記事目録

2019.07.17 Wednesday

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    『桜降る代に決闘を』の公式サイトはこちら

     

     

    プロローグ:遥か果てでのひとつの目覚め

    エピソード1−1:芦原で今宵はお祭り(前篇)

    エピソード1−2:芦原で今宵はお祭り(後篇)

     

     

     

    第0話:或る最果ての社にて

    序章:小さな地の小さな野望

    第一章:天音家の戦い

    第二章:ふたつの旅

    第三章:狭間の時代

    第四章:四人の英雄

    終章:桜降る代の幕開けへ

    エピローグ

     

    外伝1:夜天爆炎逃走劇

     

    『桜降る代の神語り』は完結しました。本作の物語に初めて触れる方は、まずはこちらをお楽しみいただくことをお勧めします。

    現在は新しい物語も始まっております。

     

     

    禁止改訂

    2018年6月禁止改訂

    2018年7月禁止改訂

    2018年8月禁止改訂

    2018年9月禁止改訂

    2018年10月禁止改訂

    2018年11月禁止改訂

    シーズン3禁止改訂

    2018年12月禁止改訂

    2019年1月禁止改訂

    2019年2月禁止改訂

    2019年3月禁止改訂

    2019年4月禁止改訂

    2019年5月禁止改訂

    2019年6月禁止改訂

    シーズン4禁止改訂

    2019年7月禁止改訂

     

    カード更新

    シーズン1→2カード更新

    シーズン2→3カード更新

    シーズン3→4カード更新

     

    次回の禁止改訂は8月5日(月)となります。

     

     

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    『新幕』の攻略記事

     

    『桜降る代のいろは道』(初心者向け、動画シリーズ)

    第1回:はじまりの決闘

    第2回:サンプルデッキで遊んでみよう

     

    『新幕 半歩先行く戦いを』(初級者から中級者向け:ゲーム全体解説)

    第1回:前進と後退

    第2回:全力で行こう

     

    『想い一枚ここにあり』(初級者から中級者向け:カード個別解説)

    第1回:浦波嵐

    第2回:引用

    第3回:引力場

    第4回:要返し

    第5回:スカーレットイマジン

    第6回:ふりはらい/たぐりよせ

    第7回:天地反駁

     

    『第二幕』の攻略記事

     

    『半歩先行く戦いを』

    第1回:前進と後退

    第2回:全力で行こう

    第3回:切札は秘めてこそ

    第4回:攻めと守りに基本あれ

    第5回:決闘いろいろ小噺集

    第6回:30秒で組み上げな

     

    『双つその手に導きを』

    第1回:ザ・ビートダウン

    第2回:攻め×守り=超対応力

    第3回:遥か果てからバンババン

    第4回:いつもあなたのそばに

    第5回:集めて揃えてOTK

    第6回:千変万化に煌めいて(前篇)

    第7回:千変万化に煌めいて(後篇)

     

     

     

    シーズン1 作:hounori先生

    第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回

     

    シーズン2 作:あまからするめ先生

    第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

    第10回 第11回 第12回 第13回

    第ex1回

     

    シーズン2は現在、不定期掲載中です。

     

     

    第三回全国大会「天音杯」レポート

     

    新涼の大交流祭レポート(シーズン2大規模イベント)

    炎熱の大交流祭レポート(シーズン1大規模イベント)

     

    第二回全国大会「第二幕大決戦」レポート

     

    コラボカフェ開幕式&閉幕式

     

    錦秋の大交流祭レポート

     

    全国大会レポート(前篇)

    全国大会レポート(後篇)

     

    第1回 第2回 第3回 第4回 第一幕最終

    第1回大乱闘 第2回大乱闘

     

     

    『八葉鏡の徒桜』エピソード1−2:芦原で今宵はお祭り(後篇)

    2019.07.17 Wednesday

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       ゆらりゆらり、横たえた身体が、水面に揺蕩う。
       今日の海はほとんど凪で、空もよく晴れ渡っている。あまりに太陽を遮るものがないから、適当に獲ってきた昆布を目隠しにしているほどだ。じりじりと焼けるような熱を帯びていく身体の前面と、ひんやりとした海水に浸かった背面で、冷温合わさった心地よさが彼女を満たしていた。

       

       海のメガミ・ハツミ。
       象徴するものを体現するように、彼女は人の世で過ごす時間の多くを海で過ごしている。それは砂浜であったり、磯であったり、あるいはこんな、四方に何も見えないような大海原のど真ん中であったりする。

       

      「んうぅ……やめてよぉ、えへへ……」

       

       つんつん、と突かれた頬に昆布を退ければ、海豚が鼻の先で彼女のことを呼んでいた。口端からよだれを垂らし、まどろみに心を溶かされかけていたハツミは、すり寄ってきた海豚を撫でてやってからやんわりと押し返した。
       すると海豚は仕返しとばかりに、ハツミが被り直そうとしていた目隠しの昆布を咥えて持っていってしまう。

       

      「あっ、こらぁ……んもー」

       

       ふふっ、と悪戯されたというのに、ハツミは幸せそうに微笑んでいた。
       遮るものがなくなってしまい、瞼越しに焼かれてしまう目を、今度は自分の右腕で覆う。変に動こうものなら姿勢を崩して沈んでしまうが、とても器用に水面に浮かび続けている。本当に海を布団にしているかのようだった。

       

       平穏な時間に、ハツミが抗うことはない。
       ただ、穏やかな波に身を任せ、そのうち静かな眠りに落ちていく。

       

       ……次に目を覚まさせたのは、身体を襲う大きな揺れだった。

       

      「――……ん」

       

       意識が瞼の向こうの光を捉え始める。けれど、あれだけ眩しかった日差しの気配がない。
      それどころか、微かな波の音と鳥の鳴き声しか聞こえなかったというのに、水と水が激しくぶつかり合う音がそこかしこから聞こえてくる。
       しまいには、ぐわん、と背にした海が動き、宙に放り出された。

       

      「んん!? ――へぶっ!」

       

       まともに顔面から海面に叩きつけられたハツミは、痛む肌に目を覚ましながら、慌てて状況を把握する。
       あんなに凪いでいた海はどこへやら、暗雲の下に広がる大海原の機嫌は最悪だった。何故気づかなかったのか分からなかったが、大きな雨粒が続々と海面を叩いており、波を生む凄まじい風と相まって、酷い大嵐となっていた。

       

       しかも、どうやらハツミは寝ている間に流されてしまっていたようで、辺りを見渡せば岸も近く、人里が雨の帳に見え隠れしている。海豚なんてよほどでなければ迷い込んでこない、そんな沿岸で一人、ハツミは荒波に揉まれていた。
       と、彼女が沖を様子に目をやったときだ。

       

      「ひええぇっ!」

       

       海に、巨大な壁が生まれていた。
       津波だ。それも、町一つ優に呑み込んでしまうほどの。
       いかにハツミだろうと、これに流されたらひとたまりもない。

       

      「や、やば――あいだーっ! あーもう、やるしかないぃ!」

       

       流されてきた丸太を頭にぶつけながら、遮二無二力を発揮する。ハツミの呼びかけに応じた海水はその大質量を宙に浮かび上がらせ、岸を護る壁となって立ち上がる。水を動員したおかげで、彼女の足は干上がった海底に着いていた。
       ハツミはそれを、思い切り津波に向かって放った。波に波をぶつけても対岸が大惨事になることを知っていた彼女は、半ば自棄になって水の塊をぶつけて相殺しようと試みたのである。

       

       果たして、それは腹の底に響くような轟音と共に、大波を打ち崩した。
       勢いを殺しきれなかった余波が、滝のようにハツミへ降り注ぐ。

       

      「ど、どわぁああっ!」

       

       思わずぎゅっと目をつぶり、頭を抱えて蹲る。
       だが、ばらばらと周囲を打ち据える大水をよそに、ハツミが頭から水を被ることはなかった。それどころか、水位も徐々に戻っていくはずなのに足元は乾いたままで、そのうち雨が地を打つ音もだんだん乾いたものになってきた。
       そして、

       

      「ハツミ様ーっ! ありがとうございます!」
      「助かりました、流石ハツミ様!」
      「もう駄目かと思ったのに、こりゃあ奇跡だ……!」

       

       人々の歓声が、何故か聞こえてくる。いつの間にか、乾いた音は拍手から生じたものへと変わっていた。

       

      「あ、あれ……?」

       

       狼狽えるハツミが目を開けると、自分を信仰する民に囲まれていた。どうしてか、海にいたはずなのにもう浜にいる。まだ空はどんよりとしているが、雨風は弱まり、嵐は確かに去ったのだと辛うじて理解できる。
       ぱちくりと目を瞬かせ、混乱を禁じ得ないハツミだったが、このままだと縋り付いてくる民にもみくちゃにされかねなかったので、手で制止を示しながら慌てて大きく飛び退いた。

       

       人々はそれに、言葉を賜るのを待っていた。期待の眼差しが、ハツミへ注がれる。
       本当は、自分を襲った災いをただ退けただけで、結果的に人里が救われただけなのに。
       けれど、民の純粋な気持ちを裏切ることは、彼女にはできなかった。

