記事目録

2017.05.12 Friday

0

    『桜降る代に決闘を』の公式サイトはこちら

     

     

    第0話:或る最果ての社にて

    序章:小さな地の小さな野望

    第一章:天音家の戦い

     

    第18話:旅立ち

    第19話:奇縁

    第20話:細音と久遠

    閑話:ある三柱の一幕

    第21話:ゆりな珍道中

     

    次回更新は5/26(金)です。しばらくは隔週更新となります。

     

     

    最新記事

    ゲームマーケット2017春まとめ

     

    過去の記事(上の記事ほど新しいです)

    全国大会に向けていざ進め!

    祭札、そして様々な流れを楽しもう!

    チカゲ反省会とカード調整

    今後の展望、2017春

    新たなメガミには毒がある

    新たなメガミと世界を拡張

    第一幕の覇者たちを讃えよう!

    今後の展望、2016冬

    第二の幕開けは近い:後篇、新作発表

    第二の幕開けは近い:中篇、問題解決

    第二の幕開けは近い:前篇、問題提起

    新たなメガミをお出迎え

    今後の展望、2016秋

    楽しき代のためカード調整

    今後の展望、2016夏

     

    次回更新は5/26(金)を予定しております。

     

     

    シーズン1 作:hounori先生

    第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回

     

    メガミの日常をまったりお届け、そんなかんじのゆるい午後。

    アンソロジー的に様々な先生に、桜降る代を描いて頂いています。シーズン2の開始は6月頃を予定しております。

     

     

    第1回 第2回 第3回 第4回 第一幕最終

    第1回大乱闘 第2回大乱闘

     

    ゲームマーケットの準備と並行して行っておりますので、レポートが遅れております。ご容赦いただければ幸いです。

    『桜降る代の神語り』第21話:ゆりな珍道中

    2017.05.12 Friday

    0

      《前へ》      《目録へ》

       

       氷雨細音が奇縁に導かれていた頃、天音揺波の旅路はどうなっていただろうか。
       女子の一人旅につきものの危険なんて存在しない……というのは君にも想像がつくだろう。
       けれど逆に、腕っ節以外の旅に必要なものなんて彼女には与えられてないんだ。
       旅立ちから三日も経たぬうちに、天音揺波は早くもかつてない危機に瀕していた。

       

       


      「あ、あのー……」

       

       後じさる揺波の足が、散乱した残骸を蹴飛ばす。

       

      「そのー……えっと……」

       

       彼女の眼前には、立ち向かうべき大きな敵がいる。だがしかし、常勝を誇るミコトであってしても、ずいと近づけられた男の顔を張り飛ばすどころか、視線をろくに合わせることすらできずにいた。

       

      「なあ、お嬢ちゃん」
      「ひゃい!」

       

       男はその残骸を屈んで手に取り、ぶらぶらと見せつけるように弄ぶ。呆れたような表情にはいっそ笑いすら窺える。

       

      「あんた……いったい何ならできるってんだ」

       

       冷や汗の止まらない揺波。切って終わりというわけにはいかない相手であっても、一度自分の意志でここに身を投じた以上は逃げる訳にはいかない――そんな義務感が、万策尽きた彼女を焦りで満たす。
       そんな揺波が手に取ったのは、やはり自分の信じるものだった。

       

      「か、刀とか振れます! いっぱい振れます!」

       

       軽く型を見せた彼女の足が、また残骸を蹴飛ばした。
       ……彼女がこの店で割った、七枚目の皿の破片を。

       

       

       


       時はしばし遡る。
       その健脚を活かし順調に旅程をこなしていた揺波の姿は、のどかな街道にある茶屋の店先にあった。

       

      「あいよ、お待ち」
      「うわー! ありがとうございます!」

       

       店主に運ばれた団子を頬張ると、実に幸せそうな笑みを浮かべた。

       揺波が甘味に舌鼓をうっているのは、何もただ足を止めているわけではない。旅程自体は確かに順調なのである。
       元より鍛錬に明け暮れていた彼女は、一人でいることも、ひたすら歩き続けることも決して苦ではなかった。それどころか、無計画に歩きすぎて宿をはるか後ろに置き去りにしてしまうほどで、それによって強いられた野宿は今のところなんとかこなせている。

       

