『桜降る代の神語り』第41話:再び忍の里

2017.11.13 Monday

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     天音揺波とハガネの旅は続き、一週間の時が流れた。
     旅そのものはつつがなかった、と言ってもいいだろう。
     けれど、先の町で起きていたような、メガミやミコトを取り巻く気味の悪い話は、行く先々で彼女たちの耳に入る。
     嫌な予感を募らせながら辿り着いた忍の里。そこで待つのは、果たして?

     

     


    「え、っと……」

     

     揺波が忍の里に着いてまず、困惑の色を見せた。
     ついこの間出立したばかりの位置から見る里は、はっきりと緊張感、そして慌ただしさを露わにしていた。最初に忍たちに取り囲まれたときとも、客として受け入れられていたときとも違う空気が、里の見え方を変えている。

     

    「なんか変……だよね?」
    「は、はい……なんというか――」
    「一触即発、って感じ」

     

     隣のハガネが、真剣な面持ちで揺波の言葉を引き取った。
     整然としているだけで、ほとんど普通の人里と変わらない町並み。そこに確かに人もいる。だが、人々は道を、屋根の上を、忙しなく行き交うだけで、そこから生活の息遣いは感じられない。装いも黒い忍装束の者が多く、子供の姿は皆無であった。

     思わず腰の刀に意識が行ってしまう揺波であったが、位置を直すだけに留めた。殺気立った慌ただしさこそあるが、騒がしくはない。血なまぐさい事態が今起きている、というわけではなさそうだった。

     

    「おい、貴様天音か!」

     

     そうやって別人のような里に面食らっていると、声と共に突然空から行く手を阻むように人影が落ちてきた。
     厳しい顔立ちの男は、里の往来から抜け出してきたように忍装束に身を包んでいた。張り上げられた声にハガネは一歩引いてしまうが、揺波にはその威圧的な声に聞き覚えがあった。

     

    「あぁ、お久しぶりです! ……えーっと――」
    「藤峰だ。ふん、騒がせるな」

     

     憤慨しながらも肩の力を抜いた彼は、揺波が最初忍の里に辿り着いた際、臨戦態勢で出迎えた三人の忍のうちの一人である。

     

    「こんな時に戻ってくるとははた迷惑な。随分急ぎの旅だったようだな」
    「あー……ちょっと色々あって、オボロ様に会いに来たんです」
    「貴様も知っての通り、オボロ様はお忙しい。手が足りずに道すがら余所者の対応を任されたこの俺も、これから緊急の会議だ。我々も、色々あってな。まあ宿くらいは後で用意してやるから、しばらくその連れ、と……」

     

     苛立つ様子の藤峰であったが、揺波の陰に隠れていたハガネに目を向けてから、言葉をすぼませていった。それから吟味するように無言で眺めていたが、突然ぎょっとしたように目を見開いた。それから、天を仰ぎ低く唸りつつ、頭をかきむしった。
     そんな彼へ、苦笑いを浮かべながらハガネは、

     

    「わかる……? こういうわけなんだけど……オボロっちに会える?」

     

     問われた藤峰は心を落ち着けるように深呼吸一つ。
     そして浅い礼と共に、努めて冷静にこう返した。

     

    「……失礼した、前言を撤回しよう。今からオボロ様もいらっしゃるその会議へと、ご出席いただきたい」

     

     先を促す彼の顔は、声色に反して苦虫を噛み潰したようであった。

     

     

     

     


     案内されたのは、里でもいっとう大きな屋敷であった。何代か前の長の家だったが、質実剛健である忍にはかえって居心地が悪かったようで、以来賓客用、そして多くが会する必要のある公の議場として使われている。
     廊下から襖を開けると、だだっ広い畳敷きの部屋に三十人は下らない数の人々が、めいめい座していた。揺波の見知った顔は少なく、千鳥も見当たらなかったが、最前列でジュリアの隣に座っていたサリヤが、揺波たちに向かって小さく会釈した。

