記事目録

2019.09.20 Friday

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    『桜降る代に決闘を』の公式サイトはこちら

     

     

    プロローグ:遥か果てでのひとつの目覚め

    エピソード1−1:芦原で今宵はお祭り(前篇)

    エピソード1−2:芦原で今宵はお祭り(後篇)

    エピソード1−3:古鷹で優雅にご歓談

    エピソード1−4:鞍橋でるんるんお買い物

    エピソード1−5:山城ではじめての〇〇(前篇)

    エピソード1−6:山城ではじめての〇〇(後篇)

    エピソード1−7:そして彼女の旅は終わる

    エピソード2−1:Sudden Growth

    エピソード2−2:Social Circle

     

     

     

    第0話:或る最果ての社にて

    序章:小さな地の小さな野望

    第一章:天音家の戦い

    第二章:ふたつの旅

    第三章:狭間の時代

    第四章:四人の英雄

    終章:桜降る代の幕開けへ

    エピローグ

     

    外伝1:夜天爆炎逃走劇

     

    『桜降る代の神語り』は完結しました。本作の物語に初めて触れる方は、まずはこちらをお楽しみいただくことをお勧めします。

    現在は新しい物語も始まっております。

     

     

    禁止改訂

    2018年6月禁止改訂

    2018年7月禁止改訂

    2018年8月禁止改訂

    2018年9月禁止改訂

    2018年10月禁止改訂

    2018年11月禁止改訂

    シーズン3禁止改訂

    2018年12月禁止改訂

    2019年1月禁止改訂

    2019年2月禁止改訂

    2019年3月禁止改訂

    2019年4月禁止改訂

    2019年5月禁止改訂

    2019年6月禁止改訂

    シーズン4禁止改訂

    2019年7月禁止改訂

    2019年8月禁止改定

    2019年9月禁止改定

     

    カード更新

    シーズン1→2カード更新

    シーズン2→3カード更新

    シーズン3→4カード更新

     

    次回の禁止改訂は10月7日(月)となります。

     

     

    最新記事

    各地に来たれ、コラボイベント!

     

    『始まる前の決闘録』(バランス調整チーム連載記事)

    第一回:影の翅

     

    過去の記事(上の記事ほど新しいです)

    デジタルゲームを含めた今後の展望

    終焉ノ宿命ニ禊ノ刻ヲ(後篇)

    終焉ノ宿命ニ禊ノ刻ヲ(中篇)

    BakaFire BoardGame Partyが豪華に帰還!

    終焉ノ宿命ニ禊ノ刻ヲ(前篇)

    新たな舞台でコラボカフェが再登場!

    札幌でシーズン4を締めくくる大交流祭が開催だ!

    招待選手大会をニコニコ生放送でお届け!

    招待選手大会のレギュレーション先行告知

    桜花仄かに輝かん(後々篇)

    桜花仄かに輝かん(後前篇)

    今後の展望、2019夏

    『神語り』書籍版1巻発売中!

    シーズン4で新たな風が吹く

    ゲームマーケット2019春をまとめてお知らせ

    新たなメガミと共鳴し鏡映

    拡張における変化をお知らせ

    新たなメガミと過酷に凍結

    桜花仄かに輝かん(前後篇)

    第参拡張プレリリースで北限を探索しよう!

    桜花仄かに輝かん(前々篇)

    ニコニコ生放送でも天音杯をお届け!

    第三回全国大会「天音杯」まであと僅か!

    KADOKAWA様より書籍版が発売決定!

    祭札二〇一九で祭をさらに楽しもう

    ゲームマーケット大阪で蔵出しだ!

    Ride on & Open the Gate!(後篇)

    Ride on & Open the Gate!(中篇)

    イベント今昔、そして第四時代へ向けて

    Ride on & Open the Gate!(前篇)

    今後の展望、2018冬

    ゲームマーケット2018秋の出展内容をすべてお届け

    デジタル版の今後と2つのテストについて

    第弐拡張プレリリースに新アナザーあり

    黒幕よ雄弁に語れ(後篇)

    黒幕よ雄弁に語れ(中篇)

    舞台は福岡、大規模イベントを楽しもう!

    黒幕よ雄弁に語れ(前篇)

    今後の展望、2018秋

    コラボカフェ期間変更のお知らせ

    シーズン2でイベントが新時代へ!

    対応不可1.1

    コラボカフェが再びやってくるぞ!

    大阪にカンバッチガチャが上陸だ!

    狂気カラクリ博覧会(後篇)

    第壱拡張プレリリースを開催します!

    舞台は大阪、大規模大会に挑戦しよう!

    狂気カラクリ博覧会(中篇)

    狂気カラクリ博覧会(前篇)

    今後の展望、2018春夏

    ニコニコ生放送でふるよにをお送り

    新幕に向けてイベントをお届け

    ゲームマーケット2018春をまとめましょう!

    『新幕』のバランス調整のための宣言

    新たなメガミと自然に適合

    もっと悪いことをしましょう

    GM2018春はエリア出展します!

    新たな幕の「はじまり」

    細音雪花がDL版で帰還

    外套の裏には歪な心(後篇)

    外套の裏には歪な心(前篇)

    大決戦のために問題解決

    大決戦の時は近い!

    公式ネットショップと再版計画

    雄大な地に鐘が鳴る(後篇)

    雄大な地に鐘が鳴る(前篇)

    今後の展望、2017冬

    コミックマーケット93と公式通販

    第参拡張の修正とお詫び

    新たなメガミと未来へ拡張

    第参拡張とゲームマーケット2017秋

    イベントは次のステージへ

    コラボカフェがやってくるぞ!

    新たなメガミと原点に回帰

    テレビに出ることになりました

    質疑応答の時間です

    決定版に向けて大調整

    これまでとこれから

    未来をつくるために(後篇)

    未来をつくるために(前篇)

    炎天は熱く熱く輝く(後篇)

    炎天は熱く熱く輝く(前篇)

    今後の展望、2017秋

    技の果てはどこまでも静か(後篇)

    技の果てはどこまでも静か(前篇)

    より楽しいイベントを目指して

    新たなメガミと怒涛の疾走

    第弐拡張やイベントの速報をお届け

    より良いゲームのための見解報告

    新たなメガミと狂気を組立

    忍の道をいざ行かん(後篇)

    忍の道をいざ行かん(前篇)

    今後の展望、2017夏

    悠久不変に舞い踊れ(後篇)

    悠久不変に舞い踊れ(前篇)

    ゲームマーケット2017春まとめ

    全国大会に向けていざ進め!

