第参拡張の修正とお詫び

2017.11.30 Thursday

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    修正カード郵送対応フォーム

     

     混乱を避けるため、カード郵送のためのフォームをページの頭に置いておきます。内容や経緯を知りたい方はそのまま進んでお読みいただければと思います。

     

     修正カードの郵送を希望される方はこちらのフォームまで必要事項を記入してください。カードが印刷され、状況が整う1月上旬から中旬にかけて郵送させて頂きます。

     

     また、大変厚かましいお願いで申し訳ございませんが、私どもの負荷軽減のため、以下にご協力いただけるとありがたい限りです。

     

    お願い

     公式大会、公認大会、公式の体験会などに間違いなく参加するという方は、できる限りイベントにて修正カードを受け取って頂けるとありがたいです。

     

     他方で、お住まいの地域で大会が不足している方や、これらのイベントへと参加を予定していない方は遠慮なく郵送を希望してください。郵送対応は、主にそれらの理由のためにこれまで対応が行き届いていなかった皆様のためのものです。

     


     

     こんにちは、BakaFireです。本日は皆様に深いお詫びとお知らせを行うために筆を執らせて頂きました。ゲームマーケット2017秋にて先行頒布し、12月9日より全国のゲームショップにて頒布を予定しております『第参拡張:陰陽事変』についての内容となります。
     
     お詫びとは言いますが、発売日の延期などはございませんのでご安心ください。
     
     最大限の誠意をお伝えし、かつ伝えるべきことは簡潔に行うため、以下の手順にて進めさせて頂きます。
     
    1:具体的な問題と行われることの説明
    2:問題を認識するに至った経緯の説明
    3:問題の原因への分析
    4:今後の改善案

     

     内容だけ分かれば問題ないという方は1のみお読みください。背景も含めて知りたい方は、2から4もお読みいただければと思います。
     
    1:具体的な問題と行われることの説明

     

    1-1 問題の内容

     

     今回の拡張で登場する新たなメガミ・ホノカのカードのうち、2枚にゲームバランス上の大きな問題があり、1枚に小さな問題があると分かりました。詳しい経緯は後程となりますが、このまま出版すると大会において、ホノカを軸としたデッキとそれに対する耐性の高いデッキのみが席巻する状況となり、ゲームバランスの明白な悪化が予見されます。
     
     それよりは小さい問題ながらも、もうひとつ問題があります。11月25日、26日のプレリリースで発表した新たなメガミ・ウツロにつきまして、大会でのフィードバックを踏まえた結果、メガミ全体として若干のパワー不足があると判断しました。

     

    1-2 問題の解決

     

     これらを解決するため、第参拡張に封入されているカードのうち、合計5種に修正を行わせて頂くことにいたしました(内容は1-3を、修正カードの配布方法は1-4をご参照ください)。
     
     12月2日、3日のゲームマーケットではカードの画像を含めた修正シートを付属して頒布します。店舗販売分については本件の対応についてのシートを封入して販売します。
     
     発売前に修正を発表するということに疑惑を感じるのは当然です。これまでの拡張も含め、説明させてください。
     
     『第壱拡張』の時、私は極めて愚かな過ちを犯し、それに気づいていませんでした。その結果としてチカゲはコンセプトから見直すことになりました。
     
     『第弐拡張』の時は多大な不安に苛まれていましたが、それでも問題がない可能性を信じられたため、しばらく様子を見ることにしました。結果『第弐拡張』にはほとんど問題はありませんでした(第二幕初期に犯していた過ちを解消する必要があったことと、上方修正の要望に応えるため『第二幕決定版』に伴う調整は行いましたが)。
     
     今回の『第参拡張』では発売より前に大きな過ちに気付くことになりました。故にこのまま出版したとしても、遠くないうちに(少なくとも大きな問題である2枚には)バランス調整が必要となるのは明白です。
     
     そこで私どもは、発売より前にカード5枚への修正を発表することにいたしました。安全を第一とするならば、大会の環境を見てから調整をする方がより安全なのは確かです。しかし、私はそれは皆様に対して誠実でなく、望ましい態度ではないと考えました。
     
     大会を行ってしまうと、ゲームを楽しむためにお越しいただいた方に、問題のある環境で理不尽な体験をさせてしまう恐れがあります。さらに今回のように問題を自覚している場合は、まさしく不実を皆様に働いてしまうことになります。私はそのような自分を許せませんでした。それゆえ、この形と取らせて頂くことにしたのです。
     
     幸い、ホノカのコンセプトはとても楽しいものであり、チカゲの時のようにコンセプトから見直す必要はありませんでした。いくつかのパワーカードが問題であったため、それらを直す形で調整案は問題なくまとまったのです。
     
