的にはヒミカ/Aトコヨであり、また「魔食」の更新を経たヒミカ/ウツロにも若干の懸念が生じています。
     
     他方でそれ以外のヒミカのバランスは良好で楽しいものです。それらの多様な組み合わせを弱め、ヒミカ全体の魅力を損ねるような更新は避けるべきでしょう。

     

     

     「バックドラフト」はオーラへのダメージが「-」である攻撃が対象外になります。

     

     プレカード更新の案は正しく働いていませんでした。理由は2つあります。第一に、ヒミカ/Aトコヨに働いた以上に、それ以外のヒミカが弱体化しすぎました。第二にカードの使用枚数、間合、攻撃カードと異なる3つの要素を並行してみていたため、カードが流麗でなくなっていました。

     

     これらを鑑みて、よりヒミカ/Aトコヨ(ならびに部分的にヒミカ/ウツロ)に特化した更新を行うべきと判断しました。

     


    トコヨ

     

     トコヨは適切な強さにあると評価しており、下方修正も上方修正も行う理由はありません。より正確にはトコヨ、サリヤの2柱こそがバランスの基準となる立ち位置として最も適切と捉えています。他のメガミは必要に応じて彼女らの水準まで引き上げられる(一部に限っては引き下げられる)べきと捉えています。

     


    オボロ

     

     オボロへの見解はプレカード更新を経て変化しました。オリジン版とアナザー版でまったく別の話となるため、切り分けてお話ししましょう。
     
     まずはオリジン版から始めましょう。オリジン版のオボロは強力であるものの弱点も存在し、下方修正が必須ではないと判断しました。オボロのカードパワーにはいくらかの偏りがあり、小さな問題を含んでいる点も確かですが、今回のどの更新よりもその問題は小さいと考えています。

     

     プレカード更新で提示された「影菱」への更新は取りやめることにしました。この更新案は概ね好評であり、多くの上級者のストレス緩和につながる面から喜ばれるものでした。しかしながら、環境への影響はかなり小さいとも予測できたのです。
     
     細かい問題点として、テキストが少しばかり複雑になる点も無視はできません。オボロは達人セットの一番手であり、初心者も早期に触れる可能性のあるメガミです。事実、テキストが分かりづらくなったというフィードバックも受け取っています。
     
     総合的に見て、カード更新のための枠、慣れていないプレイヤーの認知負荷の増加、その上での影響の小ささなどを鑑みると、支払う資源と得られる成果が見合っていないと私どもは判断しました。もし更新カードを無尽蔵に出しても問題ないのであれば検討に値する案ではあります。しかしいくら大規模な更新にするとしてもものには上限があり、そこに「影菱」を入れる枠はありませんでした。
     
     次はアナザー版です。私はアナザー版オボロへの見解を全面的に間違えており、彼女はオリジン版以上に懸念し、調整しなくてはならない対象でした。プレカード更新環境でアナザー版オボロは142試合が行われ、勝率は55.6%でした。またアナザー版オボロの使用率は25.9%です。
     
     一見して勝率が高すぎるわけではないようにも見えます。しかしこれはアナザー版ユリナとは逆に、使用率が特に高いうえでの数字なのです。使用率の高いメガミのミラーマッチを起こしやすいため、勝率は50%に収束します。しかしアナザー版オボロはプレカード更新環境で最大の使用率を誇ったにもかかわらず、高い勝率を維持しています。

     

     さらに他の上方修正が行われたメガミを押しのけてまで多くのプレイヤーがアナザー版オボロを選択したという事実もまた、小さな問題を示していると捉えています。
     

     

     「不意打ち」は適正距離が1-3になり、ダメージの減り方が-X/-Xになります。

     アナザー版オボロの強みは「手裏剣」「不意打ち」から生まれる相手にとっての伏せ札のジレンマであり、それこそがアナザー版として体験させたいコンセプトでもあります。
     
     今の「手裏剣」も「不意打ち」も下方修正に値する性能ですが、コンセプトでもあるため弱めすぎるべきではありません。さらにどちらか一方が弱まればジレンマの圧力も軽減されるため、一方だけを弱めれば十分であると評価しました。
     
