対応不可1.1

2018.08.06 Monday

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     こんにちは、BakaFireです。7月28日には大規模大会、8月4日にはプレリリース大会が無事に終わり、これにてシーズン1のイベントはほぼ全てが終わったと言えます。そしてシーズン2に向け、今週には合計3本のゲームバランスに関する記事を予定しております。
     
     どの記事から読まれるかは分かりませんので、冒頭文は全ての記事で共通のものとしておきます。既にほかの記事でお読みの方は読み飛ばして頂ければと思います。

     

     

    冒頭文:シーズン1バランスへの全体評価

     

     これまではシーズン1の環境を楽しみ、研究を続けて下さったプレイヤーの皆様ができる限り楽しめるよう、私どもは可能な限りバランスに対して言及しないよう心掛けてまいりました。
     
     しかしながらシーズン1も終わり、シーズン2でのカード更新も目前に迫った今週には、今のゲームバランスに関する私どもの想いと考えを包み隠さず、可能な限り誠実にお話しさせて頂きます。
     
     6月の禁止改訂で軽く触れたとおり、現在のゲームバランスは(今後の拡張空間と引き換えに)もっとも整っていた『第二幕』の最終段階よりは崩れたものとなってしまっています。現状への評価を正直に申し上げますと『第二幕+第壱拡張』の時期(2017年3月〜7月)よりは良いバランスにあり、『第二幕決定版』(2017年10月〜12月)の時期よりは悪いバランスにあると考えています。『第二幕+第壱、第弐拡張』の時期(2017年8月〜10月)と比べるとどうなのかは微妙なところです。こういったバランス面の後退については私どもの力不足であり、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
     
     このように書くとバランスについて酷くネガティブで、崩壊しているように感じられるかもしれません。しかし誤解なさらないでください。『新幕』はゲーム全体を派手で鮮烈なものにすることに成功した上で、十分に魅力的だった『第二幕+第壱、第弐拡張』の時期と同程度には多くのメガミが輝ける状況を作れています。あくまで最も理想的だった状態から後退したという話なのです。
     
     実際、全体としては『第二幕』よりインフレーションした方向で魅力的なゲームに仕上がっています。しかしながら、バランスが後退したという点もまた事実であり、インフレーションについていけていないメガミがいる一方で、インフレーションするにしてもやりすぎている箇所があり、そして今後に問題となりうる潜在的なリスクも存在しています。
     
     私どもが理想のバランスを目指し続けると理念を掲げており、これらの課題全てに真摯に取り組んでいく意志がございます。それゆえに宣言した理念に従いカード更新を行います。
     
     幸いにしてバランス上の問題やリスクのうち、今見えているものの大半に対しては今回のカード更新でメスを入れられています(3つの記事のうち1つはこのカード更新に関するもので、今の環境についてより詳しく言及し、全てのカード更新への説明を行います)。

     


    残されてしまった2つの課題

     

     このようなバランスの事情から、私はこの3か月間、相当に悩み続けました。しかしそれ以上に、ここ2週間はより深く苦悩しつづけておりました。告白するとともに、皆様に深くお詫び申し上げなくてはなりません。
     
     カードの更新を経てもいまだ2つの課題が残ってしまうと分かったのです。こちらの記事ではそのうちの1つ、比較的軽いものについて説明し、それに対する今後の取り組みと意志表明を行います。
     

     

    何が起こってしまったのか

     

     私どもは来たる8月10日から12日のコミックマーケット94で『第壱拡張:神語起譚』を先行頒布します。そして17日には全国ゲームショップ、ネットショップで発売します。
     
     それに向けて私どもは7月28日の大規模大会でアナザー版ユリナの全カードを、そして8月4日のプレリリース大会でアナザー版サイネとアナザー版ヒミカの全カードを発表しました。
     
     それらのカードには多くの良いフィードバックが寄せられましたが、私の想像を超えて、幾ばくかの悪いフィードバックも集まってしまったのです。そして、悪いフィードバックのほぼ全てがある一つの事柄に対してのものでした。キーワード能力「対応不可」です。
     
     私はこの意見を受けとり、対応不可は大失敗だったのではないかと自問し、8月4日の深夜までにかけて深く悩み考えることにしました。そして私の中で一つの結論が出たため、今後に向けた意思表示と、幅広い意見を求めるためにこの記事を書かせて頂くことにしたのです。
     
     
    対応不可は失敗なのか

     

     まずは結論についてまとめさせて頂きます。

    • 対応不可と言うキーワードを作ったことそのものは間違いではなかった。
    • 対応不可は失敗ではないが「影菱」は大失敗だった。
    • 今回のフィードバックは私どもが過ちに向かいつつあることへの明白なサインである。

     

     それぞれ説明しましょう。
     


    対応不可と言うキーワードを作ったことそのものは間違いではなかった。

     