    祭札、そして様々な流れを楽しもう!

    チカゲ反省会とカード調整

    今後の展望、2017春

    新たなメガミには毒がある

    新たなメガミと世界を拡張

    第一幕の覇者たちを讃えよう!

    今後の展望、2016冬

    第二の幕開けは近い:後篇、新作発表

    第二の幕開けは近い:中篇、問題解決

    第二の幕開けは近い:前篇、問題提起

    新たなメガミをお出迎え

    今後の展望、2016秋

    楽しき代のためカード調整

    今後の展望、2016夏

     

     

    『新幕』の攻略記事

     

    『桜降る代のいろは道』(初心者向け、動画シリーズ)

    第1回:はじまりの決闘

    第2回:サンプルデッキで遊んでみよう

     

    『新幕 半歩先行く戦いを』(初級者から中級者向け:ゲーム全体解説)

    第1回:前進と後退

    第2回:全力で行こう

    第3回:組み上げよその意思を

    第4回:切札は秘めてこそ

     

    『想い一枚ここにあり』(初級者から中級者向け:カード個別解説)

    第1回:浦波嵐

    第2回:引用

    第3回:引力場

    第4回:要返し

    第5回:スカーレットイマジン

    第6回:ふりはらい/たぐりよせ

    第7回:天地反駁

    第8回:Alpha-Edge

    第9回:壬蔓

    第10回:不完全浦波嵐

    第11回:遠心撃

    第12回:気炎万丈

     

    『第二幕』の攻略記事

     

    『半歩先行く戦いを』

    第1回:前進と後退

    第2回:全力で行こう

    第3回:切札は秘めてこそ

    第4回:攻めと守りに基本あれ

    第5回:決闘いろいろ小噺集

    第6回:30秒で組み上げな

     

    『双つその手に導きを』

    第1回:ザ・ビートダウン

    第2回:攻め×守り=超対応力

    第3回:遥か果てからバンババン

    第4回:いつもあなたのそばに

    第5回:集めて揃えてOTK

    第6回:千変万化に煌めいて(前篇)

    第7回:千変万化に煌めいて(後篇)

     

     

     

    シーズン1 作:hounori先生

    第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回

     

    シーズン2 作:あまからするめ先生

    第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回

    第10回 第11回 第12回 第13回

    第ex1回

     

    シーズン2は現在、不定期掲載中です。

     

     

    第三回全国大会「天音杯」レポート

     

    新涼の大交流祭レポート(シーズン2大規模イベント)

    炎熱の大交流祭レポート(シーズン1大規模イベント)

     

    第二回全国大会「第二幕大決戦」レポート

     

    コラボカフェ開幕式&閉幕式

     

    錦秋の大交流祭レポート

     

    全国大会レポート(前篇)

    全国大会レポート(後篇)

     

    第1回 第2回 第3回 第4回 第一幕最終

    第1回大乱闘 第2回大乱闘

     

     

    各地に来たれ、コラボイベント!

    2019.09.20 Friday

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       こんにちは、BakaFireです。私はこれよりシーズン4を締めくくる大規模イベントのために北海道へと出発する直前であり修羅場が続いております。先週の記事でちらりと書いたとおり、本来は本日における私の記事は予定されておりませんでした。
       
       しかしながら皆様にいち早くお伝えすべきことがひとつ生まれましたので、取り急ぎ筆を執らせていただきました。本日の内容は速報です。ゆえにやや簡単な記事であり、後日に改めて加筆修正させていただく見込みです。予めご了承ください。
       
       それでは、お伝えいたしましょう!

       


      コラボカフェが関東以外でついに登場!

       

       実につい先週まで、本作のコラボカフェが神奈川は関内のゲームカフェぶんぶん様にて開催されておりました。大好評であり、多数の方々にお越しいただけたと伺っております。私もいくつかのイベントでお邪魔し、とても楽しませていただきました。
       
       そしてその告知の記事において、未来のための予告をひとつ行っていたのは覚えておりますでしょうか。今回のコラボカフェならびに特典となるコースターについては関東だけで終わりにせず、様々な地方の方がお楽しみいただけるようにしたいという指針です。
       
       そうです。実に素晴らしいことにその指針は実りました。この実現は地元でイベントを開いてくださっている方々、そして各地のゲームカフェ、プレイスペースの皆様のご協力のあってのことですので、まずは皆様に心からのお礼を申し上げます。
       
       関東以外の第一弾は名古屋です。名古屋は大須のボードゲームカフェ「ボードボード」様にて10月2日(水)から、数週間に渡っての開催を予定しております。こちらでは数種類のコラボメニューが販売され、それらには関東でのコラボカフェと同様のコースターが付属いたします。

       

       そしてこれだけではありません。カフェという形にはならなそうですが、近しい形でのコラボイベントは続けてもうひとつ、名古屋以外でも形になりつつあります。名古屋のイベント詳細と併せ、詳細はこちらの記事を加筆修正する形でお伝えさせていただきますので、こちらもご期待いただければ嬉しい限りです。
       
       
       本日はここまでとなります。次の更新は来週、新たな試みとコラボカフェやイベントの詳細を合わせてお伝えいたします。ご期待くださいませ!

      『想い一枚ここにあり』第12回:気炎万丈

      2019.09.19 Thursday

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         こんにちは、BakaFireです。この攻略記事シリーズでは様々な大会で実績を残した名プレイヤーたちが思い入れのあるカード1枚を語ります。対象は初級者から中級者であり、カードのもう一歩先の使い方を身につけるにはうってつけと言えるでしょう。分量も少なめなので気楽に読めます。
         
         前回より著者の決め方を新しいルールで進め始めました。これまでの(『新幕』の)大規模イベントで5勝0敗を達成し、決勝トーナメントへと残ったプレイヤーの中から無作為に選択するのです。そして全員に依頼し終えたら4勝1敗のプレイヤーへと移ります。
         
         それでは、今回の著者を紹介いたしましょう!

