2020年5月禁止改定

2020.05.04 Monday

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     私どもはバランス調整の宣言と、それに基づく理念に従い毎月第一月曜日にカードの禁止改訂を行います。この記事はその2020年5月のものです。禁止カードを出すことそのものについて疑問や不安を感じる方は、宣言あるいはそれを要約した理念をご一読いただければ幸いです。

     

    2020年5月禁止カード

     

    『祈祷師』ライラで禁止

    暴風

    流転爪

     

    追加札から除外

    Form:ASURA

     

    ※ これらの全体禁止はシーズン5の間、即ち2020年8月上旬まで継続し、『第伍拡張』でのカード更新を通して解除されます。

    ※ 禁止は『祈祷師』ライラ固有のものです。オリジン版のライラでは「流転爪」は使用できます。

    ※ 「Form:ASURA」はゲーム開始時に追加札に置かれなくなる形で禁止が行われます。

     

     

     今月は禁止カードの改訂を行うべき時が来たと判断し、実行に移します。禁止改定において私は2月3月4月の禁止改定における流れに基づいた考えを持っています。3つに跨る内容を見直すのも手間ですので、こちらで要点のみまとめましょう。また丁寧にお伝えするために長くなってしまいましたので、要約も用意しました。簡潔に済ませたい場合は最後の要約をお読みください。

     

     4月からの大きな変化を述べるならば『第伍拡張』の発売予定が正式に8月となった点とオンライン大会です。これらは禁止の改定を推進する方向に働きました。

     

     

    2月から4月のおさらいと5月の状況

     

     まず前提として今の環境には偏りがあります。偏りを生んでいる主な原因はアナザー版ライラとアナザー版サリヤであると私どもは判断しています。アナザー版ライラについては2月時点から言及している通りです。サリヤについては大規模イベントのために言及は控えておりましたが、改訂に含めるべきかどうか3月時点から慎重に観察していました。

     

     2月改訂にある通り、私どもは偏りそのものを悪とは捉えておらず、シーズン4からの体験の変化を肯定しています。しかし同時に2月から3月には体験の偏りに伴う倦怠感と、それに付随して今の体験を好まないプレイヤーが楽しめない期間が続く点を懸念していました。この類の影響は時間の経過とともに悪化するため、特に3月は強く意識しています。変化した体験が長く続きすぎるのであれば、それもまた体験の変化不足を生んでしまうのです。

     

     しかし3月改訂にある通り、3月時点では改定を行うべきではありませんでした。主な理由は本作を競技的に捉えるプレイヤーが大規模イベントに向けた準備を行っていたためです。3月だけはゲームに体験を求めるプレイヤーよりも、勝利への挑戦を求めるプレイヤーを手厚く扱うべきです。そして大規模イベントがあるために、倦怠感という側面でも3月までは容認できると捉えていました。

     

     ゆえに私どもは4月の禁止改定に前向きでした。しかし4月の改定はその意義よりも悪い影響のほうが大きいと判断しました。

     

     今でこそ変化の度合いの面では落ち着いていますが、3月24日から4月上旬における新型コロナウイルスに伴う日本国内の情勢変化はとてつもないものでした。当然ながら私どもも変化に伴う計画の立て直しに注力する必要があります。計画を安全に定めるには、4月11日の「今後の展望、2020春」までの期間が必要でした。加えて計画をお伝えする前に他のことに手を付けるとプレイヤーの混乱も悪い方向に大きくなると予測できます。

     

     そして5月となりました。追加で2か月が経過すると、体験の偏りに伴う倦怠感は当然ながら強まるだろうと私は類推しています。私どもの計画も明確化し、指針も固まっています。加えて改訂を肯定する理由がふたつ加わっています。改訂を行わない理由はもはやありません。

     

     第一に本日のもうひとつの記事でお伝えしている通り、オンライン大会の開催が決定しました。4月はイベントの自粛期間として一切の公式、準公式、公認イベントを停止していたため禁止を改定する意義は乏しいものでしたが、5月はそうではありません。

     

     第二に4月11日に『第伍拡張』発売を8月と定めたため、2月でお伝えした禁止改定をしない理由1が著しく弱まっています。私どもは環境を変化させ続けることを望んでいます。ゆえにシーズン6は意図的に異なる方向へと体験を動かすため、今は今の体験を楽しんでいる方の楽しみを奪うべきではないという理由です。しかしシーズン6への移行が8月となるならば、その理由は倦怠感を許容するには弱いでしょう。

     

     以上の理由により禁止を改定し、「暴風」と「Form:ASURA」は禁止となります。これらのカードはアナザー版ライラならびにアナザー版サリヤのカードにおいて特に主要なものであり、偏りの原因に繋がっていると判断しています。

     

     改訂により混乱をおかけしてしまい申し訳ございません。本作のバランス調整はあらゆるゲームの中でも特に困難であるため、私どもは最善を尽くすしかございません。どうかご理解のうえ、温かく見守って頂ければありがたい限りです。

     

     次回の禁止改定は6月1日となります。今回の禁止改定が正しく機能したかどうかをオンライン大会を通して観察し、その結果に応じて検討を行います。そして同種の偏りが維持された場合に限っては追加の禁止を行うでしょう。