       

      「き、聞きなさい、おまえたち!」

       

       だからハツミは、メガミとして民に告げる。その裏で頭を目まぐるしく回転させ、必死に言葉を探しながら。

       

      「どのような凪の海も、どのような大荒れの海も、等しくあたしたちの海だ! 己が乗りこなすべき、大いなる海だ! このくらいの大波はあたしならどうにかできる。だけど、あたしを宿すのなら……あたしを頼ってばかりではなりません!」
      「…………」
      「海原と共に生きる民よ、逞しくありなさい! どのような嵐の海も己の力で乗りこなすべく、常に精進なさい! そんななよっちい身体じゃ、鯨と力比べなんて夢のまた夢です!」

       

       喝破と共に、静寂が波のように民衆へと広がっていく。そして返す波は打ち震える海の漢たちに感嘆から生まれ、ざわめきとなって場に満たされていった。しまいには己の不覚を恥じて膝をつく始末である。
       ハツミには、あの嵐が人間にどうにかできるなんて思っていなかったが、万が一そうなってくれたら遠慮なく海で静かに過ごし続けられるというもの。頼られることもなくなれば、愛しい海獣たちとの穏やかな暮らしが約束されるのだから。

       

      「それでは、期待していますよ!」
      「破ッ!」

       

       故に、彼女にとっては体裁と保身を両立した言葉でしかなかったはずだった。そそくさと海に帰って、無事切り抜けられたと思う程度のものだった。
       それを再び思い出すのは、この大嵐から半年後のことになる。

       

       

      「あれ、また……」

       

       海に潜って溶けた意識が再浮上すると、ハツミはどうやら己が陸で腰掛けていることに気づいた。
       今度は拍手ではなく、太鼓の音が。
       そして、聞こえるはずのない、筋肉の躍動する音が。

       

      「ハツミ様ァッ! ハァーッ、どうですかな!?」
      「フンッ! 船を押して鍛えたこの腕、御覧くださいッ!」

       

       太鼓に合わせ、ハツミの前を入れ替わり立ち代わり、褌を締めた漢たちが筋肉を見せびらかす。一応順番待ちのつもりのようなのだが、鍛えた肉体を見てほしいあまりに押し合いへし合い、夜の砂浜の一角のむさ苦しさは尋常ではないことになっていた。
       呼び出されてついていったら、いつの間にか筋肉の森に迷い込んでいた。
       それは、半年前に思いつきで口走った言葉が原因で、馬鹿正直に肉体を磨き上げていた民によるお披露目会であった。

       

      「さあ、我らの成果、いかがでしたかッ!?」

       

       問われたハツミは、真顔を保つので精一杯だった。むしろ彼女の顔の筋肉が鍛えられてしまいそうなほどだ。彼らはあくまで、ハツミが望んだことを行っただけなのだから、それに笑ったり嫌悪したりなんてできるはずもないのである。少なくとも表面上は。
       そして彼女は、どうにか答えを絞り出す。

       

      「この程度で満足すると……? まだまだ鍛えが足りませんね」

       

       篝火に照らされたハツミの頬がぷるぷると震える。
       そんなこともつゆ知らず、民は膝をつき、頭を砂にこすりつけた。汗まみれの肌に、べったりと砂粒がまとわり付いていた。

       

      「お、お許しください、ハツミ様。これからも精進を重ねます故……!」
      「どうか俺たちを見捨てないでやってください!」
      「ま、また半年後には必ず……!」

       

       懇願する彼らをよそに立ち去るハツミ。「考えておきます」と言い残した彼女の頭は、躍る筋肉で埋め尽くされていた。

       

       

       ……そして、さらに半年後。
       嫌なものから嫌なものを想起するように、ハツミは入江の口から浜の様子を遠巻きに眺めていた。

       

      「はぁ……」

       

       これ以上近づいたら民に見つかってしまうが、近づけば近づくだけ筋肉もまた近づいてくる。その先に待つ筋肉の森が、どうしてもハツミに浜の砂を踏ませなかった。約束を反故にした罪悪感を上塗りするほど、思考を埋め尽くす筋肉は心の傷になっていたのである。

       

       さらに、悪夢はこれで終わらなかった。どうせすぐ飽きるだろうという彼女の考えは甘く、その催しは都合のいいように解釈――いや、昇華され、祭となって連綿と続いていくことになる。豊漁祭なんてもっともらしい大義名分を脇に添えてからはもう、各地から観光客すら集まる催しにまでなっていた。
       隠れて見ている中、筋肉のメガミなんて不本意な呼称が耳に飛び込んできたところで、訂正しに出ていくわけにもいかない。

       

      「どうして……」

       

       過去に目撃した筋肉たちが脳裏を駆け巡り、豪快な漁師たちの笑い声がこだまする。
       半年に一度、祭が近づいてくると決まって見る悪夢に、ハツミは意識を手放した。

       

       

       

       


       廊下がにわかに騒がしくなり、外から届く賑やかさも増してきた頃。

       

      「うわああぁぁぁっ! ――あれ、ここどこっ!? うわっ、クルルじゃないですか、なんでこんなとこに!?」

       

       そこに、畳に寝かされていたハツミが目を覚まし、一人で喧騒を上乗せしていく。頭の上で彼女の髪を手慰みに編んでいたクルルの姿を認めるなり、慌てて起き上がって壁際へと避難していく。
       そんな光景に、ヤツハは申し訳無さを覚えつつも苦笑いしてしまった。

       

      「あの、お体は大丈夫ですか?」
      「ほえ……? あ、なんか痺れるけど、とりあえず……」
      「ふむぅ、ふらんくりん君はそこまでの出力じゃなかったんですけどねえ。めんて不足でしょうか」
      「あぁ……だいたい察しました。やっぱこいつのせいですか、ははっ……」

       

       顔をひきつらせながら、どこか呆れたように空笑いをこぼす。適当に編まれていた髪は頭を掻きむしったことで戻っていくが、生乾きだったせいか、賢明に手ぐしを通したところで肩口にかかった毛先の寝癖は一向にとれないままだった。
       それからハツミは、二柱を見比べてから、ヤツハを指さしながら渋々といった様子でクルルへ訊ねた。

       

      「こいつ、どなたさま……? なんか妙な感じするけど」

       

       それにクルルは、大きな身振りでヤツハを示すと、

       

      「よくぞ聞いてくれましたあ! やつはんこそが、北限で出会ったまいとれじゃーなのです!」

       

       自慢げに胸を張っていても、ハツミにほとんど伝わっていないことに本人は気づかない。どうやら必要十分を話した気になっているらしいとハツミは悟ったのか、訊いた己の不覚を顔に表わしていく。
       
      「まいとれじゃー? ええーと、ヤツハ、でいいんです? なんでまたこんなのと」

       

       胡乱げなものを見るような目つきと共に、ハツミがクルルを指差しながら矛先を変える。
       それにヤツハは、苦笑を零しながら居住まいを正した。

       

      「はい、ヤツハと申します。北限の方で目覚めたのですが、記憶がなくてくるるんさんに調べてもらっているんです」
      「へぇー、そりゃまた大変……。ま、がんばってくださいな」

       

       さりげなく、一歩踏み出した足を、す、と引き戻すように、自ら広げた話題を閉じようとするハツミ。いかに厄介者から比べたらまともそうに見えたところで、厄介事の気配は身を引かせるには十分だったらしい。

       

      「うわ、まだ水溜まってたんじゃないですか。畳がびしゃびしゃ……」

       

       膝立ちになりながら、中途半端に湿ったままの装いをあちこち確かめるハツミ。偉大なる海の王、というにはいささか以上に可憐であり、むしろ愛らしい姫のようですらあった。先程までは無惨にも水揚げされていたわけだが。
       初めその姿を目にしたとき、驚きが生まれたことはヤツハの記憶に新しい。女将の話から思い描いていた人物像とは随分と離れていて、己の見識のなさを恥じ、さらなる出会いに胸を膨らませたものだった。
       と、そこでヤツハは、この降って湧いた機会に尋ねることがあると思いだした。

       

      「そうだ、いくつかお訊きしてもいいでしょうか?」
      「ん? なんです?」

       

       大げさに首を傾げて見せるハツミに、ヤツハは改めて背筋を伸ばして問う。

       

      「私、今言ったように記憶がないので、メガミがどういう存在か、どうあるべきか、分かっていないんです。特に知りたいのは人々とメガミの関係で、先程までここの女将さんにハツミさんのことを色々教えてもらっていたんです」
      「ほうほう」
      「それで……ハツミさんにとって、芦原の人たちはどういう存在ですか?」
      「ふんふ――」

       

       ハツミの顔は、相槌も半ばに穏やかな笑みを湛えたまま固まった。
       脳裏に筋肉がよぎり、口の周りが僅かにひくつく。泳がせた目は、気迫ある大波の描かれたふすまのところで留まった。予行演習なのか、どこか無秩序な祭囃子が外から響いてくる。