       初めての一人旅にしては、一応順調。ただ、一応がつくのは、野宿したことにではない。
       揺波の座る長椅子に置かれた袋は、旅立ちのときよりも随分と嵩を減らしていた。ここには最低限の衣類と、そして食糧が入っていたはずだった。どちらが消費物か考えれば、萎びた荷の行方がわかろうというものだ。
       細音に持たされた保存の効く弁当等の食糧は、彼女の配慮も虚しく早々に食べつくされており、小腹の空いた揺波は誘われるように一息ついていたのである。

       

      「おだんごおいしいですねえ。お天気もいいし、あとはお布団で寝れたらなあ」

       

       そして、最後に茶を飲み干すなり立ち上がると、勘定のために荷から巾着袋を探し始めた。食糧と一緒に細音に持たされた旅費である。
       ただ、それはなかなか見つからなかった。

       

      「あれ……」

       

       奥の方に入り込んでしまったのか、と荷をひっくり返して中身を出すも、萌黄色だった巾着袋はその陰も見せない。
       何故お金がなくなっているのか。
       なくした可能性を考え始めた揺波が、一つの仮説に行き着いて、頭の中の焦りがきゅう、と凝縮された後、弾けた。

       

      「あっ、ああああっ!!」
      「どうしたよー?」
      「あっ、いえっ、そ、その、お勘定が……!」
      「はいはい」

       

       勝手に口をついて出た言葉で、店主がやってくる。
       確かに出発のときには荷の中にあったはずのそれがないのは、もしかしたら野宿の際に一度中身をぶちまけたからかもしれなかった。というより、それぐらいしか考えられない。お金が入用になったのはここが初めてなのだから。
       無銭飲食。揺波の脳裏に、その四文字が踊る。
       それどころか、家に帰るまでの旅費すら失ったことになる。

       

      「どうしようどうしよう……はっ!」

       

       そんな中、彼女が起死回生の一手を咄嗟に思い出せたのは奇跡かもしれない。
       人目もはばからずに帯の内側を改め始めると、指先が布ではない感触を捉える。随分とくたびれていたその紙は、金品に替えることのできる手形であった。これは、ミコトとしての活動が本格化し遠征が増えた揺波に、彼女の父親が万が一のために持たせていたものである。

       

      「す、すいません……お勘定、これでも大丈夫ですか……?」

       

       硬貨に替えてもらってから使うものだということも思い出したが、揺波にはもう正直に手形を差し出すしかなかった。価値があるものだとは分かっているので、きっとなんとかなるだろうという曖昧な希望を胸に抱く。
       店主は胡乱げに手形を受け取り、文面を改めた。
       ただ、視線がある一点に差し掛かると、その眉根がひそまる。

       

      「あー……こりゃあ」
      「だめ、ですか……? 足りませんか……?」

       

       一応お嬢様である揺波には市井の金銭感覚は備わっていない。だから手形が実際どれくらいの価値を持っているのか、そして自分がさっきまで食べていた団子がどれくらいの値段になるのか、全く検討がついていなかった。
       だから店主の渋面を前にして、自分の浪費を悔い始めていた揺波であったが、悲しいかな店主の懸念はそんな程度のものではなかった。
       店主は、そのままそっくり揺波に手形を返してしまった。

       

      「すまんが嬢ちゃん、こりゃあ受け取れんよ」
      「え……」

       

       頭が真っ白になった揺波の様子を見て取った店主は、彼女がわざとこんなものを寄越したわけではない、と悟ったようで、困ったように説明してくれた。

       

      「本当ならお釣りの心配をしなきゃなんねえくらいのもんだけど、そりゃ天音の出したやつだろう? もう誰も持ちたがらんよ。両替商に渡したところで笑われるだけさ。天音は、家燃やされてご当主殿は行方不明ってえ話だっていうのに、誰がそいつの価値を保証してくれるんだ、ってことよ。もしかして、天音が落ちたこと、知らなかったのかい?」
      「え、いや……」
      「手持ちの都合が悪いみてえだけんど、せめてこっちのほうのだったらなあ」

       

       難しいことは分からなかったが、流石の彼女でも『自分が持っていないものを求められている』ことは理解できた。
       しかし、理解できたところで失くした袖は振れない。

       