     

     

    要約

     

     今の環境に偏りを生んでいるAライラとAサリヤの主要なカードを禁止し、倦怠感の緩和を図ります。私どもは偏りそのものは悪とは考えていませんが、偏った環境が長く続くことによる倦怠感は懸念しています。

     

     3月は大規模イベントの存在、4月は新型コロナウイルスに伴う動乱から本作そのものの計画を立て直す必要性ゆえに禁止を見送りました。その上で5月となると倦怠感は増すと予測され、加えてオンライン大会の実施や『第伍拡張』の8月への発売日変更により禁止を改定すべき理由は増大しています。

     

     次回改定は6月1日であり、同種の偏りが残った場合のみ追加の禁止を行います。

     

     

    (2020/05/12追記)
    お世話になっております。BakaFireです。

     

    禁止改定に関するご質問を2件頂いており、そちらにつきまして追記したほうがよいと判断いたしましたので、追記いたします。なるべく早く追記したほうが望ましいものでしたが、ここ1週間に渡り激しい体調不良に襲われ、作り置きしていた更新や単純作業による対応以上のものを行うのが厳しい状況でございました。体調不良を伝え、回復後の更新をお約束する形で個別のお返事はさせて頂いておりましたが、お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。お時間を頂く旨をご快諾いただいた両名にお礼申し上げます。

     

    問1:先日の大交流祭延期の記事で、環境を保管するといった内容が明言されていましたが、それについては変わりないでしょうか?
    ※原文では大交流祭中止とされていましたが、正確には延期の記事ですのでその点を修正しています。

     

    はい、その通りです。新型コロナウイルスに伴う情勢しだいである点はご容赦いただきたいところですが、大交流祭を実施する場合は3月時点の環境で行います。

     

    アナザー版ライラとアナザー版サリヤは問題がある強さですが、問題のある水準まで持ち込むには相応の熟練が必要であり、特にアナザー版サリヤはその傾向が顕著です。2月と3月の禁止改定でお伝えした通り、これらのメガミを用いたゲーム体験には魅力もあり、競技性もあります。競技的な場を目指して実力を高めたプレイヤーは可能な範囲で報われるべきでしょう。

     

    問2:なぜ「暴風」と「Form:ASURA」を禁止し、「流転爪」が禁止されたままなのでしょうか。アナザー版ライラとアナザー版サリヤは失敗だったということですか?

    ※読みやすさのために、以下の書式を修正しています。
    ・嵐、新型という象徴武器を用いた記述をアナザー版ライラ、アナザー版サリヤという呼び方に変更しました。
    ・カード名を「」で囲う形で装飾しました。

     

    幾つかの質問が混在していますので、切り分けて回答いたします。

     

    ・禁止カードを選択した動機

     

    「暴風」と「Form:ASURA」の禁止は、実質的にメガミ全体を禁止する意図を持っています。これらのカードはアナザー版ライラとアナザー版サリヤの中核をなしており、最も確実に意図した効果を出すことができます。

     

    それではなぜメガミ全体を禁止する意図の措置を行ったかどうかについては、2月の禁止改定でお伝えした内容を踏まえてご理解いただければと思います。

     

    前提として、アナザー版ライラは極めて強力であり、他の選択肢を失わせていました。3月下旬の段階においては熟練したプレイヤーが用いるアナザー版サリヤについてもほぼ同様の状況にあったと理解しています。他方で彼女らを用いた体験には楽しさもあり、加えて勝利には高い熟達が必要でした。

     

    2月の禁止改定で私はプレイヤーを「ゲームに体験を求めるプレイヤー」と「ゲームに競技的な挑戦を求めるプレイヤー」と分類し、その上で前者を「今の体験を好む傾向のプレイヤー」と「今の体験を好まない傾向のプレイヤー」と切り分けました。

     

    そして2月時点では「今の体験を好む傾向のプレイヤー」と「ゲームに競技的な挑戦を求めるプレイヤー」を優先するべきだと判断し、禁止を行いませんでした。しかし今月時点では「今の体験を好まない傾向のプレイヤー」を優先する方向に舵を切り替えたのです。理由は傾向ごとに1つずつあります。

     

    第一に「ゲームに競技的な挑戦を求めるプレイヤー」のために3月の環境を保管すると明言しました。それゆえに「ゲームに競技的な挑戦を求めるプレイヤー」の努力は無意味とはなりません。

     

    第二に「今の体験を好む傾向のプレイヤー」であったとしても、同じ体験が続くと飽きてしまい、今の体験を楽しめなくなる可能性があります。倦怠感という言葉はまずこの可能性を表現しています。

     

    第三に「今の体験を好まない傾向のプレイヤー」が楽しめない期間が長くなりすぎてしまいます。倦怠感という言葉はこの側面も表現しています。禁止カードはプレイヤーが楽しみ続けるためにあります。3月まで他の分類のプレイヤーを優先し続けてきたのであれば、次はこの分類のプレイヤーが楽しめるように優先するべきだと私は考えます。

     

