『八葉鏡の徒桜』エピソード1−1:芦原で今宵はお祭り(前篇)

2019.07.07 Sunday

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     やあやあ久方ぶり。それとも初めましてかな?
     カナヱはカナヱ。歴史と伝承を司る、最古の三柱が一柱さ。
     この物語は今、まさに君が生きるこの時代で紡がれている物語だ。ゆえに歴史を司るカナヱの出る幕じゃあないのかもしれない。でもまあ、カナヱとしても君と会えないと退屈でね。物語の節目くらいは、こうして語らせてもらおうと思うわけさ。

     

     さて、北の果てで巻き起こったひとつの動乱。その噂話は君の耳にも入っているだろうね。その顛末として、謎のメガミ・ヤツハはこともあろうに騒動の申し子、着想のメガミ・クルルとともに瑞泉を目指して旅することとなった。
     彼女にとってこの地はまだ未知の世界。そこでどのような出会いや騒動が彼女を待っているのだろう。そしてそれらは彼女にどのような影響を与えるのだろう。
     
     次の物語ではさっそく、彼女ら二柱の旅を見ていこう。
     この物語がどう転ぶかはカナヱにとっても未知。さあ、共に数多のメガミの声へと耳を傾けるとしようじゃないか。

     

     

     

     

     雪深き北限へと細長く伸びる北の大地は、その中央に連なる険しい山々によって二分されている。西を北青、東を北緑と呼び、いずれも世を左右するような大家を擁していない、有り体に言えば田舎町の続く慎ましやかな土地である。
     そんな北青地方の南部にある芦原は、桜降る代における主要な港として数え上げられる活力ある町だ。漁業が盛んなことは言うに及ばず、陸路のみならず海路においても北部と西部との橋渡しを担う交易の要衝でもあり、似た地勢である東の蟹河としばしば比較される。

     

     

     海の荒々しさに負けない漁師たちの気っ風が根底にあり、通商を手がける商人らがそれに負けないようしっかりと根を張っているというのが、町を支える主な人々の構図だ。ただ、隣接する古鷹の影響もあってか、芸事といった文化が定着してきたりと、肌を硬くするような寒さが和らぐように、年々少しずつ華やいでいっているようでもある。

     

     その芦原において、来たらやるべきと言われることが二つある。
     一つは、塩漬けもされていない、新鮮な海産物を食すこと。
     そしてもう一つが――

     

    「綺麗、ですね……」

     

     海風に攫われる髪を抑えながら、ヤツハは海に広がるその光景に感嘆を漏らす。岩場に立つ彼女の視線の先、沖合の一体では、陽光の下でもありありと分かるほどに水面が桜色に煌めいていた。
     時には文字通り山の中に、時には草木も生えないような雪原の中に、場所を問わず毅然と咲く神座桜ではあるが、ここ芦原の桜はなんと海底から生えている。潮が引いても大気に触れることはなく、直接見るには潜るしかない。それでも多くの人々は、海面に咲き乱れる実像なき花弁の美しさに見惚れ、水鏡桜という名の由来を感じ入るのである。

     

     瑞泉を目指す旅路にあるヤツハは、今日の宿に早めに着いたこともあり、この地を知るためにもこうして町の名所を見て回っているのだった。

     

    「桜……何本か今までも見ましたけど、海の中で咲いてるなんて不思議です」
    「ほーむ、やつはんはなかなかに目の付け所がふしぎんですな」
    「えっ……そう、ですか?」
    「ですです。くるるんたちメガミにとっては、神座桜が雪や海の中で咲くのは、それこそそういうものなのですよ」
    「はぁ……そういうもの」

     

     不安定な岩場にもかかわらず、くるくると回りながら自説を唱えるクルルを、むしろ不思議そうにヤツハは眺める。

     

    「くるるん的には、何故咲けるのかはもうちょいと考えてもいいと思いますけどね。ああでもでも、何故こんなところで咲いたかといえば、そういうメガミがいるからだと思うのです」
    「つまり、コルヌさんみたいな……?」

