第二の幕開けは近い:前篇、問題提起

2016.11.11 Friday

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    第二幕を宣言します!

     

     『桜降る代に決闘を』を楽しんで頂いている皆様、あるいはありがたいことに、関心を持って頂けている皆様。こんにちは、BakaFireです。本日はあなたに素晴らしいニュースをお伝えします! 3部に分かれた長文になりますが、お付き合い頂ければ幸いです。

     

     まずは第一に、この場を借りてお礼を伝えさせてください。あなたの暖かい応援のおかげで『桜降る代に決闘を』は品切れに近い状況になり、再版の機会を得ることができました。ありがとうございます!

     

     その一方で、私はお詫びをしなくてはなりません。本作のクオリティについて、私は一定以上の自信を持っておりますが、それでも完璧なものではありませんでした。あなたにこれからも楽しんで頂くには改革が必要と考えています。そして再版のタイミングこそが、改革の大チャンスです。

     

    私どもBakaFire Partyは12月11日のゲームマーケット2016秋にて、

    『桜降る代に決闘を 第二幕』

    として、新しい基本セットを頒布いたします!

     

     

     もしあなたが現行セットを既にお持ちだとしてもご安心ください。再び基本セットをお買い上げいただく必要はありません。そのための方法については後篇に書きますので、ひとまずは話を聞いていただければ幸いです。

     

    何が問題だったのか?

     

     何を変えたのかお伝えしたいところですが、その前に何が問題だったのかを明らかにしましょう。問題点が明確でなければ、改革の妥当性は計れません。発売から約半年間、大会環境の観察や多数のプレイテストを通して、私どもが明らかにした問題点を報告いたします。

     

     簡潔にまとめるならば、以下の4点が問題でした。

     

    1. ゲームの構造に由来するバランスや奥深さの問題
    2. カードの強さに由来するバランスの問題
    3. 初期デッキの不十分さ
    4. いくつかのコンポーネントの品質の問題

     

     それぞれ、説明いたしましょう。

     

    1:ゲームの構造に由来するバランスや奥深さの問題

    2:カードの強さに由来するバランスの問題

     

     7月の調整を経て、バランスは大きく改善しました。しかしそれ以降の大会結果を観察したところ、熟練したプレイヤーが使用するユリナの強さは私どもの想定を超えていました。慣れていないプレイヤー同士の対戦では扱いやすいユリナが勝ち、慣れてきたプレイヤーだと互角になる。ここまでは想定通りでしたが、熟練したプレイヤー同士の対戦では再びユリナ優位に戻ってしまうことを計れていませんでした。

     

     それを受けて私どもは、ユリナの攻撃力がやや暴力的すぎ、それがゲームの奥深さを奪っていると結論付けました。そこで攻撃力についての原則を確立し(詳しくは中篇で)、ユリナの弱体化を図りました。

     

     すると新たな問題点が浮かんできました。ユキヒを使用して間合0まで近づいてゆっくりしていれば、大体の相手に勝てるのです。そのゲームは単調で楽しくないものでした。これは間合0を固定化しやすすぎるという構造上の問題です(これまではユリナの暴力的な火力で抑えられていました)。

     

     私どもは今後、本作の拡張を出し続け、より魅力的な展開を続けていく計画があります。しかしこの問題は、追加カードをデザインしていくうえでも大きな障壁となってしまっています。故に、今これを改革することは必須なのです。

     

    3:初期デッキの不十分さ

     

     現在の初期デッキのうち、1セットしかない場合のものには問題があります。変則的なコンボを強く要求しているため、カードゲームに慣れていない方にとって遊び辛いものとなっていました。さらにコンボが決まれば圧勝し、「反論」で打ち消されれば大敗するという結果になり易く、初めてのゲーム体験として十分に楽しいものではありませんでした。

     

     弁護をさせて頂くと、同じメガミを使えず、説明の簡易化のため《付与》カードを使わないという縛りの中では最善の努力は行いました。しかし、そもそものカードプールに問題があったことは否めません。

     

    4:いくつかのコンポーネントの品質の問題

     

     具体的にはボードと桜花結晶トークンについてです。

     

     ボードについては完成品を見てから判明したことです。想定外の反りがあり、2つのボードを噛みあわせた際に僅かにずれが出来てしまっていました。

     

     トークンについては、私どもの方針としては想定通りのものが出来上がっていました。本物の桜は花びら1枚を見るとほぼ白色と呼べる色味をしています。そこでエンボス紙にパール紙を貼り付け、真珠色の輝きを持たせることにしました(別案で試した桃色の用紙がひどくダサかったことも理由です)。それらが静かな色味のボードの上で輝けば、素晴らしく美しくなると見込んでいたのです(実際美しく、現状の仕上がりについて私個人は満足しています)。

     

     しかし蓋を開けてみると、予想外なことが起きました。多数のプレイヤーがトークンの表裏を間違えたのです。メールやTwitterでの文章だけでも、合計27件の問い合わせがありました。口頭ならばその数倍です。5年間ゲームデザイナーとして活動してきましたが、同じ問い合わせをこれほどの回数頂いたのは初めてです。流石にこうなると、私が無様な過ちを犯していたと認めざるを得ません。

     

     これにて問題点はまとめ終わりました。1と2は簡単には語れないので、中篇に回すことにしましょう。3と4の解決について以下で書きます。

     

    3の解決:サイネの登場

     

     3の原因は基本的な性質を持つメガミの不足にありました。そこで新たなメガミを(ゲームをより奥深くするだけでなく)初期デッキ問題を解決するためにもデザインしました。サイネには分かり易いカードが多く含まれています。彼女を用いることで遊びやすい初期デッキを、1セットのみで実現できました。

     

     以上よりお分かりの通り、サイネは第二幕の基本セットに封入されます。この辺りの製品内容については、後篇でお話しいたしますのでお待ちください。

     

     折角サイネの話題になったのですから、彼女のカードを見たいですか? ごもっとも! それでは初期デッキにも入っている切札「律動弧戟」をご覧いただきましょう!

     

     

     

    4の解決:コンポーネントの改良

     

     工場の変更により、ボードはより良い品質に改良されました。

     桜花結晶トークンの問題は、用紙が白系の色だったこと、型抜きの方向、そして私の想像以上に分かり易く桜色であることが望まれていたことが原因と考えました。結果、トークンは抜きの方向が変更され、用紙はキラキラとした輝きを持つ、薄い桜色に変更されました。

     

     前篇はこれで終わりです。中篇ではお待ちかね。バランス上の問題をどのように解決したのかをお話ししましょう。