    以上より、アナザー版ライラとアナザー版サリヤを最小限の枚数で、なるべく確実に抑制できるようカードを選択しました。ゆるやかな抑制を図る案としては別のカードを選ぶ選択肢も検討しましたが、私は「今の体験を好まない傾向のプレイヤー」がこれ以上の期間において抑圧され続けるのは絶対に避けなくてはならないと判断し、確実性を優先しました。

     

    特に意識したのは「今の体験を好まない傾向のプレイヤー」の中にも意識に差がある点です。ゆるやかな抑制でも勝利への可能性を見出し、気炎を上げるプレイヤーもいるでしょう。しかし一方で依然としてアナザー版ライラとアナザー版サリヤに抑圧され続けているという感覚を拭えない方も出てしまうだろうと予測しています。私がシーズン6開始までの数か月においては「今の体験を好まない傾向のプレイヤー」を最優先すると決めた以上は、1回の禁止改定で確実に全員にとって好ましい結果を用意したいのです。

     

    ・「流転爪」がなぜ禁止されたままなのか

     

    このカードが残るとアナザー版ライラはまだいくつかの組み合わせにおいて第一線で戦える強さが保たれると評価しました。それゆえに上述する意図に反します。

     

    ・アナザー版ライラとアナザー版サリヤは失敗したのか

     

    アナザー版ライラとアナザー版サリヤそれぞれで話がいくらか異なります。共通した部分と切り分けるべき部分をそれぞれお話しします。

     

    まず共通した根幹にはシーズン4における環境の閉塞感がありました。私はそれゆえに環境の変化を優先するという指針を打ち立て、『第四拡張』のメガミはこれまでより強くデザインするよう進められていました。

     

    しかしアナザー版ライラに限っては私ども全員の過ちでした。バランス調整チームは彼女の強さやカード更新に伴う影響への評価をいくらか誤り、やりすぎてしまいました。私どもの誰もが指針そのものを過ちとは考えていません。ですがアナザー版ライラについては最終的に印刷を決定した私も、強化を行いすぎたバランス調整チームも全員が間違っていました。バランス調整チームと話し合い、こちらについては全員が過ちを深く受け入れるほかないと合意しました。

     

    アナザー版サリヤは覚悟と意図のもとで出版しています。私はバランス調整チームからアナザー版サリヤを安全だと自信を持てる水準まで調整することは不可能だというフィードバックを受け取っていました。その上で私は強い状態のまま出版するよう決定しました。第一にゲームデザインの観点でアナザー版サリヤがとても楽しいものになっていたこと、第二に使いこなすのが殊更に難しいためにプレイヤーの解析にも時間がかかり、熟練には間違いなく数か月の期間を要すると捉えられたことが理由です。

     

    仮にバランスを壊すリスクがあったとしても3月までであれば探求する楽しさが勝り、下手に弱めて使い勝手に乏しいものを出版するよりも楽しい結果になるだろうと当時の私は考えました。その考えは今も変わってはおりません。プレイヤーの探求速度は私の想像を越えていましたが、3月までは辛うじて楽しさが勝っていたと評価しています。新型コロナウイルスに伴う問題ゆえに大規模イベントを実施できなかった点を私は心から悔しく思います。

     

    最終的に禁止となった一点には確かな失敗があります。しかし私はその失敗は過ちに基づいたものではないと考えています。そして探求とゲームプレイの双方に楽しさを引き出した面ですばらしい成功であるとも捉えています。本作のバランス調整は難しく、挑戦しなければゲームは魅力的になりません。アナザー版サリヤの失敗については結果を受け入れ、そのうえで私どもは畏縮せずに魅力的なゲームに向けて挑戦し続けていく意向です。

     

    2020年4月禁止改定

    2020.04.06 Monday

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       私どもはバランス調整の宣言と、それに基づく理念に従い毎月第一月曜日にカードの禁止改訂を行います。この記事はその2020年4月のものです。禁止カードを出すことそのものについて疑問や不安を感じる方は、宣言あるいはそれを要約した理念をご一読いただければ幸いです。

       

      2020年4月禁止カード

       

      『祈祷師』ライラで禁止

      流転爪

       

      ※ これらの全体禁止はシーズン5の間、即ち2020年5月まで継続し、『第伍拡張』でのカード更新を通して解除されます。

       

      ※ この禁止は『祈祷師』ライラ固有のものです。オリジン版のライラでは「流転爪」は使用できます。

       

       BakaFireです。今月の禁止改定で変更は行われません。理由はこれまでとは全く異なり、現在が新型コロナウイルスに伴うイベントの自粛期間にあるためです。本日に禁止カードの変更を行ったところで、それを適用する公式、準公式、公認のイベントが存在しません。さらに付け加えるならば3月下旬における急激な情勢の変化から、私どもには熟慮する時間も十分にはありませんでした。この状況で無理やり変更を行っても良い結果に繋がるとは考えられません。

       

       本日はここまでとなります。次回の禁止改訂は5月4日(月)を予定しております。

      2020年3月禁止改定

      2020.03.02 Monday

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         私どもはバランス調整の宣言と、それに基づく理念に従い毎月第一月曜日にカードの禁止改訂を行います。この記事はその2020年3月のものです。禁止カードを出すことそのものについて疑問や不安を感じる方は、宣言あるいはそれを要約した理念をご一読いただければ幸いです。