      「それが……お金落として……これしか持ってなくて……」
      「嬢ちゃん、蟹河のほうから来たんでなかったっけ?」
      「お買い物は、細音さんに任せっきりだったから……」
      「なんだか知らねえけど、そっか、持ってねえのか……」
      「ごめんなさい……」

       

       もはや揺波にはただ謝ることしかできない。
       申し訳無さと所在なさを滲ませた彼女の前で、店主は腕を組んで悩んでいた。うんうんと唸り、けれどそれは揺波を責めようとするものではなかった。

       

      「ま、持ってねえもんは仕方ねえな」

       

       出た結論は、牢屋の中にいる自分を想像していた揺波にとっては突拍子もないもの。

       

      「しょうがねえ、皿洗いでもしてくれたらそれでいいさ」
      「で、でも……」
      「おらだってあんなことが起きてなけりゃ、受け取ってやってもよかったんだからよ。ほれ、自分の皿持って流しに行きな。食った分だけ働いておくれ」

       

       手を振りながら店内に戻っていく店主。
       常識の乏しい揺波は未だ彼の帰結は理解できるものではなかった。だが、彼女はやることさえ分かってしまえば手は速い人間である。快活に応じるなり、即座に洗い場につき、渡されたヘチマを構えた。

       

      「よかったぁ、優しい人で……」

       

       そうひとりごちる揺波が、みたらし餡のこびりついた皿を手に取る。ごし、ごし、と汚れをこそぎ落とす。
       そして次に、かぴかぴになった団子のこびりついた皿を手にとって、ごし、ごし、ぴき――

       

      「ぴき……?」

       

       見れば皿は、確かに綺麗にはなっていた。ただ、端から端まで走る線を除いては。
       ちょっと力を入れると、皿は見事に真っ二つに割れた。

       

      「あ、あは……そんな」

       

       きっと元々割れかけていたに違いない。そう思って割れた皿を店主の死角になる足下にそっと置くと、次の皿をとって擦り、

       

      「え……」

       

       割れた。
       申し訳無さを払拭するように撫でた皿が、見事に割れた。むしろ、半ば砕けかけていた。

       

      「おおい、大丈夫か? 今あるやつ片付けてくれたらそれでいいかんな」
      「……は、はい!」

       

       冷や汗の止まらない揺波は、さらに皿を洗い続ける。
       そして何度も何度も割り続け――

       

       

       


      「――それはもう、いくらでも振れます!」
      「いくらでも……?」
      「はいっ! いくらでも!」

       

       そして冒頭へと――見かねた店主が揺波を止めた場面に戻る。

       ぶんぶん腕を振る揺波を眺める店主は、客を横目に空いた席に二人分の茶を置いた。ただ、この期に及んで揺波はその湯呑みを手に取れるほど図太くはなかった。一人だけ残っていた客に苦笑いされていた、というのもある。
       そうやって(揺波にとってだけ)気まずい空気が流れていると、

       

      「……ん? もしかしておめえさん、ミコトか」
      「は、はい! 決闘の……代行? もやりますよ! 力仕事でもいいです!」

       

       店主は特に揺波の言葉を信じていないわけではなかった。単に、皿洗いすら満足にできない彼女に、一応の落とし前をつけてもらうにはどうするのが最善か、考えあぐねていただけであった。
       そこへ、

       

      「だったらよう、腕自慢の嬢ちゃんにおあつらえ向きの仕事があるんだがよう」

       

       声を上げたのは、唯一残っていた髭面の客の男だった。
       彼は湯呑みを持った手で揺波を指しながら続ける。

       

      「力仕事っちゃあ力仕事だ。俺でも追い払えなかったいのし――」
      「やります!」
      「まだ途中だろうよ! 村長も頭痛めてるから、お礼出してくれるだろ――」
      「お願いします!」
      「……だってよ」

       

       必死で頭を下げる揺波に、顔を見合わせる店主と客。牢屋の中にいる自分という絵面すら想像していた彼女にとって、その提案は内容がどうであろうと渡りに船でしかなかった。
       罪悪感でいっぱいになっていた揺波は、仔細をろくに聞かず首を縦に振り続けたのだった

       

       

       


      「でぇぃッ!」

       

       蹴り飛ばした猪を、揺波の刀が容赦なく討つ。
       深々と脇腹に傷を負った大きな猪は、勢いに負けながらよろよろと逃げようとし、そして畑の脇にあった茂みに半ば頭を突っ込むような形で力尽きた。
       刀を収めつつ、念を入れて猪の息を感じる。間違いなく、彼女の感覚は討伐対象の撃破を訴えていた。