       

      「あの……?」
      「あ――ええーっと、すいませんすいません! ここの人たちのことですよね!?」

       

       心配し始めていたヤツハだったが、五つ数える間にきちんとどこかから帰ってきたハツミの態度に安堵のため息を零す。ただ、何故か手刀を両手に構え、腰を引いたような姿勢になっている意味は分からなかったが。
       それからはっとしたように胡座になったハツミは、腕を組んで深く唸ってから、

       

      「うーん、そうですねえ……まだまだ手のかかる、愛しい子と言うべきでしょうか」
      「おぉ……あの大波から守った逸話から、皆さん努力されているようですが」
      「ははっ、全然足りませんよ。認めてあげたいのはやまやまですけどね? 甘やかしたところで、みんなのためになりませんから。調子に乗って海の藻屑になるところなんて、誰も見たくはないでしょう?」

       

       なるほど、とヤツハは胸中、女将視点との乖離が誤解でしかなかったと納得していた。それでいて、民には明かしていない本音も聞くことができ、その興味深さにさらなるハツミへの興味が湧いてくる。
       ただ、きりりとした作り顔の裏で、乾いてきていたハツミの肌が今度は冷や汗に濡れ始めたことを、ヤツハは知る由もなかった。

       

      「そうですね……ハツミさんも、いつも見守っているわけにもいかないでしょうし」
      「そ、その通りその通り。芦原の民にばっかりかまけていられるほど、あたしも暇じゃないのです。どこぞのご隠居メガミと違って、目は一つしかついてませんから、やはり民に自分自身を高めてもらうのが理想なんですよ」
      「なるほど……それがメガミからの視点、ですか。長い目で見たときのことも、確かに考える必要がありそうですもんね……」
      「えっ――あっ、そう、そうですよ! その場その場を凌ぐだけじゃ駄目ですからね! あは、あはははは」

       

       乾いた笑いも、先入観に支配されていたヤツハには余裕の笑みにしか見えていなかった。視点の違いに大きく納得したように頷き、今後メガミとして人々に関わるときのための参考資料として胸にしまう。
       もっと具体例に踏み込んでいきたい、と次なる質問を脳裏でまとめ始める。
       だが、裾を引っ張られる感覚がそれを妨げた。

       

      「うー、人間がどうとか、そゆのどーでもいいですぅ」

       

       ごろん、と寝転がっていたクルルが、いかにもつまらなそうにヤツハの服の端を摘んでいた。

       

      「ごめんなさい、私だけ」
      「クルルはクルルで気にしなさすぎな気もしますけど……」

       

       どこかほっとした様子のハツミの言葉に、特にクルルが反論することはない。仰向けのまま万歳をして、ぶらぶらとハツミへ手を伸ばす。

       

      「というか、はつみんは結局なんであそこにいたんですか? 今日はお祭りなんですよね? ふらんくりん君の中じゃお祭りは見れませんよぅ」
      「う……そ、それは……」

       

       今度は顔を引きつらせながら、つー、と視線をクルルたちから外す。

       

      「いや、あたしにもね? やんごとなき事情っていうのが、あって、ですね……誰にも言えない、みたいな……?」
      「もしかして、美味しいおさかなをひとりじめするきだったんですかぁ? くるるんたちの分は取っておかないとめーですよぉ」

      「誰が横取りするっていうんですか! ……そ、そうじゃなくて」

       

       しどろもどろになりながら、ああでもないこうでもないとあやふやな言葉を重ねていく。その要領のなさに、クルルの顔がふざけたようにわざとらしく歪められていく。
       けれど、同じくハツミの様子を窺っていたヤツハは違った。
       はっ、と何かに気づいた彼女の口から、解答がこぼれ落ちる。

       

       

      「さぷらいず……ですね!」
      「え――」

       

       予想外どころか、意味のまるで理解できない単語にハツミは硬直した。
       ヤツハはそれに補足をするように、

       

      「あっ、と驚くような贈り物のこと、らしいです。もしかしてハツミさんは、久しぶりにお祭りに顔を出すのに、町のみなさんを驚かせようとしていたんじゃないですか? それで言いづらそうに……」

       

       提示された答えは、別段瑕疵のないものだった。
       しかし、ハツミにとってはそれが不味かった。真実を覆い隠すための蓋が見つからなければ、あとはもう自分が覆いかぶさるしかない。
       それがどんな結果を生むことになっても、ただ無心で。

       

      「え……ぁ……うん。……そ、……そうかも、いえ、そうです。そうです……ね」

       

       希望と心を失っていく声で肯定すれば、ヤツハはぱあっと笑顔を咲かせた。偉大なるメガミに対して抱いた期待が裏切られることはなかった。

       

      「素敵です、ハツミさん! あ、でも、ここにいて大丈夫ですか……? 楽しそうな音も増えてきましたし、もうそろそろ始まるんじゃ……」
      「そ……ソウ、デスネ」
      「くるるんさんがお魚を捕りに行ったのも私のためでしたし、なんだか申し訳ないです……」

       

       至って真剣に落ち込むヤツハ。
       だが、それも束の間、

       

      「そうだ、くるるんさん! ハツミさんの『さぷらいず』、成功させるようにお手伝いできませんか?」
      「うーん、あんま興味ないですけど、やつはんが言うならいいですよ」
      「やった……! そうと決まれば急がないといけませんね!」

       

       トントン拍子に話が進んでいく。それを今更制止することは、ハツミにはできなかった。
       祭りとさぷらいずへの期待に目を輝かせるヤツハに、そんなハツミの心境は知る由もない。ただ、自分のために何かしてくれることへの嬉しさを既に知る身であるが故に、純粋な気持ちで立ち上がる。
       全ては、尊敬すべき先達のために。

       

      「アハハ……」

       

       連れ立ったハツミ本人の声が、鳴り始めた祭囃子にかき消されていく。
       伸ばされた指先は、何かに縋るように意味もなく、ひくひくと動いていた。

       

       

       

       


       そしてその夜、海の漢祭本番。
       穏やかだった昼間とはうって変わって、身体に叩きつける潮風は祭の空気に煽られたように強まっていた。腹の底に響く太鼓の音がそれに負けじと響き渡り、賑わう人々の気勢をさらに高めていく。

       

      「ハッ、ヤッ!」
      「ヨイショォ!」

       

       到るところに篝火の焚かれた芦原の浜辺で、褌一丁の筋肉たちが踊っていた。檜舞台の上で演じられるような流麗なものではなく、太鼓に合わせて鋭く激しく、キレのある動きを作り続けるそれは、厳しい演武のようですらあった。

       

      「わあっ、すごいですよくるるんさん! お胸がぴくぴく動いてます!」

       

       観衆に紛れていたヤツハが、鍛え上げられた肉体から繰り出される技に歓声を上げる。街道の練り歩きも終わり、伝承に語り継がれるお披露目の舞に移った祭を楽しんでいた。

       

      「どれだけ頑張ったらああなれるんでしょうね……流石はハツミさんを信じる方々です!」
      「はいー、そですねー」

       

       その隣で、クルルは心ここにあらずといった様子で生返事する。端から漢たちには一切興味を向けておらず、手元で弄っている何かに集中しているようだった。
       と、筋肉の躍動も最高潮を迎えた頃だった。
       海の向こう、入江の入り口あたりに、ぽう、と桜色の光が灯った。

       

      「お、おい! なんかこっち来とるぞ!」

       

       どこかから生じた困惑は、さざ波のように人々へ広がっていった。彼らが目にしたのは、その光が祭の会場である浜辺へと一直線に向かってきている光景だった。
       太鼓も一度鳴り止み、漢たちも謎の光に対して威嚇するように筋肉を張り上げる。
       ざわめきが、芦原の浜を覆い尽くした。

       

      「み、見ろ! あれは――」

       

       一歩、果敢に波打ち際まで近づいていた漢が、松明を掲げた。
       すると、顕になったのは人間の大人ほどの木偶人形であった。全身に海藻を巻き付け、あちこちを貝殻であしらっているそれは一見すれば漂流物のようである。人の下半身にあたる部分には何本もの足が複雑に生えており、砂浜を実に歩きづらそうに進んでいた。
       そして、その人形は、頭の代わりに人を戴いていた。

       

      「は、ハツミ様だァーッ!」

       

       人形の肩に腰掛けていた者の正体に気づいた筋肉の塊が、叫びを上げた。

       

      「ハツミ様だって!?」
      「なんてことだ、ハツミ様がいらっしゃっただと!?」
      「嘘だろう、ついにお認めいただいたのか!?」
      「あぁ、ハツミ様だ……! ハツミ様に、祭に来ていただけたんだ!」

       

       信じられないといった声は、ハツミが次第に浜の中心まで上陸したことで歓喜の絶叫へと変わっていく。絶叫はさらなる絶叫を生み、ざわめきは一転して爆発的な快哉となって浜を包み込み、興奮のるつぼと化す。
       しかし、そんな中でも、人々は祭の本懐を忘れていなかった。いち早くハツミの周りに集ったのは、この日のために己の肉体を磨き上げてきた海の漢たちであり、瞬く間に筋肉の森が姿を現す。