         

        2020年3月禁止カード

         

        『祈祷師』ライラで禁止

        流転爪

         

        ※ これらの全体禁止はシーズン5の間、即ち2020年5月まで継続し、『第伍拡張』でのカード更新を通して解除されます。

         

        ※ この禁止は『祈祷師』ライラ固有のものです。オリジン版のライラでは「流転爪」は使用できます。

         

        2020春ノ陣、季節戦参戦メガミ

         

        ユリナ、サイネ、ヒミカ、トコヨ、シンラ、チカゲ、ウツロ

         

         

         こんにちは、BakaFireです。今月の内容は1月2月の内容を下敷きにした見解が多く含まれております。お手数おかけしますが、必要であればそれらの記事もご覧いただければ幸いです。

         


        禁止改定につきまして

         

         先月の記事でお話しした通り、私どもは禁止カードを通して直接的に全てのメガミが輝ける環境を作ろうとはしません。禁止カードの狙いは問題を取り除き、プレイヤーの皆様が楽しめるようにするところにあります。
         
         ここに先月と比べて付け足す要素があるとすれば、私どもは偏りとそれに伴う倦怠感には目を向けているという点でしょう。
         
         ここ2か月でお伝えした通り、今の環境には一定の偏りがあります。私どもは偏りそのものを悪と断じようとは考えていません。しかし偏った環境が長期間に及ぶと体験の方向性も一定の方向に偏りやすくなり、ゲームを継続して楽しむ支障になると懸念しています。
         
         しかし懸念があるとしても、今月に行動に移すことだけはあり得ません。今月末、3月28日にシーズン5を締めくくる大規模イベントが開催されるためです。
         
         (先月の分類によるところの)勝利への挑戦に楽しさを見出すプレイヤーはこのイベントに向けて、各個人ごとの結論を出すべく環境への研究を積み重ねています。
         
         このタイミングでの禁止はこれらの努力を無に帰してしまい、彼らにとっての楽しさを奪い去ってしまう行為と言えます。私どもはゲームに体験を求めるプレイヤーも勝利への挑戦を求めるプレイヤーも等しく尊重したいと考えています。その上で今月末に大舞台があるという一点から、今月だけは勝利への挑戦を求めるプレイヤーを手厚く扱うべきだと考えているのです。

         

         ゆえに今月に禁止を出すとすれば、一定の手順を踏めば自動的に勝利が決まるような明白な問題を持つデッキが生じた場合に限られます。そしてそのような問題は発見されておりません。先月に書いた通り私どもは胸を張り、今の環境をシーズン5の大規模という目標を見据えた競技的な環境として提供いたします。
         
         
        季節戦につきまして

         

         2回の季節戦テスト大会を経て、テスト環境には解決しなければならない水準の問題はなく、十分に良好な環境だと結論付けました。
         
         私どもは特にヒミカとウツロの組み合わせが環境を歪めすぎていないかどうかを重く観察しました。結論として、この組み合わせは確かに強力ではあるものの絶対的ではなく、あくまでメタゲームの一角で有力視されるに過ぎないと判断いたしました。
         
         他方で一線級の速攻デッキということで、環境に一定の影響力を及ぼしているのは確かです。具体的な変更案としてウツロをハガネに変更する選択肢も検討しました。しかしヒミカとハガネの組み合わせも強力なワンショットデッキであり、近い水準で環境への影響が予測され、明白な改善とはとても言えないと結論付けられました。
         
         さらに今の環境はヒミカとの組み合わせに限らずウツロが楽しい環境であるというフィードバックも受け取っており、ウツロを失うことで失われる楽しさも間違いなく存在します。
         
         ウツロを入れる理由としては新規プレイヤーが『基本セット』の次に『達人セット』か『第壱拡張』のどちらを購入するかを選べるようにしたいという狙いもあります。これらを総合的に判断し、下手に弄らずに今のままで進めたほうが魅力的であると考えて、テスト環境をそのまま2020春ノ陣として用いることにいたしました。

        2020年2月禁止改定

        2020.02.03 Monday

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           私どもはバランス調整の宣言と、それに基づく理念に従い毎月第一月曜日にカードの禁止改訂を行います。この記事はその2020年2月のものです。禁止カードを出すことそのものについて疑問や不安を感じる方は、宣言あるいはそれを要約した理念をご一読いただければ幸いです。

           

          2020年2月禁止カード

           

          『祈祷師』ライラで禁止

          流転爪

           

          ※ これらの全体禁止はシーズン5の間、即ち2020年5月まで継続し、『第伍拡張』でのカード更新を通して解除されます。

           

          ※ この禁止は『祈祷師』ライラ固有のものです。オリジン版のライラでは「流転爪」は使用できます。

           

          2020年2月、季節戦参戦メガミ

           

          ユリナ、サイネ、ヒミカ、トコヨ、シンラ、チカゲ、ウツロ

           

          ※ 季節戦では彼女たちのオリジン版だけが使用できます。これら7柱はレギュレーションのテストのため選ばれています。環境に問題がないと判断されれば、2020年3月から5月の「2020春ノ陣」でそのまま用いられます。