       

      「ふーっ……」

       

       揺波が受けることになった依頼は、近隣の畑を荒している獰猛な猪を駆除することだった。腕自慢の男衆でも手に負えないと誰もが音を上げて困っていたらしい。
       それこそ熊でもなければ危険と思えない揺波にとっては、報酬ついでに猪鍋すらいただけるかもしれない楽な仕事だと改めて請け負うことにしたわけだが、実際に対峙した猪は彼女の想像を越えて厄介な相手であった。
       厄介とは言ったところで、結果としてはこのように伏しているわけだが、この猪は一度、彼女の刀を受け止めていた。

       

      「…………」

       

       侮っていたわけではない。獣ごときに揺波が負けるなど万に一つもないし、手を抜いたわけでもない。現に、見つけるまで苦労しただけで、仕留めるのに大した時間はかかっていない。
       だが、桜の下ではないとはいえ、ミコトの一太刀と、猪は鍔迫り合いをした。
       そう……猪は武器を――その額に、見るからに奇怪な角を生やしていた。
       その角に受け止められた手応えが、揺波の手の中にまだ残っている。

       

       と、

       

      「……!」

       

       がさ、と木陰を渡る音と共に、影が茂みの向こうに踊った。猪に注視していた彼女は、茂みが確かに揺れるのも見ていたが、集中していたが故に影の持ち主や動きを上手く捉えられなかった。

       

      「うり坊……かな」

       

       仇討ちと襲ってくるならば、返り討ちにするまで。
       収めた刀を握る手に再び力を込めるが、もう何者かが動く気配はなかった。

       

      「……戻らなきゃ」

       

       猪を持ち帰って、報酬を貰って、お団子屋さんにお詫びをしなければならない。
       こんなに大きな猪をどう持ち帰ればいいか、思案しながら茂みから猪を引き抜いた揺波は、しかし困惑することになる。
       自分の刀を受け止めた猪には、そんなものは最初からなかったとでも言うように、角なんて生えていなかった。

       

      「…………?」

       

       伏した拍子に折れて、どこかにいってしまっただけかもしれない。
       そう思う揺波にはしかし、そんなはずはないと警告する直感もまた、働いていたのであった。

       

       


       抜けた姿を晒す平和な一幕。しかしその裏でも蠢く者もいる。
       メガミは人と共に在り、人を見守る存在だ。しかしその全てが、人にとって都合がいいなどということはありえない。
       オボロやトコヨのように自ら目的のため、限られた人間と交友を結び、共に在ることを選ぶ者もいる。
       シンラもまた、第一には自らの目的こそあれど、人間の発展を願っている側面も多分にある。
       ヒミカやハガネは人間に対して友好的で、仲良くしていくことを強く望んでいる。

       

       しかし、君も気づいているだろう。ヒミカのように、超自然的存在としてのメガミが持つ強大な力は、災厄ともなりえるということに。

       

       そして、彼女らは。
       間違いなく、この先に待ち受ける一大事において。
       災害……そう呼ぶに相応しいのだろう。

       

       

       


       揺波が猪に不可解さを覚えている頃、その畑より半里ばかり遠い山間の崖に、二つの影が起立していた。
       一方は落ち着きなく動き回り、もう一方は微動だにしない。狂騒と沈黙が、それぞれ形をとって現れたかのようだった。

       

      「ひゃー危なかったですぅ。うつろん、ありがとん。大事な大事な実験記録ちゃんが壊れちゃうかもでした」
      「……ん」
      「んー、おぼろんのマネしてみたけどー、なんだかあっさりやられちゃいましたねー。もっとぱーわふぅーなほうがよかったかなー? 刀を持ったゴリラとかとかー?」
      「…………違う。相手」

       

       その言葉に忙しなかった一方が動きを止め、静かな指摘者へ初めて目を向ける。

       

      「相手―? あのミコトがどーしたって、言うんですかぁ?」
      「龍ノ宮と戦った相手。確か、天音揺波……」
      「んー、んんー? あぁー! そんなのもいましたねぇ、意外ですねぇ、生きてたんですねぇ。まー所詮はミコト……んーミコト? そっか、ミコトかぁ。むむーん」
      「…………?」