     

     その回答に、クルルはにんまりと笑顔を返した。そして、打ち上げられていた変な形の流木を拾って桜の根本あたりを指しながら、

     

    「ほれ、あそこをご覧あれ」
    「あそこ……って、メガミのお社が、海の中にあるんですか?」
    「そうですぅ。海のメガミはつみんです。海のメガミがいるのなら海の神座桜もあるし、その根本に社を作るのもそこまで不思議じゃないですぅ」

     

     今までこぢんまりとした木造の質素な社しか見てこなかったヤツハには、それが実際どんなものなのか想像しきれなかった。彼女のいる入江の淵からは、ちょうど入江の口と水鏡桜を隔てるように、海面から突き出た二つの岩に跨る鳥居も構えられていて、一線引かれているような印象を受ける。

     

    「お参りするの、大変そうですね」
    「まーあ、このへんのミコトは頑丈そーなのばっかりらしいですし? きっと半日くらい潜っててもへっちゃらなんでしょう」
    「そんなにですか……?」

     

     訪ねたヤツハに、クルルはきっぱりと真顔で「分かりません」と返した。まだ冗談や勝手な確信を見分けられないヤツハはそれに曖昧に笑う。
     でも、とクルルは流木で沖をぷらぷらと指しながら、

     

    「ろくな装備もなしにふかーいところまで潜って魚を獲ってくる人間たちですから、案外本当かもしれませんよぅ? なんか今日はあんまりいないみたいですけど」
    「もう八つ時も過ぎて、いい時間だからでしょうか」

     

     見上げた太陽は既に西を目指し始めて久しい。茜色に海が染まるまでにはもう幾許か猶予はあるものの、人々がそろそろ夕餉のことを考え始めるような、そんな頃合いだ。

     

    「私たちも、そろそろ戻りますか?」

     

     そう切り出したヤツハだったが、

     

    「うんにゃ、やつはんは先に戻っててくださいな」
    「え……あ、はい。どこか寄る所でも?」

     

     僅かに困惑する彼女に対し、クルルは実にわざとらしい含み笑いを零した。

     

    「ふっふっふー。それはまだ秘密なのです。何故なら、やつはんへのさぷらいずなのですから!」
    「さ、さぷ……?」
    「アッ!」
    「……っ!?」
    「――と驚くような贈り物ということです。ささ、晩御飯には戻りますから」

     

     そこまで足場の確かでない岩場にもかかわらず、ぐいぐいとヤツハの背中を押すクルル。そのうち大人しく自分の足で浜へと歩き始めたヤツハは、楽しいことを考えていそうなクルルの様子に苦笑いしながらも、この究明者の言葉に期待を膨らませていた。
     何も知らない自分にとっては、この地は様々な驚きに溢れている。けれどクルルなら、より愉快な驚きを経験させてくれるだろう。
     不安から始まった己だからこそ、ヤツハにはそれがありがたかった。

     

    「では、またあとで」

     

     大げさに手を振るクルルを背に、ヤツハは町の中へと足を向けた。

     

     

     

     


     一方、別れたクルルはといえば、町から遠ざかるように浜を進んでいた。

     

    「ふっふーん、ふふっふふーん♪」

     

     拾った流木を振り回し、次第に入江よりも荒い磯を物ともせずに歩み続ける。波打ち際とはまだ距離があるものの、時折砕ける大きな波は微かに彼女の肌を濡らしていた。
     人家どころか、漁師を含め人の気配のない、間違っても観光客が迷い込むことなどないような場所であっても、クルルの足取りは確かであった。北限でヤツハを見つけたときのような機器に頼っているわけでもなく、それは単にここを訪れたことがあったからである。

     

    「いっちろー、じろー、さっぶろー、しろー、あみーにかかったごろーちゃん〜♪ おっさかなおっさかなとっれるといいな、だいかぞくでいらっしゃい〜♪」

     