       

      「っしゃァー! てめェら、気合入れてくぞォ!」
      「「「「応ッ!!」」」」

       

       顔役らしき漢の掛け声によって、筋肉の舞が再び繰り広げられていく。またとない機会に、彼らは全身全霊でもって、肉体をハツミへと誇示していく。

       

      「フンッ、ハァッ!」
      「ソイヤッ!」

       

       野太い声が、祭囃子もかき消すように交錯する。
       もはやそれは、演武ですらない。原点に立ち返った、お披露目そのものであった。

       

      「ヨッ、セイッ!」

       

       いっそう太鼓は激しく、いっそう筋肉は逞しく。
       いかに立派に己を見せられるか、ただそれだけを考えた姿勢を続け、ハツミの中心にぐるぐると回る。

       

      「ハァーッ、フンッ!」

       

       視界の中には常に筋肉が存在し、四方八方を筋肉に囲まれたハツミは、逃げ出すことも目をそらすこともできない。ぴくぴくと彼女が痙攣する様は、海の漢たちであっても、観衆も、あるいはヤツハやクルルでさえも、誰も認めることはなかった。

       

       何故こうなったのか。
       自分は何を間違えたのだろうか。
       ただ、海で平穏に暮らしたかっただけのはずなのに、自分を囲むのは愛らしい海獣ではなくむさ苦しい人間の雄たち。

       

      「なん、でぇ……」

       

       筋肉地獄に放り込まれ息も絶え絶えになったハツミに、望む答えを返す者はいない。
       頬を流れた一筋の雫に、益々熱気は高まっていく。

       

      「フンッ!」

      「ハァッ!」

      「ソイヤッ!」

       

       ……今宵の芦原は桜降る代に語り継がれる盛り上がりを見せ、そして祭は実に三日三晩にわたって続いたという。

       

       

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      招待選手大会をニコニコ生放送でお届け!

      2019.07.16 Tuesday

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        招待選手大会を生放送で観戦しよう!

         

         

         こんにちは、BakaFireです。以前の展望にて新たなイベント、招待選手大会についてお知らせいたしましたが、月日が流れるのは早いものです。気付けばいよいよ次の週末にはその日を迎えるのですから。

         7月21日(日)の13時より、私どもは8名の覇者たちを招待し、招待選手大会を開催いたします。そしてその全試合をニコニコ生放送にてお届けします!

         説明は不要でしたら、すぐにでもこちらのページより会場へとお進みくださいませ。

         

         

         とはいえ、多くの方にとってはどういったイベントなのかすぐには分からないのではないでしょうか。そこでこの記事の以降では、歴史的な背景を含めて一から説明いたします。ご一読いただければ嬉しい限りです。

         


        戦いの歴史を振り返えるぞ!

         

         2016年5月に本作が誕生してからはや3年。本作はカジュアルで気楽なものから競技的な真剣勝負まで様々なイベントを開催してまいりました。その中でも特に競技的かつ大規模であるものが「全国大会」と「大交流祭」です。

         全国大会は本作で最も大きなイベントであり、これまでに『第二幕』シリーズで2回、『新幕』シリーズで1回開催されています。全国大会本戦に参加するには、まずは全国各地で開催される予選にて高い戦績を納めなくてはいけません。そして予選通過者が集う最高の舞台で勝利してこそ、頂点に立つ覇者として讃えられるのです。

         大交流祭は『第二幕』シリーズで1回、『新幕』シリーズで2回開催されています。全国大会本戦が東京で開かれるのに対して大交流祭は地方を舞台としており、これまで名古屋、大阪、福岡で開かれました(そして9月には北海道で開かれます)。

         大交流祭は全国大会を行わないシーズンにおける総決算のために開かれます。過去には第二幕第弐拡張環境、新幕シーズン1、新幕シーズン2で開かれ、そしてそれぞれのシーズンにおける覇者が君臨しました。

         全ての全国大会と大交流祭にはイベントレポートが存在しております。気になるようでしたら、ぜひともご覧いただければと思います。

         

        全国大会レポート(前篇)

        全国大会レポート(後篇)

        第二回全国大会「第二幕大決戦」レポート

        第三回全国大会「天音杯」レポート

         

        錦秋の大交流祭レポート

        炎熱の大交流祭レポート(シーズン1大規模イベント)

        新涼の大交流祭レポート(シーズン2大規模イベント)

         


        そして覇者たちが今こそ集う

         

         いよいよ本題です。これまでの覇者たちが一堂に会し、そして激突したらどのようなドラマが生まれるのでしょうか、あなたは気になりませんでしょうか。私どもはもちろん気になります。ゆえに、そのような夢を実現するために招待選手大会を開催するのです。

         実に都合がよいことに、全国大会の優勝者と準優勝者、大交流祭の優勝者、そして本作で最も古い企画である『第一幕』ランキングの覇者を合わせると8名(※1)となります。こうなれば全7試合のシングル・エリミネーション(※2)によるトーナメント以外はあり得ません。7試合であれば、全てを生放送するにも現実味があるというものでしょう。

         

        ※1 まやんさんは第二幕大交流祭と第二回全国大会両方の優勝者であり、舞茸さんは第一回全国大会の準優勝者かつ第三回全国大会の優勝者です。これらの重なりにより人数が8名に収まっています。
        ※2 1回敗北したら大会から脱落する形式のトーナメント

         

         ここまでが当イベントの歴史、そして趣旨となります。さあ、それでは栄誉ある英雄たちを紹介しましょう。そして本日初公開となる、当イベントのトーナメント表もご覧くださいませ!

         

        ※ こちらのトーナメント表は当日に解説を担当するえりんさんと771さん、審判を担当するnobitaさんの立会いの下で無作為なマッチングになるよう作成されました。

         

         これらの8名についてさらに知りたい場合は、上記のイベントレポートはもちろんのこと、彼らの執筆した攻略記事シリーズ「想い一枚ここにあり」もございます。この機会にいかがでしょうか。

         

        第1回:浦波嵐

        第2回:引用

        第3回:引力場

        第4回:要返し

        第5回:スカーレットイマジン

        第6回:ふりはらい/たぐりよせ

        第7回:天地反駁

         

        ※ キシロさんは執筆を辞退されましたため記事を作成しておりません。

         

         さらに先日の記事にて先行公開したレギュレーションについてもご覧いただきましょう。可能な限り多様かつ魅力あふれるマッチアップを観戦していただくべく、当イベントのために作成されたレギュレーションとなります。

        • 6柱を選出し、大会開始前に提出します。
        • 1回戦では6柱を確認しあった上で、互いに秘密裏に2柱を選出します。
        • 準決勝では1回戦での2柱を取り除いた4柱を確認しあい、互いに秘密裏に2柱を選出します。
        • 決勝ではさらに準決勝の2柱を取り除きます。そして残った2柱に、大会開始時に選出しなかった10柱の中から任意の1柱を秘密裏に加えます。そしてその3柱を用いて三拾一捨を行います。
        • 最初の6柱ならびに決勝で追加する1柱に同じメガミがいてはいけません。オリジン版とアナザー版は同じメガミと見なします。
        • メガミ選出のための時間は3分、眼前構築は5分、桜花決闘は両者17分30秒の持ち時間制で、時間切れは敗北となります。


         これにて当記事でお伝えすることは終わりです。あとは7月21日の13時、こちらの会場までお越しいただければ、最高の決闘がそこにはあります。ぜひともあなたのご来場を心よりお待ちしておりますよ!


         


         本日はここまでとなります。招待選手大会の準備のため、今週の私の記事はお休みとなります。来週には次なる一大舞台、北海道大規模についてお伝えさせていただく予定です。ご期待くださいませ!

        桜花仄かに輝かん(後々篇)

        2019.07.09 Tuesday

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           こんにちは、BakaFireです。前回に引き続き、ホノカ特集の後篇をお送りいたします。記事の更新が遅れてしまい申し訳ございません。正直なところ、ちょっとよくわからないくらいカードの枚数があったため、物理的に限界がございました。ご容赦いただければ幸いです。
           
           前々篇では『第二幕』の計画から生まれたホノカのコンセプトを、前後篇ではホノカのギミックである「開花」がいかにして生まれたのかをお話ししました。後篇では後前篇と後々篇の2回にわたり、ホノカのカード個別の話を行います。後前篇ではN5までを取り上げましたので今回はN6と切札、原初札を取り扱うことになります。
           
           前篇でお話しした通り、ホノカはバランスにおける反省点が最も多いメガミであるため、お聞き苦しい点もあるかもしれません。ご容赦いただければと思います。また、その点を踏まえてかつて添えていたやり方も改めて書いておきましょう。
           

          • カードの歴史と評価に注目する
          • 歴史とはカードが生まれた経緯を指す。
          • 歴史においてルールの変化が重要ならばそれも語る。
          • 評価はゲームにおける魅力、バランスの適切さ、メガミの気質の体現性の3点を見て行う。
          • 現在問題視している箇所や、カードへの否定的な見解も書く(出版から時間が経ち、皆様からのフィードバックを頂くと至らなかった点も見えてくるのです)
          • 否定的に書き、修正を匂わせたとしても、修正を急ぐつもりはない。

           
           それでは、さっそくはじめましょう!
           
