『双つその手に導きを』第4回:いつもあなたのそばに

2018.03.09 Friday

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     こんにちは、BakaFireです。このシリーズはメガミの組み合わせ単位での強みを解説し、使う上での指標や、相手をする上での参考にすることを目指します。より詳しい説明は第1回の前口上をご覧ください。
     
     毎回の著者は異なり、大会などで十分な結果を残している方に、特に得意な組み合わせをお願いしています。やり方としてはその組み合わせについてのインタビューを行い、それにお答え頂く形で書いていただいております。
     
     紹介する組み合わせは、以下のルールで決めております。
     

    • 基本セットに登場するメガミの組み合わせである。拡張のメガミは熟練したプレイヤーに向けたデザインであることが多く、本シリーズの目的には即さない。
    • 大会などで十分な結果を残している。
    • 全6回それぞれの戦い方が十分に異なる。例えば、近距離でビートダウンする組み合わせを2つ以上紹介するつもりはない。

     

     第4回は別種のコントロールデッキとしてクリンチコントロールを扱います。第2回でのビートコントロールと比べても、さらに防御的に特化した構造をしています。扱う組み合わせはトコヨ/ユキヒです。それでは、早速はじめましょう!

     

    ジャンルの説明:クリンチコントロール

     

     《対応》カードや間合の制御により相手にやりたいことをやらせず、アドバンテージをを積み重ねることで勝利するデッキをコントロールと呼びます。その中でも間合0にできるだけ近づくことを防御の手段として用い、相手に後退のためにリソースを支払うことを強要する形でコントロールするものをクリンチコントロールと呼びます。

     


    著者紹介:舞茸
     第一回全国大会準優勝。第一幕からの古参であり、コントロールを深く嗜好し、守りにおいては最強の一角とも呼べるプレイヤーである。


     

    双つその手に導きを

    第4回:いつもあなたのそばに

    著:舞茸

     

     

    ■この組み合わせの特徴を教えてください。特に、なぜクリンチコントロールにおいて優秀なのかを説明して頂ければと思います。


    もしこのゲームを初めての人に説明するならどうします?


    私は盤面の説明をした後、間合を合わせて攻撃カードを振るゲームだと言います。相手のライフを削る上でも、オーラを削るためにも基本的には間合を合わせて攻撃を振るゲームだと言います。

     

    では、相手が攻撃をしても得出来ない状態にしたら?自分だけが攻撃出来るなら?
    そんな事になったら勝敗はもう見えていますね。
    前回の記事でカリンさんがオボロヒミカを例に説明してくれた通りです

     

    トコヨユキヒは前回のオボロヒミカとは逆に、間合を近づけさらに豊富な対応を構える事でその状況を多くの相手に作り上げられる所が強い組み合わせです。


    ユキヒは一般に、相手の間合の内側へ忍び込む事で、〜蠎蠅旅況皀ードを振りづらくさせる 後退を強要させ相手に行動損させる(一つ後退には2回の行動が必要だが、「たぐりよせ」は一枚で一つ間合を詰めつつオーラも削る) 事が強みです。相手の構成によってはユキヒ一柱にほぼ完封出来る事もしばしばです。

     

    しかしながら、「ゆらりび」や「つきさし」を避けられるオボロやサリヤ等の後に下がる事の出来る対応札を持った相手には結局、自分もまともに攻撃を当てられません。そうすると簡単に後退リソースと攻撃札を構えられ、逆に一方的に攻撃を振られる展開にすらなります。

     

    ところが、このトコヨユキヒは強力な対応札を備えているため、生半可な連打ではライフに攻撃を通さず、また「要返し」の存在から、相手の攻撃によるダメージさえ受けなければ再構成の回数の差で勝つ事が出来てしまうのです!

     

    しかも、ユキヒトコヨは至近距離でのコントロール軸のデッキのみしか組めない訳ではありません。


    「跳ね兎」や「ふりはらい」と言った優秀な後退カードを使って、中距離で梳き流し、しこみばり、はらりゆきで戦うデッキも組めます。さらには全力でないカードで唯一の1枚で2距離から0距離を踏める風舞台を利用し、中距離で戦いつつ隙を見て「ゆらりび」を当てる事まで狙う欲張りプランもあります。

     

    つまり、有利な相手にはトコトン強く、その上、そうでもない相手でも相手に合わせて色々とデッキが組めるそんな所が魅力の二柱です。


    相手の嫌がる事を進んでしましょう!

