よりよいカード更新のために(後篇)

2019.09.30 Monday

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     こんにちは、BakaFireです。今回の記事はプレカード更新にまつわる後篇です。前篇の続きとなる内容ですので、先に前篇をご覧ください
     
     この記事ではまずはいくつか必要な前置きを行います。その上でメガミ個々への見解を述べつつ、具体的なプレカード更新の内容をお伝えしましょう。
     
     長文を読む時間がなく、結論だけご覧になりたい場合はこちらにカードのpdfファイルがございます。ダウンロードの上、ご覧いただければ幸いです。

     


    迷いの明示

     

     すべてのカード更新で、私どもは明確な意図と十分な理をもって説明できるよう進めてきました。ですが他方で迷いもまた常にともにあります。しかしこれまでのカード更新では確定したものとして胸を張って提供するべきであったため、迷いは全て切り捨ててきました。
     
     しかし今回は状況が違います。ゆえに今回の記事では意図と理はしっかりと説明したうえで、迷いもまた重要な個所はお話しします。この迷いがプレカード更新適用イベントにおける要点整理や、一部の方からうかがう見解の補助につながると私どもは考えています。

     

     そして私の迷いに当たる箇所は太字で書かせていただいております。皆様には本作のバランスにおいてそれぞれの想いがあると考えます。それゆえ前篇でお話しした通り、私どもにいくばくかのお力添えを頂けるとありがたい限りです。

     


    アナザー版の立ち位置の再定義

     

     次にお伝えしておかなければならないのは、アナザー版メガミの立ち位置です。私どもはシーズン3の途中からアナザー版の担うべき役割を再検討しはじめ、現在では結論が出ています。その結論は今回の更新案にも関わりますので、ここで説明しましょう。
     
     私どもはアナザー版メガミを「より新しい体験の提供者」だと捉えています。彼女らに求められるのはオリジン版以上に驚きのあるゲーム体験であり、新しさなのです。つまり彼女らを提供したい対象は「ゲームに体験を求めるプレイヤー」であり、「ゲームに競技性と勝利を求めるプレイヤー」ではないと定めます。ゆえに強さは最優先事項ではありません。
     
     誤解のないように捕捉しますと、これは彼女らを意図的に弱くデザインするというわけではありません。結果として「ゲームに競技性と勝利を求めるプレイヤー」も満足させられるならばより多くのプレイヤーに愛されるメガミになるからです。今ならばAトコヨやAクルルは素晴らしい成功と捉えています。

     

     その上で今回のカード更新ではアナザー版メガミに限った上方修正は行いません。彼女らに一切の上方修正をしないとまで言い切るつもりはありませんが、その優先順位は相応に低くなると考えてください。オリジン版を調整した結果としてアナザー版も輝くのは理想ですが、そこにこだわってオリジン版の調整が歪むのであれば諦めることもあるでしょう。

     


    全メガミの立ち位置の認識

     

     アナザー版の扱いを踏まえ、次に明らかにしなくてはならないのは今の全メガミの状況を私どもがどのように捉えているかです。もちろん個々のメガミの項目で述べるのですが、理解を楽にするためにもリストを先にお伝えしましょう。
     
     まずは分類の意味を説明します。その上でリストをご覧ください。
     
    下方修正が必要である

     強さ、安定性などの全般的な理由で下方修正が必要と判断しているメガミです。
     
    下方修正が必要な可能性がある

     やや強力である疑いがあるものの、下方修正が必要と断言するには至らないメガミです。
     
    適正である。

     全般的な強さを理由とした下方修正、上方修正は不要と判断しているメガミです。
     
    上方修正が必要な可能性がある

     やや力不足である疑いがあるものの、上方修正が必要と断言するには至らないメガミです。
     
    上方修正が必要または非競技的アナザー

     力不足ゆえに上方修正が必要なメガミと、競技的環境では力不足だと判断しているアナザー版メガミです。
     
    局所的問題がある

     これは上記の5分類とは別に有無を見ます。一部の組み合わせにおける問題や、ゲーム全体への影響における問題など、全般的な強弱とは別の問題を抱えているならばここに分類されます。

     


    下方修正が必要である

    ユリナ、Aユリナ

     

    下方修正が必要な可能性がある
    オボロ

     

    適正である
    ヒミカ、トコヨ、Aトコヨ、Aオボロ、シンラ、クルル、Aクルル、サリヤ、コルヌ

     