     どちらを更新するかは頭を悩ませましたが、「手裏剣」弱体化は適切な案が見つけづらい一方で、「不意打ち」の問題は言語化しやすく、また対応した更新案も見出しやすいものでした。

     

     「不意打ち」は伏せ札を1枚は作らせるだけの圧力を保持するべきです。しかし3/3でも十分に強いゆえに今は2枚以上を作らせる圧力まで高く、「手裏剣」は手札に戻りやすすぎました。間合の広さにおいても軽減し、山札再構成の直後など伏せ札を作りづらい場面でも、間合から対処する選択も取れるようにしました。
     

     

     消費が3になり、「最後の結晶」使用時にライフが0でなくてもライフ0になるようになり、使用時に手札1枚を失うようになりました。
     
     「最後の結晶」も下方修正に値する性能です。この1枚は相手のリーサルを大きく抑制し、返しでリーサルを返すという戦略を働かせすぎていました。そこでリーサルを返すというゲームプランをもう少し難しくする方向で整えます。
     
     返しでのリーサルは手札か切札を使用します。そこで手札1枚を失わせることで手札からのリーサルを、消費を1重くすることで切札でのリーサルを抑制します。これにより「最後の結晶」使用側にはより深い考察が求められる一方で、どちらの抑制も大きくないために多様な道筋を選ぶ余地が残ります。
     
     もう一つ調整の意図があります。Aオボロ/シンラによる15ライフデッキです。シーズン4ではユリナ、オボロなどが中心の環境に合わないためにさほど活躍はしませんでしたが、このデッキは強い警戒に値します。ゆえにアナザー版オボロにおける別の問題から「最後の結晶」を調整するならば、併せて対策を施しておくべきです。

     


    ユキヒ

     

     ユキヒへの見解はプレカード更新から変わりませんでした。プレカード更新でユキヒは52試合が行われ、勝率は67.3%でした。今のカード更新はユキヒの立場をより良いものにしており、次のシーズンも彼女は独自の立ち位置を維持すると期待できます。
     
     67.3%という数値から立ち位置の維持を心配し、強さの面で懸念しないことには違和感があるかもしれません。しかしながら私どもはユキヒに関してはシーズン1の頃からどちらかといえば上方修正を検討し続けていました。ユキヒの持つ間合0を活かした戦い方は当時から強みがありましたが、中距離面での性能に不十分さを感じていたのです。ゆえにこの数値は第一に、上方修正をしないべきである理由として読み取られました。

     

     他方で67.3%から直ちに下方修正の必要を見出すこともしません。まず52試合はそれなりの試合数にすぎず、これだけを理由に調整に踏み切ることはあり得ません。また今回はオボロ、ウツロの使用率が高く、それらに対してユキヒは一定の強さがあります。

     


    シンラ

     

     プレカード更新以降でシンラへの見解は変化し、そして最終的には戻りました。結論としてはシンラは次のシーズンでの変化を見てから判断いたします。
     
     今回のコンセプトである体験の幅を増やす面において、シンラへの上方修正は正しく働くと期待されたため、彼女の「森羅判証」における上方修正は重く検討されました。しかしプレイテストの結果としてゲームが破壊され、シンラが持つ「森羅判証」軸の戦略は今の時点でも相応に強力ではないかという見解が改めて強まったのです。

     

     クルルと併せて検討されたため、細かくは彼女の項目もご覧ください。
     
     もう一つ残された更新案として「完全論破」の消費を下げるやり方も検討されました。こちらの面では問題はなく、フィードバックも良好でしたが、カードの更新枚数において限界が見出されました。同時期にホノカの更新枚数を2枚にするべきであるという見解が示され、さらにその時点では印刷の版組みも進んでいたためにこれ以上は更新枚数を増やせなかったのです。
     