         


        著者紹介:きくしょー
        シーズン1大規模大会ベスト4。ユリナ、そしてパワフルなビートダウンを得意とする関西地方の強豪。


         

        想い一枚ここにあり
        第12回:気炎万丈

        著:きくしょー

         

         

        はじめに

         

        皆さん初めまして、きくしょーと申します。思い入れのあるカードについてとのことですので、今回は幾度となく窮地を救ってくれたこのカード、気炎万丈について紹介していきます!

         

         

        気炎万丈というカードが持つ性質について

         

        まず一つ知っておいて欲しいことは、気炎万丈は非常に不安定なカードであるということです。その理由は3つあります。まず一つが《全力》《付与》というカードタイプです。このタイプを持つカードはダストが存在しないとオーラから納を乗せる必要があるため、使用できるタイミングが限られます。

         

        そして二つ目の理由が効果の発動条件が決死であることです。というのも、決死であるということは、相手の攻撃で倒しきられてしまう状態に近いからです。この状態で全力札の使用を行うことが危険な行為であることは言うまでもありません。

         

        最後に三つ目の理由が、効果が使える自分のターンが1ターンだけということです。その1ターンの引きが、気炎万丈の効果が発揮できるカードかどうかによって、勝ち負けが左右されてしまうため、効果を安定させるには工夫が必要です。

         

        このように気炎万丈は、不安定なカードではあります。しかしながら、綺麗に決まれば効果がとても大きいため、普通に決闘を進めても敗北してしまう相手に使うことで、細い筋の勝ちを拾いに行くことの出来る“底力”を持つユリナに相応しい一枚ではないかと思っています。

         

         

        相性のいいメガミ

         

        さて、前述のような不安定さを乗り越えて初めて恩恵を受けられる、気炎万丈の効果はどういったものだったでしょうか。カードには、【展開中】決死-あなたのライフが3以下ならば、あなたの他のメガミによる《攻撃》は+1/+1になるとともに超克を得る、とあります。 そう、他のメガミによる《攻撃》という部分があるために、

         

        他のメガミの《攻撃》カードを多めに採用しなければ機能せず、まともな攻撃札を持たないメガミでは、気炎万丈を使用することによるリターンが見込めないのです。では、気炎万丈と相性が良いとされるメガミはどのような性質を持つのでしょうか。気炎万丈の効果は他のメガミの《攻撃》であれば4/5であろうが1/1であろうが+1/+1してくれます。なので4/5を一回打てるだけのメガミより、1/1を4回打てるメガミの方が、総合打点が増えるため気炎万丈との相性が良いです。ここでは、そのような性質を持ち合わせている、気炎万丈と相性が良いメガミ2柱との構築を紹介します。

         

        ユリナ/サイネ

        斬、一閃、柄打ち、気炎万丈、薙切り、八方振り、石突//律動弧戟、音無砕氷、氷雨細雨の果ての果て

         

        ダストが無い状態であっても、気炎万丈をしやすい構築になっています。八相状態の石突、ライフ一点分軽減できる音無砕氷がある上に、氷雨細雨の果ての果てというカードが超克と+1/+1を得て6/6と化しているため、攻撃切札の使用を許しません。そうして守り切った後は、2/2 2/2 3/3という暴力装置と化した律動弧戟が圧殺してくれます。

         

        ユリナ/サリヤ

        斬、一閃、柄打ち、気炎万丈、Waving Edge、Burning Steam、Turbo Switch //Julia’s BlackBox、Omega-Burst、Alpha-Edge

         

        引きに左右されることがほぼ無い気炎万丈を実現できる構成です。序盤にAlpha-EdgeとWaving Edge&Burning Steam で燃焼とダスト供給を達成した後に、Julia’s BlackBoxでForm:YAKUSHAに変形します。そうすることで気炎万丈を使用した後のカードの引きに依存せず、2/2と化したAlpha-Edge と3/2と化したBeta-Edgeの嵐が対戦相手を襲います。気炎万丈使用後の守りも盤石で、Turbo-SwitchとOmega-Burstの二枚があれば相当堅い守りであることは皆さんご存知の通りです。(使わなかったTurbo-SwitchもBeta-Edgeの弾に出来るので安心して構えられます。)

         

         

        最後に

         

        何度も述べている通り、気炎万丈は不安定なカードで、使用するためにはいくつも条件をクリアしなければなりません。しかしながら、そのために試合の流れを読み切

         

        り、使用できるターンを作り、1ターン守り切り、圧倒的な攻撃力で相手を倒すという流れを実行出来た時には、とてもうまぶることが出来て楽しい1枚です。きつい対面に当たった時に思い出してみてください。

         

         

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        デジタルゲームを含めた今後の展望

        2019.09.15 Sunday

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           こんにちは、BakaFireです。時は流れてもはや9月も半分が過ぎ、シーズン4を締めくくる大規模イベントもまた一週間後へと迫りました。9月22日に北海道は札幌にて開催され、北海道における大規模イベントとしては最大のものとなります。近くにお住いの方にとっては全国のプレイヤーと触れ合う最高のチャンスです。ぜひともお越しいただければ嬉しい限りです。
           
           他地方の方々はさすがに今から旅行の計画を立てるのは厳しいかもしれませんが、北海道観光のついでにいかがでしょうか。もし予定が空いておりましたら、ご一考いただけると嬉しい限りです。

           

           予約はこちらのイベントページより承っております。皆様のご参加、心よりお待ちしております。

           


           大規模イベントの話題はこのくらいにして、本題へと移りましょう。本作全体を見るならば、9月に予定されているのは大規模イベントだけではありません。9月には有限会社センキ様より本作のデジタルゲーム版がリリースされる予定となっています。
           
           幾度かお伝えした通り、誠に申し訳ないながら本作のデジタルゲーム版は延期が繰り返されてしまっております。そしてその原因は主にプログラムの部分にあるため、もはや私どもBakaFire Partyの努力による改善は不可能でした。ゆえに私としてももどかしく、苦しい思いを続けておりました。

           

           しかしながら9月になり、デジタルゲーム版においてもいくばくかの光明が見えてまいりました。それは全てにおいて望ましい最善ではございませんが、これまでと比べれば明確に良い報告です。
           