    上方修正が必要な可能性がある
    サイネ、徒神サイネ、Aヒミカ、ユキヒ、Aシンラ、ハガネ、ウツロ、ヤツハ

     

    上方修正が必要または非競技的アナザー
    Aサイネ、チカゲ、Aチカゲ、ライラ、ホノカ、Aウツロ

     

    局所的問題がある
    ヒミカ、オボロ

     

    ※ Aはアナザー版の略です。

     

     

    毒に関するルールの調整

     

    (この段落だけは10月1日の0時15分に追記されたものです)

     

     プレカード更新を適用したイベントに限り、ルールの小さな調整を行います。総合ルールにおける厳格な適用はこれらのルールが良い方向で機能するかどうか確かめられた後の話となるため、今の時点では一種の例外処理と捉えてください。

     

     毒カードは伏せ札にする効果において選べなくなります。具体的には「スカーレットイマジン」や「四季はまた廻り来る」の効果で毒を選んだ際に、選んだうえで伏せないという挙動が行えなくなります。

     


    ユリナ

     

     ユリナは強力ですが、その強さそのものはシーズン1のオボロ、サリヤ、ライラ、シーズン2のオボロには及びません。しかしながら確かな強さがあり、その上で高い安定性と弱点の少なさを兼ね備える点に問題があります。
     
     他方でユリナを弱くしすぎることを私どもは望んでいません。強く否定しているとすら言えます。それはユリナというメガミが本作で担っている役割によるものです。説明しましょう。

     


    1:初心者が安心して大会に出られるようにする

     

     本作に初めて触れたプレイヤーはまず「はじまりの決闘」を遊び、その次にはユリナを見ることになります。ゆえにユリナは新規プレイヤーにとって親しみやすく、安定しており、そして本作らしい戦い方を学ばせてくれます。
     
     他方で私どもは新規プレイヤーがイベントに参加してくれることを強く望んでいます。最初は大会なしの交流祭こそがふさわしいでしょう。しかし2回目や3回目には大会のあるイベントに出てみたいと考える方もいるかもしれません。
     
     しかしそのハードルは高いものです。ゆえにそれを超えるための安心感としてユリナは重要なのです。ユリナを宿し、自分が学んできたことをこなせば、少なくとも悲惨なことにはなりません。全敗はするかもしれません。しかしユリナは安定性ゆえに多少のミスプレイは吸収できます。ゆえにその負けは惜敗になりやすく、未来に希望を持てる敗北となるのです。

     

    2:本作の王道の戦い方を環境に規定する

     

     ユリナは「間合を合わせて攻撃します」。つまりは本作の王道です。私どもは邪道の戦い方が通じる多様性を求めてこそいますが、邪道が王道を駆逐してはならないと強く考えています。ゆえにユリナはその安全弁として一定水準の強さが求められます。

     

     ユリナ全体について語れるのはこのくらいです。次は更新案をご覧いただき、話を進めましょう。

     

     

     「柄打ち」の更新は私ども全員が概ね同意しています。ゆえにこの1枚はまず間違いなく行われるでしょう。この1枚はユリナとAユリナのリーサル圏を過度に広げており、またその自己完結性も高めていました。
     
     しかしその先においては完全に意見が割れています。「柄打ち」だけで十分であると捉えている面々と、より強い下方修正をかけるべきという面々です。人数でいうならば十分と捉えるほうが少しだけ多いですが、多数決で決めるべき問題とは思えません。
     
     私はこの部分にユリナを使う側の偏見と、使われる側の偏見が存在していると感じました。使っているプレイヤーは弱みが見えて必要以上に弱く見え、使われているプレイヤーは押し付けられている印象から必要以上に強く見えてしまいます。

     

     

     そこで「浦波嵐」は誰もが完全な納得をしない案を取り入れました。この調整案には「やらないほうが良いがこのくらいなら」「まだ足りないがやらないよりまし」という意見がどちらからも見られ、ここがちょうど偏見を取り除いた適切な地点である可能性を感じています。
     
     「浦波嵐」が選ばれた理由はユリナの理念文書によるものです。すべてのメガミの弱みもまた理念文書には書かれており、ユリナは防御がやや苦手であると記載されています(※)。しかし「浦波嵐」があらゆる対応カードの中でもトップクラスに優秀な1枚であるために、その弱みが全く機能していませんでした。
     