     ゆえに「完全論破」を入れる枠はありませんでした。シンラは環境面の被害が大きく、他の上方修正されたメガミと比べて環境の変化に伴って輝く可能性が大きいと考えられ、更新を見送る選択が取りやすかった点も理由にあります。苦渋の決断ではありましたが、どれを行わないか選ばねばならないならば、「完全論破」だと私が決めました。

     

     とにもかくにも、シーズン4はユリナとオボロが多すぎました。今回のカード更新を経てもなおシンラへの評価が変わらないほどにユリナやオボロが多いのであれば、それは彼女らの問題でしょう。他方でユリナやオボロが減ったにもかかわらずシンラが苦しい立場に留まるならば、改めてシンラへの考察が必要です。

     


    ハガネ
     
     プレカード更新の記事で書いた通り、私どもはハガネへの上方修正を検討しているものの、適切な対象を見つけられずにいました。そんな中で今回が更新枚数を増やせる唯一無二の機会であると分かり、私どもは改めて強く検討しました。
     
     結論としてハガネのカードは概ねうまくいっており、大きな方針転換は今の彼女の魅力を失わせる危険が伴うと判断しました。さらにハガネは相互作用でゲームを破壊しやすく、いくつかの更新案がそこから否定されています。
     
     ゆえに根幹を曲げず、その上でゲームを破壊しなかった案を採用することにします。
     

     

     「大天空クラッシュ」の消費は4になります。
     
     ハガネの持つ有力な戦い方は3通りあります。
     
    1:攻撃以外でオーラを空けるカードと組み合わせ「遠心撃」をライフに通す。
    2:クリンチ・リソース・コントロールとしての立ち回り。
    3:多数のカードと組み合わせ、巨大な「大天空クラッシュ」を打ち込む。

     

     この中で1を自己完結するかのように持つのは試すまでもなく問題です。2については今の環境でも活躍できており、ここから強化する理由はさほどありません。
     
     対する3はデッキとしてはそれなりのものはあるものの、今の環境での活躍はそれほどではありません。さらにこのように巨大な一撃を撃ち込む動きはハガネに望まれる体験にかみ合っており、今の本作でさほど見ないために体験の幅を増やすことにもつながります。
     
     「大天空クラッシュ」は十分に完成されたカードであり、これを複雑にするのは好ましいとは言えません。そこで消費を1だけ下げ、コンボをもう少しだけ実現しやすくすることにしました。
     

     

    チカゲ

     

     チカゲへの見解はプレカード更新から変わっていません。彼女には間合4への移動手段が不足しており、その解決がオーラへの打点や近距離ビートダウンへの耐性向上にも結びつきます。
     

     

     「遁術」にはプレカード更新の案をそのまま適用します。

     これはプレカード更新において最も正しく機能した2枚のうちの1枚です。この更新の働きは期待通りです。
     
     チカゲはプレカード更新環境でオリジン版が79試合が行われ、勝率は43%でした。アナザー版は34試合が行われ、勝率は58.8%でした。そしてこの結果が私どもの見解を変えることはありませんでした。

     


    毒カードのルール変更

     

     シーズン5の開始に伴って総合ルールが更新され、それらのアナウンスが行われますが、シーズンの間における混乱を避けるためにこちらで先行してお伝えいたします。
     
     シーズン5以降、毒カードのルールは以下の通りに変更されます。
     
    ・毒カードは伏せ札にする効果において選べなくなります。具体的には「スカーレットイマジン」や「四季はまた廻り来る」の効果で毒を選んだ際に、選んだうえで伏せないという挙動が行えなくなります。

    ・毒カードは使用メガミの情報を持たなくなります。ゆえに「他のメガミ」を参照する際において参照されなくなります。

     

    追記:

     理由を書いていないというフィードバックを受け、確かにここに書くべきであると判断し、同日に追記いたします。ご不快な思いをさせてしまいましたら申し訳ございません。

     