           

           

           今月の禁止改定には本当に頭を悩ませました。結論を申し上げるならば、新たな禁止カードはございません。禁止の有無だけを確認するのであればこの記事はここまでで終わりです。

           

           この決定の背景にあった悩みと思考について説明させていただきましょう。少しばかり長くなりますので、興味がある方のみお読みいただければ幸いです。

           

           

          先月の禁止カードを踏まえた今の見解

           

           まず、先月の禁止カードを踏まえた見解をお伝えいたします。先月の禁止改定にて私どもは今の環境が9割がた期待した方向に進んでおり、大きな失敗を回避できたとお伝えしました。その上で残る1割に相当する失敗としてライラAにおける強さに問題があると判断し、禁止カードを出すことにしました。

           

           禁止には一定の成果はあったと認識しています。他方でなお今の環境には一定の偏りがあるのは間違いありません(※)。禁止は満点の成果は出しませんでした。しかしどうにか合格点の成果は出していると捉えています。

           

          ※ ただし、ここで言うような偏りはこれまでのシーズンでも見られており、シーズン5が極端であるわけではありません。むしろシーズン4と比べると改善していると捉えています。

           

           ゆえに私どもは今の環境について問題があるという結論を先に立てて主張しようと思えば、容易に主張できます。私はそれらの主張できうる問題を、禁止カードを出してまで是正しなくてはならない強い問題だと捉えるべきか悩み続けていました。

           

           

          禁止カードの目的の再確認

           

           そのために私は禁止カードを出す目的を再確認しました。

           

           自明な話を先に済ませると、ほぼ大半の組み合わせに対してほぼ確実に勝利できる組み合わせがあれば(大昔の例では『第二幕』のヒミカ/ホノカなど)それは禁止されます。もちろん今回はそういう話ではありません。

           

           次に同一視しやすい話を取り除きます。カード更新やバランス調整の目的は「全てのメガミが輝ける環境を作ること」にあります。しかし禁止カードはそうではありません。禁止カードの目的は環境から問題を取り除くことにあり、禁止カードを通して直接的に全てのメガミが輝ける環境を作ろうとすることはありえません。

           

           禁止カードは問題を取り除くためのものです。それではなぜ問題を取り除くのか。それは当然ながら、プレイヤーの皆様が楽しめるようにするためです。言い換えるならば、プレイヤーの楽しみを奪いすぎているものこそが真の問題と捉えられるべきです。

           

           そうなると次に考えるべきは、今の環境を楽しめるかどうかです。

           

           

          プレイヤーの気質に応じた体験の整理

           

           今の環境のどこが楽しく、どこが楽しくないかを百人に問うならば、当然ながら回答はまちまちになるでしょう。プレイヤーごとに気質は異なるものです。ゆえに私はプレイヤーの気質分類について考えました(※)。

           

          ※ この記事は気質分類を取り扱うものではないため解像度をかなり下げた形で考察を略します。ご容赦ください。また、考察において偉大な先人の功績を参考にしたのは言うまでもありません。

           

           今回において第一に分割するべきは、私は以下の2区分と考えました(もちろん大半のプレイヤーはこの2つがグレースケールとして混在していますが、どちらかへの偏りがあるのもまた確かです)。

           

          • ゲームを通し、体験をすることに楽しさを見出すプレイヤー
          • 勝利への挑戦に楽しさを見出すプレイヤー

           

           前者のプレイヤーがこだわるのは体験そのものです。パワフルな切札攻撃を叩きつけたい、怒涛の連続攻撃を決めたい、コントロールで相手を制圧したい、間合を制御して相手にまともに攻撃させないようにしたい、オーラや間合を無視して普通でない勝ち筋を追いたい、まだだれも見つけていないような相互作用を活用したい、特定のメガミを必ず使いたい。このような類型の中から自身の嗜好に合う体験をすることこそが、ゲームを遊ぶうえで重要なのです。

           

           後者のプレイヤーがこだわるのは挑戦であることです。事前の構築やマッチアップの考察、桜花決闘におけるプレイング、メタゲームを踏まえたメガミの選択などがきちんと勝利に影響し、自らの実力の証明につながらなければなりません。

           

           

          上記の分類を踏まえた今の環境

           

           これらの分類を踏まえて考察すると、シーズン5は総合的には魅力的だと結論づけられました。説明しましょう。

           

          1:前者のプレイヤーの何割か

           

           前者のプレイヤーにおいては、先月の禁止改定で申し上げた「私どもがゲームで目指したいもの」が強くかかわっています。私どもは気持ちいい瞬間を感じられるようにゲームを設計し、それは成功しつつあると認識しています。ゆえに前者の何割かにとってシーズン5は魅力的です。

           

           この面から禁止をすべきでない理由が生じます。今のゲーム体験を楽しんでいるプレイヤーにとっては禁止は彼らから楽しさを奪い去ってしまう忌むべき行為なのです。私どもは規制による抑圧を望んでいません。

           

          2:後者のプレイヤー

           