       

       興味を失ったと思えば、その傍から目まぐるしく態度を変え、考え込む。静寂の権化は不思議そうに、そしてどうでもよさそうに彼女を眺める。
       その黙考も僅かばかり、上機嫌になって瞳を輝かせた。

       

      「くるるーん☆ ひらめきましたっ! 次はもっと、いい結果が採れそうですよー」
      「…………そう」

       

       それに相づちを打ってなお、黙する者は、心底どうでもよさそうであった。
       

       

      語り:カナヱ
      『桜降代之戦絵巻 第三巻』より
      作:五十嵐月夜  原案:BakaFire 挿絵:TOKIAME

       

      《前へ》      《目録へ》

      ゲームマーケット2017春まとめ

      2017.05.12 Friday

      0

         こんにちは、BakaFireです。

         いよいよゲームマーケット2017春まで、残り2日となりました。本日は大きな新情報があるというわけではありません。ゲームマーケットでの頒布物、そして企画を改めてまとめさせて頂きます。イベント前の確認にご利用ください。

         

         私どもはA32「BakaFire Partyにてお待ちしております!

         

        限定セット『祭札』

         

         

         『祭札』はカジュアルに楽しむための4つのルールと、それで用いるカードを封入した、ゲームマーケット限定セットです。さらに限定のプロモーションタロット2017年3月31日に施行されたチカゲの調整カードも封入されております(調整カードは公式、公認イベントでも入手可能です)。

         

         本セットについてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

         

        基本セット、幕間、第壱拡張ももちろん頒布

         

         申し訳ないながら品薄となっていた基本セットは、今回のゲームマーケットにて再版されます! さらに3月のゲームマーケットが初出である第壱拡張『夜天会心』も用意しております。

         

         そして幕間『細音雪花』については、製品の仕様や目的を鑑みると再版が難しいと考えております。従って、今回のゲームマーケットが幕間を手に入れる最後のチャンスとなる可能性が高いです。入手をお考えならば、早目にお越しいただければ幸いです。

         

         本作からは外れますが『惨劇RoopeR』シリーズ基本セットや、拡張全種も取り揃えております。時間を遡り、惨劇を打ち破るボードゲームとなっております。もしよろしければ、そちらも併せていかがでしょうか。

         

        全ての方に紙袋をプレゼント

         

         いずれかの製品をお求めいただいたすべての方に、本シリーズの紙袋をプレゼントいたします! 大きめのサイズに作成しており、ゲームマーケットで購入した様々な力作を収めるのには持ってこいと言えるでしょう。ぜひとも、ご利用いただければ幸いです。

         

        TOKIAME先生サイン会も開催

         

         本シリーズを素晴らしいイラストで彩るTOKIAME先生のサイン会を開催いたします。開始時刻は13:00ごろを予定しております。詳しくは、当日ブースの案内をご覧ください。

         

         また、本ブースでのサイン会であるため、サインを行えるのは『桜降る代に決闘を』シリーズ(基本でも拡張でも大丈夫です)の外箱、カード、タロットのいずれかに限定させて頂きます。ご容赦、ご理解いただければ幸いです。

         

        さらなる新情報も……?

         

         最後に、本ブースにお越しいただいたあなたのためのサプライズとして、新たな展開についての速報も用意しております。ご期待ください!

         

         

         以上となります。本ブースでは様々な催しとともに、あなたをお待ちしております! 繰り返しになりますが、ブース番号はA32「BakaFire Party」です。もしあなたが幸運にもゲームマーケットにいらっしゃるのであれば、会場にてお会いしましょう!

         

         次回の更新は二週間後を予定していますが、まだ書く内容は確定しておりません。Twitterにて次の記事についてのアンケートを行っておりますので、ご協力いただけると嬉しい限りです。

        『桜降る代の神語り』閑話:ある三柱の一幕

        2017.05.05 Friday

        0

          《前へ》      《目録へ》      《次へ》

           

           空間に張り巡らされた巨大な根。一見しても幹と見まごうほどのそれは、淡い桜色の霞が満ちたこの場にあって、いっそ怪物のような異様を示している。
           その中の一本。見果てぬ天頂へとゆるく伸びる根の上で、対峙する影があった。


           それは、妹の家出を姉が窘めているような光景であった。

           

           