           そこでこちらの記事では私が聞いたそれらの報告を皆様にもお伝えします。そしてそれを踏まえた本作の今後、アナログゲーム版とデジタルゲーム版の双方を含めた計画をお話ししたいと思います。ある意味では範囲を小さくした「今後の展望」シリーズと呼べるかもしれません(ゆえに今日の内容は10月に書く次の「今後の展望」でも繰り返されることでしょう)。

           


          デジタルゲーム版のスケジュール

           

           展望などを述べる以前の話として、まずはスケジュールをはっきりお伝えします。

           

           デジタルゲーム版は9月中に遊べるようになります。しかしながら、正式な意味でのリリースとしては再び小さな延期が行われます。申し訳ございませんが、ご容赦いただければ幸いです。どのような話であるか正確に説明しましょう。
           
           9月27日(金)より、デジタルゲーム版のオープンベータが開始となる予定です。オープンであるため参加に制限はありません。Android端末にて自由にダウンロードし、自由に対戦できます。内容は私からは正確にお伝えできませんが、元来のリリース初期の状態から、課金して入手できる類のものを除いた状態となる見込みです。
           
           そして10月下旬より正式なリリースが行われ、さらに11月にアップデートと共に本格的な稼働が開始していきます。
           
           ある意味ではさらなる延期となってしまった点につきまして、私の立場よりこの場にて改めてお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。
           
           これらの内容はBakaFire Partyとしての、ブログを利用した先行発表となります。正式な発表は近日中にデジタルゲーム版の公式サイトにて行われますので、そちらをご覧いただければ幸いです。
           
           
          デジタルゲーム版の指針

           

           これを踏まえて私と有限会社センキ様との相談のもとで定めた、デジタルゲーム版の第一の指針もお伝えいたします。それは今の時点で本作を遊んでくださっているプレイヤーを第一に考え、大事にしていくというものです。
           
           より具体的に申し上げるならば、短期でのサービス終了だけは避けるように、細く長い運用を行っていく指針を定めました。本作を遊んでいる方々がデジタルの場で遊び続けていられることこそが最も重要なのです。例えば9月の時点で様々なwebサイトにおける大規模な広告などは行いません。これらの広告は効果も期待できますが、失敗した際には大きな予算の損失となり、結果としてサービスが維持できなくなる可能性をはらんでいます。
           
           広告面では11月に本格的に稼働してから、適切なバランスで行っていきます。その中には皆様が想像されるようなコストの大きな広告も含まれるかもしれません。しかしながらその根底には「細く長いサービスの運営」を第一に置くよう常に心掛けてまいります。
           
           そしてその立場を踏まえた、デジタルゲーム版だけでなくアナログゲーム版も含んだ計画もひとつございます。今遊んでいる皆様を大事にするのは当然ですが、新たなプレイヤーが参加しないゲームもまた未来はありません。その面での改善にもつなぐべく、最後にそちらについてお伝えしましょう。
           
           
          wikiに近しいユーザーポータルの充実化

           

           これは本作の今において、アナログゲーム版も含んだ問題を解決するための計画です。
           
           本作は今の時点で16柱のメガミと、10柱のアナザー版メガミが存在しており、過去の姿と比べて明らかに複雑化を続けています。それを踏まえ、今の本作が初心者や、まだ遊んだことのないプレイヤーに対して少しばかり親切でないというフィードバックも届きつつあります。
           
           それを受け、私どもは様々な情報を集約したユーザーポータルサイトの開発へと乗り出すことにしました。今の時点で最も近いものは非公式のwikiであるため、すでにwikiを運営している方々との協力を取り付け、計画を進めております。
           
           私は元来、始めたばかりのプレイヤーに「こうすると有利である」というような攻略を(公式から)提示するあり方を好ましいと考えていません。それは始めたばかりのプレイヤーの楽しい時間を奪う可能性があり、またそれらはプレイヤー同士の交流を通して掘り下げられていくのが望ましいためです。
           
           しかし本作におけるメガミの選択肢が膨大になり複雑化を続けている点や、デジタルゲーム版が始まっていくことでさらなる多様性を持ったプレイヤーが参入していく点を加味すると、作品のあるべき段階は変わったと判断しました。これからは慣れていないプレイヤーがより充実した情報に触れられるようにし、初期の段階でこれまでより高い次元での戦略を把握できるようにするべきなのです。
           
           この計画を通し、改善したい点は3つあります。お伝えしましょう。
           
           第一には純粋な情報量です。カードやメガミの組み合わせの解説を充実させることにより、新たなプレイヤーが使いたいメガミを見出した時に安心して宿せるようにします。

           

           第二にブログへの導線です。このブログでは様々な記事を掲載し、その中には攻略記事も含まれています。しかし本作を初めて知った方が最初に触れる情報が公式サイトであるとは限りません。情報のまとまったポータルサイトからリンクを張ることで、初心者に向けた内容へと初心者を誘導しやすくするのです。
           
           第三に皆様、既に遊んでいるプレイヤーの間での情報交換の活発化です。皆様がご自身のブログなどを活用し、すばらしい攻略記事を書かれていることを私どもは把握しています。しかしそれらは残念なことに初心者から初級者の方々に届いているとは限りません。本作に特に熱心に遊んでいる方々を除いた大半のプレイヤーにとって、皆様個人のブログまで調べるのは難しいのです。ゆえに長期的にはポータルサイトからファン活動としての攻略にまでリンクできるようにして、より幅広い情報へとアクセスできるようにしたいと考えています。
           
           
           本日はここまでとなります。デジタルゲーム版のベータテスト、そしてポータルサイトに向けた計画をお楽しみいただければ嬉しい限りです。次回の更新は大規模イベントも終わった27日。10月に計画している新たな試みについてお伝えいたします。

          『八葉鏡の徒桜』エピソード2−2:Social Circle

          2019.09.15 Sunday

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             一日の始まりには日が昇り、一日の終わりに沈んでいく。それは桜降る代もこの異国ファラ・ファルードも変わらない。
             けれど、日暮れと共に訪れるはずの宵闇は、今この広間では無縁であった。

             

            『それでは失礼します』

             