           後者のプレイヤーにおいても今の環境には魅力があります。現在の三拾一捨は偏りが確かに存在しながらも、絶妙な噛み合いにより興味深いバランスが成立していると私どもは捉えています(※)。ゆえに事前考察、メタゲーム、プレイングのいずれにも意義があり、シーズン5は魅力的と判断しています。

           

          ※ この詳細をすべてお話ししてしまうと、私どもが考える「現時点で想定している状況や強弱」を大規模イベントの前に開示することになってしまい、皆様の創造性やイベントの盛り上がりに悪影響を及ぼすと考えます。ゆえに今の時点では省略し、4月の禁止改定にて3月の大規模イベントの結果も含め、総合的な見解をお話いたします。

           

           この面は禁止の困難さも象徴しています。相当に複雑な噛み合いで今の競技的環境は成立していると私どもは捉えており、禁止を通してその中のピースを一つ取り除いてしまうとどのような結果が生じるか想像しきれないのです。禁止が環境を悪化させる可能性は否定できないどころか、相応の水準で存在しています。

           

           言い換えるならば今の環境にはそこまで悩むほどの、偏りを前提とした魅力があるということです。ゆえに私どもは胸を張り、今の環境をシーズン5の大規模という目標を見据えた競技的な環境として提供するべきだと決断いたしました。

           

          3:前者のプレイヤーの残り何割か

           

           しかし残された問題として、前者のプレイヤーの残り何割かにとってはシーズン5は魅力的ではありません。魅力を感じる体験は人それぞれです。今の環境の偏りはいくつかの戦略に基づいた体験の実現を困難にしており、それらを好むプレイヤーには私どもが目指す「気持ちいい瞬間」を提供できていません。

           

           では最後に彼らのために禁止カードを出すべきかどうかが争点となります。その上で私は考察を進め、2つの理由から禁止カードを出すべきでないと結論付けました。

           

           最後にそれらを説明し、この記事を終えましょう。

           

           

          理由1:私どもは環境の変化を望んでいる

           

           先月の禁止改定において私どもはシーズン3からシーズン4の変遷において環境の変化が不足していた点を大失敗として取り上げました。

           

           シーズン3と4も、そして今のシーズン5もそれぞれ魅力があります。しかし同一の体験が長期間にわたって続くと、それは作品への倦怠感につながり、大きな失敗となるのです。ゆえにシーズン4から5において私どもは意図的に体験の方向性を変えるように尽力し、それは成功したと捉えています。

           

           ならば当然ながら私どもはシーズン6では、意図的にシーズン5とは異なる方向に環境を動かそうとします。それは根幹にある「全てのメガミが輝けるようにする」思想ともかみ合います。今の時点で輝きづらいメガミに注目すると、必然的に体験の傾向も変化するからです。

           

           ゆえにシーズン5で満足していないプレイヤーは、シーズン6で満足できるようになる可能性が高まります。

           

           

          理由2:季節戦が開始する

           

           先週の記事でお伝えした通り、2月14日の再版から新たなレギュレーション「季節戦」が開始します。

           

           新しいレギュレーションでは使用できるメガミが異なるため、当然ながら味わえる体験は異なります。完全戦では抑圧されていた体験が結実できることもあるでしょうし、完全戦では得られていた体験が得られないこともあるでしょう。

           

           ゆえにシーズン5完全戦で自らの嗜好する体験を得られていないプレイヤーの中の何割かは、季節戦を通して体験を満たせる可能性があると考えています。

           

           もちろん季節戦が始まってすらいない現状では予測にすぎませんが、これもまた多くのプレイヤーの方が楽しめるようにする施策のひとつとして捉えております。

           

           

           本日はここまでとなります。次回の禁止改訂ならびに2020春ノ陣メガミ一覧の発表は3月2日(月)となります。大規模イベントの直前であるため、禁止カードは原則としては出しません。唯一の例外は多くの組み合わせに確実に勝利できるような自明な問題が生じた場合です。

          2020年1月禁止改定

          2020.01.06 Monday

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             私どもはバランス調整の宣言と、それに基づく理念に従い毎月第一月曜日にカードの禁止改訂を行います。この記事はその2020年1月のものです。禁止カードを出すことそのものについて疑問や不安を感じる方は、宣言あるいはそれを要約した理念をご一読いただければ幸いです。

             

            2020年1月禁止カード

             

            『祈祷師』ライラで禁止

            流転爪

             

            ※ これらの全体禁止はシーズン5の間、即ち2020年5月まで継続し、『第伍拡張』でのカード更新を通して解除されます。

            ※ この禁止は『祈祷師』ライラ固有のものです。オリジン版のライラでは「流転爪」は使用できます。

             


             先に結論を申し上げますと、私どもは全体における禁止カードが必要だと判断しました。全体における禁止カードへの引き金は重いままであると宣言した通り、この状況は私どもの明確な失敗です。誠に申し訳ございません。

             

             そのうえで私どもは今回の失敗を愚かさの体現だとは捉えていません。本作にとってのより大きな失敗を避けるために必要な努力を行い、そして超えるべきでない線を僅かに踏み越えてしまったのだと考えています。そして後述する大きな失敗については、今回は無事に避けられたと考えています。

             