    1-3 調整内容

     

     調整するカード個々に簡単な説明を行います。カードはまとめてpdfにて公開いたします。
     
    「義旗共振」「そして四季は廻る」
    これらの2枚にはバランス上の大きな問題がありました。特に前者は印刷されるべきでない水準の強さであり、必ず修正する必要がありました。

     

    「守護霊式」
    問題として上記2枚には劣りますが、あまりにも安定し過ぎていました。ホノカの強みが多くないならば存在してもよいカードなのですが、他にも強みと呼べる要素がいくつかあるので、安全のため微調整を行います。

     

    「遺灰呪」
    ウツロの問題として、決定力が不足し過ぎているために力不足が感じられ、同時にゲームの爽快感が奪われてしまっていました。そこでゲーム後半での決定力となるカードに差し替えます。
    「遺灰呪」には別の問題として、先手第1ターンで使用した場合のみ奇妙な上振れを引き起こし、それゆえに先手後手が重要になりすぎてしまうというものもありました。そこで、それも併せて修正します。

     

    「塵の左手」
    ウツロは自力でダストを作る力や、攻撃能力が不足していました。大きく調整し過ぎるとヒミカとの組み合わせが問題となるため、適度に調整することにします。

     
    カードのpdfはこちらとなります

     

    1-4 調整カードの配布方法

     

     上記のカードは無償で入手できるよう、可能な限りの対応を行わせて頂きます。具体的には以下の1、2を確実に行い、可能であれば3も行う見込みです。
     
     調整カードは幸いにして『第壱拡張』の再版に合わせて印刷できました。完成し、安定して配布を始められるのは1月上旬となる見込みです。
     
    1:公式大会、公認大会での配布

     これまでと同様のやり方です。各地の公式大会、公認大会にこれらのカードをお送りしますので、その会場へご来場(必ずしも大会に参加する必要はありません)頂いたら受け取ることができます。
     
    2:郵送

     お住まいの地域などの都合によりイベントにご参加いただけない方のために、郵送も行わせて頂きます。必要事項をフォームまでご記入いただければ、修正カードの印刷完了後から送付いたします。
     
    3:一部店舗での配布

     本作をお取り扱いいただいている一部店舗に許可とご協力を頂けたら、そちらにてイベント外の時間でもカードを配布できるようにいたします。


     本件の主題は以上となります。お読みいただき、誠にありがとうございました。そしてこの度は大変申し訳ございませんでした。
     
     原因や事情、より根本的な対策について知りたい方は、引き続きお読みいただければと思います。
     
     
    2:問題を認識するに至った経緯の説明

     

     現在に至るまでを、時系列にて説明いたします。

     

    2017年1月〜6月

     『第弐拡張』『第参拡張』のデザイン、バランス調整が行われていました。

     

    2017年6月末

     今回の『第参拡張』と8月に頒布された『第弐拡張』が入稿、印刷されました。
     
    2017年7月〜

     8月に『第弐拡張』が発売されました。また、この期間は『供焚勝法戮離妊競ぅ鵑盥圓錣譴討い泙靴拭
     
    2017年9月

     『供焚勝法戮砲けるゲームバランスをより良いものとしていくため、ディベロップ部門を発足し、その試運転として『第二幕決定版』に向けた調整を行いました。また、その事実は10月に発表されました。
     
    2017年9月〜11月

     『供焚勝法戮離妊競ぅ鵑終わりに近づき、本格的にバランス調整へと移行していくための移行期間でした。現在はバランス調整を中心に進めています。
     
    11月24〜26日

     24日に新たなメガミ・ホノカと彼女のいくつかのカードが発表されました。そして後の2日間では新たなメガミ・ウツロのプレリリースイベントが行われました。

     

     この際に起こった事態として、ホノカに対して私が想定していたよりも大きく「強すぎて危険である」というフィードバックが届きました。また、ウツロは決定力などの不足により、サリヤの時ほどプレリリースを盛り上げることができませんでした(こちらは、イベント企画における改善点という側面もあります。プレリリースではハーフミラーマッチが頻発するため、その際の楽しさをより考慮したメガミを選ぶべきと学んだのです)。
     
     これらのフィードバックを踏まえ、改めてホノカのカードリストを見直したところ、(発表されていたカードよりも)強い問題を感じるカードが1枚と、問題があり得るカードが7枚見つかりました(本当の問題が全てにあったわけではありませんでしたが)。その時点から、強い不安と恐怖を感じるようになりました。
     
     サリヤの時も「Omega-Burst」「Shield Charge」「Turbo Switch」の3枚を問題があり得るカードと感じてひどく苦しみましたが、その時と比べても度合いと枚数が大きく違うのです(これら3枚は今では杞憂だったと捉えています)。
     