             案内してもらった女中に礼を言うことも忘れ、ユキヒは目の前に広がる綺羅びやかな光景に胸を躍らせていた。

             端から端まで人の顔が定かではなくなるほどの広大な室内は、高い天井から提げられた、光を乱反射させる宝石のような明かりに隈なく照らされていた。外の庭でわだかまっているはずの夕焼けは、緞帳の如き豪奢な窓掛けによって遮られている。壁に飾られたいくつもの絵画はどれも色鮮やかだったが、この場に集まった者たちはさらに華々しかった。
             花瓶に生けられた花よりもなお着飾った者たちは、めいめい硝子の酒器を片手に、あるいは机に供された料理を摘みながら歓談に勤しんでいる。贅沢なことに、隅に控えた楽師たちの奏でる優雅な音楽さえも、あちこちで咲く談笑の背景にしかなっていなかった。

             

             ヴィルドニールに誘われた、彼の屋敷での社交パーティー。その規模の大きさと華美な空間に、お座敷で宴会する場面を想像していたユキヒは目を輝かせるしかない。

             

            「すごいわねえ……お部屋全部が芸術品みたい」

             

             送り出された二階部分から、ハイヒールの踵を絨毯に埋めながら階段を下る。彼女の装いもまたこの国のドレスに合わせて誂えられたものであり、普段の着物の淑やかさを残しつつも脚回りを花開かせるような、絢爛さを取り入れた意匠となっている。
             ただ、会場の中では中々に特徴的な衣装のようで、降り立つユキヒへと視線が集まる。

             と、そこで、

             

            『もしや、あれがメガミ様か……?』

             

             誰から放たれたかも判然としない呟きだったが、それを皮切りに近くの参加者たちが一斉に目の色を変えた。
             にっこりと肯定の笑みと共に手を振れば、後に続くのは熱烈な歓迎である。

             

            『おぉ、彼の地の神はどうしてこうも美しくあらせられるのでしょう……!』
            『素敵なお召し物……あちらの方々は、皆メガミ様のような装いでいらっしゃるのでしょうか?』
            『失礼、拝謁の誉れを賜りし感謝を述べたいのですが……』
            『お初にお目にかかりますメガミ様。まずは当家自慢の一杯、いかがでしょう?』

             

             野蛮に争うことはしないものの、僅かな言葉の隙を見つけてユキヒに話しかけてくる一同。招待客は皆貴族であるようなので、振る舞いこそ礼節を保っているが、言葉に出さない圧によって順々に下がらされたりしており、水面下の争いが透けてしまうようだ。彼らの背後にそれぞれ控える者たちのせいで、戦のにらみ合いのようですらある。

             

            『え、ええと……はじめまして。私がユキヒです。メガミ、です』
            『おおっ、ユキヒ様!』

             

             名乗るだけで湧く聴衆に、さしものユキヒもたじろいでしまう。
             彼女としては、こういった社交の場に招かれたからには、できるだけ多くの人々と言葉を交わしたかった。貴族からは貴族の、民草からは民草の話が聞けるために、ユキヒの中で貴賤こそないが、高位の立場の者と話せる機会は実際稀有である。
             しかし、いくらメガミとはいえ、一度に十人以上と会話できるような力はない。言葉の聞き取りだって一瞬で限界を超えて耳から抜けていくし、嬉しい悲鳴というにも過剰な人数を前に少し目がまわりそうだった。

             

            『ちょっと待ってね』

             

             

             故に彼女は、やむなく相手を選別するために、その権能を呼び起こした。
             今目の当たりにしている光景が影に覆われ、時が止まったように速度を失っていく。そうした後に現れるのは、人々へと紡がれる膨大な縁の糸――ユキヒにしか見えない、人と人との繋がりの証が無数に広がっていく様である。
             その糸の質や形は、毛糸のようなものから縄のようなものまで様々だ。彼女はその一本一本を丁寧に紐解いていき、結ばれている縁を、結ばれゆく縁を検分していく。

             

             人を通じて世界を裏側から覗くような視界を得ながらも、これでもユキヒは僅かばかりやりにくさを覚えていた。桜降る代から遠く離れているためか、力が少し詰まるような使いにくさを覚えていた。
             だが、そんな小石を踏むような些細な違和感は妨げにもならない。この場で最も最も太く、それでいてしなやかそうな杜若色の絹糸を選び取るのに苦労はなかった。

             

             ユキヒが選んだのは、葡萄酒の注がれた酒器を差し出してきた男である。彼はユキヒが名乗った際、反応を示さなかった者の一人であった。
             焦点を縁の糸から外した彼女は、その酒を受け取ると、

             

            『ありがとう。……あら、いいお味ですね』
            『お気に召したようで何よりでございます』

             

             彼は大仰に礼の動きを作ると、自らも酒器を小さく掲げてから赤紫の液体を口に含んだ。ぴょこんと跳ねた口髭が印象的な壮年の男で、整った指先ながら、右手の中指だけは擦れて腫れたようになっていた。
             と、二人の間に生まれた会話の気配に、ユキヒを囲っていた他の者たちが潮のように引いていく。そのほとんどは上辺、何事もなかったかのように談話に戻っていったが、中には明確に肩を落とす貴族もいる。その背中は、半ば納得を示す落胆を物語っているようだった。
             一方、選ばれた彼はといえば、訝しる顔の裏に驚きを隠しながら問う。

             

            『我々貴族について、お詳しいので?』
            『えっ?』
            『いえ、お相手していただけるなど光栄の限り。しかし、自分で言うことも憚られますが、こうもずばりとご指名なされるとは。――申し遅れました。私は五大貴族に連なるアルトリッド家当主、ロナルド・ラストラ・アルトリッドと申します』

             

             重ねて頭を垂れる所作もどこか飄々としており、口にした立場の重みを感じさせない。背後に控えている者たちの数の多さだけがその証となっている。
             そんな彼への答えは一つだ。

             

            『不勉強でごめんなさい、知りませんでした。ですが、良い縁を、感じましたので』
            『――ほぉ……』

             

             確信を持ったその理由は、人と人の間であれば単なるお世辞と受け取られるものだ。けれどアルトリッドの浮かべた笑みは、広がる交友にただ喜ぶものではなく、超常を為した者に対する湧き上がる興奮や畏れが滲み出ていた。

             

            『こちらとしても、良い関係を築けることを祈っております』
            『それは嬉しいわ。この国のこと、たくさん知るために来ました。色んなものが新鮮で、とても面白いです!』

             