     毒カードはもともと、チカゲの特性として妨害を行うためのカードでした。しかしながら『第二幕』から『新幕』シーズン4にかけてのルールではいくつかの要素が毒カードの特性を利用し、毒が手札にあることから利益を得る手段が存在してしまっていました。特に『新幕』はシーズンが進むにつれてその類のカードが増え、チカゲを宿したにも関わらず、毒カードを用いることが裏目につながる事例が増えていました。

     

     これはメガミを宿したからには、そのメガミらしい戦い方を体験できるようにするという私どもの理念に反しています。従って、それらの事例を取り除けるようにルールの変更を行います。

     


    クルル

     

     プレカード更新においてクルルの性能は十分と評価していました。しかしながらメガミたちを強化していく指針に立ち、今回こそが更新枚数を増やせる機会なのであればクルルもまたその対象になり得ます。
     
     さらにクルルは今回のコンセプトともかみ合っています。彼女の戦略は今の王道から明確に外れており、彼女の強化は体験の幅を増やす方向に必ず働きます。
     
     他方で彼女の調整には十分な警戒が必要です。そこで彼女やシンラの戦い方を考察し、彼女らの戦略を「カウントダウン戦法」と定義することにしました。「えれきてる」などの戦法は間合と対応を無視してダメージを与えられるため、一定ターンでほぼ確実に勝利できます。つまりターンをカウントしていき、一定条件を満たすことを目指すのです。
     
     カウントダウンの強化とは、すなわち一定ターンで与えられるダメージ数の強化と考えると分かりやすいと言えます。その面においてクルルとシンラは考察が進められ、どの水準の強化ならば問題を引き起こさないかどうかバランス調整チームのメンバーと協議しました。
     
     結論として、クルルもシンラも「現在勝利するまでのターンの間に、もう1ダメージ与えられたほうが良いが、もう2ダメージ与えたらゲームは確実に破壊される」と分かりました。そこでどちらについても、1ダメージを伸ばし、絶対に2ダメージは伸びないやり方を探すことになります。
     
     そしてどちらについても方法は発見され、プレイテストを行いました。シンラについてはゲームバランスを破壊したため実装は見送られましたが、クルルにおいては成功しました。それこそが次の更新内容です。
     

     

     「いんだすとりあ」は捨て札からカードを封印できるようになります。
     
     これによって「いんだすとりあ」に「えれきてる」を封印する戦略においては、封印前に「えれきてる」を使用することで1ダメージを追加でき、それ以外のクロックは一切早まりません。
     
     さらにクルルを用いた他の戦略もやりやすくなり、より多様なカラクリの開発が行われるとも期待しております。

     


    サリヤ

     

     サリヤもまた今のところ下方修正も上方修正も行う理由はありません。トコヨと同様に、彼女は基準となり得ます。他のメガミは必要に応じて彼女らの水準まで引き上げられる(一部に限っては引き下げられる)べきと捉えています。

     


    ライラ

     

     ライラへの見解はプレカード更新の時から大きく変わってはいません。「風魔招来孔」を更新したことそのものは正しいと捉えていますが、結果として適正な水準を下回ってしまったため、他の面の上方修正が求められます。その候補として「円環輪廻旋」以上にふさわしい1枚はないでしょう。

     

     シーズン4における大規模イベントの結果を受け、ライラを上方修正する機運はさらに高まっています。
     

     

    「円環輪廻旋」はプレカード更新の案から、消費が2になり、対応となり、納が3になりました。

     

     プレカード更新における案は方向性こそ評価しているものの、いかんせん力不足でした。まず保証として1回は機能するという確約が必要でした。そこで対応カードとし、相手の攻撃に合わせて使用できるようにします。
     
     ライラは理念文書に対応は苦手であると定められていますが、対応した攻撃そのものを打ち消し、減衰、回避できているわけではないので問題ないと判断しています。
     
     さらに消費を2へと下げました。この点には少しばかり複雑な事情があり、プレカード更新時点ではアナザー版ライラと「闇昏千影の生きる道」の相互作用に問題があり、消費を3にする必要があったのです。しかしのちのプレイテストの結果としてアナザー版ライラが調整されたため、「円環輪廻旋」は適切な消費に戻せるようになりました。