    11月27日〜29日

     私は9月から発足していたディベロップ部門に相談することにしました。ここで補足する点として、私は意図的に彼らに『第参拡張』の情報を流さないようにしていました。なぜなら彼らは『第二幕』を強く楽しんでくれているプレイヤーであり、『第二幕』の間は純粋に展開を楽しんでほしかったからです。
     
     しかし、この事態に陥り、他方で新たなメガミの発表というところまでは何も知らないままお楽しみいただけたため妥協することにしました。それよりは、手に取って遊んで頂く全てのプレイヤーにとって少しでも魅力的な環境にすべきだと舵を切りなおしたのです。
     
     急な状況にもかかわらずディベロップ部門の全員にご協力いただけ、話し合いやプレイテストを急ぎ行いました。結果として強く問題を予期していたカードは、やはり明白な問題があると評価されました。また、問題の可能性を感じていたカードのうちの1枚も問題のある強さだとも判明しました。
     
     他方で、心配していた大半のカードは杞憂だと判断されました。しかしながら、調整が必須であるカードが2枚ある時点で問題であり、この発表を行うことは確定しました。
     
     さらにその話し合いの中で、ウツロのパワーが不足していることへの不満も挙げられました。ゲームシステムや、キャラクターゲームとしての側面を鑑みると弱いメガミもまた本作では同じ程度に問題なのです。ゆえに、ここでホノカへの調整が必須であるならば併せて直すべきと判断し、上方修正も行うことにしました。
     

     

    3:問題の原因への分析

     

     原因を雑に切り捨てると私が無能だからということになりますが、それだけでは改善のしようがありません。この事態に至った原因を分析し、改善点へと繋げることにします。説明しましょう。
     
    問題点1:2つのセットを同時に作った弊害があった

     

     『第弐拡張』と『第参拡張』を同時に作ったため忙しすぎて調整が追い付かなかったというわけではありません。それ以上に、開発時点と今の間で環境が変化し過ぎていたのが多大な問題でした。
     
     開発時期は全国大会より前、つまり「足捌き」「雅打ち」「梳流し」「審美眼」の全てが全盛期のユリナ/トコヨが存在していたのです。
     
     なお悪いことに私どもは調整のやり方として、大会で結果を残している組み合わせを仮想敵としてスパーリングを繰り返すというやり方を取っていました。これは良い手法ですが、仮想敵そのものに問題がある場合は必然的に問題を生むことになります。
     
     具体例を挙げるとすれば、今回最大の問題である「義旗共振」は接近戦と打ち消し対応に対しては脆弱性があるため、当時のユリナ/トコヨを相手にしている範囲では問題が発見されませんでした。
     
     さらにクルルとサリヤへのフィードバックや『決定版』調整による影響を加味することもできませんでした。こちらは「忍歩」の調整が特に問題としてのしかかったと言えます。

     

     なぜ『第弐拡張』と『第参拡張』を同時に作成したかと言えば、印刷費用の問題です。本作の加工は高価である反面、1つの拡張に封入される枚数は少なめです。それゆえに、個別に印刷すると費用面の問題が生まれてしまうのです(ということを『第壱拡張』の印刷費用を見て学びました)。
     
     ただし、この問題は今はクリアできています。今の状況は極めて良く、再版を適切に挟めばこの工夫をせずに問題のない運営が可能です。しかしながら、この決定をしたのは遡ること2月頃であり、そして昨年12月に『第二幕』になるまで本作が衰退への道をひた走っていた事実も踏まえると、当時の私は楽観的にはなれませんでした。

     


    問題点2:本作のバランス調整のシビアさが、私どもの能力を超えていた

     

     この問題そのものはすでに解決されています。しかしながら、今回の原因ではあるので書かせて頂きます。
     
     いくつか前提をお伝えします。本作のバランス調整は極めて難しいのです。強すぎるカードが駄目なのは当然として、メガミ1柱には11枚しかカードがないため、一般的なTCGと異なり弱いカードも容認されません。さらに11枚を揃えたメガミ全体として魅力的に機能する必要があります。それに加え、爆発的に増えていく組み合わせをできる限り追わなくてはなりません。
     
     次に、本作そのものの作成から『第二幕』、そして3つの拡張までは私の過去作にご助力頂いていた友人たちだけでプレイテストを行っていました。多くの過去作、特に『惨劇RoopeR』シリーズの素晴らしい点から分かるように、彼らの能力が素晴らしいのは間違いありません。本作で言うならば、メガミの人格、個性、あり方をカードに落とし込み、11枚を束ねて魅力的なひとつの存在としている点は、彼らの助力が多分に含まれていると言えます。
     