          「ライねぇ……!」
          「ダメ。ハガネ、顕現、あぶない」

           

           愛用の槌を下ろしたハガネの前には一柱のメガミが立ちはだかっていた。雷じみた色模様の差した黒髪と、ふっくらと暖かな空気を孕んだ毛皮。ぱちぱち、と彼女の周りで弾ける小さな雷につられて毛先は暴れ、鳴いた小風がさらに弄ぶ。

           

          「どうしてもだめなの? 今までみたいにわがままで言ってるわけじゃないんだよ?」
          「分かってる。でも、ダメ」
          「あたしは……なんでこうなったのか知りたいだけなのに……」
          「……それでも、らい、ハガネ止める。らい、嫌な感じ、してる」

           

           槌の柄を握りしめていたハガネの手から力が抜けたことを悟ると、追って小さな雷も止む。彼女の表情に、安堵の色がにじむ。

           ハガネはメガミの中でも精神が未成熟であると認識されている。本人は否定するが、その爛漫さからくる危なっかしさは隠しようがない。そのため、三柱のメガミを主として、何が起きるか分からない桜の外への顕現を止められているのである。
          ただ、止めるとは言っても、定期的には許す程度のものである。それが今は完全に阻止されており、ハガネは歯がゆい思いをしていた。

           

          「たっつーがなんで死んじゃったか、それを調べたいだけなの……たっつーのお気に入りだったミコトが色んなことを知ってるって、人間たちが噂してるのあたし知ってるの。お話するだけ……そう、お話するだけなんだから……」
          「ハガネ、賢い。だからハガネ、それ、自分で分かってる。顕現、会う、危ない。ヒミカみたいに、やられるかも」
          「そんなわけ――」
          「らい、ハガネが傷つく、見たくない」

           

           当事者たるヒミカも当分意識が戻る見込みはなく、人間たちからも槍玉に挙げられているらしい容疑者と『お話をする』のは、確かに現状最も合理的な選択肢だ。
           ただ、いつもは楽観的な彼女であるが、野性的な直感がその選択肢をよしとしなかった。論理と直感の板挟みとなり、ハガネをどう説得したらいいものか雲をつかむようであった。
           


          と、

           

          「ちょっとちょっと、また出ようとしてたのー?」

           

           根にふわりと舞い降りたのは、涙色の着物を着込み、唐傘を携えた縁結びのメガミ。

           

          「ユキねぇまで!」
          「よかった。ハガネ、顕現、したがる、やめない。説得、お願い」

           

           もう一柱の、より過保護なメガミの登場に、ハガネは頬を膨らませて、ぺたりと座りながら槌にしなだれかかった。経緯が説明される傍で、槌につけられた鐘に八つ当たりする。
           ややもして、そんなハガネの目の前に、高さを揃えて心配顔が差し出された。

           

           

          「ねえ、ハガネちゃん。確かにお気に入りのミコトさんが死んじゃったのは、とっても悲しいと思う。私だって、取り持ってあげた人に不幸が出たら悲しいわ」
          「…………」
          「でもね。私たちはメガミだからこそ、人間の死にはもっと慎重に向き合わなきゃだめよ。もしもハガネちゃんが会いに行くつもりだったミコトさんが、悪意を持ってその人を殺したんだとしたらどうするつもりだったの?」
          「そ、それは……」

           

           言葉に詰まるハガネだが、それは決して憎悪の火を慌てて消したわけではなかった。

           

          「飛び出したくなる気持ちも分かるわ。でも、そこで一呼吸置いて? 人が死んだら、胸を痛めるのはハガネちゃんだけじゃない。色んな人が悲しい想いをするし、それを乗り越えなきゃいけない。それ以前に、色んなものが整理されてないままかもしれない。そんな中で、その人をただ立派に見送ることが、ハガネちゃんにできるかしら」
          「でも、だからってこんなもやもやしたままじゃ……」
          「何も、ずっとこのままでいろ、なんて言ってるわけじゃないの。お墓の前で手を合わせるのは、外が落ち着いてからにしてね、ってだけなの。ハガネちゃんがもし顕現した先で変なことに巻き込まれたら、その人だってきっと悲しむわ」
          「う……」

           