     


    ウツロ

     

     ウツロへの見解はプレカード更新の時から変わっていません。ウツロはわずかに力不足で、フレアをひたすらに貯めて切札の火力で押しつぶす戦い方に脆弱性がありました。ゆえにその類の戦略への回答としてデザインされた「魔食」を、より現状に即した水準まで引き上げます。
     

     

    「魔食」にはプレカード更新の案をそのまま適用します。

     これはプレカード更新において最も正しく機能した2枚のうちの1枚です。この更新の働きは期待通りであり、ウツロを使用する機運を大きく高めました。
     
     その上でゲームバランスを壊していないか注視していましたが、プレカード更新環境においてウツロは116試合が行われ、驚くべきことに勝率は50%でした。(使用率が高いメガミは勝率が50%に収束しやすいとはいえ)この結果はこの更新案に対してひとまずは安心してよいと主張しています。

     


    ホノカ

     

     ホノカについての見解はプレカード更新から変化していません。ホノカはゲームを楽しむ分には機能する強さになりましたが、最終的に目指すべき水準には至っていないため、上方修正を行います。プレカード更新では「桜吹雪」が提示されましたが、そこから考えをさらに進める必要がありました。
     

     

     「桜吹雪」にはプレカード更新の案をそのまま適用します。

     

     しかし「桜吹雪」のフィードバックは良いとは言えませんでした。私どもはその点について考え、その原因は以下の点にあると考えました。
     
    不満1:ホノカの個性である「開花」の部分が無視されているように感じる。
    不満2:間合1-2が消えたことでこれまでできた立ち回りができなくなった。
    不満3:効果がホノカの理念に完全に沿っているようには見えない。

     

     まず1については、「四季はまた巡り来る」の更新で開花、変換だけが強化され、その結果として構築の幅が少し狭い点を考慮した更新であったため、ある意味では当然です。しかし他方で開花コンセプトの一部はまだ不十分で、更新が望まれているというフィードバックも重く受け止めるべきと判断しました。
     
     2については考慮には値しますが、他の目的のため受け入れることにします。詳しくは後述します。
     
     3を説明します。ホノカは「ネガティブな効果は持てない」と理念にあり、それを明言しています。その上で「相/オーラ→間合」という結晶の移動はネガティブではないかという問題です。
     
     これは決めの問題です。私としてはホノカの欠片に「相/オーラ→自/オーラ」という矢印効果がある以上、ホノカは始点を相手の領域にするのは不可能ではありません。むしろより好ましくないのは終点をダストにすることです。この点において「桜吹雪」は「間合→ダスト」がなくなったため、むしろホノカ的になったと考えています。

     

     加えて強さの面でも「桜吹雪」だけで十分とは言えません。ホノカはプレカード更新環境で77試合が行われ、勝率は42.9%でした。これだけで強い弱いを定められるとは思いませんが、少なくとももう1枚上方修正を行う余地はあると考えられます。
     

     

    「両手に華を」は機能の方向性を維持したうえで、新しいカードになります。

     

     ここまでを踏まえ、ホノカにはもう1枚更新を行います。続けてこの1枚の更新をなぜ行うのか、そしてホノカ全体が何を目指すべきと考えているのかを説明しましょう。
     
     まず、根本的な動機は上記の不満1から来ています。今の開花カードは「精霊式」シリーズは良好ですが、残り2種は機能が乏しいです。特に「胸に想いを」シリーズは一連の流れからホノカの別の戦い方を規定する役割が期待されており、改善が望まれていると判断しました。
     
     「胸に想いを」シリーズの効果を見ると、これもある種のカウントダウン戦法と言えます。放たれる攻撃は対応不可で間合も広く、一定ターン放置すると「そして新たな幕開けを」が完成して手に負えなくなります。
     