     

     

    「オボロ様、天音揺波と……ハガネ様をお連れしました」
    「む……?」

     

     藤峰の言葉に右肩越しに目を向けたのは、集まった人々の前に立っていたオボロであった。
     彼女は普段着流している白衣を前できちんと留めているせいか、白い筒から頭が生えているような格好になっていた。腰の巨大巻物も今は持っておらず、揺波たちとは反対側の端で筆を執る忍の前で広げられている。

     

     入室する揺波たちに背を向けていたオボロは、向き直ってから藤峰の言が正しいことを確かめて眉根を上げた。少しだけ右半身に傾いだ身体で、小首をかしげているようにも見えるがそうではない。
     その一方、揺波は絶句していた。

     

    「オボロっち……それ、どうしたの……」

     

     不安そうに問うハガネの視線は、オボロの左半身に注がれていた。
     ひらりと舞っていた一本の白い筒が、動きを失って、べたり、と潰れている。
     中身がない、筒のように。

     

    「冗談、ですよね……?」
    「ああ、これか?」

     

     おもむろにオボロは、右手でそれを――だらんとぶら下がった、中身のない白衣の左腕の部分を、掴んで見せた。そして、真顔で弄んでから、興味を失ったかのように放り捨て、再びだらりと垂れ下がる。
     袖を通さず、胴に押し込んでいるわけではない。
     身体が傾いていたことに気づいたオボロは、左腕が生えているはずの肩口を億劫そうに撫でながら答える。

     

    「長く付き合ってきた分、流石に左腕一本丸々失うと体重の釣り合いが取れなくてな。まあ、落ち着いたら治すさ」
    「…………」

     

     まるで、包丁で指を切ってしまったから水仕事が大変だ、とでも言うような軽いオボロの言葉に、揺波もハガネも、返す言葉が見つからなかった。

     

    「訳は後で話そう。いい時に来てくれた、まずは座ってくれ」
    「どうぞ、前の方へ」

     

     藤峰に促され、ようやく動き出した二人。言われた通り、手前の最前列に座る。
     そのまま藤峰が襖を閉めると、オボロも腰を下ろした。ただ、白衣を整える手は、揺波の首元をついていく桜色の光球に目を奪われたために止まる。が、つい、と視線をそらし、再度居住まいを正してから改めてハガネを見た。

     

    「さて……藤峰がどう説明したかは知らんが、この場は対策を練るための会議だ。まだ全員ではないようだが、なに、揺波がちょうど珍しい土産を携えて戻ってきてくれた手前、贅沢も言っていられまい」
    「お土産というか、お荷物だったんだけどね」
    「つまるところ、ハガネをそうせしめた現象についての対策会議となるわけだ」

     

     が、と続けたオボロは、視線を何か言いたげな揺波へと移した。

     

    「議論のためにはまず現状を正しく認識、共有することが必要になる。順序立てて……できれば時系列順に理解していきたい。それで言うならば、拙者の腕は後だし、お主らを襲った出来事はおそらく始まりに相当するだろう」
    「その腕……ハガネさんと同じで、力を失ったからではないんですか?」
    「だから逸るな。腕はあくまで副次的なものに過ぎん。どちらにせよ前提は一緒なのだ、お主らの話を聞いてから、こちらの見解を述べたほうが手っ取り早いだろう」

     

     そう諭された揺波は、膝の上に揃えた手に、自分よりも小さな手が重ねられたことに気づいた。その手の主は、見上げるように揺波と目を合わせると、こくりと小さく頷いた。

     

    「……はい、分かりました。じゃあ……そうですね、ハガネさんと最初に会ったときのことから話せばいいでしょうか。あれは、御冬の里を発ったその日のことでした――」

     

     

     

     

     それから揺波は、決闘を皮切りにして始まった二人旅の様子をかいつまんで語った。とはいえ主たる出来事はハガネが力を失ったことであり、先々で得られたのは噂話止まりである。それを正確に話そうとする揺波に、適宜先を促していったオボロは、まるで彼女が聞いた話を既に知っているかのようであった。