           
           

           

           この枠、すなわちN6にあたる1枚はホノカのデザインにおいて鬼門であり続けました。ホノカはカードの変換を行うゆえに枚数が多く、多様なカードが存在します。その上でホノカらしさを保つために、理念上持ち得ない効果もあります(※)。
           
           それゆえにホノカはデザイン空間を自分自身のカードで食いつぶされやすいのです。特に、その他の必然的なデザインを全て埋め終えた後に残った通常札の一枠、N6をどうするべきかについては頭を悩まされました。
           
           『第二幕』においてはいくつかの理由によりこの「桜の翅」に落ち着きました。『第二幕』の基準における後退のやり辛さでは「突撃霊式」が少し打ち辛く「廻り」以外に信頼できるカードが欲しかったことや、ホノカのデザイン時点ではユリナやユキヒによる近接間合の強さへの懸念があったことなどが理由です。
           
           しかしながら私個人としては満足はしていませんでした。カード単独としてみた面白さは十分にありますが、ホノカのカードとしての必然性はないように思えるのです。この1枚、あなたはどう考えますでしょうか。

           

          ※ 新幕でその理念は整理され、ホノカはネガティブな効果―例えば桜花結晶をダストに送ったり、手札を捨てさせたり、集中力を失わせたりする―を持てないと定められました。

           

           

           N6枠の難航は『新幕』でも続きました。「桜の翅」が移動カード枠として1枚にまとまったため、この枠にはホノカにふさわしい新たな1枚が必要でした。それこそ多種多様な案が試されましたが、悲しくもその全てが散っていきました。例えば単純につまらないものであったり、冷静に考えてみたら自明に愚かであったり、吟味の末に今後のデザイン空間を破壊し過ぎていると判断されたり、理由は多様なものでした。
           
           そして最終的には「微光結界」になりました。その着想はアンチアンチカードとでも呼ぶべきでしょう。それまでのプレイテストにおいてホノカは、例えばシンラにより山札を破壊されるなどして開花を妨害されると彼女の構造を発揮できず、苦しい事態に陥ると分かっていました。
           
           そこで余剰の枠に明確な弱点を咎めてくるメガミへと特に刺さるカードを入れてみたらどうでしょうか。こうすれば弱点を咎める側は自らの強みをそのまま生かせばよいですし、咎められる側も対策で返せるため絶望せずに済みます。ゲームをつまらなくしうる極端な相性差への対策が行えるのです(※1)。
           
           しかし「微光結界」は失敗でした。考え方以前に、カードそのものが根本的に弱すぎたのです。そして話はまさに最近にまで追いつきます。シーズン3から4へのカード更新でこのカードは「指揮」へと生まれ変わりました。
           
           カード更新についてもお話ししましょう。ホノカの更新への試みは、まさに地獄のようなものでした。元々の枚数が多いくせに全体的に牙を抜かれているため、まともなやり方をするとカード6枚程度への更新が必要なのです(しかしそれは良いやり方とは思えません)。
           
           デザインチーム、バランス調整チームが一丸となって力を合わせ、ホノカがどうあるべきかを検討しつづけました。そして様々な活躍からホノカの全てを束ねる1枚「四季はまた廻り来る」の更新案へとたどり着いたのです。
           
           では、「指揮」はどうなのでしょうか。この1枚を語るには、直前フィードバックチームの存在が不可欠です。直前フィードバックチームはシーズン3での禁止改訂をきっかけに生まれました。『第参拡張』では入稿の数週間前にその時点でのカードリストをこれまでのバランス調整チームとは別のチームに見せ、そのフィードバックを受け取っていたのです。
           
           彼らは「四季はまた廻り来る」そのものは気に入っていましたが、ある1つの不満において私と意見が一致しました。「四季はまた廻り来る」で救われないカードが使われ辛く、結果としてホノカの構築が閉塞的になりすぎてしまいます。
           
           そこで私と彼らはその問題を打開するべく、この枠の1枚を吟味しました。そして生まれたのが「指揮」です。まずホノカ全体として打点が不足気味であったために「精霊式」以外での攻め筋が必要でした。その上で付与にして「この旗の名の下に」と相性を良くして、別軸の構築が機能するようにしたのです。
           
           直前フィードバックチームのすばらしい成果は他にもいくつかありますが、最たるものはこの1枚でしょう。ホノカのN6の枠として見てもこれまでのどれよりも必然性を感じられ、実に満足のいく1枚に仕上がりました。

           

          ※ 「微光結界」は失敗でしたがこの考え方そのものは機能していると考えており、成功例として働いていそうな事例も現れています。今の時点で語るのは早計なので、いつの日かのヤツハ特集で結果をお話ししましょう。

           

           

           「精霊式」シリーズが成長していくカードとして最初に浮かぶ流れであれば、このシリーズこそが次に浮かぶ第2の流れでした。《攻撃》には間合があるゆえに成長に障壁があるように、《付与》にも納とダストの関係から自然な障壁が生まれるのです。

           

           それでは、その成長する《付与》としてふさわしい効果はどのようなものでしょうか。ホノカは『第参拡張』、つまりは『第二幕』で最後の拡張として計画されていたため、ここですべてをやりつくすべきです。そこで私はこれまで強く扱ってこなかった要素に目を付けました。距離拡大です。

           

           自分自身の効果で距離拡大する《攻撃》カードはこれまでもデザインされていましたが、他のカードを拡大するカードはありませんでした。しかし過去に没となったメガミのカードプールには存在しており、私はここにデザイン空間があるとかなりの早期から考えていました。

           

           距離拡大は数値を扱うため、成長を表現するにも便利です。さらに(この時点では理念文書として確立はされていませんでしたが)ホノカはポジティブな効果を扱うべきで、同時についになるウツロが距離縮小を扱える点からもホノカにふさわしいといえるでしょう。

           

           では成長の第一段階としてはどうあるべきでしょうか。それは距離拡大(遠1)以外はあり得ません。距離拡大(遠1)は疑似的な1前進として機能するために序盤に役立ち、逆に中盤以降は役立ちにくいために成長させるインセンティブも与えられます。

           

           結果として良好なデザインとなっており、プレイテストを通して1度も変更されませんでした。

           

           

           「三分咲き」シリーズの第二段階です。距離拡大は数値を扱うため、素朴に成長させるにはその数値を大きくすればよいでしょう。また1回成長しているということはゲームは序盤から中盤へと移りつつあるために、距離拡大(近)の価値が高まっています。そこで私どもは距離拡大(遠1)と距離拡大(近1)の両方を与える効果から始めましたが、思ったよりも距離拡大が協力であったため、近1だけに変更されました。

           

           また私どもは距離拡大(近1)の強さにも気づいていました。離脱のない『第二幕』では、今と比べて間合3や4は遠い世界です。ゆえにそれらの攻撃は今よりも(ゲーム全体において)強めにデザインされており、1回少ない後退で使えるには危険が伴いました。

           

           ですが悩むまでもありません。「精霊式」シリーズでサブタイプを活用するというアイデアをすでに見出していたため、素朴に「五分咲き」を《全力》カードにすればよいのです。これにより「三分咲き」から「五分咲き」に成長させるのも明確な正解でなくなり、より奥深いカードとなりました。

           

           

           「三分咲き」シリーズの最終段階です。前篇でお話しし、「神霊ヲウカ」でも書いた通りホノカには全てを締めくくるアルティメットさが求められています。そこで距離拡大と言う形での強化において究極的な姿を考え、全ての適正距離を0-10にするという案へと至ったのです。
           
           それは一見してクレイジーですが、付与カードを成長させていくという枠組みの中であればバランスが取れる自信はありました。特に「五分咲き」が全力であるのは大きく、山札1週目にダストとオーラを0にして「三分咲き」を即破棄したとしても、「五分咲き」を安全かつ速やかに破棄し、山札2周目の底に「満開」を仕込むのはほぼ不可能だと結論付けられたのです(※)。

           

           もうひとつの欠点は納です。「三分咲き」「五分咲き」の納を強さ、美しさそれぞれの面から3と5が相応しいと分かった時点で、「満開」の納は10が美しいと言えるでしょう。これはバランス面でもよい働きがあります。大きすぎる納は自らのオーラを奪い去ってしまうため、「満開」を使用するとまともに守りを固められないのです。もちろん「満開」を使用したターンには狂ったような連続攻撃を仕掛けるわけですが、それで仕留め切れなければ相応のしっぺ返しが待っています。
           
           こうして『第二幕』で最も狂った1枚は誕生し、プレイテストでも問題はないと判断されました。最終的には見落としはありましたが、この狂った効果で致命的な問題を引き起こさなかった点には満足しています。

           