             ユキヒとて、メガミとしての己の立場を理解している。それこそ、繋がりを持とうと集られるくらい仕方ないと思えてしまうほどには。
             ただ、彼女はそれを否定しない。明らかに黒ずんだ糸で結ばれている者はさておき、縁とは互いがあって初めて生まれるものなのだから、異国への好奇心を満たすためであればこれくらい安いものだった。

             

            『ははは、自分に答えられることなら何でもお答えしましょう。ただ……この国の法に関してだけはおすすめしません。何しろ我がラストラは法を司る秩序の徒なものですから、この一晩だけでは到底時間が足りないでしょう』
            『まあまあ、それはとっても怖いわね』

             

             くすくす、と。微笑むユキヒに、アルトリッドも、後ろの参加者も笑いを零す。
             異国の地での社交は、軽やかな出だしを迎えていた。

             

             

             

             


            『ご歓談中、失礼!』

             

             会場に響き渡る声をユキヒが耳にしたのは、五人目の貴族を相手にしている最中だった。

             

            『何かしら?』
            『おや、ヴィルドニール卿がおいでになったようですが……』

             

             今まで話していた貴族に釣られ、彼の視線の先を追う。言葉尻に滲ませた疑問の意味は、すぐに明らかとなった。
             昼間会ったときよりさらに豪奢な装いに身を包んでいたヴィルドニールが、ユキヒがこの会場に至るまでに降りてきた階段の中二階で、肩を張ってその鷲鼻を鳴らしていた。その隣ではテルメレオが愛想のよい表情を張り付けており、概ね数刻前の再現といった様子だった。

             

             彼ら二人の後ろに立ったサリヤもまた、その再現に拍車をかけていた。彼女はユキヒの見慣れた鎧姿ではなく、しっかりと糊の利いていそうな服に袖を通していた。
             だが、ユキヒにはどうも、サリヤがこの屋敷に来る前に別れたときとは異なる雰囲気を纏っているように感じられてならなかった。

             

            『これより当家主人、アーギュメンテ・ヴェラシヤ・ヴィルドニールより大きな発表がございます。皆様、何卒ご清聴いただきますようお願いします!』

             

             使用人と思しき男の声によって思索が留められる。
             しん、と衣擦れだけが場に響くようになった頃、ヴィルドニールが一歩前へ出た。
             そして咳払い一つしてから、静かに、けれどこの広間に響く重厚な声で言葉を紡ぎ始める。

             

            『我らヴェラシヤの管理するコールブロッサムの一つが、急速に成長したことについて、皆も既に聞き及んでいるかと思う。供給を減らして申し訳なかったが、その理由と今後について、今日ここに皆へ知らせる場を設けさせて頂いた』

             

             ユキヒの首が僅かに傾げられる。
             けれど彼女は、ヴィルドニールが次に告げた『理由』に、さらに眉を顰めることになる。

             

            『ここにいるサリヤ・ソルアリア・ラーナークこそがその理由だ。我らファラ・ファルードの民にして、ヴェラシヤ・クラーヴォに仕えるソルアリアの盾……彼女が、かの桜降る代における神・メガミとなったためである』
            『……!』

             

             もたらされたその『真相』に、参加者の間にどよめきが走る。
             彼は聴衆が静まるのも待たず、いっそ歓喜を示すかのように先を続けた。

             

            『コールブロッサムとは、元々彼の地におわす神々――八ツ空の神々とはまた異なる神の恩寵によるものだ。だが! この地の民、すなわちサリヤがその一柱として列せられたことにより、その恩寵はこの地へと広がったのだ! 満開の結晶は、その証である!』

             

             それは、祝いの言葉だった。自分たちを言祝ぐ宣言だった。
             ざわめきのついでと、飛び出た質問にも、彼は鷹揚に答えてみせる。

             

            『で、ではあのコールブロッサムは――』
            『あぁ、そうだ。あれこそが神々に恩寵に満たされし、真なるコールブロッサムの姿。我々は、神の恩寵に与ることを許されたのだ!』

             

             歓喜は伝染する。ヴィルドニールの言葉が正しいということは、この国の教えを司るテルメレオが同意している事実が、そして何より、当の神本人の存在が証明していた。いくつもの視線がサリヤへと向けられる。
             テルメレオがサリヤへ促すように前を示すと、一歩を踏んで、ヴィルドニールの隣に立つ。その険しい顔つきに、会場は再び静寂を取り戻していく。

             

             手を掲げるその姿は、宣誓の前触れ。
             故にサリヤは、メガミとして、ファラ・ファルードの民へと御言葉を届ける。

             

            『桜降る代のメガミとして、そしてヴェラシヤに仕える者として、この恩寵を皆さんに届けられたこと、大変嬉しく思います。ファラ・ファルードにさらなる輝きがあらんことを』

             

             ヴィルドニールとは対照的に、それは祝言でありながら、サリヤの表情は口の動きに紛れてしまうほど微かにはにかむのみであった。
             それきり下がった彼女に代わり、ヴィルドニールはさらに仔細を述べていく。

             

            『大変有り難いことに、彼女はかのコールブロッサムを守護する者としてこの地に在り続け、我らヴェラシヤ・ヴィルドニールにその恩寵を与えてくださることになった。そして、ヴェラシヤの守護神として我々の安寧と発展を末永く見守ってくれるそうだ』

             

             従って、と彼は結論を齎した。

             

            『メガミ・サリヤの名の下に、かのコールブロッサムは当家の管理下に置くこととする。近いうちに、皆へ恩寵を届けることになるだろう』

             

             それから二、三細かい話を終えたヴィルドニールは発表を締めくくり、パーティーの再開を宣言してから二階へと去っていった。テルメレオもサリヤもそれに続く形で後を追う。
             発表の衝撃は、この地の貴族たちを大いに揺るがせたようだった。歓談は打って変わって、小難しい顔で話し込んだり、喧々諤々に論を交わし始める貴族たちの騒々しさに覆い尽くされる。降って湧いた恩恵に感嘆する者もまだまだ多い。

             

             しかし、広い会場に嘘のようにぽつんと一人になったユキヒは、その誰とも違う疑念を抱いていた。
             彼女は、告げられた決定と真実の間に横たわる事実を知っている。

             

            「どういうこと……?」

             