     

    「ふむ……」

     

     あぐらで頬杖をつきながら情報を吟味していたオボロは、揺波の話が終わってからやや経って、思索の海から戻ってきた。

     

    「やはりおまえたちが来てよかったよ。この事態を軽んじてはならない、という拙者の予感は正しかったのだ」

     

     その答えに、揺波と、そしてハガネは静かに息を呑む。
     オボロは二人を見比べてから、「認識をすり合わせよう」と前置きし、

     

    「一週間前。つまりハガネが倒れたおよそ同時刻、拙者も力が抜けていく感覚に襲われた。しかし拙者の場合倒れるほどではなく、瞬発的に激しい消費行動をとった際のような程度に過ぎなかった」
    「えっ……あたし消えかけちゃうくらいだったのに」
    「この現象はメガミごとに差異があるということだろう。できればもっと、当時顕現していたメガミに話を聞きて傾向を探りたいところだが……難しいだろうな」

     

     一同を見渡すオボロに反応する者はいない。揺波がハガネを見るが、心当たりはないと首を横に振った。

     

    「――続けよう。そこで虫の知らせが届いた拙者は、まずこやつら忍に異常がないか確認した。すると、思うように拙者の権能を借りられないミコトがいると判明した。すぐさま調査の手を各地へと広げると、影響の大小こそあれど、同様の事例が多数報告された」
    「じゃあ、わたしたちの通ってきた町での話は……」
    「全て一つの事象に繋がっている、と考えてよいだろう。突然メガミを満足に宿せなくなったともなれば、腕利きのミコトだろうと逃げ出しても不思議ではない」

     

     揺波は己の右手に目を落とした。揺波とて、ザンカの力がなければ、ただ戦いの才がある人間でしかない。襲撃された際も、サリヤの介入がなければ殺されていただろう。結晶の守りの有無とはまた別軸で、宿せないというのはそれほどにミコトの不安を煽るのである。

     

    「ハガネの件を鑑みれば、ミコトへの影響の大小は、そのままメガミへの影響の大小に比例しているという説が濃厚だろう。ミコトは、力を借りたくても借りられない状況下にあり、メガミは与えたくとも与えられぬ状況下にある、というのが正しい認識だと推測する」
    「だとすると、今あたしを宿しても、ミコトはあたしの力が使えないの? この、顕現体から力が抜けちゃっただけじゃなくて……」

     

     眉尻を下げたハガネの問に対し、オボロは、

     

    「そうだ。影響はメガミそのものに及んでいる。それは間違いない。我々の身体がどうこう、といった次元の話には収まらない。それ故に……原因には未だ見当がついていない。なにしろ前代未聞だからな。だが――」
    「はい、あれから進展はありません」

     

     視線を投げかけた先の藤峰の回答に、ため息一つ。その代わり、得心した、とばかりに言葉を続けた。

     

    「だが、原因は分からずとも、震源地と目される場所はある。――瑞泉だ」
    「……!」
    「あくまで状況証拠に過ぎん。しかし、未曾有の事態にしては偏りが大きすぎる。……瑞泉の周辺を主に調査していた南方の調査員が何名かいるのだが、皆連絡が途絶えていてな。行方をくらましただけならともかく、連絡の一つも寄越さんのは何かあったと思うしかない」

     

     そして、と指で二を示し、

     

    「影響の度合いの分布だ。影響を受けたミコトの数の多い地域は、人口差を考慮したとしてもなお、南に偏っている。その中心は旧龍ノ宮領。そしてそこを今、大手を振って取り込もうとしているのが、瑞泉。――飛びつくのを躊躇ってしまうほどの符号だが、前々から警戒はしていた。今はそちらの方面をさらに注視している、というのが我々の現状だ」

     