     妙な歌を口ずさみながら、町のほうからは少し死角になっている大岩の陰まで来ると、おもむろに大岩の根本の一部を蓋のように外した。その中に据えられていたのは、少しばかり塩の吹いた手のひら大の絡繰箱であった。

     

     その昔、クルルは着想の源を求め、たびたび思いついたように各地に足を運んでいた。ここはそんな折に見つけた穴場の漁場である。漁という行為に興味を持った当時の彼女は、いかに質のいい獲物を楽に得られるのか試行錯誤し、捕獲用の絡繰を仕掛けるに至ったのである。
     おおむね成功した頃にはその興味は薄れ、特に持ち帰る気もなかったクルルは絡繰をこの穴場にそれとなく隠し、芦原に寄った際には思い出したように使っているのであった。

     

    「うーん、美味しいのがかかりますかねえ」

     

     絡繰箱から生えた指先ほどのつまみに指をかける。
     芦原でやるべき残り一つは、港町の美食に舌鼓を打つこと。ヤツハに堪能してもらうために一人で足を伸ばしたのである。

     

    「頼みますよぉ……! 全自動魚捕り機ふらんくりん君四号、行ってみよーっ!」

     

     ぱちり、と。
     長い間眠りについていた絡繰に、息を吹き込まれた。海中に仕込まれた大きな箱に稲妻が駆け巡り、中にいた魚が痺れたところを箱ごと引き上げる……はずだった。

     

    「ぴげらっ!?」

     

     本当は静かに一瞬で終わるはずの絡繰漁に、奇怪な悲鳴が響いた。
     もちろん、クルルのものではない。

     

    「ぴげら……?」

     

     

     予想外の結果に、きょとんとしたように首を傾げる。
     跳ねた『獲物』の水しぶきが、そんな彼女を打ち付けた。

     

     

     

     


    「どうもすみませんねえ。ちょうど当日なもので、大したおもてなしもできずに」
    「お構いなく」

     

     宿に戻ったヤツハの前では、恰幅の良い妙齢の女将が丁寧に膝を揃えて畏まっていた。ただ、それでいてどこか浮ついた気持ちが滲んでおり、丁重に過ぎる扱いには慣れないヤツハにしてみればまだ気が楽なほうだった。

     

    「まさかメガミ様がお泊りになるなんてねえ……ちょっとまだピンと来てないんですよ。うちよりいい宿なんていくらでもありますのに、こんな安宿でいいんですか?」
    「いえ、いい所だと思います。窓からの景色も綺麗ですし」

     

     その言葉に偽りはない。まだ泊まった宿も少ないが、確かに歩いてきた北青地方で随一の町とだけあって、今までで一番豪華に感じられる。もっとも、極寒の洞窟や山中の小屋とついつい比べてしまうので、ヤツハは自身で基準がおかしいことを半ば自覚し始めている。
     女将の態度にしても、当人はああは言っているが、部屋を借りたときよりも心なしか帯もしっかりと締め直されているし、簪もしていなかったはずだ。大げさな扱いに気恥ずかしさを覚える一方、これもまた慣れなのだとヤツハは思う。

     

     窓枠に切り取られた景色の中で、太陽にはじわじわと橙が染み始めていた。浜の際には風よけに並木が連なっていて、海を遮られるかのように見えたが、女将があてがってくれたこの二階の部屋は見事に緑を避けていた。
     その分、空いた窓から入り込んでくる海の香りはまだまだ濃い。けれど、ヤツハにとってはそれ以上に気になるものが、外から流れ込んできていた。

     

    「この音、なんですか……? どん、どん、って」

     

     その問いに女将はさも当然と、

     

    「太鼓の調子でも確かめてるんでしょう。祭は日が落ちたら始まりますよ」
    「祭……? というと、これから何か催しがあるんでしょうか」

     