             ヴィルドニールが口にしたコールブロッサム巨大化の理由は、明らかに嘘だった。そんな事例を知らない以前に、メガミとしてサリヤを見てきた経緯からもそう断言できるし、そもそも昼に案内された段階で原因を訊ねられたばかりだ。彼の言動はどう考えても矛盾している。
             そういう意味では追認したサリヤも矛盾を抱えているものの、そうするだけの理由が存在しているであろうことを、ユキヒははっきりと『視て』しまっていた。

             

             何かを押し殺しているようだったサリヤに紡がれた縁。
             それは、獲物を絡め取って離さない蜘蛛の巣のような、どこか恐ろしげな粘着質の白糸だったのだ。

             

            「サリヤ……」

             

             猛烈に募っていく心配に、サリヤが去っていった場所へ憂いの視線を送る。
             発表の話題でもちきりの会場では、もう何食わぬ顔で歓談することなんてできそうになかった。
             サリヤは別れ際言っていたのだ。「パーティーで会いましょう」と。

             

            『あの、ユキヒさ――』
            「ごめんなさい、また後でねっ!」

             

             居ても立っても居られなくなったユキヒは、声をかけてきた参加者に断りを入れて、人をかき分けるようにして会場を突き進む。まだ慣れない装いではあるが、衝動のままにサリヤを追っていく分には問題ない。むしろ着物より脚を動かしやすいくらいだ。
             そのまま二階まで駆け上がり、控室のある一帯に差し掛かる。ここから二手に別れているうち、片一方はユキヒが貸された部屋のある屋敷の中心へと向かう廊下になる。彼女を導く縁は、さらに屋敷の奥へと繋がるもう一方を微かに示していた。

             

             赤絨毯を辿るように廊下を進んでいくと、右の曲がり角のその先に人の気配を感じる。
             事態の不穏さから、ちら、と覗けば、胸元を板金で護った男が二人、三つ角で道を塞いでいた。ユキヒのいるところからすると、左手に曲がる方向を堰き止めている形だ。抜剣こそしていないが、骨董も飾られているような廊下では、佩いているだけで物々しい。

             

            「あの先、かしらね」

             

             右手側は元来た場所へ戻る方向だ。サリヤがいるのは、騎士たちの守る廊下の奥に違いなかった。
             ただ、二人の騎士は帯びた使命に忠実らしく、離れたユキヒにも伝わってくるような強い警戒心が、その精悍な顔だちから窺える。たとえ彼女が正面からお願いしたとしても梨の礫になるのが目に見えているような、逆に言えばそうまでして守らなければならないものを背にしているような頑なさである。

             

             どうしたものかと思案するユキヒ。
             そこへふと、意識をそばだてる音が――

             

            (ねえ……ねえ……)

             

             それは、脳の芯から染み出してくる、泡影のような呼びかけ。朝靄の奥に幻視する神秘などではなく、夜陰から手招きをするような不吉さを拭いきれない。

             

            (ここはアタシに任せなさい)

             

             声質はユキヒそのものにして、どこか甘く、それでいて澱んだような声色。
             その誘いの主に姿はない。この場に存在するのはユキヒというメガミただ一柱。

             

            「そう……?」
            (そうよ。こんなときこそ、でしょう?)

             

             彼女たちの間でだけ成立する会話を、誰も聞くことは能わない。
             やや訝しげなユキヒは、不承不承といった様子で髪を結い留めていた簪を抜き払った。解かれた長い黒髪が頭の動きに合わせ、はらり、はらりと彼女を覆い隠す。
             そして前に垂れた髪を後ろへと掻き上げた後には、柔和だった今までの雰囲気が塗りつぶされたように、その瞳を別人のように暗澹と曇らせていた。
             にたりと、口元だけを嗤わせて、騎士に聞こえないよう彼女は呟く。

             

            「影に咲く、死と暗殺の象徴が輝くのは」

             

             

             

             

             


             警戒とは、緊張の糸という弦で矢を番えるようなものだ。そこに重責や敵の接近もあれば、弦はさらに張り詰めていく。
             だが、如何に敵を前にしていようとも、常に弦を引き絞り続けることはできない。緊張を支えるための集中はいつか尽き、あるいは限界を超えて緊張の糸が切れてしまう。居るかどうかも分からない相手に鏃を向け続けようものならなおさらだ。

             

            『くぅ……』

             

             通路を守り続けていた二人の騎士にも、その瞬間は訪れた。気疲れにも堪らなくなったか、装具同士が擦れ合う音を立てながら伸びをする。
             ユキヒが求めていたのは、その僅かな気の緩みであった。

             

            「ッ――」

             

             吐きかけていた息を止め、隙を逃さぬように角から踏み出す。床を踏み鳴らすような踵の靴にもかかわらず、彼女は足音一つ立てることはない。そのまま一息に騎士たちのいる側の壁際へと肉薄すると、伸びをする騎士自身の腕で生まれた極小の死角を遡るように走り込む。
             低い姿勢を保ったまま瞬く間に至近を叶えるユキヒは、あと三歩というところで彼女から見て奥の騎士に接近を気づかれた。

             

            『お、おい!』

             

             ただ、慌てて意識を向けただけで、強襲に頭が追いついていないのか、ろくに警告の言葉も作れていない。制止を訴えようとする片手が宙で遊んでいる中、もう一方の手が剣の鞘を押さえているのは訓練の賜物か否か。
             しかしユキヒは、彼らに対応することも許さない。

             

            「ふふふっ……!」

             

             彼女の装いが、駆ける速さに負けたかのようにはだけられた。露わになる胸元が艶かしく、手を伸ばせば触れられそうなところへ現れた生肌は男を蠱惑する。
             けれど、妖艶さを振りまく主が湛えるのは、獲物を前した凄絶な笑み。

             

            「――!」

             

             突如として現れたそんな女に、騎士たちの動きが固まった。
             その間に最後の距離を詰めたユキヒは、ぬるりと纏わりつくように彼らの背後に回ると、後ろ手に隠していた肘まであろうかという長さの簪を構える。
             その磨かれた切っ先は迷いなく、奥にいた騎士の首筋へと吸い込まれていく。

             

            『が、っ……!』

             

             打ち込まれた簪が抜き去られ、一人目が膝から崩れ落ちる。

             

            『貴さ――っ!?』

             