     一通り話し終えたオボロは、揺波たちの反応を待たずに「さて」と区切りをつけた。改めて背筋を伸ばす揺波を横目に、オボロは本題へと入る。

     

    「認識の共有が為ったところで、議論すべきは今後の方針についてだ」
    「あの……その前に改めて確認しておきたいのですが」

     

     そこで小さく手を上げたのは、サリヤであった。

     

    「これが、放置しておけば勝手に元に戻るような、自然現象……という可能性はないんでしょうか。私たちの故郷の、コールブロッサムも、結晶の産出量が増減することがあるので、そういった事象なのではないかと……」
    「ほう、それは興味深い。……だが、その可能性は低い。桜そのものに対して影響が出ているのであれば、確かに力は失われるだろうが、それなら影響はより均一に、そして神座桜にも目に見えて変化が起きるだろう」
    「ううん、見てきた桜は皆元気そうだったよ」

     

     二柱の反論に納得したサリヤは、そのまま引き下がる。
     代わりに今度はハガネが提案するが、

     

    「ねえ、悪者がいるんだったら、どかんとやっつければいいんじゃないの? ……今のあたしじゃ無理かもしれないけど」
    「ハガネさん、だめです。もし、これが誰かの策だったら……嵌った状況で挑んではいけないです。こんなすごいことをやってきた、と思っても、もっとすごい次を想定しないと、今大丈夫でも、その次でやられるかもしれません」

     

     留めるのは揺波。情勢をよく理解することは難しいが、相手が存在するのであれば別だ。彼女の純粋な戦闘勘は、性急な解決をよしとしなかった。
     それに感心したように頷いたのはオボロである。

     

    「揺波の懸念は正しい。確証がない、というのは、何も下手人に限った話ではない。果たしてどこかにいる首謀者を討てば終わるのか、誰にも分からない状況で突撃するのは危険だ」
    「そ、っか……」
    「そして思うに、拙者にこのような躊躇を強いている段階で、この事態は最悪な結末へ向かって転がりだしている。サリヤ殿の言うように、勝手に収まる自然現象であれば笑い事で済む。だが、備えをせずにさらなる災禍にただ飲まれるのはいただけない」

     

     そこでオボロは、腕に頼らず器用に立ち上がると、サリヤの隣のジュリアに目配せをした。するとジュリアは足をもつれさせながらも前に出る。

     

    「そこ、デ! ワタシたちが開発したコレデス!」

     

     オボロに並んだジュリアは、一同に見せつけるように下端を握った短い棒を突き出した。もはや白に近いほど淡い桜色をしたその棒は、ともすればジュリアの手に握り込んでしまえるほどの大きさである。

     

    「モシモ……モシモ、ミナサンが、メガミサマの力借りることできずに、戦うこと求められたとしたら? そんなトキは、備えあればダイジョーブ! 結晶のエネルギーをギョウシュクしたこれを砕いてくだサイ! そうすれば、メガミサマの力、使えるようになるはずデス!」
    「空間に結晶の力を充填させる使い捨ての道具だ。その場が一時的に神座桜の下になると思ってくれれば早い。桜の下以外で、ミコトが拙者たちを宿し戦えるよう作ったものだ」

     

     自らもその棒を取り出したオボロは、それを放って揺波に寄越した。慌てて受け止めた揺波の手の上に白桜色が転がり、横からハガネが覗き込んでいる。手触りは石のようであるが温かみがあり、全体がほのかに発光していた。

     

    「以前、ワタシが襲われたとき、ユリナサンたち、力使えないのに、敵、使ってました。それズルイ、怖いかったデス! ワタシタチも同じコトできないか考えて、造花結晶の理論でもっと高い密度で結晶エネルギー圧縮することに成功しました! これはスゴイ造花結晶と思ってクダサイ!」
    「今朝方ようやく形にできてな。最悪の事態を想定して用意した、現状出し得る最善の対抗策の一つだ。名を『神代枝』と言う」

     