     この1枚、そしてユリナの過不足についてプレカード更新では強く見ていきたいところです。
     
    ※ 同じく弱点として移動が得意ではないと定めていたため「足捌き」もやり玉に挙がっています。しかしこちらはまともな更新案が見つけられていません。

     

     

     ここまではオリジン版の話です。次はアナザー版についてお話ししましょう。
     
     私どもはユリナのオリジン版とアナザー版を互角ととらえています。ゆえにオリジン版に2枚の調整を施すなら、アナザー版も2枚を施さねばなりません。
     
     最初に前置いた通りアナザー版は体験を優先します。アナザー版ユリナに求める体験はダイナミックな逆転劇であり、ピンチに陥った際の爆発力です。ゆえに決死に陥った後の「乱打」の強さは下げるべきではないと判断しました。
     
     他方でアナザー版ユリナは未熟な存在で、不安定です。ですがユリナが持つ適正距離2の2/1は私どもが考えていたよりも強力でした。ユリナの優秀な打点が裏に控えているためにこの2/1はライフが選ばれやすく、決死に入るより前に安定したダメージを与えられてしまっています。そこで未熟さや粗削りさを強調し、キャラクターを感じ取るという体験を優先した結果として1/2とし、決死前でのダメージを与えづらくしました。
     
     ちなみに過不足の問題は彼女も同様です。「柄打ち」だけの調整で問題ないのかどうか。同様の視点で見ていきたいところです。

     


    サイネ

     

     サイネの上方修正はシーズン初期にはほぼ決まっていましたが、今になって幾ばくかの迷いはあります。サイネがすでに強力であるという見解もあり、シーズン4の大規模イベントで準優勝の三柱に残るなどの結果も残したためです(※)。

     

     しかしその上でひとまず上方修正を試すことにします。これには2つの動機があり、まず中遠距離をより輝かせるという狙い。そしてもう一つはユリナで書いた1と2はサイネにも当てはまる点です。むしろこれらの役割をユリナ1柱に担わせた点に歪みがあった可能性すらあります。
     
    ※ ただし準決勝で敗北したプレイヤーから「サイネが環境にいないと思ったため研究と対策をおろそかにしてしまった」というコメントも受け取っており、意識されて研究対策を行われたらどうなのかは定かではありません。
     


     
     様々な意図があります。ひとつずつお話ししましょう。
     
     まず広い世界でのバランスにおける前提です。私どもは無条件の適正距離4-5、3/2はあってはならないカードだと捉えています。しかし「剣の舞」の成功から、条件付きであれば問題がないとも捉えています。より具体的には、間合5に行くまでの「行き」か、最後にリーサルを狙う「帰り」のどちらかは3/2がそこそこ安定しても問題ありません。
     
     次にメガミの個性です。サイネはユリナの好敵手として並ぶビートダウンのメガミです。中遠距離のメガミたちそれぞれへの上方修正には多彩な方向性がありますが、下がって殴った際の力強さという点ではサイネが最もふさわしいと言えます。
     
     次は好敵手としての体験です。ユリナは決死などから後手としての逆転に重きを置いた設計です。ならば好敵手たるサイネは先手からのリードに重きを置くべきです。好敵手がまずリードし、主人公がそこから逆転できるかどうかという演出は物語としても魅力的です。そしてこの条件は「行き」で3/2になりやすいのです。
     
     最後にサイネの弱点です。サイネは間合0-2でダストを枯らされる立ち回りに弱すぎました。その立ち回りへの耐性としてダストが0ならばという条件は相応しいでしょう(※)。さらにこの条件は「圏域」や「無音壁」の救済にもつながります。どちらも額面は弱いカードではないのですが、サイネの弱みと重なった弱みを持つゆえに輝きづらい状況でした。
     
    ※ この条件はダストを枯らすことも推進するため、慎重に扱わねばなりません。「薙斬り」はサイネの得意分野との矛盾ゆえに機能しています。

     

     この調整が強力すぎないかどうかは懸念しています。プレカード更新で慎重に観察したいところです。

     


    ヒミカ

     

     シーズン3→4のカード更新でヒミカは大きく強化され、実に適切な位置で輝いています。強弱の面では問題ありません。しかしながら一部の組み合わせ、そして今後のデザイン空間においていくばくかの問題が生じています。