          ※ 速やかに行う場合は往々にしてオーラが0のまま相手の間合で立ち止まるため、致命傷を受けることになります。しかしこの判断には誤りもありました。ヒミカとの組み合わせに限っては間合を極端に離したうえでダストをほぼ0にできたため、「満開」を安全に用意できたのです。その点から『第二幕』では「そして四季は廻る」のカード更新が必要になりました。

           

           

           『新幕』においてもまずは「三分咲き」から「満開」のシリーズ全てをそのまま導入し、テストをはじめました。しかし早々に「熊介」との相互作用で問題の可能性が指摘され、それを掘り下げるうちに「五分咲き」と「満開」(特に「満開」)には看過できない問題があると判断されたのです。
           
           それは『新幕』はまだまだ続いていくという点にありました。
           
           『第二幕』で「満開」を印刷できたのは、『第二幕』は『第参拡張:陰陽事変』で終わるからでした。「満開」がどれほどクレイジーでも、ここで世界が閉じているならば未来を警戒しなくてよいのです。しかし『新幕』は違います。もし「満開」を印刷してしまうと、今後にデザインするあらゆる《攻撃》カードについて適正距離が0-10になった場合を想定しなくてはならなくなり、今後のデザイン空間が大きく圧迫されてしまいます。
           
           「満開」の派手さを抑えて解決しないかどうかも試しましたが、外見の魅力が損なわれるうえに大した解決にならず、さらには「五分咲き」の時点で一定のリスクはあるという可能性も示唆されました。
           
           そうして私どもは「五分咲き」「満開」を取り除き、「三分咲き」だけのカードとして「追い風」を作成したのです。今の段階でこの判断を評価するならば、「五分咲き」「満開」を取り除いたのは正しいものの、「追い風」が良いデザインであったとは考えていません。
           
           理想を言うならば、前篇でお話しした通りホノカの理念を正しく見つめ直し、より適切に育成ゲーム気分を感じられるような《付与》カードをデザインするべきでした。但しそのデザインはとても難しく、現時点でも正しいと感じるアイデアには至れていません。

           

           

           通常札で成長するカードがあるならば、切札で成長するカードがあるのも必然でしょう。ならば、どのようなカードこそが相応しいでしょうか。その答えは広く、様々なデザイン空間が存在します。ホノカ以外を見渡してもライラの「風魔招来孔」や、アナザー版クルルの「らすとりさーち」もその亜種と言えます。中でもホノカは特に変化と成長へと注目しているため必ず1枚は持つべきであり、それは3段階以上が望ましそうです。
           
           私どもはそのアイデアを物語から引き出すことにしました。公式小説『桜降る代の神語り』は現在こそ完結していますが、ホノカのデザイン中はまだまだ序盤でした。しかしウツロ、ホノカの関係が決まった時点で、最終話でのアイデアは決まっていました。
           
           物語をお読みでない方のために説明しましょう(そしてネタバレを嫌う方はこれら3枚は読み飛ばしてください)。ユリナ、ホノカ、ウツロの3柱は最終話で和解し、新たな桜花決闘のための宣誓を行います。作中の時代では決闘は「胸に想いを、両手に華を、我らがヲウカに決闘を」という宣言で行われていますが、その宣言によって「胸に想いを、両手に華を、桜降る代に決闘を」という宣言に変化するのです。
           
           この宣言は丁度よいことに「胸に想いを」「両手に華を」「桜降る代に決闘を」と3節に別れています。これらを呪文のように唱え、1段階ずつ変化させていくのは実に格好よく楽しい体験に思えました。そこで物語を再現するように、これら3枚の効果を設計していくことにしたのです。
           
           まずは「胸に想いを」は使用することそのものに、切札らしい障壁があるよう整えました。切札の障壁といえば消費が最も適切です。その点で適切な値は「生きる道」の経験から明らかでした。消費4は先手の3宿し、第2ターンの再構成から直ちに使用できますが、消費5かつ全力であれば普通は第2ターンには使えません。それゆえに適度な工夫が求められ、楽しい体験になるのです。

           

           

           「胸に想いを」から続く第2段階です。このシリーズは最終段階を特殊勝利にすると仮に決めて設計していたため、第2段階もまたある種の障壁であるべきでした。そして消費を障壁にするのは「胸に想いを」でやっていたため、他のやり方が望まれます。
           
           私どもはいくつかの方法、例えば捨て札のカードタイプや、山札や捨て札の枚数などの障壁を試しましたが、どれもぱっとしないものでした。そして最終的に最も楽しく、戦略的判断が伴ったのが現行の案だったのです。
           
           なぜ優れていたのかを分析すると、特殊勝利にはリスクが必要だったからであり、同時に従来のゲーム展開へとある程度は踏み込むべきだからでしょう。特殊勝利は相手を攻撃せずに勝利できるため、余剰リソースを全て生き延びるために使えます。ゆえにまともなゲームをある意味で馬鹿にして、ただただ条件に向けて努力しつつ守りを固めればよいのです。
           
           これは特殊勝利の楽しさでもありますが、度が過ぎると不愉快でつまらないものになります。その点で最終的な「両手に華を」はオーラを減らすために相手の攻撃を推進し、特殊勝利側は守るための工夫をより強く求められます。結果として特殊勝利を狙いつつも本作の王道に関するせめぎあいが途中に挟まるため、どちらにとってもゲームが面白くなります。
           
           もうひとつ気に入っている点を挙げるならば、桜花結晶の循環です。これら一連のカードを通して桜花結晶はフレアから始まり、「胸に想いを」の効果でダスト、オーラへと変遷し、「両手に華を」の条件でカードの上へと移り、条件を満たすと再びフレアへと戻り、「桜降る代に決闘を」の条件を助けます。
           
           これらの結晶の数は全て5であり、それはもちろん桜の花弁の数です。そして桜花結晶の循環を司るホノカがそれらの結晶を領域で循環させ、それを通して力を高めるというストーリーは実に趣深いものといえるでしょう。


           

           

          第二幕

           

           最終段階であり、特殊勝利を実現するカードです。この条件もいくつかの案が試されましたが、最終的には最もストーリーを魅力的に体現し、美しいこの案に決まりました。
           
           新たなる桜花決闘の宣誓ではホノカ、ユリナ、ウツロの3柱が手を掲げ、そこに3つの桜花が輝きます。そして宣言を終えることで全ての桜花結晶に祝福され、新たな時代の幕開けをもって「物語が勝利に終わる」のです。ゆえにこのカードの条件もまた、3つの桜花を輝かせることにしたのです。
           
           私はこの物語的表現をこの上なく気に入っており、『第二幕』で特に好きなカードの1枚です。そして間違いなくこの1枚は合格点の魅力を持つカードだったと言えるでしょう。しかしながら全てが完璧ではなく、小さな2つの失敗ゆえに満点のカードではなかったとも評価しています。説明しましょう。
           
           第1の失敗はこのカードが想定よりも少しだけ強力で理不尽だった点です。結果としてカードの修正は不要だったため大きな問題ではありませんが、上の「両手に華を」で書いたような特殊勝利の孕む懸念点を解消しきれてはいませんでした。それゆえに無視できない規模のプレイヤーにとって好まれないカードになっていたのは確かです。
           
           第2の失敗は『桜降る代の神語り』が想定よりも長くなったことです。『神語り』は確かに完結しました。しかしその予定は当初より延び、結果としてその間で『第二幕』は完結し、『新幕』が始まり、その『第弐拡張』を待たねばなりませんでした。
           
           しかしこのカードは物語の最終話を表現しているため、物語が完結しなければその意図は伝わりません。カードの物語性が最高に芳醇であり、決闘の新たな宣言をもってゲームが終わることが実に筋が通ったものであっても、描写されない限りは受け手には伝わらないのです。私はこの失敗をこの上なく口惜しいものと捉えています。

           

          新幕

           

           『第二幕』での小さな失敗のうち、後者はともかく前者については意識するべきです。また「桜降る代に決闘を」というカード名にも幾ばくかのややこしさゆえに不評がありました。最後の拡張という位置づけがあったからこそ格好よさも伴い、どちらかといえば正しい名づけだったと評価していますが、新しい立ち位置では変更するべきでしょう。
           
           これらを踏まえて特殊勝利カードであることを辞め、特定の条件を満たしたら攻撃を撃ち合うやり方において大幅に強化されるカードとしてデザインしました。
           
           しかしながら、最終的には失敗だったと評さざるを得ません。このカード、ひいては『新幕』における「胸に想いを」「両手に華を」から続く一連の流れは初期案は極めて強力で、バランス調整チームによる調整を経て現在の形になりました。そして残念ながら現状は強力とは言えません。

           

           ですが他のカードと違い、バランス調整チームが警戒しすぎたと一括りにするのはいささか乱暴です。この類の「時間を与えれば強力なカード」を順当なビートダウンを相手に成立しうる水準に調整してしまうと、これは時間をかけて勝利するコントロール寄りのデッキに対して必勝となってしまい、極端すぎる相性面の問題を引き起こすのです(※1)。
           