     思い当たる節のないヤツハは素直に訊ねる。
     すると女将は驚きもあらわに、

     

    「あれ、お客さん、お祭り目当てじゃあなかったんですか?」
    「は、はい……連れからは特に何も聞いていなくて」
    「じゃあ、海の漢祭は初めて?」
    「そう、なりますね」
    「あらー、それはいいときに来ましたねぇ!」

     

     相好を崩す女将は、早くも地が出始めているようだった。おもねるようではなく、純粋にこの土地のことに触れてもらえて喜んでいると分かる、そんな雰囲気だ。
     ヤツハはなんだかそれが、自分の手を引くクルルのようで祭に対する興味が湧いてくる。もしかしたらこの日に合わせて芦原まで来た可能性だってある。

     

    「その、漢祭……? って、どんな祭なんでしょうか」

     

     そのクルルが戻ってくるまで特にやることのなかったヤツハは、これ幸いと女将に質問を投げかけていた。
     女将は膝を畳んだまま腕の力で少しヤツハに近づくと、

     

    「ハツミ様はご存知?」
    「お名前だけなら。あ、水鏡桜も見てきました」
    「そう! とっても綺麗でしたでしょう。あの桜は、この地の海をお守りしているハツミ様の象徴なんですよ。豊かな海の幸を平和にいただけているのはハツミ様のおかげなんだ、ってあの美しい輝きを見るたびに、芦原に住む私たちは感謝するんです」

     

     それから女将は、今は開けられたままのふすまに目をやった。ヤツハがつられて見ると、白地に迫力ある荒波が描かれていることに気づく。共に描かれた船の小ささからすると、実際に遭えばひとたまりもない大波だった。

     

    「その昔、ここを酷い嵐が襲ったことがありまして。私のおじいさんの、そのまたおじいさんくらいの代のことなんですけどね。船が攫われるどころか、浜辺の家まで押し流されてしまいそうなほどの大波がやってきて、それはもう芦原がなくなってしまうんじゃないかという危機でした」
    「…………」
    「そこで芦原の民をお救いくださったのがハツミ様。あの方は、次々にやってくる大波を見事に退け、この町が呑まれてしまわないよう尽力してくださいました。それも、人々だけでなく、漁師たちが大事にしていた船までも、無傷で守り通していただいたのです」

     

     ですが、と続けて、

     

    「嵐が去った後で、ハツミ様はおっしゃったのです。自分にばかり頼っていてはいけない、荒れる海もまた己自身で乗りこなすべき海なのだ、と」
    「お優しい方なんですね……」
    「ハツミ様のご意思に応えるべく、以来海の漢たちは大いなる海に負けないよう賢明に努力しました。普段からハツミ様は逞しくあれ、と口にされていたようですから、それに応えるために身体を鍛え上げました。それからしばらくして、その成果を御自ら確かめていただくべく招いた豊漁祭が、海の漢祭の起源になります」

     

     へぇ、と感心を声を漏らしたヤツハは、ふと思い至ったように、

     

    「なら、今日はハツミさんにお会いできるんですね?」
    「いえいえ、今年もきっとハツミ様はお姿をお見せくださらないでしょう」
    「……?」

     

     その反応が予想できていたというように苦笑いしながら、女将は説明を続けた。

     

    「ハツミ様にお確かめいただこうとした初めての祭で、大船をも一人で押してしまう腕自慢をご覧になっても満足されなかったのですよ。まだまだ鍛えが足りない、とおっしゃって」
    「厳しい方……」
    「それはもう! 努力を重ねて半年後に再び開いた祭には、ハツミ様はおいでにならなかったんです。どこかで我々を見守っていらして、満足いただけたときにもう一度顕現なさるに違いない……そうして、豊漁を祝うだけじゃなく、どれだけハツミ様を喜ばせられるようになったのか、その逞しさを競うようになって、今の祭の形があるんですよ」

     