     

     

     「バックドラフト」は遠距離に偏りがちなヒミカに多様なメガミとの組み合わせを実現する、とても素晴らしいデザインのカードです。しかし今は2つの問題が生じています。「バックドラフト」は近距離のメガミと組む分には100%適切なカードですが、中遠距離のメガミと組むとなるとリスクが大きいのです。

     

     1つ目はAトコヨなどとの組み合わせに限った素朴な強さです。ヒミカは一部の組み合わせではユリナに並ぶ強さを発揮し、特にAユリナへの耐性は注目すべきです。今回ユリナへの調整を行うのであれば、それら一部の組み合わせに限っては併せて弱体化が必要という意見が示されました。
     
     2つ目は中遠距離のデザイン空間です。中遠距離のメガミを全般的に上方修正し、さらにハツミを追加する現状において、この1枚が他のメガミの強さに上限を定めてしまう懸念があります。
     
     この調整案は序盤や安定時の火力を引き下げて瞬殺問題のリスクを緩和する点に重きを置いています。他方で後半に間合が詰められた後、適切な順でカードを用いて逆転を狙う立ち回りは依然として行えるべきです。
     
     間合の閾値が4か3かはいまだ揺れています。ここは私個人の独断であり、「バックステップ」「シュート」から繋がらないとヒミカのカードとの相互作用がさすがに不足しすぎており、「バックドラフト」を使う場合のデッキ構築幅が極端に狭くなる点を懸念して決めました。

     


    トコヨ

     

     トコヨは環境で輝くほどに強く、その上で問題点もありません。きわめて適切な位置にいます。

     


    オボロ

     

     オボロはまだわずかに強い懸念があり、そしてデッキの多様性を広げるにあたっていくらかの障害を与えています。

     


     
     「影菱」はユリナ/オボロなどのビートダウン、ユリナ/トコヨなどのビートコントロールに対しては適正な強さですが、純コントロールやコンボデッキへの耐性が過剰です。そして件のユリナ/オボロがビートダウンとして一線級の強さがあるために様々な戦略を駆逐してしまっていました。
     
     私どもはケアが困難である点にその問題を見出しました。山札を再構成し、手札を1枚伏せて基本動作。その段階で「影菱」のリスクは生じており、次のターンの再構成からたくらみが破壊される可能性があります。そして素直なビートダウンならばある程度の痛手で済みますが、緻密なコンボである場合は半ばゲームの敗北に近いこともあるのです。
     
     そこで「影菱」の使用には今よりも前兆が見えるようにし、ケアに現実味を持たせる調整を施しました。
     
     オボロやAオボロの強さを私どもはほぼ適正と評価していますが、私個人としては迷いもあります。

     


    ユキヒ

     

     ユキヒの立ち位置に対して私どもは悩んでいます。素朴なカードパワー、特に傘を閉じたときの強さはやや不足していると感じられます。しかしながら戦型を開閉で選べるという利点や、クリンチという戦略そのものが相性的有利を取りやすいという点から、ユキヒはシーズン4においても環境で十分に輝きました。
     
     そして今の私どもは中遠距離をより輝かせるように更新を進めています。クリンチ戦略は一般的には中距離に対して有力で、また「しこみび」「かさまわし」「はらりゆき」を回転させる戦略は間合が中遠距離に固定される前提においては強力です。

     

     これらの点を鑑みると、これまで以上にユキヒを据え置く理由が強くなりますので、今回の更新は見送ることにします。

     


    シンラ

     

     カードの強さという面だけを見るならば、シンラは実に適切と捉えています。彼女の不幸はユリナとオボロが苦手であり、彼女らが環境の中心にいたことです。
     
     今回の更新でユリナ、オボロが少し落ち着き、他方で他のメガミがより環境で増えるのであればシンラが輝く可能性はあります。ゆえに今シーズンでの上方修正は不要と考えています。

     


    ハガネ

     

     ハガネは私どもが最も頭を悩ませているメガミです。上方修正の必要性はいくらか見えるものの、何をするべきか完全に迷走しています。
     
     カード個々の強さは十分。むしろ過剰なものすらありますが、メガミ全体の構造ゆえに弱みが目立っています。他方でその構造のいびつさこそがハガネの魅力であり、「遠心撃」などの良い意味での過剰さを成立させている理由でもあります。他方でその歪さゆえに下手な上方修正が局所的な組み合わせで問題を引き起こしやすいのです(※)。

