2018年9月禁止改定

2018.09.03 Monday

0

     私どもはバランス調整の宣言と、それに基づく理念(PC版)(スマートフォン版)に従い毎月第一月曜日にカードの禁止改訂を行います。この記事はその2018年9月のものです。禁止カードを出すことそのものについて疑問や不安を感じる方は、こちらよりリンクしている宣言か、それを要約した理念をご一読いただければ幸いです。

     

     

    2018年9月禁止カード

     

    全体で禁止

    Thallya's Masterpiece

     

    トコヨ/ユキヒで禁止

    二重奏:吹弾陽明

     

     これらの禁止はシーズン2の間、即ち11月下旬まで継続し、『第弐拡張』でのカード更新を通して解除されます。

     


     こんにちは、BakaFireです。シーズン2も無事に始まり、新たな環境をお楽しみ頂けていれば嬉しい限りです。今週末には大規模大会をはじめとし、シーズン2をより盛り上げるための今後の展望もお話しいたしますのでご期待ください。
     
     シーズン最初の禁止改訂となりますので、まずは現状の環境への見解をお話ししましょう。
     

     

    シーズン2バランスの現状評価

     

     シーズン1と比べ、シーズン2のゲームバランスや環境は大きく改善したと考えております。
     
     シーズン1には多くの問題のあるカードがあり、それゆえに問題として取り上げられてもおかしくないデッキが多数存在していました(※1)。その上で、そのようなデッキが多すぎたことと、そのようなデッキ同士の対戦ではそれなり以上には楽しめるゲームとなっていたため、禁止は出さない形で進めていました。
     
     しかしシーズン1からシーズン2でのカード更新はそれらの問題の大半を解決し、多くのメガミが輝ける環境を作り出しました。私どもは今回の環境をもって、『新幕』のバランスは『第二幕』の最終段階へとほぼ追いついたと言って良いと感じております。それに加え、インフレーションによる鮮烈な魅力、アナザー版などの新たな試みによる魅力、豊富なデザイン空間を得られており、未来は明るいと感じています。
     
     もちろん、現時点のバランスでもやや勝ち易いメガミと勝ち辛いメガミが存在するとは考えています。しかしこの水準の差は『第二幕』の最終段階でも存在しており、今後のカード更新で整えていけば解決する小さな課題と考えれば十分と捉えております。


    ※1 オボロ/ライラ、サイネ/シンラ、サイネ/クルル、オボロ/クルル、サリヤ関連の全てのデッキなどがそれらの例です。これらのデッキは、環境上に同等のデッキが存在していなければ禁止カードで措置されるべきであったと考えています。サイネ/シンラは特に分かりやすい例であり、オボロ、サリヤ、ライラのバランスがもし適切だったならば、間違いなく禁止カードを必要としたと言えるでしょう。

     


    新たな禁止カードの背景

     

     ここまでは私どもが『第壱拡張』のカード更新や大半の新カードでうまくやり、魅力的な環境を作れたと捉えているというポジティブな見解をお話ししてまいりました。
     
     しかし誠に申し訳ないながら、本日お話ししなければならないのはそれだけではありません。新たなカード1枚のバランス調整に幾ばくかの誤りがあり、結果として問題のあるデッキが1つ生まれてしまったのです。
     
     さらに先述の通り、シーズン1での問題はほとんど解決され、問題と呼ぶべきと捉えられうるデッキはもはやほとんど存在していません(※2)。その結果として数少ない問題のあるデッキが、その問題を強く発揮できる状況が整ってしまっています。
     
     『新幕』のバランスは『第二幕』の最終段階へと「ほぼ」追いついたというのはまさにそういう理由であり、問題のあるデッキへの解決を図らなければ、正しく追いついたとは言えない状況なのです。
     
     それゆえに私どもは、組み合わせを限定した形での禁止カードを1枚出さざるを得ないと判断しました。


    ※2 もしかしたら問題と捉えるべきかもしれないという程度のデッキはいくつか存在しており、私どもはそれらの動向を注視しています。しかし禁止カードが必要なほどとは考えておらず、環境上の有力な選択肢のひとつに過ぎないと捉えています。現時点ではそれらのデッキのために禁止カードを出す可能性は高くないと考えていますが、10月の禁止改訂で判断を覆す可能性もまた存在しています。

     

     

    どのような問題が起こったのか

     

     問題となるデッキはアナザー版である「旅芸人」トコヨとユキヒを組み合わせたクリンチロック型のコントロールデッキです。具体的な動きは、「二重奏:吹弾陽明」を使用し、毎ターン「ふりはらい/たぐりよせ」「ひきあし/もぐりこみ」「要返し」「ふりまわし/つきさし」の中から必要なカードを戻し、間合0近傍を維持し続けるというものです(※3)。


    ※3 相手によっては傘を閉じたうえで「跳ね兎」などを戻し、間合5近傍を維持する方向で立ち回ることもあります。


     このデッキの問題は以下の4つに整理できます。それぞれ説明しましょう。
     
    1:強力である。
    2:相性が極端すぎる。
    3:本作の王道を否定し過ぎている。
    4:感情面での問題が生まれがちである。


    1:強力である。

     