           ハガネの脳裏に、奔放に過ぎて龍ノ宮に怒られた過去が映し出される。彼はひとしきり怒ったあと、困ったように眉尻を下げていた。それでも随分申し訳ない気分になったというのに、彼女たちの言うような結果となってしまったら。
           ゆっくりと立ち上がり、槌を小さくして袖に仕舞う。

           

          「わかった……もうちょっと待つ」
          「……! ありがとうハガネちゃん! 分かってもらえて嬉しいわ!」
          「よかった、らい、安心した」
          「私としては、気づいたらいなくなってるライちゃんにも見習って欲しいものなんだけど?」
          「わぅ……おぼえとく」

           

           笑顔の戻った保護者二柱を尻目に、ハガネはどこか釈然としない様子で根から飛び降り、自分の住処へと戻った。
           その後、ひたすら鉄を打ったところで、彼女の心が晴れることはなかった。

           

          語り:カナヱ
          『桜降代之戦絵巻 第三巻』より
          作:五十嵐月夜  原案:BakaFire 挿絵:TOKIAME

           

          《前へ》      《目録へ》      《次へ》

          全国大会に向けていざ進め!

          2017.04.28 Friday

          0

             こんにちは、BakaFireです。ゲームマーケット2017春、そして本作の一周年も近づいてまいりました。ゲームマーケットの話題も盛り上がっておりますが、今回の記事はそれより少しだけ先、別の一周年企画の話となります。

             

             そう、「桜降る代に決闘を 全国大会」の話をする時が参りました!

             

            頂点をめざし、全霊で戦え!

             

             以前の記事で計画をお話しした通り、現在、いくつかの都道府県で定期的な大会をご開催頂いております。特に大阪、北海道での盛り上がりは大きく。先日も東京と合わせた三地方合同で交流祭を開催いたしました。

             

             そして、その流れをより楽しく魅力的にするため、そして各地のプレイヤーの交流の場とするため、全国大会の開催を決定いたしました。全国で予選大会を開催し、そちらの上位に入ったプレイヤーが東京で開催される全国大会本戦に参加できます。大変ありがたいことに、各地の大会主催の皆様にもご助力いただけ、どうにか実現に漕ぎ着けられそうです。改めてこの場で、お礼申し上げます。

             

             大きなお祭りを盛り上げるべく、できる限り魅力的なイベントとなるよう頑張らせて頂きます。

             

             それでは早速、現状のレギュレーションやスケジュールについてお伝えいたしましょう。申し訳ないながら、100%全てが確定した状況ではございません。可能な限り良いイベントにできるよう尽力してまいりますので、お気づきの点などありましたら、ご意見を賜れるとありがたい限りです(全てが確定したら、サイトに特設ページも作成します)。

             

            全国大会予選

             

            予選スケジュール

             

             予選は以下のスケジュールで行われます。競技人口の多い関東、関西、北海道では複数回の予選を行います。

             

            北海道

            5/21 全国大会北海道第一予選

            6/11 全国大会北海道第二予選

             

            関東

            6/4 全国大会関東予選

            6/14 関東小規模予選

             

            中部

            6/4 全国大会新潟予選

             

            関西

            6/4 全国大会大阪予選@ひがっちゲームズ

            6/11 全国大会大阪予選@DDT本店

             

            • 6/4に福岡で予選が開催される可能性があります。
            • 参加者が多く、定員割れが激しい場合は、関東で予選を追加する可能性があります。
            • すでに十分な予選があるため、関東、関西、北海道、新潟では予選は受け付けておりません。しかし、それ以外の地方で予選を開催したい場合はメールかフォームにてご連絡ください。前向きに検討させて頂きます(予選としての成立には、4人以上の参加が必要です)。

             

            予選レギュレーション

             

            形式

            通常選択または簡易神話大戦

            (詳しくは、大会レギュレーションをご覧ください)

             

            本戦進出のためのルール

            参加者の上位四分の一(切り捨て)が本戦に進出できます。具体的には、参加者の人数に応じて以下の形となります。

            • 4〜7名:優勝者のみ
            • 8〜11名:優勝者と2位
            • 12〜15名:優勝者から3位まで
            • ………

             

            勝利数が同じプレイヤーの間では、以下の計算により順位を決定します。

            • ソルコフの比較:対戦した相手全員の勝利点数を合計し、比較し、高い方が上位となります。
            • SBの比較:ソルコフが一致した場合、対戦した相手のうち勝利した相手のみの勝利点数を合計し、比較し、高い方が上位になります。

             

             また、予選大会の主催と審判を行い、選手として参加しなかった方は例外として、参加賞と本戦の進出権利が得られます。ショップなどでご開催頂いている場合はあまり意味はないのですが、地方によっては本作を熱心に普及して頂いている個人の方に支えられてイベントが行われていることがあります。このルールはそのような方が本戦に参加できず、イベントを楽しめないのは良くないと判断したことによるものです。

             

            参加賞は限定プロモーションタロットだ!