     

     結論として、今日に至るまで私どもは更新案を用意できませんでした。誠に申し訳ございません。

     

    ※ Aウツロとの組み合わせはその最たるものでした。ハガネとの過剰な相性ゆえに私どもはAウツロを過度に下げるしかありませんでした。Aウツロのために「大破鐘メガロベル」や「大重力アトラクト」に手を入れるというのもまた奇妙な話だったのです。

     


    チカゲ

     

     チカゲの上方修正はシーズン4初期の時点から俎上に上がっていたため、相応の思考が巡らされています。実に5枚に渡って上方修正の候補となり(当たり前ですが実行するのは1〜2枚です)、吟味を重ねられていきました。
     
     最終的に上下両方から強さを測る指針になったこともあり、チカゲの調整は1枚にとどまりました。紹介の上、説明しましょう。

     


     今のチカゲの課題は3つ。「間合を4へと持っていく手段の不足」「オーラへの打点の不足」「ユリナやオボロなどの近距離ビートダウンへの耐性の不足」。この3つのいずれも「遁術」を後退しやすい形としてデッキに入れやすくすることで解決すると判断しました。

     

     1つ目は明らかなので割愛します。

     

     2つ目は「1/-」が入りやすくなるだけでなく、「飛苦無」「毒針」を使用できる頻度が上がる点に十分な意味がありました。この部分はもう1枚の更新でも改善を図ろうとしていましたが、想像よりもチカゲは強くなったために一度保留しています。
     
     3つ目は特に意識しているユリナと「月影落」で説明しましょう。「月影落」が多くのメガミに対して絶対的すぎるというフィードバックを私どもは受け取っていますが、それに対しては4つの態度のいずれかを示せていれば問題ないと考えています。「…樟榲耐性(トコヨなど)」「間接的耐性(ウツロなど)」「8合った圧力(サイネなど)」「ぢ召龍みゆえの受け入れ(シンラなど)」。そしてこれまでではどの態度も不十分だったメガミは確かに存在し、チカゲもその1柱でした。
     
     個々の説明は長くなるので略しますが、チカゲは△鮖つべきで、,鮖つとむしろ危険です。この「遁術」は確かに間合4からの「月影落」は防げません。しかし「遁術」が安定したカードになるとユリナ側も間合3から安直に放ちづらくなり、後退を強要され、毒やフレアの重さに圧迫されます。そして何より「一閃」への耐性が高まり、そこに「遁術」が飛ぶと「月影落」につなぎづらくなるのです。

     


    クルル

     

     結論を言うならば現状のバランスは良好であり、きわめて適切な位置にいます。少しだけシンラに近い不幸に見舞われていますが、シンラほど苦しい境遇にはいません。

     

     念頭に置いておくべき点はクルルはプレイングが難しいメガミだということです。ユリナの項目で「安定性ゆえに多少のミスプレイは吸収できます」と書きましたが、クルルは真逆です。多少のミスプレイが致命的な歯車の狂いに繋がり、結果として敗北しうるのです。
     
     ゆえにクルルが大会で結果を出しづらいのは不思議ではありません。しかしデッキというカラクリを巧みに組み上げ、高い水準の実力が伴えば十分に優勝を狙えます。ならば彼女はいまこそが適正と言えるでしょう。

     


    サリヤ

     

     サリヤは環境で輝くほどに強く、その上で問題点もありません。きわめて適切な位置にいます。

     


    ライラ

     

     ライラはシーズン3においては強力でしたが、今回のシーズンでは厳しい位置に立たされてしまいました。他方で「風魔招来孔」の調整は正しいと考えています。デザイン空間のリスクを軽減し、カードパワーの偏りを整えました。
     
     私どもは「風魔招来孔」調整によりライラが適正な位置に収まるのか、それとも適性を下回ってしまうか判断がつかなかったため前シーズンで上方修正を行いませんでした。しかし今シーズンの結果を踏まえると今回は上方修正を行うべきです。

     


     「円環輪廻旋」は失敗でした。私どもは凶悪なコンボが予見されるカードはプレイヤーの想像力に任せるため少し弱めに設計します。『第二幕』の「びっぐごーれむ」ではその配慮は大成功でしたが、「円環輪廻旋」では悲しい結果に終わりました。
     