           さらに本作には眼前構築があります。ゆえにホノカを使う側は相手のメガミから比較的低速なゲーム展開が予想されると判断した上で、このカードを使うことを選べます。だからこそこの類のカードはやや弱めにデザインするべきです。
           
           理想を言えば私は全く異なる「成長する切札」へと挑戦するべきでした。ですがこのカードの調整が困難と気づき、方針を変えると決断できうる水準まで議論が進んだ頃にはもはや時間は足りず、さらには当時の私はそこまで考えが及びませんでした(※2)。この失敗を踏まえて現在では出版のスケジュールを見直し、ナンバリングされた拡張は半年に1回の出版とするよう改めています。

           

          ※1 相性は存在して然るべきですが、極端すぎる相性はゲームの魅力を損ねます。

          ※2 さらに作り直すとすると3枚の更新枠を要するため、カード更新の優先順位も相応に低くなってしまいます。

           

           

          第二幕

           

           『第弐拡張』『第参拡張』のデザインの途中経過を見直し、素直に攻撃する中〜大技切札が不足していた点からデザインされました。サリヤは連続攻撃を、ウツロはダストを条件にした無条件ダメージを得意としており、そしてクルルは言わずもがなです。
           
           その時点で消費は4以上、ダメージの値は3/2以上、再起は持たせないと定められました。成長する切札はすでに「胸に想いを」シリーズがあるため、追加カードも用いません。
           
           そこから考えをもう一歩進めたのは、現状における大型切札への小さな不満でした。例えば「月影落」も「律動弧戟」も(基本的には)使用されるのは相手を倒す瞬間であり、ゲームの終盤までフレアを溜めこんだままでいることが正解になりがちなのです。
           
           「月影落」らがこうあることは否定しません。しかしながらあらゆる中型以上の切札でも同様ではゲームに多様な展開が与えられず、拡張として魅力的ではありません。そこで私どもは中盤に使って意味がある中型切札のデザインに取り組みました。
           
           最終的には「Shield Charge」から原案へと辿りつきました。サリヤ特集で書いた通りの流れでこの1枚は生まれたのですが、ダメージにより桜花結晶が別の領域に移動するという挙動にはより広いデザイン空間があるように思えたのです。
           
           そこで領域を見直します。フレアは中型切札としては奇妙で、ライフは愚かさの体現です。オーラは悪くはありませんがすこしピンときません。ここまで考えたところで、より相応しい領域に気づきました。付与札です。
           
           付与札を延長するカードは過去に1枚しか存在しないために独自性も意義もあります。さらにオーラとライフどちらで受けるかで延長される期間が変われば、その選択を面白くできます。何よりもこの効果は「これから未来に延長した付与札から得る利得」に重きを置いているため、相手を倒す瞬間に撃たない動機へと結びついているのです。
           
           このアイデアを基に細かい数値を調整し、満足のいく1枚となりました。

           

          新幕

           

           『第二幕』での試みは完全な成功ではありませんでした。プレイヤーは結局、多くの場面でこの1枚を決着のために用いたのです。もちろん、意図したつかわれ方もされたため無駄ではありませんでしたが、改善の余地は感じられました。
           
           そこで『新幕』では数値を調整し、もう少し決着で使い辛く、もう少し気軽に使えるよう整えることにしました。消費は3から5、ダメージは4/2と3/2を推移しましたが、最終的にかなり弱めに感じる位置に着地してしまったのは、これもまた牙を抜き切ってしまった結果といえるでしょう。
           
           カード更新でこの1枚を直す手もありましたが、「指揮」の更新がこのカードを大きく助けていたこともあって、枚数の削減のためにも見送られました。また、『新幕』の現状を踏まえて私どもは《付与》カードの強さを見直しており(※)、より看板として働きうるような付与札が増えればこの1枚はより輝いていくでしょう。
           
           今のこのカード、そして『第参拡張』の「コンルルヤンペ」や「六葉鏡の星の海」はかつて望んでいた中型切札の目的を高い水準で満たせており、大きな成果として捉えています。
           
          ※ ダストを取り巻く状況から、《付与》カードは初期の想定よりも活躍し辛くなっています。「指揮」「かじかみ」などは新しい基準における看板の《付与》です。この指針をやりすぎるべきではありませんが、妥当な塩梅で推し進め、より幅広いデッキ構築が実現できるようにしていきたいと考えています。

           

           

          第二幕

           

           実に数奇な運命を辿り、『第二幕』『新幕』合計で3回ものカード修正、更新が行われました。「梳流し」も同様ですが、変化しつづけた期間の短さを鑑みるともっとも問題を引き起こし、目まぐるしい変化を果たしたカードと言えます。他方でそれらの問題も一概にこの1枚が悪いとも限らないのが面白いところです。修正や更新の際に謝罪は果たしたとして、ここでは歴史を見ていきましょう。

           

           初期案は桜花結晶を循環させるというホノカのイメージから生まれました。結晶を動かすカードは既に十分にあり、また開花には小さなサポートが必要とも考えられたため、ここではカードを循環させることにしました。そして桜と循環のイメージから四季というキーワードへと至り、四季をイメージした効果を目指します。
           
           最初に『第参拡張』で印刷されたのは次のようなものでした。


          行動 消費3
          あなたは手札を全て伏せ札にする。
          山札を再構成する。
          相手は山札を再構成する。
          カードを2枚引く。

           

           四季ゆえに4つの効果を持ち、自分と相手の両方の山札を循環させる効果でした。本質的に自分の利得を見ると山札を再構成してカードを2枚引くと考えて差し支えないでしょう。
           
           この1枚は『第参拡張:陰陽事変』の発売前の調整にて消費を4へと引き上げられました。経緯は前篇で説明した通り、『第二幕』で問題のあったユリナ/トコヨを基準に調整した結果、ホノカが全体的に強力になりすぎてしまったためです。この1枚が素朴に壊れていたかは(「義旗共振」と違い)微妙なところでしたが、ヒミカやオボロとの相性は異常によく、限られた組み合わせでは壊れた1枚だったのは確かでしょう。
           
           消費を4とした結果、オボロとの組み合わせでは強力なものの適性な範囲に収まりました。しかし数か月の後、ヒミカ/ホノカにおいて問題のあるコンボが発見されます。詳しく説明すると長くなるため当該記事をご覧いただくものとして、この問題はこのカードというよりは「三分咲き」から「満開」への変換が、ヒミカ/ホノカに限っては安全かつ早期に行える立ち回りが見落とされていたことが直接の原因と言えます。
           
           しかし更新においてはこのカードが修正されました。「三分咲き」から「満開」に適切な修正案が見いだされなかった一方で、このカードの調整は難しくなかったためです。それ以降は適切な強さとして『第二幕』環境で活躍しました。

           

          新幕

           

           『新幕』は全体的にカードパワーが上がっているためにカードを引く効果にはリスクが伴います。その懸念と過去に引き起こした問題を踏まえ、この1枚は改めて別の案を試すことにしました。最近の話ではありますが、次のようなものです。


          行動 消費2
          あなたの山札を全て伏せ札にする。伏せ札、捨て札からカードを4枚まで選び、それらを好きな順番で山札の上に置く。

           

           とはいえ、この案は完全に新たに考えられたものではありません。上述した『第二幕』でヒミカ/ホノカが問題となった際に考案されたカード更新案の1つなのです。その際には魅力が感じられ期待できる更新案だと評価されましたが、クルルとの組み合わせなどで(自明に駄目とは限りませんが)相当にきな臭い動きが懸念され没となりました。その懸念を十分にテストし、確実に問題ないと断言するには時間が足りなかったのです。
           
           しかしその際に好評であったため、今こそ改めて試すべきとカードリストに入れたのです。結果として問題のある動作はありませんでした。しかしながら私どもの失敗として、想定よりも使いづらかったことに気が付きませんでした(※)。
           
           ここで『第弐拡張』が発売し、シーズン3を通してホノカには勝ち辛い方向の問題があると判断されました。ゆえに更新が行われ、最終的にこの1枚に白羽の矢が立ちました。なぜこの案を採用したかは長くなりますし、カード更新の記事で書きましたのでここでは割愛します。
           
           この案が生まれた経緯はデザイン班2名の活躍によるものです。まず1名がホノカは切札の対応で防御力を高める必要があると主張しました。その時点では半信半疑でしたが、周辺の材料を考察するにつれてその主張は正しさを増していき、その方向を試すことになります。四季のイメージも残すため、初期案は以下のようなものでした。


          行動/対応 消費2
          以下を4回解決する。
          あなたの山札が3枚以下ならば、あなたの捨て札または伏せ札からカードを1枚選び、それを山札の底に置く。そうでない場合は「ダスト→自オーラ:1」

           

           プレイテストでは滑らかに消費が4まで上がり、しかしそれでもAユリナ/ホノカで致命的な問題が明らかになりました。このカードの防御性能が想定を超えて高すぎたため、決死を踏み越えることが絶対にできなくなっていたのです。オーラの回復量が2で固定されれば問題ありませんが、「要返し」の影は尋常でなくちらついていました。
           