     オボロがその名を告げた瞬間、当のそれを観察していたハガネがぎくりと固まった。
     ぎこちなく視線を動かすと、その意を汲み取ったのか、

     

    「ふ……いつ入用になるとも知れんからな。手近なところにちょうどいい材料があれば、使わぬ手はないだろう?」
    「なら……」
    「まあ、というわけだ。まだ安定性のために改良が必要だが、可能な限り生産し、これを武力の備えとする。事態がより深刻なものとなった場合、攻勢のためにも、自衛のためにも、これは必要になるだろう。量産性にも未だ乏しく、使いどころは考えねばならんがな」

     

     鼻息荒く神代枝を見せびらかしているジュリアへ、戻るよう肩を叩くオボロ。揺波に渡したものも回収しつつ、

     

    「次に、情報の備えだ。これについては、我々の情報網だけでは既に把握しきれない事態であるため、古鷹へと密な連携を要請している。本来ならばこの場に、使いに出した楠坂が居てもよい頃合いだったのだが……おや?」
    「どうしました?」

     

     何かに気を取られたオボロの様子を窺う揺波であったが、周りの忍たちも同様の反応を示してから少しして、同じく気づくことができた。
     答え合わせをするように、揺波たちが入ってきた側の襖を藤峰が開ける。
     廊下から、一人分の足音が聞こえていた。

     

    「これはこれは、皆さんお揃いで」

     

     現れたのは、これといって個のない、どこにでも居そうな中肉中背の男だった。薄く張り付かせた笑みも、よろず屋か、飲み屋か、あるいは旅籠か、商人本人ではないが客商売には身を置く人間のように、印象に残らないのっぺりとしたものであった。
     彼は蓋の閉まった網目の密な竹籠を小脇に抱えており、足についた泥跳ねから、それを持って森を抜けてきたばかりのようであった。

     

    「御堂殿でしたか。お返事だけいただければ十分でしたのに、御堂殿まで遣わされるとは、古鷹殿のお気遣いは厚い」
    「いえ、それほどでもございませんよ」

     

     藤峰に御堂と呼ばれた男は部屋に入ることなく、額にかいた小汗をわざとらしく拭う。実に演技じみていたが、言外の意味を測りかねた皆は言及することができない。
     と、藤峰はそこで、古鷹家の遣いが一人で顔を出したという妙な事実に、ようやく気づいた。

     

    「ところで……楠坂はどうしたのでしょう。そちら側にまだ残っているのでしょうか」
    「ああ、彼ならちゃんと居ますよ」

     

     御堂の返事は、嫌にねっとりと、揺波の耳を打った。
     ぞわ、と。この場にいる御堂以外の誰もが、少なからず背筋にさぶいぼを立たせた。
     どこに彼が居るのか――それを口にする前に、御堂は竹籠の蓋を捨て、そして、

     

    「我々の答えとなって、ですがねぇ」

     

     その中身を、ぞんざいに、皆の居る部屋へ放り投げた。


     ごろん。
     黒と、肌色をした、丸みのあるそれ。
     一抱えもあるそれは、自身の凹凸によって転がることなく、肌色の面を皆に向け、静止した。

     

    「ぇ……」

     

     心で納得する前に、それが何なのか、揺波は理解できてしまっていた。
     前回忍の里を訪ねた際に、自分を聴取したあの忍・楠坂。
     彼のその――頭、なのだと。

     

     

     


     メガミにとっても前代未聞の出来事は、忍の里にもその魔手を伸ばし始めていた。
     流石オボロ、忍たちは強かなものだね。謎を解き明かし、そして不穏を払おうとしている。
     しかし、影もまた狡猾であり、迅速だ。
     忍たちはその強さと迅さゆえに、避け得ぬ争いにもいち早く至ってしまったのさ。

     

    語り:カナヱ
    『桜降代之戦絵巻 第四巻』より
    作:五十嵐月夜  原案:BakaFire 挿絵:TOKIAME

     

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