     


    ■この組み合わせでサンプルデッキを作成し、そのデッキの強みを教えてください。


    至近距離コントロール型
    ・しこみばり/ふくみばり
    ・ふりはらい/たぐりよせ
    ・ふりまわし/つきさし
    ・ひきあし/もぐりこみ
    ・ひるがえし/めぐりあい
    ・雅打ち
    ・要返し

    ・久遠ノ花
    ・千歳ノ鳥
    ・無窮ノ風

     

    防御して再構成差で勝つ事に特化したデッキです。


    相手は、後退リソースを用意した上で、対応カードを乗り越えなければ、攻撃を当てる事が出来ません。(それも「無窮ノ風」にさらされながら!)そして攻撃にさえ当たらなければ、「要返し」による再構成の回数の差だけで勝利する事が出来ます。


    中距離ビート型
    ・しこみばり/ふくみばり
    ・ふりはらい/たぐりよせ
    ・ひきあし/もぐりこみ
    ・梳流し
    ・雅打ち
    ・跳ね兎
    ・要返し

    ・はらりゆき
    ・千歳ノ鳥
    ・無窮ノ風

     

    ユリナオボロやハガネ入りの二柱等至近距離よりも中距離で漂っていた方が防御しやすい相手の時、または、トコヨシンラやクルル等対応不能の攻撃をしてくる相手の時に使うデッキです。


    ぶっちゃけ、他の二柱の中距離ビートと比べると明らかに火力が足りてないのですが、「千歳ノ鳥」や「要返し」のお陰で再構成が遅くなり相手のリーサルを伸ばす事で多少は誤魔化せます。

     

     

    ■サンプルデッキを使う際、桜花決闘で意識すべき点を教えてください。

     

    ・至近距離コントロール型
    こっちのパターンを通せる場合ほとんどデッキも変わらず、「要返し」のお陰で一巡目の動きがパターン化されているのでそれをご紹介します。

     

    1巡目の基本的な動き


    1T目
    二回(後攻なら三回)の通常行動。個人的にはオーラを三以下にして間合を調整しやすくするのがおすすめです。

     

    2T目
    要返し

     

    3T目
    前進してしこみばり当てる、ここで傘を開く

     

    4T目
    間合3以下になってる筈なので、めぐりあいを打つ
    この時手札は雅打ちともぐりこみになっていればベスト


    ※多くの場合4T目はとても「千歳ノ鳥」を打ちやすい間合にあり、丁度山札を使い切ったタイミングなのですが、一巡目に打つと「久遠ノ花」のためのフレアを溜めるのが遅くなるためあんまりおすすめしません。このデッキを通せる相手には千歳を無理して打つ必要はありません。実際の所打たないで勝つ事も多いです。

     

    ※マリガンを上手くやればほぼ上のパターンで動ける筈です。要返しは初動の安定性も高めてくれる。やっぱり最強のカード。


    2巡目以降は傘を開けっ放しです。基本的には使えるカードを使いつつ対応を使っていれば問題ないです。とっても簡単。


    ただ、難しいのが「無窮ノ風」を打つタイミングです。


    あまり打ちすぎると「久遠ノ花」を打つのが遅くなりますが、手札を削ればそれだけ相手は攻撃を通すのが難しくなります。対応カードが手札に少ない場合のごまかしとしても有効です。さらに上手く使うには相手が何をしたいと思っているのか、どういう手札があると思われるのかを想像してください。


    Turbo Switch等の「つきさし」を避けれるカードが落ちれば、そういうのを持っている二柱相手でも後退の圧力を掛けられます。攻撃カードを落とせれば対応カードを節約できます。上手いトコヨユキヒと下手なトコヨユキヒの一番の差は「無窮ノ風」をいかに上手く使えるかです。運も良かったら言う事無しです。

     

    また、「雅打ち」の使い方も重要です。集中を常にあぶれさせるのはあまり上手い方法とは言えません。相手が攻撃してくるターンがいつか、どれだけの守りが必要なのか良く考えましょう。


    間合0に居て「もぐりこみ」を構えていたら、相手はかなりリソースを吐かねば攻撃できません。そのため、「無窮ノ風」を使い手札を溜められないようにしていれば「雅打ち」を構えるまでもない事が多いです。全力カードを使う時どうしても集中力を消費できないので、その時に無窮を再帰させ、雅打ちも準備させられれば問題ないのです。

     

    そして、何より重要なのはどういう相手にはこのデッキを通せるのか、どういう相手には通せないのかをちゃんと知っておく事です。(私も最近はここが甘いです)


    個人的にはトコヨ、クルル入り、オボロ入り、ヒミカ入り以外を相手取る場合では殆どこのパターンでいいんじゃないかと思っています。


    ・中距離ビート型
    こっちのパターンはどういう相手を想定するかでデッキも変わり、それによって一巡目の動きもかなり変わってきます。ただ、一巡目がもっとも「千歳ノ鳥」を一番良いタイミングで打ちやすいのでそれを目指すのがおすすめです。(切札を隠すことにもメリットが大きいのでこれは好みかもしれませんが…)