           そこでデザイン班の別の1人がアイデアを絞りだしました。細かな3つの効果に分割し、さらに4つ目に即再起を追加するというものです。先の1人と協力し、最終的にほぼ現行案と呼べるものを仕上げたのです。その後は私が四季のフレーバーをより強調するために微調整し、バランス調整チームが「どれーんでびる」との相互作用を何とかして完成となりました。
           
           ちなみに四季のイメージは、以下のようなものです。


          伏せ札を山札底へ送る:春:芽生えと再生
          カードを1枚引く:夏:活性化、活動
          手札を1枚伏せて纏う:秋:人が活動することで収穫できる
          即再起:冬:そして四季は廻り、再び春が来る

           

          ※ 私はこの効果そのものが弱いわけではなく、消費2に見合っていないのだと捉えています。消費0であれば十分に実用性のあるカードではないでしょうか。

           

           

          第二幕

           

           「陰陽事変:陰」と対になるようデザインされ、ホノカとウツロが対になっていることをプレイヤーに伝えるための1枚です。「陰陽事変:陰」がウツロの体験を改善するための要請から先に作られたため、効果は「陰陽事変:陰」とちょうど対にして美しくなるよう設計されました。
           
           デザインの立場からこのカードを見ると、当時の私どもと高い水準で遊んでいるプレイヤーの状況の差が際立って表れた1枚であり、実に印象深いものです。何度かこのブログで書いた通り『第二幕』当時のバランス調整は現在のデザインチームが兼任しており、私も含めて全員が「ゲームに勝利するために突き詰め、それを楽しむ」能力が高くありませんでした(※)。ゆえに、ゲームを通してダストを枯らしたり、桜花結晶を独占するような立ち回りは誰も行いませんでした。

           

           それゆえに私どもにとってこのカードは強力ではなく、ホノカのカード群が(結果として)強すぎたために発売前に調整を行った際も、このカードは特に安全で警戒しなくてよいカードと評価していました。
           
           しかしこのカードを早期に使用し、桜花結晶を独占する立ち回りは想定をはるかに超えて強力でした。特にトコヨとの組み合わせはあらゆるビートダウンに対して制圧的で問題であったと言えるでしょう。結果として(シンラやクルルに弱いこともあり)カードの調整はされませんでしたが、仮に『新幕』のカード更新の枠組みで評価されたならば、間違いなくカード更新の対象となりました。
           
           これらの課題を改善するために、現在ではデザインチームとバランス調整チームがそれぞれ分業して本作を作成しています。

           

          ※ もちろんそれが高いことはある側面では優れていますが、ゲームデザインにおいてはそれはひとつの技術に過ぎません。本作の根幹を共に作ってきたことからも分かる通り、私を含め彼らには素晴らしい能力があります(というか、それが全てならば私自身がゲームデザイナーとして失格になってしまいます)。

           

          新幕

           

           『第二幕』の最終段階においては「陰陽事変:陽」に問題があったことは私も認めていました。それゆえにこの1枚は「陰陽事変:陽」を正しくやり直すべく進められました。まずは『第壱拡張』の時点で「陰陽事変:陰」は「魔食」と改名し、対にしなくてはならないという縛りを取り払います。
           
           そして根幹にあるアイデアは既に頭の中にありました。付与札の上に置かれた桜花結晶はダストへと送られていきますが、その移動先を別の領域にするのです。それがオーラやフレアであれば、「陰陽事変:陽」の楽しさを問題を解決しながら実装できます。
           
           このアイデアには小さな問題があります。オーラが5である場合は桜花結晶が動かず、付与札の上にとどまり続けてしまうのです。しかしホノカの理念文書には「5つ」コンセプトがありました。それをを応用すればこの問題も解決できます。オーラが5つ以上あるならばフレアに移動するようにすればよいのです。
           
           そこから私どもデザインチームはロマンをさらに求め、次のようなカードをデザインしました。


          消費2 付与 納5
          【展開中】この付与札の上の桜花結晶がダストへと送られるならば、それは代わりにあなたのオーラへと移動する。あなたのオーラが5以上ならば、代わりにあなたのフレアへ移動する。さらにあなたのフレアが5以上ならば、代わりにあなたのライフへと移動する。

           

           この愚かな1枚をいさめたのはバランス調整チームでした。とりあえず消費を4まで上げてしばらく試した結果、一部の防御力の高い組み合わせでは4以上のライフ回復が安定し、他方で消費の重さゆえに他の組み合わせでは使いづらいと判断したのです。
           
           そして議論の末にライフを回復する効果は取り除かれ、消費は当初の2まで戻されました。結果として理想的な1枚になったと言えます。『新幕』におけるホノカには失敗が多数ありますが、この1枚に限っては全てのチームが最善を尽くし、最高の成果を生み出したと評価しています。

           

           

           原初札は基本的には「メガミに挑戦!」で使用されるものです(メガミと挑戦者で対戦し、メガミ側は原初札を用いる代わりに1柱しか使えず、挑戦者は相手のメガミを見たうえで宿す2柱を選ぶ)。そのため、そのメガミ単独での戦いを実現できるようにデザインされます。特に通常札は、その戦いの円滑化が目的となります。
           
           ホノカの弱点は総合力です。カード枚数の多さもあるためにホノカは大体のことはできますが、単独で戦うとなると少しばかり力不足となるのです。ゆえに原初札はゲームにおける要請ではなく、ホノカらしさを追求した上で強いカードとするべきです。
           
           そこでホノカの存在としての由来を踏まえ、ヲウカに注目しました(原初札という名前から見ても当然でしょう)。ヲウカはこの世界に桜花決闘という仕組みを作った存在であるため、桜花決闘の原初に基づいた効果が望まれます。
           
           ここで私は閃きました。この連載を読み続けて頂いているならば「共通カード」という存在をご存知かもしれません。かつて本作のルールそのものがデザインされている中途においては全てのメガミで使用できる共通カードが存在していたのです。
           
           そう「原初足捌き」「原初後退」「原初見切り」「原初連撃」はかつて「足捌き」「後退」「見切り」「連撃」という名前で共通カードだったのです。効果はそのまま、というか数ある共通カードの案の中から特に危険な4枚を引っ張り出してきました。気付いた方は当時のプレイテスター以外にはいないような気もしますが、一応ヒミカ特集で「バックステップ」が共通カード出身だと伝えたあたりにヒントはあったりします。

           

           

           原初札の切札も同様のコンセプトで作られますが、こちらは「刺激的で特殊な舞台を作る」ことを意識してデザインされます。
           
           原初札をホノカらしくするためにも、片方は成長、変化するカードであるべきです。そして原初札ではヲウカという存在に注目すると決めたからには、ホノカがヲウカの力を呼び覚ますという効果が自然でしょう。
           
           「仄かに輝かん」は目的から逆算して作られました。1回撃ってはい変身というのは味気ないので「両手に華を」と同様に桜花結晶を蓄えるようにします。しかしそうすると自分側の桜花結晶だけが段々と減っていき圧殺されるため、相手方の桜花結晶に干渉する余地も加えるべきでしょう。そこで攻撃を飛ばすようにしました。この際に攻撃がカード上の桜花結晶に影響されるようにして段々と攻撃が苛烈になっていくようにした点は、結晶の意味合いから見ても挑戦の体験として見ても素晴らしく気に入っています。
           
           「桜花転生」は強化とプレイの幅を両立し、柔軟に立ち回るボスキャラクターを表現できるように整えました。最初は追加札を手札に加えようとも思いましたが、「原初見切り」が毎ターン手札に入るとゲームにならなかった(ええ、遥か太古に試した頃に)ことから思いとどまりました。
           
           オーラを無限にする効果は強化であると同時にゲームを原初に回帰させるというフレーバーもあります。どこかの記事で書いた覚えがありますが、かつて本作にはオーラの上限がなかったのです(※)。
           
           全てを総合するとゲームとしても、キャラクターの表現としても魅力的に仕上がりました。「メガミに挑戦!」の中でも有数の出来と言えるでしょう。
           
          ※ え、そりゃ駄目だったに決まってるでしょ。詳しくは未来のユリナ特集にて。

           

           

           

           ああ、本当に長かった! お読みいただき、本当にありがたい限りです。本日はここまでとなります。そして今週の木曜日から土曜日にかけて、ボードゲーム関連の仕事で私は上海に行ってまいります。そのため今週金曜の更新はお休みとなり、次回更新は来週の月曜となる見込みです。
           
           そちらではいよいよ目前に迫った招待選手大会についてお話しいたします。ご期待くださいませ!

          『八葉鏡の徒桜』プロローグ

          2019.07.07 Sunday

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            プロローグ1:天音杯前日

            プロローグ2:御冬の里にて

            プロローグ3−1:彼女にとっての目覚めと遭遇

            プロローグ3−2:彼女にとっての未知と目撃

            プロローグ3−3:彼女にとっての邂逅と決断

            プロローグ4:ささいないつもの談話

            プロローグ5−1:破

            プロローグ5−2:舞台裏

            プロローグ6:そして彼女の旅が始まる

             

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