     そう語る女将は、どこか誇らしげであった。
     それがヤツハには、少々不思議に思えていた。長きにわたって姿を現さなければ、祭や努力をやめてしまってもおかしくないだろうに、それでも廃れることなく続いている。そんなハツミと民の関係、ひいてはメガミと人々の関係こそ、ヤツハがこの旅で知りたいことのひとつであった。ゆえに――

     

    「あの……あなたにとって、ハツミさんってどんな方ですか?」

     

     逸話を通してではなく、一人の民としてどうなのか、と。
     問われた女将は意外だったのか、少しばかり虚を突かれたようだったが、柔和な笑みを浮かべて応じ始める。

     

    「もちろん、素晴らしいお方ですよ。メガミ様にも色々な方がいらっしゃるじゃないですか。その中でもハツミ様は、人に優しく、それでいて、人として強く生きられるよう導いてくださる、偉大なメガミ様です。迷ったときにはいつでも、心の中のハツミ様にお伺いを立てるんですよ」
    「でも、お祭りでずっと応えてくださらないのは、少し寂しくありませんか?」
    「それはもう、来ていただけたら盛大に祝うつもりでいるくらいには」

     

     ですけど、と継いで、

     

    「海で気を抜けば簡単に命を落としますから、我々人間がいつまでも油断しないよう、心を鬼にして見守ってくださっているのだと思えば、身も引き締まる思いですよ。お陰様で、美味しい海の幸をいただけているわけですし」
    「それだけ、厚く信じられているんですね……」

     

     初めて実感したメガミへの信仰。それを自分に置き換えることなんてヤツハにはできなかったけれど、この地における己の在り方の可能性として大事に胸にしまった。
     その様子を見た女将は、それからぱあっと笑顔を咲かせて、

     

    「ですから、今晩は是非祭を楽しんでいってください! 漢どもを見ていただければ、どれくらい信仰しているか分かると思いますので。うちの前の道も、漢どもが船を担いで練り歩いてきますよ」
    「はいっ! 楽しみにしてます!」
    「では、私めも祭の支度がございますので、これにて失礼します」

     

     そして部屋を辞そうとした女将が、手をついて廊下まで丁寧に下がる。
     クルルが帰ってきたら一緒に行こう――偶然か必然か飛び込む形となった新たな未知に、ヤツハは心を躍らせる。
     と、そんなときだった。

     

    「あっ、ちょいとメガミ様! びしょ濡れなのは困りますよォ!」

     

     廊下の果てのほうから慌てた声がする。同時、どたどたと不均等な小走りでこちらに近づいてくる音がする。
     女将さんもその某かを認めたようだったが、気圧されたように退いた。
     そして、

     

    「いぇーっ! うまうまなのが捕れましたよーっ!」

     

     ふすまの向こうから顔を出したのはクルルだった。彼女は大小様々な魚がぎっしりと詰まった網を持っており、手近なところで面食らっていた女将の前にそれを乱雑に置いた。
     それからクルルはもう一つ、今度は部屋の中に『釣果』を放り込んだ。

     

    「あとこれ、食べられませんけど」

     

     纏った絡繰に運ばせていたのか、木造りの腕が畳の上に安置したのは、全身濡れそぼった少女だった。
     背格好はヤツハよりも少し小柄に見えるが、幼いというほどではない。海のような色合いの髪がべったりと張り付いていて、つい先程まで海に潜っていたことを示すようにむんと潮の香りが立ち上る。濡れ鼠なままなせいで船から落ちたようですらある。

     

    「えっと……どなたですか?」

     

     きちんと胸が動いていることを確認してから、ヤツハは恐る恐る問う。

     

     クルルはそれに、痛快な笑みでこう答えた。

     

    「捕れたてぴちぴち、産地直送のはつみんです☆」

     

     語られたばかりの海のメガミ・ハツミが、ぐったりと畳に打ち上げられていた。

     

     

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