     『基本セット』『達人セット』『第壱拡張』それぞれの全ての対応不可を持つカードについて、その動機を見直しました。その結論として、対応不可は便利な道具であり、キーワードとしては問題なく成功していると判断しました。
     
     それぞれのカードの動機については後述します。

     


    対応不可は失敗ではないが「影菱」は大失敗だった。

     

     大半の対応不可を持つカードは正しい在り方にあると考えますが、1枚だけ明らかな例外があります。「影菱」です。もうひとつの記事でオボロにはメガミ全体として小さな問題があると書いていますが、その問題の8割強は「影菱」にあります。つまりカード単独としてみると「影菱」は大失敗だと言えるのです。
     
     「影菱」は対応不可であるために理不尽さがあり、高い攻撃力ゆえにゲームを終わらせる力が強く、ゲームの運要素を過剰に高めていました。今回の悪いフィードバックの背景には、「影菱」に対してプレイヤーがうんざりしているという意思表示だとも感じております。
     
     幸い、「影菱」は次のカード更新で更新されます。

     


    今回のフィードバックは私どもが過ちに向かいつつあることへの明白なサインである。

     

     今回の意見を聞き、改めて『第壱拡張』のカードを見つめ直してみましたが、私としてはこれらの対応不可にはいずれも相応の理由があり、これらが直ちに問題だとは感じられませんでした。それゆえに急いでの禁止を行うつもりはありません。ルールを順守し、理念に従ったスケジュールで取り扱います。
     
     他方で、改めて対応不可の枚数が想像より増えていた点には強い危機感を感じました。拡張の中で対応不可を持つ全てのカードには対応不可を付けるべき理由が十分に存在しますが、果たしてそのままの対応不可が最適だったかと言うと幾ばくかの疑問も残ります。
     
     この調子で『第弐拡張』『第参拡張』と進めていくと、私どもはひどい過ちに至るだろうと強く感じさせられます。それゆえにシーズン2の間に対応不可を見つめ直し、その扱いに対してもう少し慎重になるべきと考えております。
     
     
    対応不可はなぜ与えられたのか

     

     続けて、全てのカードに対して対応不可がなぜ与えられたのかを説明します。『第壱拡張』に存在する対応不可を持つカードもすべて出そろっているため、そこまでを含めた説明となります。

     

    分類A:ルールを分かりやすくするためのもの

     

    返し刃

     

     返し刃の2発目に対応ができると、対応した攻撃には対応できないというルールから外れているように感じられ混乱を招きます。それを防止するためのものです。
     
     この類の対応不可は必須であり、決して外すべきではないと考えています。

     

    分類B:カードの役割を遂行するための必要性によるもの
     

    衝音晶
    無窮ノ風
    大地砕き

     

     カードそのもののパワーが小さ目であるため、その効果を安定して機能させるために対応不可を付けるというものです。

     

     「衝音晶」はカードパワーは少し低めの1枚です。もちろんよいカードですが、1/-から対応のリスクを消すくらいのことはしてもよいでしょう。

     

     「無窮ノ風」はカード更新で対応不可が追加されます。「梳流し」を当てるためにこれを撃つというのに、これに「もぐりこみ」を撃たれるのは何かがおかしいと言えるでしょう。
     
     「大地砕き」は全力を使う割にはダメージに繋がりづらく、防御としてもある程度しか働きません。相手を崩す良いカードではありますが、この水準の利得に対して対応を危惧しなければならないのは逆に不当です。
     
     この類の対応不可は問題とはなりづらく、むしろカードを活かすためにも積極的に用いていくべきだと捉えています。

     

    分類C:苦労に見合った安定性を与えるためのもの

     

    乱打
    クリムゾンゼロ
    炎天・紅緋弥香
    奏流し
    影菱
    分身の術
    鐘鳴らし

     

     「斬」を失ったにも拘らず「乱打」は適正距離が2しかないために山札1週目で撃ち辛く、2/1ゆえにライフを安定して取れません。それに加えて決死を達成し、相手のオーラを1以下まで削らなくてはならないのです。
     
     「クリムゾン・ゼロ」は間合0に潜らなければ対応不可が付かず、ヒミカには前進するカードは一切含まれていません。消費5も安いとは言えない値です。
     
     「炎天・紅緋弥香」は消費7と重く、相手は間合の操作で対処する余地があります。そしてこのカードを撃つときには直ちに勝たなければならないのです。
     
     「奏流し」の間合5は戻るのも維持するのも困難です。そして、当てたところで与えられるのは1ダメージです。
     
     「分身の術」を効果的に使うには全力を持たない攻撃を伏せ、さらに相手がその間合にいなければいけません。もし相手が適切に対処したら、延々と手札に抱える羽目になり、残念ながら再構成と言うタイムリミットもあります。
     