             起きた出来事を理解したもう一人の騎士が動きを作る前に、振り回されたユキヒの黒髪が彼の視界を遮った。
             そして反転を成したユキヒが狼狽える彼へと抱きつくように接近すれば、のけぞって無防備となった首筋に簪を突き立てることはあまりに容易い。本能のままに簪を引き抜こうとするも、その手が届く前に騎士は力を失った。
             どさり、と動かなくなった男を放り出して積み重ねる。

             

            (ちょっと、やりすぎよ)
            「ふふ、安心して。殺しちゃいないわ」

             

             頭の中で咎めてくる声に、ついた微量の血を払いながら答える。簪を外す前とは逆転した立場は、まるで柔和だったユキヒが甘言に騙されたようでもあったが、今は姿の見えない彼女の意思がそれ以上追求することはなかった。

             

             それからユキヒは、開かれた道をさらに奥へ。屋敷の複雑さは二つの意思が共にあっても地図を描くのに苦労するほどではあったが、僅かにではあるかはっきりとしていく縁の糸を頼りに進んでいく。
             警備の騎士は倒した二人のみならず邸内を守っていたが、ユキヒの簪が再び閃くことはなかった。衣擦れすらも聞こえてこないような無音の行軍は誰の耳もそばだてることはなく、夜に落ちる影の中を渡るような歩みは誰の目にも留まることはない。

             

             彼女の足が止まったのは、扉が小指の先ほど開かれたままになっている部屋の前だった。尋ね人へ繋がっているはずの糸が、その先に続いている。
             ただ、決め手となったのは、結ばれた縁ではなかった。

             

            「これからどうなるんだ、一体……」

             

             重く沈んだ男の声。この旅ではもう聞き慣れた、佐伯のものだった。
             ユキヒは廊下に他の気配がないことを確認してから、扉の隙間から部屋を覗き込む。内装自体はユキヒにも用意された控室と似ており、鏡台の前では佐伯が小椅子に座って頭を抱えており、鏡には傍らに立っているであろうサリヤの姿が映っていた。
             二人の表情は共に沈痛なそれであり、苦々しさは隠しようもない。一人では抱えるのに辛すぎる不本意な事態に歯噛みしているようだった。

             

            (ああっ、やっぱり何かあるんだわ! 早く聞いてあげましょうよ!)

             

             パーティー会場で抱いた疑念を裏付けるような光景に、脳裏の声が身体を急かす。
             だが、主導権を持つ意思は、それに待ったをかけた。

             

            (ここで騒ぎが起きようものなら、ただでさえ分からない情勢がもっと狂ってしまうかもしれないわ)
            (でも……)
            (本当にアタシたちが必要になったら出ていきましょう? こうしてお話も聞けることだし、サリヤがどう思っているか知るには悪くないと思わない?)

             

             諭す意思に、反論はなかった。
             己の中で方針を定めたユキヒは、いっそう気配を押し殺し、室内の会話に集中する。

             

            「私だってあんなこと……でも……」
            「分かっているとも。誤算だったのは、ヴィルドニールがここまで業突く張りだったことだ。よもや君と神座桜を、ただ地位を盤石にするためだけにここまで利用するとは」

             

             重苦しい溜息が落ちる。
             サリヤはそれに、頭痛の種はまだあると言わんばかりにこめかみを押さえた。

             

            「厄介なのはテルメレオ猊下のほうよ。猊下ほどの方になれば教典を書き換えることだってできる。もちろん、既にいらっしゃる神々のことを変えるわけにはいかないだろうけど……」
            「新しい神なら都合のいいように、ということか」
            「召集に猊下のお名前があったのは気になっていたけど、最初から結託していたのね……」

             

             居たたまれずに帽子をいじるサリヤに、佐伯は悪い事実を見出してしまったかのように呻いた。

             

            「資源の独占に、自らが据えた神。そのような家に抗える者などいるのか……?」
            「いないでしょうね。きっと、遠くないうちに法をも変えられる。……私の赦しでもって、ね」

             

             自嘲するつもりだったのか、サリヤは口端を歪めたが、すぐに堪えきれなかったように色が変わるほど強く唇を噛む。
             佐伯はそんなサリヤへ縋るように、

             

            「君が桜降る代に帰ってしまえば……」

             

             だが、返されるのは否定だ。彼もまた、首を横に振られることが分かっていたようで、感情に任せた短絡さに失笑を漏らしていた。
             サリヤが吐露するのは、後悔すらうまく抱けないほどに厳しい苦境だ。

             

            「これは言うなら、この国の階級構造に基づく恫喝よ。ヴェラシヤはね、コールブロッサムの採取権を始め、多かれ少なかれヴィルドニール家に様々な権利を管理されているの。そんなところに私がノーと言えば、間違いなくクラーヴォ家へ圧力がかかるわ」
            「あぁ、そうだな。まだ見ぬ方々とて、嫁の家族を犠牲にすることなどできない……できるわけがない……」

             

             もちろん、と佐伯は継いだ。
             彼にも、鏡面にも背中を見せた、サリヤに向かって。

             

            「君もだ、サリヤ。クラーヴォに圧がかかれば、そこに付く君の家にだって累が及ぶ。そうだろう……?」
            「…………」

             

             雄弁に語る沈黙に、佐伯は再び深い溜息をついた。それきり、行き場を失った憤りと絶望が言葉に現れることはなかった。
             しかし、それが真なる孤独な絶望ではないと、彼らは未だ知らない。
             紡がれた縁のその先で、その心中を代弁する者たちがいる。

             

            (随分と舐めた真似してくれてるみたいじゃない……!)

             

             二人の失意を礎に生まれた怒りが、ユキヒの中に湧き上がる。
             それは、隠伏する温和な意思もまた同様だった。

             

            (ええ、こんなこと聞かされちゃったら、おちおち観光なんてしていられないわ)

             

             表裏の意思それぞれが、サリヤたちを代弁するように憤りを訴える。抑えきれない感情が、簪を握り締める手の力に表れていた。

             

            (あの曲がった鼻をへし折れるのは、どうやらアタシたちだけみたいだし――)
            (あんな悲しい顔をさせないように、なんとかしてあげましょう)

             

             そして一つの器に宿る彼女たちは、一つの意思を決する。
             ほつれゆく縁を、撚り直すために。

             

            ((お友達の危機ですもの……!))

             

             一陣の黒い風が吹いたかと思えば、そこにはもう、誰もいなかった。

             

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