     このカードは悪いことができそうなだけで、何もしませんでした。使いづらいとされるカード(例えば「スモーク」「どろりうら」など)はどれも、そのカードを入れたからこそ勝利できたというフィードバックを受け取ったことがあります。しかし「円環輪廻旋」だけは一度もありませんでした。
     
     「円環輪廻旋」は全く新しいカードになります。ライラはビートダウンも得意ですが、コンボや間合のコントロールなどの多様な戦い方にも魅力があります。この1枚は抑止力として時間を稼ぎ、いくつかの戦い方を押し上げてくれると期待しています。
     
     名前については回転の力を駆使し、相手を巻き込んで移動しつつ発電してゲージを貯めるというイメージです。「円環輪廻旋」という名前は気に入っているため、可能な限り残したいと考えています。

     


    ウツロ

     

     ウツロはほんの少しだけ力不足です。しかしながらあと一歩という段階にすぎず、断じて弱くはありません。彼女もまたユリナを中心としたビートダウンの戦い方に対しての耐性に問題を抱えています。


     それこそがダストを枯らしていきつつフレアを貯め、切札の打点を含めた火力で一気に押しつぶすという戦い方です。ウツロはダストに依存するため、不完全にでも枯らされると力を発揮しきれないのです。

     


     ウツロ特集でもお話しした通り、それらの戦い方への耐性を高め、極端な相性差を是正するために設計されたのが(『第二幕』の)「陰陽事変:陰」であり、「魔食」でした。しかし『新幕』の水準においては今の「魔食」は少しばかり力不足でした。
     
     そこで「魔食」の消費を4に引き下げ、機能させるべき相手に刺さり始めるターンを大きく早めます。これはチカゲの項目で述べた「月影落」への態度において、ウツロもまた不十分であり、そして△梁崚戮鮴気靴とれるようにするためのものです。
     
     この案には小さな懸念もあります。もしウツロが強くなりすぎるようならば、消費4は据え置いたうえでフレアをダストに送る個数を調整するかもしれません。

     


    ホノカ

     

     シーズン3→4の更新でホノカはゲームを十分に楽しめるメガミになりました。しかし競技的な場となるとまだ力不足と言わざるを得ません。もう1枚の上方修正でそれらの課題を是正します。

     


     ホノカの問題は実用にたる攻撃カードの枚数不足です。それゆえ(「指揮」が緩和してこそいるものの)構築の幅が狭く、また「精霊式」の変換においても望まぬ制約がつきまとってしまいました。
     
     変換を伴う多くのカードが「四季はまた巡り来る」で救済されているため、構築の幅を広げるには無関係な1枚を強化すべきです。そして標準的な攻撃カードの強化が望まれる以上は「桜吹雪」が適切です。
     
     「桜吹雪」は相手の望む向きへの移動が加わるために連続攻撃がしづらく、代わりに強力な攻撃でした。しかし『新幕』の水準では間合の広さはその「強力さ」において不十分でした。そこで間合移動の効果を自分にとってより都合の良いものにします。但しこの効果で間合2で使えるのは危険すぎるため、適正距離の面における強みは取り除きます。
     
     単純に3/1にするという案もありましたが、この案の効果のホノカらしさを気に入り(※)採用しています。

     

     ホノカの強さがどの位置まで引きあがるかはプレカード更新で丁寧に観察したいと考えています。
     
    ※ ホノカがダストを終点とした矢印効果を持つのはいささか不自然でした。またこの効果は「はじまりの決闘」におけるホノカの欠片のイメージを色濃く感じられます。

     


    コルヌ

     

     コルヌは環境で輝くほどに強く、その上で問題点もありません。きわめて適切な位置にいます。

     


    ヤツハ

     

     結論としては1シーズン様子を見たいと考えています。ヤツハはシーズン4で結果は出せていません。しかしながらカード個々の強さは相当なものです。さらに彼女はプレイングが難しく、プレイヤーの研究がまだ不足している可能性もあります。
     
     以上より今の段階での下手な上方修正はゲーム全体においてリスクが大きい判断し、ヤツハへの更新は見送ります。
     
     
     本日はここまでとなります。次回は早くて今週末、厳しい場合は来週中にシーズン4大規模イベントのレポートをお贈りいたします。ご期待くださいませ!