『新幕 半歩先行く戦いを』第4回:切札は秘めてこそ

2019.09.13 Friday

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     こんにちは、BakaFireです。こちらのシリーズは本作の攻略記事となります。目標は初級者から中級者へのステップアップ。ルールは理解できているものの、今一歩勝利への道筋を掴みかねている方を対象として、理論立てられた基礎をお伝えしております。

     

     もともとは『第二幕』のバージョンが連載され、完結しています。しかしシリーズそのものが素晴らしい点と、『新幕』で当時の知識が使えるかどうかが不明瞭である点を鑑みて、『新幕』へのコンバートを行っています。

     

     本シリーズは現在大会で活躍されているプレイヤーの中より、戦術の理論化、文章化に長けた強豪であるつきのみちさんに執筆して頂いております。それでは今回も始めるとしましょう。

     


    著者紹介:つきのみち
     本作を発売から今日にかけて遊んで頂いている古株のプレイヤー。具体化された理論に裏付けられたプレイングと、丁寧なメタ読みを得意とする。2017年8月のコミックマーケット92では本作の攻略冊子を同人にて作成、頒布した。新幕の大規模大会もシーズン1、シーズン2、そして第三回全国大会のいずれも4勝1敗で終え、その実力はいまだ健在だ。最近はゲームデザイナーとしての活動も始め、初の作品である『Psylent Phantom』は私どもBakaFire Partyより好評発売中! ぜひとも手に取ってみてね!


     

    『新幕 半歩先行く戦いを』

    第4回:切札は秘めてこそ

    著:つきのみち

     

     

     今回は切札について考えてみようと思います。切札はご存知の通り、通常札7枚と別に構築を行いフレアを支払って使用する3枚の札です。

     

     

    1.  切札の構築

     

     切札の構築は、以下の4つを考慮して決めます。上ほど優先です。


    .侫譽△足りるか
    ∩蠎蠅離薀ぅ佞10点ダメージを与えるのに必要(無いと10点与えられない)
    A蠎蠅遼標罎魎咾、あるいは相手からの先制リーサル(※)回避に必要
    と很麺利(次回で説明します)を取るのに必要

     

    ※ リーサル:Lethal(致死, 致命的)より、相手のライフを0にすること。相手から先制リーサルされる=自分が先にライフ0になってしまう。

     

    ↓は前回解説しました。い麓_鵑砲修粒鞠阿鮴睫世垢襪里悩2鵑枠瑤个靴泙后
    (先制リーサルと盤面有利は密接に繋がっているため、△鉢は実際には区別は難しいです。)

     

     

    2. フレアが足りるか考えよう。


     フレアが足りなければ折角の切札が使いきれず不利となります。効率の良い切札選定のためには、1回の桜花決闘でどのくらいのフレアが使用できるのかを見積もるのが重要です。


     結論から言うと、1回の桜花決闘で使用できるフレアはおよそ10程度と見積るとよいです。

     

     自分の初期ライフが10、オーラが3、間合が10あり、相手と自分が同程度の回数前進したとすると、達人の間合である2までに互いが4個の桜花結晶を得られます。これをオーラに2個、フレアに2個分配し、そしてライフに8ダメージを受けるとフレアが合計10になります。自分が死ぬ一歩手前と仮定したとき、盤上の共有リソースを等分配するとだいたい10くらいになる訳です。

     

     そしてさらに、ここから足したり引いたりして補正をします。「壬蔓」「Stant」などのフレアを加速させるカードがあれば、使用回数分フレアは追加で貯められますし(「Stant」は自オーラがある限りしか増えないので注意)、第1回の記事で書いた通り、「後退」するのは1回1フレア消費と同じです。「マグナムカノン」などのライフをダストに送るカードも使用回数分フレア取得量が減ることを考慮しましょう。


     フレア蓄積量は様々な要因が絡むので正確に計算するのは難しいですが、大体どれくらい使えるのか感覚を掴むと勝利に近付くでしょう。

     

     

    3. リーサル圏を計算しておこう


     少し今回のテーマからは逸れますが、通常札と切札の構築について説明したので、リーサル圏について説明したいと思います。リーサル圏とはリーサルできる範囲、すなわち相手のライフを0にできる条件です。リーサル圏は間合、自分の手札、フレア、相手のライフ等が絡んだ空間を成しているためデッキ構築時点で全てを計算し把握するのは困難ですが、最大ダメージ量と、それを発揮できる条件くらいは把握しておくと良いでしょう。

     


    自分:ユリナ/オボロ
    斬/一閃/柄打ち/居合/鋼糸/影菱/忍歩
    月影落/浦波嵐/壬蔓

    相手:対応札を持たない組み合わせ

     

    原則相手のオーラは5と考えましょう。
    間合は相手次第ですが、今回は2か3が主戦場と想定します。

     

    例えば

    • 自フレア8以上
    • 伏せ札に「鋼糸」があって間合3
    • 手札に「一閃」

     

     この条件が揃った状態で最適な動きをした場合を考えると、ターン開始時に再構成→「鋼糸」→「浦波嵐」→「壬蔓」→「一閃」→「月影落」と繋ぐとライフ6点を破壊することができます。

     

     この場合そのターンの手札の引きに左右されないため、ターン開始時相手ライフが6以下なら勝利確定……と言いたいところですが違います。「居合」以外は引けば何でも(「誘導」は「壬蔓」の前に入れると「壬蔓」がライフに入ります)ライフ打点が1以上伸びるため、ターン開始時点の2枚ドローで何か1枚は確実に打点が引けます。つまり相手のライフが7点以下なら勝利確定です。なお、再構成しなかった場合「宿し」で1フレア補充する必要があるため、引いてくる攻撃カードが「柄打ち」「影菱」だった場合ターン開始時の集中力によっては勝利条件を満たせません。