             今回のような失敗を避けるようこれからも最善を尽くします。しかしそれ以上に大きな失敗の回避を優先しなければならない点のみ、ご容赦いただければ幸いです。

             

             今回の判断を正しく伝えるには過去の歴史への見解と、私どもが重視している観点をお話ししなくてはなりません。この記事は以下の順に進みます。理由を細かく知りたい方はご一読いただければ幸いです。

             

            • 今の環境への見解
            • シーズン4との差異
            • より大きな過ちを避けるための努力とは
            • 私どもがゲームで目指したいもの
            • なぜ「流転爪」を禁止するのか


            今の環境への見解

             

             総合的には今の環境はより望ましい方向に向かっており、私どもは90%の面で満足し、成功であると捉えています。今はまさしく群雄割拠と呼ぶべき情勢にあり、多様なデッキが試され、多彩なゲーム展開が生み出されています。その上で勝利するには十分な実力も求められ、プレイヤーの判断はゲームに高い影響を与えています。

             

             プレイヤーの腕前が価値を持つという本作らしさに、多様なゲーム展開の実現を加えることこそが私どもの今回の目的でした。そしてその実現はより多くのメガミを輝かせるというバランス調整への大目的にも結びつきます。
             
             この点こそが(間違いなく魅力的な面もあった)シーズン4が不足していた点であり、そしてシーズン4を繰り返してはならないと強く意識した動機なのです。ですがこの部分は説明すると長くなるので保留し、先にライラAの話に移りましょう。
             
             群雄割拠の環境ではあるものの、ライラAの強さは明確に頭一つ抜けています。幸いにして彼女は楽しいメガミであり、多くの方から喜ばしい感想を頂けました。ゲームに新しい体験を与え、この1か月はそれを楽しめる1か月であったと評価しています。
             
             しかしそれがいつまでも続くとは言い切れません。彼女はやや支配的で、特に三拾一捨での安定性には問題があります。新たな体験を新たなものとして楽しめる時期が過ぎれば、彼女とのマッチアップがうんざりする体験だと感じられるのは時間の問題でしょう。頭一つ抜けた選択肢であるゆえ、マッチアップの頻度も増えすぎると予想されます。
             

             

            シーズン4との差異

             

             改めて、シーズン4における不足や、それを繰り返してはならないという意識とは何であるのかをお伝えしましょう。
             
             シーズン4は(競技的環境で)使用できるメガミの幅が狭く、展開もまた狭まっていました。環境はユリナを中心に何柱かのメガミで回っており、ユリナやオボロのビートダウンで相手を打ち倒すか、はたまた「月影落」軸の攻めを止められるメガミで相手の攻撃を食い止め、クロックで競り勝つかというゲームが増えすぎていました。一言でまとめると、王道が邪道を駆逐しすぎていました。
             
             これが素朴に悪であるわけではありません(※1)。しかし私は2つの理由から失敗だったと捉えています。
             
             第一に、多くのメガミを輝かせるというバランス調整理念の根幹に反しています。
             
             第二にはシーズン3と同じ方向に展開を収束させてしまった点です。シーズン3でもユリナを軸とした戦略は強力でした。シーズン4ではそれが補強され、結果として1年近くにわたって狭いゲーム展開に触れる頻度が多くなり、その体験に飽きてしまうリスクが高まってしまったのです(※2)。
             
            ※1 このように洗練され、展開が収束している環境には別の魅力があります。委細の判断がより濃い意義を持つのです。収束しているからこそ上級者は展開の多くを既知の類型と捉えられます。ゆえに奇襲的に敗北する頻度は下がり、どこまでをオーラで受けるべきかなど、より緻密な点を制御する方向に技量を傾けられます。シーズン4大規模イベント「白露の大交流祭」の決勝トーナメントはまさしく技量の頂点であり、本作のある一面として極めて魅力的であったと考えています。
             
            ※2 シーズン4においてユリナのカードを禁止すべきだったかどうかは、私としても答えが出ていません。今回の「流転爪」に準拠すべきならば禁止が適切だったかもしれません。しかし当時はユリナの強さとは別に、何柱ものメガミたちの力不足(彼女らはシーズン5で上方修正されました)もまた問題であったため、仮に禁止したとしても期待する結果が得られたかは定かではありません。結果として※1で述べたような魅力を失わせてしまった可能性すらあります。

             


            より大きな過ちを避けるための努力とは

             

             ここまででシーズン4を説明し「より大きな過ち」の正体が明らかになりました。シーズン5でも同じ体験を繰り返してしまうことです。私はもう半年の繰り返しは致命的だと考えており、覚悟をもって臨んでいました。

             

             私どもは予想された大失敗を避けるべく『第四拡張』、すなわちカード更新と新たなメガミたちに取り組みました。
             
             『第四拡張』のカードパワーはシーズン4での強力なメガミや、上方修正されたメガミと釣り合うように意図的に引き上げられました。これは『第参拡張』の力不足に由来しています(『第参拡張』の良い点はいくらでもありますが、シーズン4における失敗を引き起こした点もまた確かです)。
             