     

    後は、中空でコントロールしたいのか、それとも、少しでも早くダメージを稼ぎたいと思っているのかそこが重要です。それによって雅打ちを対応としてではなく攻撃カードとして見る場合もあります。


    こっちの場合は、よりフレアの管理が厳しいので注意です。「はらりゆき」と「無窮ノ風」はどちらも再起する切札ですが、どういうバランスで用いるかはよく考えてください。

     

     

    ■相手に合わせてサンプルデッキの何枚かを変更することがあるかと思いますが、変更するカードの候補や、どのような相手の時に変更するのかを教えてください。

     

    ・至近距離コントロール型
    私の考える中で一番ありがちなのが、相手がユキヒやサリヤの場合何かを抜いて「詩舞」を入れるという事です。


    何を抜くかは
    1相手が2距離まで戻らないだろう場合
      →「雅打ち」を抜く
    2相手が隙のカードがない
      →「しこみばり」を抜く
    3上記二つでない場合
      →「つきさし」を抜く

    と考えています。


    守り切れれば「要返し」の差だけでも勝てるので、実は「つきさし」は無くても大丈夫です。ただそれが早めにばれると間合い0に居座られるます。そうするとダメージを受けるリスクも上がるので注意です。

     

    またサンプルデッキに入ってる切札の「千歳ノ鳥」は打たなくていい事がほとんどなので抜いて「ゆらりび」を入れても良いです。特に浦浪&即圧気を狙ってくる刀毒や刀鎌には雑に「ゆらりび」を打って、浦浪を早めに吐かせ安全にクリンチするべきです。

     

    後は、クリンチが有効だがどうしてもダメージを避ける事が出来ない場合や「圏域」をtopで引き続けられる事をケアしたい場合、「梳流し」を入れたり、切札に「はらりゆき」をいれたりという事があります。(トコヨユキヒにとっての相手のライフを取る攻撃はそれだけ相手の攻撃をライフで受けられるようになる事を意味します。つまり実質対応カードなのです)


    ・中距離ビート型
    このデッキを組むのは、中空でコントロールしたい場合とダメージを稼ぎたい場合の2パターンです。


    中空でのコントロール力を増したい場合、または、たまに0距離に入って攻撃をやり過ごしたい場合は「ひるがえし/めぐりあい」を入れる事が考えられます。

     

    また、コントロール力を犠牲にしてでもダメージを稼がなければならない時は、「点睛」&「風舞台」を入れる事が考えられます。

     

     

    ■この組み合わせで組めるサンプルデッキ以外の方向性のデッキや、コンボ、ギミックなどはあれば教えてください。


    風舞台、無窮ノ風、どろりうら、常世ノ月、くるりみ

     

    上記のカードを使って無理やり「ゆらりび」をあてに行くタイプがあります。基本的に中距離ビートと同様至近距離コントロール型を使っても勝てない相手に使うタイプのデッキで、中距離ビートを使ったでもダメージレースで負ける相手でも勝てる可能性を残せる所がポイントです。


    上で上げたカードを一応解説します。


    ・風舞台
    通常カードでありながら一枚で間合0へと潜れる唯一のカードです。ゆらりびをむりやり当てるタイプのデッキであればほぼ間違いなく入ります。たぐりよせ&もぐりこみ と違い音無砕氷等に阻まれない事もポイントです。


    ・無窮ノ風
    普通にどのタイプにも入るけど、詩舞やTurbo Switch等を落とす事で、ゆらりびを避けれる対応をなくす事が出来ます。


    ・どろりうら
    契約の楔やもじゅるー等ゆらりびを防ぐ役割をもつ付与札を破壊し、ゆらりびを当てれる。


    ・くるりみ
    特に仮想敵は居ないが奇襲性が高まる。相手としてはオーラ4以上を維持し続ければ良い訳ですが、くるりみをケアしようとすると、雅打ちだけでなく、しこみばり、はらりゆきもライフで受ける必要があります。

     

    ・常世ノ月
    本来なら当たらない程遠くに居る場合にもあてる事が出来る。ヒミカ系のデッキを相手にする時には特に便利。

     

     

    ■この記事を読んだ上で、大会に出る方に一言お願いします。


    今この記事でトコヨユキヒのデッキの殆どを伝えられたと思っています。でも、これはこのデッキを使う上で必要な理解の半分でしかありません。

     

    このデッキに限らずコントロールを主体とする二柱は自分のデッキの動きを知るだけでなく、相手のデッキの動きまで知らなくてはなりません。相手の事をよく分からなければ相手の嫌がる事を出来ないのです。

     

    様々なデッキを研究して何をされたら困るのかよく考察しましょう。そして試合で相手に嫌な顔をさせましょう!

     

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