     しかしながら不幸なことに「競技性の高いゲームで強いプレイヤーである」能力は私を含めてだれも持ち合わせていませんでした。つまり「私の作りたいゲームのアイデア」と「私や友人たちができること」の間に大きな乖離が生まれていたのです。さらに言うならば「友人たちが楽しめること」との乖離もあり、それはより大きな問題です(ゲームに強くなることや、強くなるために情熱を注ぐことはそんなに簡単ではないのは、皆様もご理解いただけると思います)。その事実に気づき始めたのは、少なくとも6月末の入稿が近付いてからでした。
     
     それゆえに私は『供焚勝法戮里燭瓩縫妊ベロップ部門を発足したのです。こうすることでメガミのコンセプトやデザインの範囲で友人たちの強みを活かしたまま、大会で実績を残した強いプレイヤーの意見をバランスに反映させられるのです。

     


    問題点3:私がゲームに対して向き合いづらすぎた

     

     問題点2の小さな例外は私自身です。私は人生をかけて本作と向き合っており、本作のことを誰よりも考えている自信があります。さらに言うなら、私だけは事実として仕事なのです。
     
     それゆえに、今日にいたるより前に問題に気付けた可能性がありました。6月の印刷には間に合わないにせよ、発売より前に問題を把握し、修正をその時点で入れることは不可能ではなかったはずです。
     
     しかし懺悔をさせてください。『第弐拡張』『第参拡張』において私がゲームそのものへと本当に真摯に向き合えたかというと、幾ばくかの疑惑が生まれてしまうのです。
     
     本作の企画は多角化しています。公式大会運営、ありがたいことに増え続けている公認大会の管理、デジタルゲーム版の作業、ストーリーのプロット、ブログ記事の作成、これもまた上手くいっているゆえにのしかかる流通の業務や経理作業。
     
     私は、適正をはるか超えた仕事を抱えてしまっていました。それゆえに今回の過ちに目を光らせる余裕がなかったのではないか、プレイテスト当時もカード1枚1枚への対話が不十分だったのではないか。今回の問題が紛糾した今この時、改めて私は過ちを犯していたと気づいたのです。

     


    4:今後の改善案

     

     以上の3つの問題点に対して、私は以下の改善点をもってあたることにします。
     
    改善点1:今の規模に合わせて企画を最適化していく

     

     問題点1はある意味で、『第二幕』での拡張のやり方ゆえに生まれた問題とも言えます。しかし幸いにして『第二幕』シリーズは『第参拡張』で完結し、次からは『供焚勝法戮箸覆蠅泙后
     
     『供焚勝法挧楝里砲弔い討呂海里茲Δ別簑蠅起こらない開発スケジュールが組めており、より素晴らしい頒布形態もすでにアイデアがあります。
     
     『供焚勝法戮粒板イ仮に出せるとすれば、それもまたより適切なやり方を模索し、スケジュール面でも、予算面でも無理のない形に仕上げます。

     

    改善点2:ディベロップ部門が発足されている

     

     問題点2で述べたとおり、この問題は既に解決されています。以前の記事で書いた通り、ディベロップ部門が発足しているのです。
     
     報告するとすれば、『供焚勝法戮粒発はこれまでよりも良い状況で進められております。バランス調整が明確に円滑化しただけでなく、後ろにより高水準なバランス調整が控えていることから、デザイン部門もより安心してアイデアを出せるようになったのです。

     

    改善点3:ゲーム製作集団としての効率化と見直しを行う

     

     こちらの改善点こそが、今回の失敗を踏まえて新たに推し進められる改善点であり、私の重大な使命です。

     

     これまでも私は多くの方に支えて頂いていましたが、本質的には個人の同人ボードゲームデザイナーとしての側面が色濃く出ていたのも確かです。しかし今回の失敗や、近づいてきたデジタルゲーム化などを踏まえ、いよいよもって個人でなく集団としての活動へと推移しなくてはならないと自覚しました。
     
     具体的にどのようにするかというと、ゲーム製作作業全体の見直しを行い、私が行うことで品質が上がり、作品に尽くすことに繋がるものと、私が行わないことで前者の質を向上できるものを切り分けるのです。
     
     今のところ、「イベント運営、管理」「流通、在庫管理」「経理」の部分は適切なやり方で委任していけるよう進めはじめています。まだゲームマーケットの準備が忙しいため、本格的には行えていませんが、12月にはこれらの切り分けを済ませ、1月には新体制を確立できるよう尽力いたします。
     
     
     以上となります。ゲームマーケット前日にもかかわらず、このようなお知らせをすることとなってしまい誠に申し訳ございませんでした。何卒、引き続き本作を楽しんで頂ければ嬉しい限りです。