     禁止の必要性を判断する大前提として、このデッキは十分に強力です。しかし他のデッキの全てを打倒し、環境の唯一の正解になるほどではありません。それ以外の問題も組み合わせて考える必要があります。
     
    2:相性が極端すぎる。

     

     このデッキの弱点は分かりやすく、シンラかクルルを使用すれば大体の場合は五分以上のゲームを行えます。しかしそれらを宿していないデッキはほぼ必敗であり、豊富すぎる間合のコントロール手段に押しつぶされることとなります。
     
     これはゲームをメガミを公開した時点で決定づけすぎてしまい、特に大会などのイベントではゲームの魅力を著しく損ねてしまいます。
     
     どのような組み合わせにも、相性は必ず存在し、それは否定すべきではありません。しかし、このデッキのように極端すぎる場合は問題として取り上げるべきでしょう。
     
    3:本作の王道を否定し過ぎている。

     

     2で説明した必敗のデッキとは即ち「間合を合わせて攻撃する」デッキ全般のことを指します。つまりこのデッキは本作の王道にあたるデッキに対して強力過ぎるのです。
     
     これは本作の本作らしい部分に楽しさを感じて頂いたプレイヤーの方に取って苦しすぎる環境を作ってしまいます。特に本作を始めたばかりの方の多くはそういった戦い方こそが全てであり、それを圧倒的な相性で潰される体験は心地よいものとは言えないでしょう。
     
    4:感情面での問題が生まれがちである。

     

     このデッキはロック寄りのコントロールであるために勝利まで時間がかかり、延々と同じ動作を繰り返し続けるという特徴があります。こういったデッキは対戦相手に強い不快感を与える恐れがあり、こちらについても始めたばかりのプレイヤーへの悪い影響を懸念するに足る問題だと言えるでしょう。
     
     『第二幕』での「審美眼」を禁止しようとした際の失敗を反省しているため、私どもは不快感だけを理由にカードを禁止することは絶対にありません。しかし今回のように1や2の問題がまずある場合は、3や4はそれを後押しする副次的な理由として働くべきと考えています。
     
     
    なぜ組み合わせ単位での禁止なのか

     

     「Thallya's Masterpiece」が全体で禁止であるのに対し、「二重奏:吹弾陽明」はなぜトコヨ/ユキヒだけでの禁止なのでしょうか。そちらについても説明いたします。
     
     「Thallya's Masterpiece」は「Form:YAKSHA」との組み合わせにより、サリヤ単独での高い自己完結性を持っています。ゆえにこのパッケージが存在する限りはサリヤを用いた組み合わせが環境の正解となり続けてしまう恐れがあります。これを解決するにはパッケージそのものを崩すしかありません。
     
     他方で「二重奏:吹弾陽明」はカード更新で整えるべき点こそありますが、環境に君臨するほどの強さは持っていません。トコヨ/ユキヒ以外のデッキでも有力なものはありますが、いずれもいくつかの欠点や不器用さを抱えており、大きな問題と呼べる水準のものは見つかっていません。
     
     それどころか、環境の多様性にも一役買っています。現在、ビートダウンやコンボでも強力なデッキは多数存在していますが、コントロールを好むプレイヤーが強力なコントロールデッキを使う権利もまた当然あってしかるべきです(※4)。
     
     「旅芸人」トコヨは強力なコントロールデッキの一柱として高い存在感を発揮できており、彼女を軸にしたコントロールデッキは環境に魅力的な選択肢をもたらしているのです。これらを踏まえると全体で禁止し、彼女を用いたデッキの大半を取り除いてしまうのは最善の選択とは思えません。
     
     以上より、問題であるトコヨ/ユキヒに限定した禁止を行わせて頂くことにしたのです。


    ※4 これはシーズン1において成し遂げられておらず、大きな失敗だったと私どもは捉えています。

     


    お詫びと今後の改善策

     

     最後に、今回の私どもの失敗についてお話しするとともにお詫びを行い、今後の改善策をお話しします。
     
     今回の失敗は、単純に私どもバランス調整チームの力不足というほかありません。シーズン1における攻撃的な環境とトコヨの弱さに感覚を麻痺させられてしまい、「二重奏:吹弾陽明」の強力な使い方に気づくことができませんでした。私どもの力不足を反省し、お詫び申し上げます。
     
     改善策については、先月お伝えした「Thallya's Masterpiece」の禁止の際の改善策と同様のものを今回も提示いたします。「次の拡張に向けたカードのバランス調整」と「カードの更新」の両方を1つのチームで見ようとしたため、両方に中途半端な部分があったことは否めません。
     
     現在はバランス調整チームは次の拡張を集中的に見るようにして、カード更新についてはバランス調整チームは軽く意見を出す程度にとどめ、ゲストテスターの意見をより深く取り入れられるように手配を進めています。

     


     本日は以上となります。次回の禁止改訂は10月1日(月)となります。上記の※2にある通り、私どもはいくつかのデッキへと注目を続けているため、そちらへの最終的な結論をご報告差し上げることになるでしょう。

    関連する記事