     

     ゲームが進んできて相手のライフが減り自分のフレアが増えてきた時に「あと何点相手のライフを削り、あと何点フレアを貯めれば勝ちか」を意識し、リーサル圏という目標地点から逆算して盤面を詰めていきましょう。目的地を明確にすることで、見逃しやすい確定勝利を見逃しにくくなります。

     

     なお、今回は簡単のため相手は対応を持たない組み合わせとしましたが、このゲームはほとんどのメガミが何らかの対応を持っているため、リーサル圏を計算する際にはきちんと対応を考慮しましょう。

     


    4. 切札の使用

     

    4.1. 切札は先に見せるな


     切札の使用の基本は「切札は先に見せるな、見せるなら更に奥の手を持て」という某漫画の名言がそのまま当てはまります。先に発動することで持続的に効果を得られるものを除けば、基本的に切札は「自分のライフが0になる時」か、「相手のライフを0にできる時(正確には、自身の勝利を確定できる時)」以外には使わない方が良いです。その理由は以下の通りです。
     
    .侫譽△鮠暖颪垢襪海箸納らの行動の選択肢が減る
    攻撃札であれば、相手にフレアを与えてしまう
    切札を公開することで情報を失う

     
    各々について少し詳しく説明します。
     


    .侫譽△鮠暖颪垢襪海箸納らの行動の選択肢が減る
     
     例えば自分がユリナを宿していると仮定したとき、自フレア7から「月影落」を使用したとします。こうして自分のフレアが0になった状態で相手にターンを渡してしまうと、自フレアが0のため「浦波嵐」によって相手の攻撃を軽減するという選択肢を自ら放棄しているのです。すると相手は容赦なく強力な攻撃切り札を使用可能となってしまいます。例えば相手もユリナを宿しているとするならば、自オーラ5からでも「一閃」をオーラで受けた瞬間に「月影落」をライフに直撃されてしまいます。
     


     攻撃札であれば、相手にフレアを与えてしまう
     
     相手のライフにダメージを与えることと相手のフレアを増加させることはほぼイコールです。強力な切札攻撃は当然相手に大量のフレアを供給するため、相手の選択肢を増やします。,塙腓錣擦襪函∩蠎蠅料択肢を拡大して自分の選択肢を狭めることになり、総合的には不利となることが多いです。
     
     攻撃をライフで受ければいつでもフレアは貯まるのだから、殊更切札を強調する必要は無いのでは?と思われたかも知れませんが、相手のライフを0にしてしまえば相手にいくらフレアがあろうとも無駄です。使う機会のないフレアは存在しないのと同じなのです。それゆえに、強大な威力を持つ切札攻撃はできる限り相手のライフを0にする瞬間に使い、相手のフレアを大量に無駄にさせることが重要です。
     
     ただし、消費フレアが少なく威力も低い切札攻撃であれば上記´△良塒は少ないため、先に打つのも一つの手です。特に、消費フレアが少なく威力が低めの切札は中距離・遠距離に多く存在するため、打てる機会を逃すと次に機会があるかどうか分からない場合には、先に打つのも手でしょう。
     
     例えば、「レッドバレット」は間合5まで離れる必要があるため、メガミや切札の組み合わせによっては打つタイミングを一度逸すると次は難しい場合があります。
     
     ただし、これらのような切札は先に打つことで上記´△砲茲詆塒は比較的少ないですが(全く無い訳ではないので注意)、次のの理由による不利は変わらず受けることを考慮する必要があります。

     


    切り札を公開することで情報を失う
     
     伏せられた切札は、その正体が分からないがゆえに相手に対処を強いることができます。例えば自分がサイネを宿していれば、切札が見えていない限り、相手に常に「切札に「氷雨細音の果ての果て」があるかも知れない」という恐怖を与えることができ、強気に攻めれば勝利可能な場面でも手控えてくれるかもしれません。このように、秘匿された情報は相手を惑わせる武器となります。この点からも、切札は温存したほうが良いでしょう。

     

     

    4.2. 切札を先に見せていい場面


     切札を先に見せていい場面や条件は色々ありますが、例を挙げると


    ・継続的に効果を与える切札
     →魔食など

     

    ・再起する切札
     →壬蔓、はらりゆき、流転の霞毒、ヴァーミリオンフィールド等

     

    ・間合等の都合上、次に使う機会があるか分からない
     →レッドバレット等

     

    ・相手が強力な攻撃切り札を持たない
     →とりあえず相手にフレアを与えても自身の死に直結しにくい相手には、先制で切札攻撃を当てても不利は少ない(無いわけではないので、温存が無難ではある)

     

    ・相手が強力な対応手段を持つが、その条件を満たしていない(フレア、燃料など)
     →トコヨ相手でまだ相手のフレアが5未満である、サリヤ相手でTurbo SwitchもOmega Burstも使えない燃料・フレア状態である等、今当てないと次に当てるチャンスが無いかも知れない場面を見逃してはいけません。特に対応が強いメガミは一撃のダメージが軽いことが多いため、取れるところでダメージを取っておくことは重要です。

     

    ・切札を使うことで有利を固定し、ゲーム終了まで逃げ切れる
     →大規模にライフを取る手段がないメガミ相手の場合、途中で1回大幅にライフリードを取ればそのままゲーム終了まで逃げ切れることも多いです。

     

     

     少し短いですが、今回はここまでです。


     次回はこのゲームの骨子かつ最も難しい《攻撃》について解説します。
     

     

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