     そのことから、ホノカはカウントダウン戦法の要素も持ちえます。そして他のカードから来るビートダウン、コントロールそれぞれの要素も踏まえると、ホノカの(フレーバー、ストーリー、目指すゲーム体験でなく)環境的な理念は、3種の戦略が(一線級ではないまでも)実用的であるオールラウンダーとしての立ち位置を目指すべきと判断しました。
     
     これは偉大なメガミの転生した姿であるゆえに、桜花決闘の全てを内包するという意味でホノカ的でもあります。
     
     その上で現状のホノカを見ると、そのすべての要素が存在し楽しめるものの、環境で実用的とまでは言えません。そして1枚で解決しようとするとどこかを切り捨てなくてはなりません。「桜吹雪」をビートダウン的に十分すぎる性能(例えば2/2)にすると、もはやほかの調整は不可能で「胸に想いを」シリーズは切り捨てられます。他方で「胸に想いを」シリーズだけで十全なほどに機能させると、もはやホノカはカウントダウン戦法を中心に据えたメガミになってしまいます。
     
     ゆえに私どもはその両方に適度な更新を行う道を選びました。プレカード更新における「桜吹雪」は適度にビートダウンを強化し、併せてリソースの制御を重視したコントロールの補強にもつながり、3方向を強化する点で都合の良いものでした。したがって不満2における懸念を受け入れてでも実装する価値があると判断したのです。

     


    コルヌ

     

     コルヌは今のところ良好な立ち位置にあると評価しており、少なくとも下方修正はありえません。彼女と相性良く機能しうるメガミが追加されている点も加味し、もう1シーズン観察を続けるべきです。
     
     トコヨ、サリヤと同等に基準と捉えるべきかどうかについてはまだ判断を保留していますが、それなりに近い位置にあるとは感じています。

     


    ヤツハ

     

     私どもはヤツハへの意見を180度覆すことにしました。その最大の理由はシーズン4大規模イベントのデータにあります。そちらにおいてヤツハの使用率は僅か7.6%にとどまったのみならず、16試合が行われて勝率は25%でした。試合数は少ないですが、大規模はより競技的な舞台であり、その中で異常に低い勝率が出ている点は注目に値します(※)。
     
    ※ BAN率も20%と低く、強く相性を主張できる相手がいるようにも見えません。

     

     平時のヤツハの勝率が悪いわけではありません。例えばプレカード更新環境では37試合が行われ、勝率は48.6%でした。それではなぜヤツハは大舞台では勝率がひどく悪化するのか。バランス調整チームと重く話し合い、私なりの結論としては以下のようになりました。
      
     ヤツハは受け手のリテラシーを強めに求め、その上で正しく対処された際の下がり幅が大きいのです。特に対応カードへの脆弱性が強く、適切に対応カードを運用できるプレイヤーはヤツハを容易に打破できてしまいます。
     
     ゆえに私どもはヤツハの上方修正を決めました。今のヤツハの強みはパワフルながらもデメリットのある攻撃と、矢印効果を通した桜花結晶操作によるリソース制御です。このどちらかの強みを伸ばすべきでしょう。
     
     そこでヤツハの理念文書に立ち返りました。ヤツハの最たる本質はダークヒーローとしてのパワータイプであり、ビートダウンのメガミであるのです。そこでヤツハは攻撃に独自の強みを与えることにしました。

     

     

     「星の爪」「昏い咢」は対応不可(通常札)を得ます。「昏い咢」は代わりに不可避を失います。
     
     ヤツハは対応にことさらに弱く、それが得意な相手には極端なマッチアップを被る機会が多すぎました。そこで攻撃に対応への耐性を与え、極端なマッチアップを抑制します。また、ビートダウンのメガミとしての強みをユリナなどとは別の方向に向ける狙いもあります。
     
     他方でこれらの攻撃が自らのリソースを失わせ、使いづらい点には変化がなく、ヤツハ独自の欠点からくる個性も失われていません。
     
     

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