             

             特別なイベントを記念し、普段よりも豪華な参加賞を用意いたしました! 新たなプロモーションタロットである「オボロ」を予選にご参加いただいた全員にお贈りします。

             

            (こちらを入手する方法は、いずれかの予選に参加する以外にはなく、よほどの例外を除いて再び入手する機会はありません。ご注意ください)

             

            全国大会本戦

             

            本戦スケジュール

             

            7/2 全国大会本戦

             

             今のところ、本戦は7/2(日)にイエローサブマリン秋葉原RPGショップ様の全テーブルを貸し切って行う予定です。

             

            本戦レギュレーション

             

            三拾一捨

            まず三拾一捨にて、全勝が残り2人になるまで試合を行います。

             

            神話大戦

            残り2人で神話大戦による決勝戦を行います。

            (詳しくは、大会レギュレーションをご覧ください)

             

            本戦の優勝賞品

             

             本戦を見事に優勝された方には、賞品として以下が贈られます。

            • 優勝扇

            トロフィーにあたる賞品として、一点物の扇が贈られます。

            • TOKIAME先生描き下ろし色紙

            優勝者の希望に合わせた形で、メガミ一柱のイラストをTOKIAME先生に描いていただけます。

            • タロットコンプリートセット

            これまでのプロモーションタロット全て(ユリナ、ヒミカ、トコヨ、オボロ)を1枚ずつお贈りします。

            • ポストカードコンプリートセット

            これまでの参加賞ポストカードと、今後しばらくの間で配布される予定の全ポストカードをお贈りします。

             

             また、準優勝された方にも以下が贈られます。

             

            • TOKIAME先生描き下ろし色紙

            準優勝者の希望に合わせた形で、メガミ一柱のイラストをTOKIAME先生に描いていただけます。

            • ポストカードコンプリートセット

            これまでの参加賞ポストカードと、今後しばらくの間で配布される予定の全ポストカードをお贈りします。

             

            大会ルールの整備

             

             全国大会の開催に合わせ、 本日に大会レギュレーションの改訂を行いました。大きな変更点は以下の2つとなります。こちらにて紹介しましょう。

             

            簡易神話大戦

             

             以前の記事で軽く触れ、4/15のミスボド内部大会で仮運用を行い、結果は大成功でした。1回のイベントを通して多彩なメガミを使って楽しめ、相手も同様であるためにマッチアップも多彩なものとなります。唯一、敗北したとしても使用したメガミは使えなくなるとした方が、より多彩な組み合わせで楽しめるようになるとわかりましたので、その点は変更しました。

             今後、この形式は8人大会として標準的なものとしていく方針です。東京でも、高田馬場のゲームショップとど様に会場をお借りし、平日水曜夜に大会を開催していく見込みです。第1回の大会は5/17(水)となりますよ!

             

            引き分けの撤廃

             

             これまでのイベントでは時間が切れた際、場合によっては引き分けが起こっていました。しかし、引き分けたプレイヤーは優勝争いから実質的に脱落してしまいます。これはイベントを盛り下げ、望ましいものではありませんでした(2月のプレリリースではひどいことに、全勝4名が引分でまとめて脱落して隔離されました)。

             それを避けるために、今後の大会では以下のようにルールが変更されます。

             

            時間内に桜花決闘が終わらなかった場合、現在進行中のターンの次のターンまで行い、その時点でライフの多い方が勝者となります。同値の場合はさらに次のターンを行い、ターンの終了時にライフに差が付くまで続けます。

             

             

             以上となります。各地での全国大会予選は、基本的に本日より受け付けを開始しております。もちろん、東京の予選も同様ですよ。皆様のご参加、心よりお待ちしております!

             次回はまた2週間後、ゲームマーケット直前のご案内にてお会いしましょう。