             少なくともヤツハは競技的な場では力不足でした。その事実からは極めて厄介な問題が生じます。彼女は私どもが「安全であると相応の自信を持てる」「その上で強みを感じ取れる」という2点を両立できるよう調整しました。しかしそれでも環境は揺らせず、多様なゲーム展開には結びつかなかったのです。
             
             こうなると我々が取れる手段は2通りしかありません。「安全だと評価する基準を緩め、リスクを冒す」か「新たなメガミが環境に影響を与えることを諦める」かです。楽しいゲームのために、私どもは前者こそが必要だと判断しました。

             

             結果としてこの試みは成功したと捉えています。『第四拡張』のメガミはいずれも強みがあり、ゲームに多様性を与えています。ライラAはやりすぎました。しかし、ハツミも、ミズキも、ユキヒAも、サリヤAも、いずれもやりすぎるリスクを冒してデザインされていました。バランス調整の過程を踏まえても、時期によっては他のどのメガミがやりすぎた結果になってもおかしくはありませんでした。
             
             最後に立ち止まり、ライラAのパワーを少しだけ引き下げられれば理想でした。この点について私は反省しています。しかし他方でそこに至るまでの判断はゲームにとって必要であったと確信しています。
             

             

            私どもがゲームで目指したいもの

             

             次に小さな補足として、私どもがゲームで目指すことを明確にしておきます。それは「気持ちいい瞬間を感じられるようにメガミをデザイン、調整すること」です。

             

             「気持ちいい」とは何も考えずにカードを使えば勝てることではありません。むしろその対極にすらあります。知恵を絞り、意思決定を繰り返し、その結果として結実する瞬間にメガミごとの充実感を感じられるようにしたいのです。
             
             「月影落」をライフに当てられる状況を作り叩き込む瞬間も、緻密にコントロールして「久遠ノ花」を構えて相手をライフ1に追い詰める瞬間も、間合を離し続けて相手を機能不全に陥らせる瞬間も等しく貴重です。
             
             達成者は気持ちよくなる瞬間を味わうべきなのです。重要なのは双方のプレイヤー、あるいは多くのメガミにその機会が与えられていることであり、ゲームバランスとはそのために存在していると私は考えています。多くのメガミについて、下方修正でなく上方修正を選んだのもそこに理由があります。
             
             この気持ちよさの面で、ライラAは大成功しています。彼女は確かに強いですが、使いこなすのは簡単ではありません。6通りの嵐の力でどれを選ぶか、ゲージを十分に貯めるためにどのような工夫をするか。これらの障壁はプレイヤーに充実した意思決定を体験させ、その先にある爽快なコンボには気持ちよい瞬間があります。

             


            なぜ「流転爪」を禁止するのか

             

             以上で禁止カードを決定する背景の事情はすべて説明が終わりました。まとめつつ、決定の理由をお話ししましょう。
             
             大前提としてライラAには問題があります。メガミの選択肢をある意味で狭めており、相手が気持ちよくなる機会を奪いすぎています。これらは彼女の強さに由来しています。
             
             他方でライラAには弁護すべき点が2つあります。第一に気持ちよさです。体験の面でライラAは成功しており、その体験そのものを失わせてしまうのは私どもの目的に反しています。
             
             第二に多様性です。ライラAが多様性を狭めている側面も確かにありますが、ライラAこそが多様な体験を提供している面もあるのです。ライラAが存在するからこそ強靭な近距離型の戦略が成立し、中遠距離との天秤が魅力的に働いています。さらにライラAは多様な戦略と相性が良いため、多くのメガミに相方として輝く機会も与えています。
             
             これら二点を考慮すると「暴風」「大嵐」「陣風祭天儀」の禁止が正しい判断とは考えられません。他方でライラAの総合的な強さを抑えるという効果はあるべきです。そこから私どもは「流転爪」と「雷螺風神爪」を候補に選びました。実用性のある攻撃カードの禁止は、素朴にパワーダウンに繋がります。
             
             最後にライラAにより苦しめられすぎている、すなわち気持ちよくなる機会を奪われ過ぎているのがどういう戦略なのかを考えました。結論はコントロール的な戦略です(短期決戦や大技によるビートダウンはそれぞれライラAに対する回答を持っています)。
             
             コントロールは「暴風」を対応で捌ければライラAと戦えます(※)。しかし現状では「流転爪」で「暴風」を再利用されるため、対応カードが不足してしまいます。そこで「流転爪」を禁止し、コントロールのマッチアップにおける改善も狙います。
             
            ※ 「暴風」への適切な対応がそこまで多くはない点については禁止カードで解決できる問題ではありません。その方針でのカード更新はシーズン6における更新案として有力なもののひとつです。但し、その更新が正しいとは今は断定しません。

             

             

             本日は以上となります。次回の禁止改訂は2月3日(月)となります。2月は大規模イベントが近づきつつあることもあり、禁止カードの制定への引き金は今月よりも重くなります。あったとしても、ゲームを支配してしまうような組み合わせが発見された際に、組み合わせでの禁止を出す程度にとどまるでしょう。


             現時点において、アナザー版ライラの問題を除いて支配的な組み合わせは発見されていないと判断しています。今回の禁止の影響や、支配的なデッキが生まれていないかどうかなどの点において、向こう1か月も慎重な監視を続けます。