     「鐘鳴らし」を撃つためには2歩の後退が必要であり、それに加えて組み合わせる先の攻撃も必要です。
     
     これらのカードを効果的に働かせるには相応の困難さが伴います。それに対して対応1枚で軽々しく対処されてしまうと、これらを目指すというロマンを追うことそのものができなくなり、冷たく苦しいゲームになってしまうと考えています。ロマンを追い、ワクワクとした楽しいゲームにしたいと私は考えているのです。
     
     しかし、この類のカードにはイエローランプも灯っています。同じ理由であった「影菱」には大きな問題がありました。「相応の困難さ」があるからこそこの効果は許されるのであり、その「相応の困難さ」が嘘であればこれらの対応不可は理不尽な問題へと繋がります。
     
     これらのカードの中には対応不可こそがベストマッチであるカードは間違いなく存在し、少なくとも対応不可のようなものはあるべきだろうと考えています。しかし、課題の困難さの度合いに応じて、もう少しマイルドな対応不可に切り替えるべきカードは存在するかもしれません。
     
     これらのマイルドな対応不可についての指針は後述します。

     

    分類D:フレーバーによるもの

     

    癇癪玉

     

     「癇癪玉」は例外であり、ストーリーのフレーバーによるものです。この効果に対して少なくとも「返し刃」で対応されるのは明らかにおかしいと言えるでしょう。
     
     しかし、このようなゲームにとって本質的でないところで、対応不可のようなパワフルなキーワードを加えるべきではありませんでした。今後はマイルドな対応不可に切り替えるべきであり、もし「癇癪玉」にカードを更新すべき程の問題があれば、そのような形に更新します。
     
     
    マイルドな対応不可

     

     最後に、今後の対応不可のあり方について、今の考えを説明しましょう。この段落の内容は確定事項ではありません。シーズン2の間により吟味し、洗練するつもりです。よろしければ皆様のご意見も聞かせて頂けると嬉しい限りです。
     
     私どもは、純粋な対応不可を使う頻度を減らすつもりです。代わりに、もう少し使いやすくした形の対応不可を必要に応じて採用していきます。特に、上記の分類Cの属するものは元来の対応不可に加え、これらの道具も使い分けていく形になるでしょう。
     
     これらの対応不可には2種類のやり方があります。説明しましょう。
     
    1:対象を限定した対応不可

     

     カードの中には、切札を切ってくれるなら対応されるのはやむを得ないが、通常札で対応されるのは我慢ならないというケースは十分に考えられます。そのような際には対応不可(通常札)のような書き方で、部分的な対応不可を与えます。
     
    2:対応の方向ごとの対応不可

     

     本作の対応は主に以下の4通りがあります。複数の分類にまたがっているものもあるでしょう。
     
    顱Ч況發梁任曽辰
    髻-X/-Y修正によるダメージの減衰
    鵝Т峭腓諒儔修砲茲覯麋
    堯反撃

     

     このうち、颪ら鵑紡个靴討楼焚爾里茲Δ塀颪方で効果を分割できます。
     
    ’:【常時】この《攻撃》は打ち消されない。
    ’:【常時】この《攻撃》は軽減されない。
    ’:【常時】この《攻撃》は対応された後に間合を再度参照しない。

     

     ’と’は文章から把握しやすく、このまま採用してもよさそうです。しかしながら、ピンポイントで颪糶鬚梁弍だけを止めたいケースはあまりなく、多くのカードに採用されることはないでしょう。ゆえにキーワードにはせず、本当に必要な時に平文で道具として使う形がよさそうです。
     
     ’はそもそもに意味が分かり辛く、このままの文章でカードに書くのは望ましくありません。しかし他方で鵑砲弔い討蓮△海慮果こそが必須であり、それゆえに対応不可を持つカードは少なくありません。これらを踏まえると、キーワードとするべきと考えています。名前は仮に、回避不可としてみます。
     
     細かく説明しましょう。鵑梁弍カードは他のカードと比べて強力であるためです。間合を外してしまえば攻撃そのものを打ち消せ、さらに間合が変化することで相手のターンを通した計画にも影響を与えられます。通常札の打ち消しが切札以外に限られている反面、この類のカードは切札にも効果的です。
     
     特に「一閃」などの単独の間合を持つカードは鵑梁弍にひどく弱いものです。「一閃」くらい気楽に使えるならば良いのですが、相応に苦労した攻撃をこれで躱されるのは理不尽に過ぎるというものです。
     
     一例をあげるならば「奏流し」は今のところは対応不可が適切だと考えていますが、これがどれほど弱体化を求められたとしても回避不可は付けるべきであると考えています。
     
     
     本日はここまでとなります。対応不可についての皆様のご意見をいただけると、大変ありがたく思います。本日は例外的な記事となりましたが、次回の更新はこれまで通り来週の金曜に、コラボカフェにまつわる話を行います。ご期待くださいませ!